ワークショップ
開催日 + 午前 / 午後 (A / P) + ワークショップ(W)+ (午後90枠1枠目S1/2枠目S2)+
-(ハイフン)+ 会場
(例)1AW-06:第 1 日目・午前・第 6 会場
(例)2PWS1-04:第 2 日目・午後90分枠1枠目・第 4 会場
※時間について:(午前)9:00-11:15、(午後 135分枠)15:45-18:00、
(午後90分枠1枠目)15:45-17:15、(午後90分枠2枠目)17:30-19:00
※講演言語について:E 英語 J 日本語 E/J 演者が選択
1AW-06 | 12月1日(水)09:00~11:15 |
GTPレジリエンス:可能性の生物学 GTP Resilience: the Potential of Life |
E/J |
オーガナイザー:廣田 佳久(芝浦工業大学)、河口 理紗(コールドスプリングハーバー研究所)
- ホメオスタシスを破綻させ、生きることを危うくするような地球環境の大きな変化や極限状態を経験しながら、生命は自らの姿すら変え、すべてに耐えるしなやかさ(レジリエンス)を示すことで“生命の可能性”を拡げてきた。本ワークショップでは、その理解のカギとなる細胞エネルギーの一つGTPに着目し、分野の壁を超えた最新の研究から、ホメオスタシスを越えた生命の可能性の原理について会場一体となり議論し、新たな生物学分野の開拓を目指したい。
1AW-07 | 12月1日(水)09:00~11:15 |
細胞外マトリックスから紐解く細胞動態・疾患生物学 Forefront of Cell Dynamics and Pathophysiology unraveling from “Matrix Biology" |
E/J |
オーガナイザー:中野 泰博(東京大学)、橋本 恵(お茶の水女子大学)
- 細胞外マトリックスは、細胞の分化・増殖・老化に深くかかわり、臓器や組織の発生・再生・恒常性維持において重要なはたらきを演じている。マトリックスの過剰産生によって引き起こされる臓器線維症は社会問題となりつつあり、マトリックス研究の重要性が再認識され始めている。本ワークショップでは、マトリックス研究の次世代を担う若手研究者を中心に、細胞の分化から臓器線維症に対する創薬開発に至るまで最先端の研究成果を紹介する。
1AW-08 | 12月1日(水)09:00~11:15 |
ゲノム構造と遺伝子発現の時空間ダイナミクス Temporal and spatial dynamics of genome organization and function |
E |
オーガナイザー:深谷 雄志(東京大学)、Yongdae Shin(Seoul National University)
- 近年のイメージング技術の飛躍的発展により、ゲノム構造や転写活性の時空間動態を1細胞レベルで定量的に可視化することが可能となってきた。細胞内における遺伝子発現の反応場が柔軟かつ動的に変化することで、様々な生命現象が緻密に制御されているという新たな概念が創出されつつある。本ワークショップでは、核内におけるゲノム構造や転写反応の動的制御基盤や、液-液相分離の機能に関する最新知見を紹介し、今後の展望について議論する。
1AW-09 | 12月1日(水)09:00~11:15 |
顔と頭の形作りのメカニズム解明の新展開 Frontiers in research on craniofacial morphogenesis in vertebrates |
E/J |
オーガナイザー:井関 祥子(東京医科歯科大学)、宿南 知佐(広島大学)
- 脊椎動物の頭蓋顎顔面の形態形成は、頭部神経堤細胞と中胚葉細胞の組織相互作用によって起きる複雑な過程であり、脳の保護および咀嚼嚥下や表情のための骨格、筋、腱が分化して配置され、ひいては個体のアイデンティティー確立とも深く関与している。本ワークショップでは、この複雑な形態形成の分子メカニズム解明のための最新の知見を取り上げる。
1AW-10 | 12月1日(水)09:00~11:15 |
「あなたのシグナル届いてる?」細胞のポテンシャルを決めるコンディショナル情報記憶システム Is your signal connected? The conditional information memory system determines cellular potential |
E/J |
オーガナイザー:服部 奈緒子(国立がん研究センター研究所)、小田 真由美(慶應義塾大学)
- 機能的細胞ではエピゲノムは外部からのシグナルおよび内的環境に呼応し、細胞の性質を選択的に記憶することで細胞のアイデンティティを保っている。この情報記憶システムの破綻は発生異常や疾患の原因となり得ることから、本ワークショップではエピジェネティック機構を介してどのシグナルがどのように細胞に記憶されるのか、またどのように細胞の形態や機能を変化させるのかについてフォーカスし、議論したい。
1AW-11 | 12月1日(水)09:00~11:15 |
ケミカルバイオロジーで遺伝子発現機構の核心にせまる Getting to the crux of gene expression mechanisms through chemical biology |
E |
オーガナイザー:甲斐田 大輔(富山大学)、網代 将彦(京都大学)
- 真核生物においては、転写、プロセシング、翻訳など、多階層の機構が互いに影響を及ぼしあいつつ正確な遺伝子発現を行っている。遺伝子発現機構に関しては既に多くの研究がなされてきたが、近年、低分子化合物を用いたケミカルバイオロジー研究から、従来の手法では得られなかった驚くべき発見が数多くなされている。本ワークショップでは、ケミカルバイオロジー研究から得られた遺伝子発現制御機構の新知見と、その異常が引き起こす疾患に対する治療法研究について議論したい。
1AW-12 | 12月1日(水)09:00~11:15 |
細胞スケールでの空間サイズの制御とその意味の理解 Construction of (sub)cellular-sized structures and the implications of the sizes for molecules' functions and dynamics |
E/J |
オーガナイザー:木村 暁(国立遺伝学研究所)、原 裕貴(山口大学)
- 細胞内で機能する分子は、細胞内小器官など特定の場所に局在して働く。それぞれの場所は「マイクロメートルスケールの空間内に閉じ込められている」という物理的制約を有している。しかしながら、空間サイズがその内部の分子に与える影響については不明な点が多い。また、ナノメートルスケールの分子によってマイクロメートルスケール構造物の大きさが制御される機構も明らかではない。本ワークショップでは、生細胞内での空間サイズに着目した研究、生体分子を用いた再構成系におけるサイズ制御や意義に迫る研究、理論的な研究など様々なアプローチを用いている研究者に登壇いただき、細胞スケールでの空間サイズの制御とその意味の理解に迫る。
1AW-13 | 12月1日(水)09:00~11:15 |
分岐鎖アミノ酸の新しい生命機能 New functions of blanched-chain amino acids |
J |
オーガナイザー:曽我 朋義(慶應義塾大学)、伊藤 貴浩(京都大学)
- ロイシン、イソロイシン、バリンといった分岐鎖アミノ酸が、がん細胞の増殖、がん幹細胞の未分化性の維持などに深く関与していることが明らかになってきた。また、褐色脂肪細胞で分岐鎖アミノ酸分解に欠陥があるマウスでは、肥満や耐糖能異常が惹起されることも詳らかになり、分岐鎖アミノ酸は、近年特に注目される生命分子の一つである。本ワークショップでは、分岐鎖アミノ酸に誘導された生命事象の分子メカニズムを発見者に紹介して頂き、議論したい。
1AW-14 | 12月1日(水)09:00~11:15 |
タンパク質会合の新展開 New frontier for protein assembly |
E/J |
オーガナイザー:齋尾 智英(徳島大学)、奥村 正樹(東北大学)
- 生体内のタンパク質の「状態」は、フォールディング、多量体形成、相分離、アミロイド線維形成など多彩であり、その状態制御が機能発現の鍵を握る例は多い。しかし、タンパク質の会合体・集合体としての分子挙動やその制御メカニズムについての統合的理解には至っていない。そこで本ワークショップでは、構造生物学、細胞生物学、生物物理学、有機化学といった異分野の若手研究者が中心となり、タンパク質会合の最前線について紹介し、議論する。
1AW-15 | 12月1日(水)09:00~11:15 |
治療標的となりうる翻訳制御の解析 Translational control is a potential therapeutic target to cure a variety of diseases |
E |
オーガナイザー:柳谷 朗子(沖縄科学技術大学院大学)、Tommy Alain(University of Ottawa)
- 蛋白質合成(翻訳制御)は我々の健康状態を決定する重要な分子機構である。蛋白質合成を適切に制御することで、栄養状態の変化やウイルス感染といった細胞内外の環境変化に対応して細胞は増殖や代謝を制御し、細胞の恒常性が維持される。蛋白質合成の破綻はがん、糖尿病、痴呆症、不妊症や免疫不全といった重篤な疾患を引き起こす。翻訳制御において翻訳開始因子の複合体形成や活性化が起こる翻訳開始が律速段階であり、この翻訳開始段階が様々な疾患に対する治療法の標的となりうる。本ワークショップは翻訳制御を標的とした治療法の開発について議論する。
1AW-18 | 12月1日(水)09:00~11:15 |
一次繊毛を「場」とした情報伝達とその疾患 Primary cilium-mediated signal transduction and its related disorders |
E/J |
オーガナイザー:宮本 達雄(広島大学)、加藤 洋平(京都大学)
- 一次繊毛には多様な受容体やチャネルが集積するため、シグナル伝達の「場」となっている。繊毛関連遺伝子の異常は、多発性嚢胞腎などのrareな繊毛病だけでなく、がんや肥満などのcommonな疾患においても重要な分子基盤であることが分かってきた。本ワークショップでは、機能ゲノミックスや超解像度イメージングなどの先端技術を駆使して得られた知見から、一次繊毛を「場」とした情報伝達の作動機序とその破綻による疾患の理解を試みる。
1PW-02 | 12月1日(水)15:45~18:00 |
「核とミトコンドリア研究」から視えてきた疾患病態の先端分子生物学 Advanced molecular biology of disease pathophysiology revealed by "nuclear and mitochondrial research" |
E/J |
オーガナイザー:田中 知明(千葉大学)、南野 徹(順天堂大学)
- ミトコンドリアは独自のゲノムを持ち、核ゲノムにコードされた特定の遺伝子をうまく利用しながら、細胞内小器官としての多彩な機能を発揮する。従って、転写や翻訳、エピゲノム制御機構の中心となる核内事象と相まって、それらの分子生物学的先端研究は、生老病死の病態を紐解く鍵となる。一方、寿命(lifespan)という観点からは、テロメア、DNA損傷、酸化ストレス、サーチュイン、栄養、代謝などの老化シグナルは共通して核とミトコンドリアに集約する。本ワークショップでは、「核とミトコンドリアの病態分子生物学研究」をテーマに、シングルセルや複合体解析・トランスオミクス解析など新たなアプローチを通じて、転写制御や代謝調節の視点から疾患病態との関わりを切り開いてきた先駆的研究を紹介する。核とミトコンドリアのシナジーから紐解く疾患病態分子生物学について、これから切り開かれゆく新たな可能性も含めて皆さんと議論を深めたい。
1PW-03 | 12月1日(水)15:45~18:00 |
エンハンスドバイオ Enhanced Biology |
E/J |
オーガナイザー:田中 洋介(東京大学)、門之園 哲哉(東京工業大学)
- 高齢化社会において加齢による細胞機能障害や疾患を克服し、温暖化していく地球や宇宙などの未知の環境に人類が適応し存続していくためには、“細胞機能さらには個体を拡張・強化(エンハンス)”する必要がある。そのためには、まず個々の細胞の機能をエンハンスするための知識と基盤技術が必要とされる。そこで、本ワークショップでは、技術のエンハンスという課題に特化し、これまでの生物学的常識を払拭する先端研究を紹介する。
1PW-04 | 12月1日(水)15:45~18:00 |
DNA複製ストレス寛容(トレランス)の功罪-ゲノム不安定性と細胞の適応 The merits and demerits of DNA replication stress tolerance: Genomic instability and cellular adaptation |
E/J |
オーガナイザー:塩谷 文章(国立がん研究センター研究所)、藤田 雅俊(九州大学)
- DNA複製ストレスはDNA複製フォークの進行を妨害する現象の総称であり、ゲノム異常の発生源となり様々な生命現象や疾患の要因となる。本ワークショップでは、内的・外的要因を起源とする一時的でないDNA複製ストレスやこれに伴うクロマチン動態に対するDNA複製適応/寛容メカニズムに焦点を当て、細胞運命を左右するゲノム不安定性やゲノム進化の分子基盤や意義について議論したい。
1PW-05 | 12月1日(水)15:45~18:00 |
プロテオミクスを駆使した精神・神経疾患の病態解明への挑戦 Proteomics-based studies to clarify the molecular pathomechanism in psychiatric and neurological disorders |
E/J |
オーガナイザー:山中 智行(新潟大学)、大西 哲生(東京医科歯科大学)
- 多くの神経変性疾患ではタンパク質凝集が主要な病態として観察され、プロテオミクスが発症機序の解明に大きく貢献してきた。一方、顕著な病態を示さない精神疾患においても、網羅的解析により、実はタンパク質レベルでは多様に変化していることが見いだされつつある。本ワークショップでは、定量的、リン酸化、イメージング質量分析など先進的なプロテオミクスを駆使した、精神・神経疾患の病態解明に迫る研究について紹介したい。
1PWS1-06 | 12月1日(水)15:45~17:15 |
αチューブリン脱チロシン化酵素Vasohibinファミリーの研究最前線 Cutting-edge research on α-tubulin detyrosinating enzyme, Vasohibin family |
J |
オーガナイザー:鈴木 康弘(東北大学)、古谷 裕(理化学研究所)
- αチューブリンC末端の脱チロシン化は微小管翻訳後修飾の一つであり、様々な細胞機能や病態に関係する。Vasohibinファミリーは、VASH1とVASH2の二つの遺伝子から構成され、細胞内でsmall VASH binding protein(SVBP)とヘテロダイマーを形成して脱チロシン化酵素として機能する。本ワークショップでは、Vasohibinに関する最新の研究成果を発表する。
1PWS2-06 | 12月1日(水)17:30~19:00 |
有性生殖をささえる膜ダイナミクス:機能と分子機構 Membrane dynamics in sexual reproduction: functions and molecular mechanisms |
J |
オーガナイザー:西川 周一(新潟大学)、丸山 大輔(横浜市立大学)
- 配偶子形成から受精、初期発生に至る有性生殖の過程では、細胞の膜構造が大きく変化する。オートファジーによる父性ミトコンドリアの排除や、助細胞-胚乳の細胞融合の発見など、細胞の膜動態が動植物の有性生殖で重要な役割をはたしていることが近年明らかにされつつある。本ワークショップでは、有性生殖過程をささえる細胞の膜ダイナミクスについて、その分子機構から高次機能まで、最新の研究成果を元に議論したい。
1PWS1-07 | 12月1日(水)15:45~17:15 |
合成生物学的アプローチで明らかになる生命進化の謎 Synthetic Biology Reveals Mysteries of Life Evolution |
J |
オーガナイザー:八木 創太(理化学研究所)、原田 真理子(筑波大学)
- 「生命はどのように誕生したのだろうか?」この問いは、生命科学さらには我々人類にとって究極の謎と言える。最古の生命は35-40億年前に誕生したと考えられているが、当時の化石情報は極めて限られており、初期生命の様子を伺うことは難しい。合成生物学的手法は、古代生命が持つ分子やシステムを実験的に再現することで、生命進化について新たな視座を与えてくれる。本ワークショップでは、最新の合成生物学的アプローチにより分かってきた生命進化について議論したい。
1PWS2-07 | 12月1日(水)17:30~19:00 |
液-液相分離の酵素連続反応に対する効果 Effect of liquid-liquid phase separation on sequential enzymatic reaction |
J |
オーガナイザー:美川 務(理化学研究所)、白木 賢太郎(筑波大学)
- 代謝系などの酵素連続反応を試験管で再現しようとしても効率よく進まない。一方、細胞内ではその連続反応は効率よく進んでいる。細胞は酵素にとっては広大であり、多くの混在物が存在する。それにも関わらず、生命はどのようにしてこれら反応を効率よく進めているのだろうか?本ワークショップでは近年様々な生命現象を効率よく進めることが分かってきた液-液相分離と酵素連続反応の関係に注目して議論を進めたい。
1PWS1-08 | 12月1日(水)15:45~17:15 |
革新的イメージング技術が解き明かす新しい血管機能 Innovative imaging technology uncovers novel vascular functions |
J |
オーガナイザー:木戸屋 浩康(福井大学)、坂上 倫久(愛媛大学)
- これまで当然とされてきた血管生物学領域の既成概念は、ゲノム編集や光遺伝学等の技術革新と生体内イメージングの融合によって見直され、まさに変革期を迎えている。その影響は血管形成を対象とする基礎生物学や発生学を越え、血管機能が関与する腫瘍学や循環器学にまで多岐に及んでいる。本ワークショップでは、多彩で巧妙なイメージング技術によるエキサイティングな視覚的情報から導かれた血管の新機能について議論を深めたい。
1PWS2-08 | 12月1日(水)17:30~19:00 |
進展する電子線イメージングの世界 Recent Advances in Electron Microscopic Imaging |
J |
オーガナイザー:谷田 以誠(順天堂大学)、甲賀 大輔(旭川医科大学)
- 電子線イメージングは大きな進展を見せつつある。オスミウム浸軟法とインレンズSEMはこれまでの超解像イメージングを変えた。またFIB-SEMにより、生体組織や細胞の超微形態3次元再構築が可能となった。超解像蛍光顕微鏡の発達に伴い、CLEMからより高精度のin-resin CLEMへと発展している。本ワークショップでは、電子線が織りなす超微形態イメージングついてのトピックスを集め、議論する。
1PWS1-09 | 12月1日(水)15:45~17:15 |
アプタマー研究の最前線 Aptamer research on the front line |
J |
オーガナイザー:坂本 泰一(千葉工業大学)、高橋 理貴(東京大学)
- 近年は、核酸医薬品が次々と承認され、創薬モダイリティの一つとして期待されている。アプタマーは、低分子化合物からタンパク質まで様々な標的分子に対して高い特異性と親和性をもつ核酸分子であり、アプタマー医薬品は他の核酸医薬品とは作用機序や開発法の点で大きく異なる。本ワークショップでは、アプタマーの新たな作成法から応用など様々な視点から議論する。
1PWS2-09 | 12月1日(水)17:30~19:00 |
Bioresource of the year 2021 | J |
オーガナイザー:三輪 佳宏(理化学研究所)、中村 幸夫(理化学研究所)
- 新しく開発されたツールやライブラリーなどのバイオリソースにより生命科学に様々なブレイクスルーがもたらされてきた。しかし一方で、日本人研究者が開発した優れたバイオリソースが、海外では多くの研究者に使われ論文が発表されているのに、国内では利用者が少ないケースも見られる。そこで、本ワークショップでは、ここ数年の新しいバイオリソースについて通常より公募数を増やし、新しいリソースの情報を共有し利用を促進する。
1PWS1-10 | 12月1日(水)15:45~17:15 |
アンチエイジングにつながる骨格筋細胞研究”人間”進化への分子生物学基盤 Skeletal muscle cell research for anti-aging - Molecular biological basis for human evolution |
J |
オーガナイザー:跡見 順子(東京農工大学)、朝倉 淳(ミネソタ大学)
- 多細胞陸生動物は、細胞と身体の二階層の創発システム原理をもち活動依存性に生存する。動的不安定性による自己組織化・反射系で発達させた骨格筋の適応は力学的にも代謝的にも不安定である抗重力筋が担う。人間が立位の神経制御系を介して構築してきた身体活動を行う器官としての骨格筋による随意運動は、ミクロ(タンパク質)とマクロ(脳神経系)を適応的に連動させる身体の構造を生み出してきた。本ワークショップでは、人のQOL向上のみならず本質的に『人間』という希有な存在への進化につながった基盤原理を、発生・再生・身体技法とそれらの破綻によるエイジングに着目し多方面から考える。
1PWS2-10 | 12月1日(水)17:30~19:00 |
細胞骨格・細胞運動研究のフロンティア Frontier researches on cytoskeletal dynamics and cell migration |
E/J |
オーガナイザー:山城 佐和子(京都大学)、西村 有香子(北海道大学)
- 細胞骨格は、速やかに崩壊・再編成されながら、細胞内外に於ける力の発生や化学的シグナルの制御を司る動的な構造体である。近年、顕微鏡や細胞工学技術の発展によって、一分子レベルでの定量イメージングやin vitro再構成、細胞骨格構造の人為的コントロール等のより高度な解析が可能になりつつある。本ワークショップでは、これら革新的技術の導入によって細胞骨格の機能解明に挑戦している研究を紹介する。細胞骨格・細胞運動研究の最前線と今後の発展について議論・考察する場としたい。
1PW-11 | 12月1日(水)15:45~18:15 |
EMBO | Japan Virtual Lectures: How do piRNAs defend the germline genome from invasive transposons? | E |
オーガナイザー:齋藤 都暁(国立遺伝学研究所)
EMBO | Japan Virtual Lectures: Abstract & CV
1PW-12 | 12月1日(水)15:45~18:00 |
NAD依存性酵素の高次生体機能調節機構~エネルギー代謝を越えて~ Higher biological function of NAD-dependent enzymes ~beyond energy metabolism~ |
E/J |
オーガナイザー:中川 崇(富山大学)、石原 克彦(川崎医科大学)
- ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)は100年以上前に発見された酸化還元反応を媒介する補酵素であるが、DNA修復酵素PARPや老化関連分子サーチュインの基質としても働くことから、老化との関連で近年再び注目を集めている。本ワークショップでは、これらNAD依存性酵素の機能について、老化、免疫、腸内細菌叢、生活習慣病、精神神経疾患など幅広い分野から俯瞰し、NAD依存性酵素のエネルギー代謝を越えた高次生体機能について議論する。
1PW-13 | 12月1日(水)15:45~18:00 |
プロテオミクスが解き明かす細胞内の分子機構~初心者から専門家まで~ Intracellular molecular mechanism revealed by proteomics -from beginners to experts- |
J |
オーガナイザー:岩崎 未央(京都大学)、荒木 令江(熊本大学)
- 近年、革新的なプロテオーム解析技術の進歩によって、タンパク質の単純な発現量解析のみならず、リン酸化や糖鎖などの翻訳後修飾解析、タンパク質局在や相互作用解析などが高感度・高精度で可能となり、分子生物学の幅広い領域で大きな成果をあげている。本セッションでは、細胞内機能プロテオームの解析に焦点を当て、主に将来の本分野を担う若手研究者による革新的な最先端技術開発とその応用研究例を紹介し、プロテオミクスの可能性と未来への展望を議論する。
1PWS1-14 | 12月1日(水)15:45~17:15 |
進化予測:RNAから生態系まで Predicting Evolutionary Outcome: from RNA to Eco system |
J |
オーガナイザー:入江 直樹(東京大学)、古澤 力(理化学研究所)
- 進化生物学は、これまで過去に起こった生物の進化を推定・理解する歴史学のような側面が主であったが、近年は、進化可能性(Evolvability)や進化の予測といった観点でも挑戦的な研究が進みつつある。本ワークショップではこの問題に、理論・実験・大規模情報解析といったアプローチを組み合わせながら取り組む研究を紹介しつつ広く議論の場としたい。
1PWS2-14 | 12月1日(水)17:30~19:00 |
幹細胞におけるエピゲノム制御ネットワーク Epigenetic regulatory networks in stem cells |
E/J |
オーガナイザー:石津 大嗣(慶應義塾大学)、坂下 陽彦(慶應義塾大学)
- 受精卵は全ての細胞に分化し、個体を形成することができる全能性をもつ。では、受精卵はどのようにして全能性を獲得するのだろうか? 近年、初期胚発生および幹細胞リプログラミング研究の進展から、エピジェネティック情報のリセットと再構築を担うダイナミックなゲノム構造の動態変化が明らかになりつつある。しかしながら、初期胚発生における全能性から多能性へのプログラム転換の全貌は明らかとなっていない。本ワークショップでは、幹細胞の特徴である分化能・自己複製能を規定するエピゲノムの制御機構について最新の知見を共有し、全能性獲得の背景に潜むエピゲノム制御ネットワークの解明に向けた課題を議論する。
1PWS1-15 | 12月1日(水)15:45~17:15 |
メチル化生物学 ーRNAのメチル化修飾が織りなす生命現象の理解ー Methylation biology -Understanding Life Phenomena Linked to RNA Methylation- |
E/J |
オーガナイザー:今野 雅允(東京理科大学)、常陸 圭介(藤田医科大学)
- 近年の研究から、DNA以上にmRNAやmiRNAがメチル化修飾を受けていることが明らかになり、様々な生命現象にRNAのメチル化修飾が関わることが多数報告されている。本ワークショップでは、RNAのメチル化修飾研究を進める上で必須となる新規解析法やツール開発を進めている若手研究者により発表を行うことで、本分野の理解を深め、新規参入のきっかけを提供し、この分野のさらなる発展を目指す。
1PWS2-15 | 12月1日(水)17:30~19:00 |
AMED-BINDSによるアカデミア創薬研究推進へ向けた取り組み AMED-BINDS initiatives to promote academia drug discovery research 共催:創薬等先端技術支援基盤プラットフォーム(AMED/日本医療研究開発機構) |
J |
オーガナイザー:田之倉 優(東京大学)、善光 龍哉(日本医療研究開発機構)
- AMED所管のBINDS事業では、ライフサイエンス研究の推進に役立ててもらうためのプラットフォームを整備している。たとえば放射光施設やクライオ電子顕微鏡、化合物ライブラリー、次世代シーケンサーなどの大型施設・設備を整備・維持し、積極的な外部開放(共用)を行って、創薬等ライフサイエンス研究の推進に貢献してきた。本企画では、AMED-BINDSで行ってきたアカデミア創薬推進に向けた取り組みの成果を発表し、今後のアカデミア創薬のさらなる発展について議論する場としたい。
1PW-18 | 12月1日(水)15:45~18:00 |
細胞間コミュニケーションのあり方から問い直す動物と植物の多細胞体制 Intercellular communication in the control of organ morphogenesis in animals and plants |
E/J |
オーガナイザー:近藤 侑貴(神戸大学)、松井 貴輝(奈良先端科学技術大学院大学)
- 多細胞生物の形態形成の制御においては細胞間での情報のやり取りが必要であり、その様式は近接の細胞間(ショートレンジ)・異なる器官の細胞間(ロングレンジ)など多岐にわたる。植物細胞は動物細胞のように動き回ることができない一方で、原形質連絡と呼ばれる細胞間連絡を介してほぼすべての細胞が連結している。本ワークショップでは、細胞間コミュニケーションにおける動物・植物の共通点・相違点を探る。
2AW-06 | 12月2日(木)09:00~11:15 |
オルガネラ膜タンパク質の標的化と品質管理 Membrane protein targeting and quality control in organelle biogenesis |
E |
オーガナイザー:藤木 幸夫(九州大学)、松本 俊介(九州大学)
- 真核細胞において、細胞小器官(オルガネラ)への新規合成タンパク質の正確な標的化は細胞機能に不可欠である。これまでにオルガネラへのタンパク質の配送は正確に起こることが前提とされてきたが、近年この配送をやり直す仕組みすなわち校正機構が存在することが見出されている。本ワークショップでは、従来のタンパク質輸送の概念を覆すオルガネラへの膜タンパク質標的化と品質管理の新規機構について議論したい。
2AW-07 | 12月2日(木)09:00~11:15 |
発達期における神経-グリア相互作用と脳形成への関与 Involvement of neurons-glia interactions in the brain formation during development |
E |
オーガナイザー:鶴田 文憲(筑波大学)、岡崎 朋彦(北海道大学)
- 発達期における神経細胞は、グリア細胞をはじめとする周辺細胞とコミュニケーションを取りながら精密な神経回路網を形成していく。近年、分子生物学や遺伝学的手法を応用したマウス個体解析、さらに微細構造の観察を可能としたイメージング技術の発展により、神経-グリア相互作用がグリア細胞の多様性を産出し、脳形成に関与することが明らかとなりつつある。本ワークショップでは、ミクログリアやアストロサイトなどのグリア細胞と神経細胞による異種細胞間コミュニケーションが、どのようにこれら細胞の多様性を産出し、発達期における脳形成に貢献していくのか、最新の研究成果を紹介し、これまでとは異なる視点から神経-グリア相互作用の意義について議論していきたい。
2AW-08 | 12月2日(木)09:00~11:15 |
多様なミトコンドリアの戦略:強く健康なオルガネラ構築に向けて Multifaceted strategies for keeping mitochondria strong and healthy |
E |
オーガナイザー:山野 晃史(東京都医学総合研究所)、Ying Liu(Peking University)
- ミトコンドリアはATPの生産工場だけでなく、様々な代謝機能を担う、細胞に必須のオルガネラである。近年の研究から、ミトコンドリアを強く健康に構築する多様なシステムが明らかとなってきた。本セッションでは、ミトコンドリアを基軸にした恒常性維持機構の最前線の研究を紹介し、新しいミトコンドリア像を統合的に理解することを目指したい。
2AW-09 | 12月2日(木)09:00~11:15 |
宿主-共生細菌環境をデザインする新時代に向けて Toward coherent design of host bacterial symbiosis |
E |
オーガナイザー:佐々木 伸雄(群馬大学)、福田 真嗣(慶應義塾大学)
- 動物の腸管や皮膚などあらゆる臓器には多種多様な微生物が共生しており、これら共生細菌は宿主の恒常性維持に重要な役割をはたすことが知られている。しかし、この共生を創り出す双方向シグナルの分子基盤は未だ不明な点が多く残されているため、我々は未だに細菌叢を自在に制御することができていない。そこで本ワークショップでは、細菌叢の破綻に起因する疾患メカニズムや腸内環境を制御する細菌叢由来代謝物質に関する第一線の研究者を招集し、宿主-共生細菌間相互作用の分子基盤の理解に基づいた共生環境を自在にデザインする未来について議論したい。
2AW-10 | 12月2日(木)09:00~11:15 |
生体金属の生命医科学と最新の分析技術の融合 Interface of metal medical biology and advanced analytical technologies |
E |
オーガナイザー:深田 俊幸(徳島文理大学)、神戸 大朋(京都大学)
- 亜鉛や鉄をはじめとする必須微量金属は、転写因子や酵素等の制御を介して生命機能に深く関与する。近年、生体金属が関わる生命現象を科学するmetal medical biology:生体金属医科学が注目を集めている。本ワークショップでは、国際亜鉛生物学会、日本亜鉛栄養治療研究会、日本微量元素学会の主要メンバーおよび若手研究者とともに、金属のイメージングや分析学等の新たな研究手法による最新情報を議論する。
2AW-11 | 12月2日(木)09:00~11:15 |
多階層シングルセル解析で挑む細胞社会ダイバーシティーの解明 Investigating cellular diversity by multi-scale single cell analyses 共催:新学術領域研究「細胞社会ダイバーシティーの統合的解明と制御」 |
E |
オーガナイザー:中嶋 悠一朗(東北大学)、高木 聡(がん研究会)
- 生体内の組織や臓器という細胞社会は、多種多様なダイバーシティーに富む細胞から構成されることで、ロバストな発生や恒常性の維持を可能とする一方、その仕組みの破綻はがんを代表とする疾患の発症につながる。本ワークショップでは、scRNA-seq、組織透明化、細胞系譜解析といった、様々な階層での「シングルセル解析」を導入して、細胞社会ダイバーシティーの統合的な理解を目指した取り組みについて紹介する。
2AW-12 | 12月2日(木)09:00~11:15 |
生死の狭間で魅せる細胞応答の新展開 Frontiers in cellular responses on the edge of death |
E |
オーガナイザー:森脇 健太(東邦大学)、岡本 徹(大阪大学)
- 多細胞生物という細胞社会では、機能分化した細胞が絶妙な生死のバランスをとり、かつ有機的に統合することで秩序を生み出している。一方で、ひとたびそのバランスが崩れると様々な病態を引き起こす。本ワークショップでは、糖、脂質、タンパク質などの内的異常や細菌、ウイルスなどの外的脅威によって生死の狭間に置かれた細胞がどのような応答を見せ、そして生体にどのような影響を与えるかについて、最新の知見を共有し、議論したい。
2AW-13 | 12月2日(木)09:00~11:15 |
植物の個体性-植物にとって「個体」とは何か What is the individuality of plants |
E |
オーガナイザー:経塚 淳子(東北大学)、澤 進一郎(熊本大学)
- 一山のタケが地下茎でつながったクローン個体であり、切られた小さな芽が大きな個体に成長するなど、植物では「個体」という概念があいまいである。私たちが見ている個体は見せかけの個体であり、真の「個」の集合体にすぎないと考える方が妥当かもしれない。本WSでは、植物の真の個とは何であり、見せかけの個体を成り立たせる分子基盤とは何なのかを理解するための第1歩として、植物のユニークな個体性を分子レベルで検証する。
2AW-14 | 12月2日(木)09:00~11:15 |
Notchシグナルからひも解く生命現象 Notch signaling in biological processes |
E |
オーガナイザー:山川 智子(大阪大学)、下條 博美(大阪大学)
- Notchシグナル伝達系は多細胞動物間で保存されており、発生や恒常性の維持において重要な役割をはたす。近年におけるNotchシグナル研究は多様化・深化し、これまで不透明であった生命現象の謎を解き明かして、驚きと共に新たなステップへ進もうとしている。本ワークショップでは、Notchシグナルの多様な制御機構の解明を介して、複雑な生命現象への理解を深める意欲的な研究を紹介する。
2AW-15 | 12月2日(木)09:00~11:15 |
核小体から考える隔離系から混雑系の化学への発展 Toward an understanding of complex biochemical systems from a phase separated compartment, “nucleolus" |
E |
オーガナイザー:井手 聖(国立遺伝学研究所)、斉藤 典子(がん研究会)
- 核小体はリボソームRNA遺伝子を核として沢山のタンパク質やRNAがひしめく分子の超過密空間である。この混雑した環境で核内事象がどのように行われているのかを理解することは、単純な試験管内の化学反応と複雑な生体反応ネットワークの間にあるギャップを埋める本質的な問題を解明することに繋がる。最近明らかになってきた液-液相分離を通して形成されるダイナミックなドロプレットとしての側面を踏まえて、リボソームDNAの維持、RNAの転写調節やリボソームアセンブリーから多様な核内プロセスを読み解き、さらに高次生命現象や疾患へ波及する核小体の機能とその構造変化について議論する。
2AW-18 | 12月2日(木)09:00~11:15 |
DNAの物性から理解するゲノムモダリティ Genome modality: understanding physical properties of the genome 共催:学術変革領域「DNAの物性から理解するゲノムモダリティ」 |
E |
オーガナイザー:山本 哲也(北海道大学)、元池 育子(東北大学)
- ゲノムの構造は、SMCタンパク質複合体やヒストン、その他のDNA結合タンパク質との相互作用によって形成されている。ゲノムの構造や動態は、遺伝子発現制御や染色体分配など、生命機能に重要な役割を果たす。本ワークショップでは、ヌクレオソームレベルから染色体レベルまでの様々なスケールにおけるゲノム構造・動態について議論し、ゲノムの機能の発現機構の理解を目指す。
2PW-02 | 12月2日(木)15:45~18:00 |
空気中の粒子・飛沫が及ぼす生体影響を科学する! Scientific verification of biological effects of aerosols and droplets in the air |
E |
オーガナイザー:三村 達哉(帝京大学)、吉田 安宏(産業医科大学)
- 近年、COVID-19の感染拡大に伴い、空気中の微小粒子や飛沫による感染経路が注目されている。大気中にはマイクロ飛沫やウイルスを含むエアロゾルのみならず、花粉、大気汚染物質、化学物質、タバコからの副流煙、ペット、ダニ、真菌などの粒子が浮遊している。これらの肉眼では見えない粒子が、呼吸器、循環器、生殖、感覚器などへの生体影響を及ぼす。本ワークショップでは、空気中粒子が及ぼす生体影響を科学するというテーマのもと、ウイルスや微生物などが感染することで引き起こす呼吸器・アレルギー・免疫疾患と、それらの重症度を左右する加齢などの様々な要素との関連を、種々の組織、感覚器における各分野の専門家が、科学的な側面からその発症機序および対策について公開討論を行う予定である。
2PW-03 | 12月2日(木)15:45~18:00 |
Inflammaging温故知新 Inflammaging, taking lessons from history 共催:日本基礎老化学会 |
E |
オーガナイザー:丸山 光生(国立長寿医療研究センター)、清水 孝彦(国立長寿医療研究センター)
- 酸化ストレスなどによる組織障害は慢性炎症を伴い、古くからinflammaging説が提唱されてきた。近年、老化細胞が分泌するSASPが身体全体に炎症を引き起こし、加齢性疾患の発症に寄与することが明らかになりつつある。本ワークショップでは、inflammaging研究から始まりSASPに繋がる炎症ストレスがどのように老化を制御するのか、最新研究を紹介し、考察したい。本ワークショップは日本基礎老化学会との共催で開催する。
2PW-04 | 12月2日(木)15:45~18:00 |
種の個性を生み出す原動力とは何か? What drive the species-specific traits? |
J |
オーガナイザー:服部 佑佳子(京都大学)、中川 真一(北海道大学)
- 個々の生物種は、進化の過程で多様な形質を獲得してきた。近年、ゲノム編集や大規模シークエンスなどの技術的進歩により、これらの形質を生み出す分子機構にアプローチが可能となってきた。本ワークショップは、種固有の形質を支える分子基盤を分子生物学的・進化的側面から考えることを目的とし、非モデル生物を含めた生物種間の比較解析や、種特異的な遺伝子・ノンコーディングRNAの解析などを行っている研究者に講演を頂く予定である。
2PWS1-05 | 12月2日(木)15:45~17:15 |
抗がん剤心毒性の新たな潮流とその分子基盤 New trend of cardio oncology and its molecular mechanism |
J |
オーガナイザー:諫田 泰成(国立医薬品食品衛生研究所)、細田 洋司(国立循環器病研究センター)
- 多種多様ながん治療薬の開発によってがん患者の生存率は飛躍的に改善した一方、その心毒性は患者の生命予後に影響することが明らかとなり、予後向上を目指した腫瘍循環器学が注目されている。特に、がん治療薬心毒性に対する心筋細胞の酸化還元系やエピゲノム制御による応答性について新たな知見が得られつつある。本ワークショップでは、がん治療薬の心毒性メカニズムや応答系、そして予防法について、現状と今後の展望を議論したい。
2PWS2-05 | 12月2日(木)17:30~19:00 |
生命科学の根幹に迫るミトコンドリアダイナミクスの世界 The Principles of Life Sciences “Mitochondria Dynamics" |
E/J |
オーガナイザー:大澤 毅(東京大学)、平林 祐介(東京大学)
- がんや生活習慣病などの疾患や老化の進行には、ミトコンドリアの形態・機能維持や細胞小器官(オルガネラ間接触)や代謝物を介した相互作用(オルガネラコミュニケーション)が重要な役割を果たす。また、ミトコンドリア融合と分裂のバランスは、形態・機能維持する、一方、その破綻は老化や疾患を進行させることが知られている。しかし、ミトコンドリア融合・分裂の制御機構は未だ不明な点が多い。本ワークショップでは、新進気鋭の若手研究者が集まり、世界最先端のイメージング解析や構造生物学解析技術を駆使して、生命科学の根幹に迫るミトコンドリアダイナミクスの世界を紹介するとともに、若手研究者の新規参入のきっかけを提供する。
2PWS1-06 | 12月2日(木)15:45~17:15 |
ゲノム機能・構造データを起点とするゲノム科学の展開 Genome biology with genomics databases |
E |
オーガナイザー:川路 英哉(東京都医学総合研究所)
- ゲノム多様性やエピゲノム、トランスクリプトームをはじめとするゲノム機能・構造情報の蓄積はこれまで以上にハイペースで続いており、先端技術による測定データの蓄積と基盤的データの着実な改善が同時平行的に進んでいる。本ワークショップでは、世界中で進められているこれらのアップデートを概観し、ゲノム機能・構造データを起点として明らかにされたゲノムの新しい側面について議論する。
2PWS2-06 | 12月2日(木)17:30~19:00 |
タンパク質複合体の機能と癌化 Dysregulation of protein complexes and the development of cancer |
J |
オーガナイザー:伊藤 敬(長崎大学)、井上 聡(東京都健康長寿医療センター)
- 細胞のプロセスにはタンパク質複合体が重要な働きをしている。タンパク質複合体が時間と条件で機能するためには適切な活性複合体が調節を受ける必要がある。この異常は発癌など種々の疾患を引き起こす。しかし複合体を調節するメカニズムは多くの場合詳細が不明である。このセッションではタンパク質複合体機能と癌化に関して議論する。
2PWS1-07 | 12月2日(木)15:45~17:15 |
新たな国民病、慢性腎臓病の病態を分子生物学的に解明する New national disorder, chronic kidney disease, elucidated by the molecular mechanisms |
E/J |
オーガナイザー:三村 維真理(東京大学)、岸 誠司(川崎医科大学)
- 慢性腎臓病は、生活習慣病と同じく、日本国民の成人の8人の1人の割合で罹患していると考えられており、全国で1300万人以上の患者が存在している。しかし、腎臓の内部では、様々な種類の細胞が血液の濾過、水分管理に複雑に関与しており、その障害に対する根本的な治療はこの30年以上見つかっていない。日本腎臓学会では、もはや国民病ともいえる腎臓病の病態解明と治療法解明に向けて全力で取り組んできた。本ワークショップでは、腎障害メカニズム解明に対し、日本を代表する主に若手の研究者による最新の知見を紹介する。腎臓での新たな病態解明が、多臓器、他分野での研究応用につながることが期待できる。
2PWS2-07 | 12月2日(木)17:30~19:00 |
免疫反応や加齢性疾患におけるグリケーションの役割 A role of glycation in immune responses and aging-associated diseases 共催:日本メイラード学会 |
J |
オーガナイザー:三五 一憲(東京都医学総合研究所)、大矢 友子(修文大学)
- 非酵素的糖化反応(グリケーション)により産生された最終糖化産物AGEsが直接的に、あるいは受容体RAGEを介して、糖尿病合併症や骨粗鬆症などの発症・増悪を促す。またメチルグリオキサールやグリコールアルデヒドなどのAGEs前駆物質が諸種蛋白の翻訳後修飾を介して、免疫反応や加齢性疾患に深く関与することが報告されている。本ワークショップでは、当該領域で活躍中の若手研究者による、最新の成果報告ならびに活発な議論を期待している。
2PW-08 | 12月2日(木)15:45~18:00 |
多様な生物学的背景における細胞分裂制御メカニズム Cell division in diverse contexts |
E |
オーガナイザー:原 昌稔(大阪大学)、清光 智美(沖縄科学技術大学院大学)
- 細胞分裂制御の基本原理は、主に培養細胞をモデル系とした研究により理解が進んできた。その一方で、異なる生物学的背景、たとえば、多彩な生物種、様々な発生段階、種々の組織などにおいて、その細胞分裂を制御する機構の多様性も明らかになってきている。今回、様々な生物学的背景における細胞分裂制御を俯瞰し、その制御メカニズムの多様性と普遍性ついて議論する。それにより細胞分裂制御のさらなる横断的理解を深めたい。
2PW-09 | 12月2日(木)15:45~18:00 |
微生物の生 What is life in a microbe? |
E |
オーガナイザー:尾崎 省吾(九州大学)、加藤 節(広島大学)
- 微生物が「生きている」という状況は、どのようにして定義できるだろうか。個体レベルでは、細胞周期を駆動することが増殖に不可欠であることは言うまでもない。他方、集団レベルでは、集団中の一部の細胞のはたらきが集団全体の維持の鍵となりうる。このように多面的な要素を包括する微生物の「生」を、我々はどのように捉えればよいだろうか。そこでこの問いを掲げながら、本ワークショップでは分子・細胞・情報・理論など様々な視点から微生物の「生」とは何かを議論する。そして、微生物の「生」を再定義するために分子生物学がどう貢献しうるか、その展望を考察したい。
2PWS1-10 | 12月2日(木)15:45~17:15 |
構造生命科学の新展開 -見えないモノを見ようとして電子顕微鏡を覗き込んだ- Recent advances in structural biology |
E/J |
オーガナイザー:西増 弘志(東京大学)、西澤 知宏(横浜市立大学)
- 近年、クライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析の技術革新により、これまで困難であった巨大で柔軟な超分子複合体の高分解能での構造決定が可能になってきた。本ワークショップでは、様々な生命現象に関わる構造未知のタンパク質やタンパク質-核酸複合体の構造解析から初めて明らかにされた分子メカニズムに関する最新の研究成果を中心に発表・討論したい。
2PWS2-10 | 12月2日(木)17:30~19:00 |
第4回 クライオ電顕ネットワーク・ユーザーグループミーティング 4th Cryo-EM network user group meeting 協賛:AMED-BINDS |
J |
オーガナイザー:村田 武士(千葉大学)、安達 成彦(高エネルギー加速器研究機構)
- 現代の構造生物学研究の根幹を支えるクライオ電子顕微鏡解析を支援するシステム(クライオ電顕ネットワーク)が本格的に運用され、利用経験のない研究者も最先端のクライオ電子顕微鏡を利用できる体制が整った。本ワークショップでは、日本中に整備されたクライオ電子顕微鏡装置をさらに効果的に利用していくことを目指し、既存のユーザーだけでなく、今後使用したいと考えている研究者や、施設側の研究者も一堂に会し、クライオ電子顕微鏡装置の利用に関して多角的に議論する。
2PWS1-11 | 12月2日(木)15:45~17:15 |
神経生物学的プロテオスタシスについて考える Recent advances and issues in neurobiological proteostasis |
J |
オーガナイザー:若月 修二(国立精神・神経医療研究センター)、松本 弦(長崎大学)
- プロテオスタシスの維持管理は神経細胞において極めて重要であり、その破綻は細胞内シグナル調節系やタンパク質分解系の異常などを引き起こし、多くの神経難病の原因となることが知られている。本ワークショップでは、神経生物学の視点から神経細胞におけるプロテオスタシスの本質に迫るとともに、その破綻による病態発症メカニズムについて最新の知見を紹介し、広く議論する場としたい。
2PW-12 | 12月2日(木)15:45~18:00 |
脳発生と老化における神経細胞と脳内移住細胞との相互作用 Interactions between neural cells and immigrant cells during the development and aging in the brain |
E |
オーガナイザー:田畑 秀典(愛知県医療療育総合センター、発達障害研究所)、服部 祐季(名古屋大学)
- 脳は例外的に他から隔絶された器官である。しかし脳発生過程においては、外部から脳内に入り込む血管内皮細胞や免疫細胞が発生の場や位置情報を提供し、神経組織内の不均一性をもたらすことが明らかになってきている。またこれらの外部からの移住細胞は脳の恒常性維持においても重要であり、神経細胞そのものではなく、移住細胞の変調による精神疾患発症の可能性も指摘される。本ワークショップでは脳発生と老化のステージにおいて、移住細胞と神経系細胞の意外な相互作用を紹介し、基礎から臨床応用までを含めた幅広い議論の場を提供したい。
2PW-13 | 12月2日(木)15:45~18:00 |
人工的省エネ体質モデルから考える体質科学 TAISHITSU Science from the viewpoint of Artificial Energy-Saving TAISHITSU models |
E |
オーガナイザー:根本 崇宏(日本医科大学)、河合 智子(国立成育医療センター研究所)
- なぜ同じ物を食べて私は太るのにあの人は太らないのだろうか?太りやすい「体質」とよばれるが、体質の定義は未だに漠然としている。胎生期低栄養による出生時低体重は、倹約型体質(いわゆる省エネ体質)を獲得し、代謝・内分泌系の変容によるトレードオフで小さな体格になることで生存を図ると考えられている。そこで、種々の動物で人為的に作出した省エネ体質モデルのエピゲノムから代謝までを縦・横断的に議論したい。
2PW-14 | 12月2日(木)15:45~18:00 |
微に入り細を穿つ:頭のてっぺんから体の深部まで、体内に潜む多様な生体微粒子 Small is beautiful: a huge variety of biological fine particles existed in a living body |
E |
オーガナイザー:田代 陽介(静岡大学)、山野 友義(金沢大学)
- エクソソームを始めとする細胞外微粒子は、ガンや疾患との関連性から着目されている。しかし体内ではエクソソーム以外にも、あらゆる細胞や体内微生物などから様々な形で微粒子が形成されており、ヒトの健康・疾患の鍵を握ることが近年明らかになってきた。本ワークショップでは、最先端ナノ解析技術で明らかとなった多様な生体微粒子の生理機能を若手研究者を中心に紹介していただき、生体微粒子の普遍性と個々の特性を議論することで、体内における微粒子の存在意義を再考する場としたい。
2PWS1-15 | 12月2日(木)15:45~17:15 |
RNAと相分離の切っても切れない関係 RNA and phase separation: an inseparable relationship |
E |
オーガナイザー:山崎 啓也(東京大学)、山崎 智弘(大阪大学)
- RNAは細胞内相分離の様々な局面に関わっており、細胞内相分離の誘導から機能発現において、欠くことのできない生体分子である。本ワークショップでは、相分離を介したmicroRNAとpiRNAの生合成・機能発現メカニズムや lncRNAによる相分離構造体の形成機構などの話題を取り上げ、ヒトなどの動物だけではなく、植物も含む様々な生物種におけるRNAと相分離の多彩な接点について議論する。
2PWS2-15 | 12月2日(木)17:30~19:00 |
人工ゲノムを組み上げ、ゲノム動作原理を理解する Fathoming the operation principle of the genome by establishing platform technologies 共催:国立研究開発法人科学技術振興機構 CREST・さきがけ「ゲノムスケールのDNA設計・合成による細胞制御技術の創出」 |
E/J |
オーガナイザー:塩見 春彦(慶應義塾大学)、野澤 佳世(東京大学)
- 将来的なゲノム設計の基盤技術の構築に向けゲノムの動作原理の解明を目的とした研究開発への取り組みを紹介する。
2PWS1-18 | 12月2日(木)15:45~17:15 |
あなたの知らないSLFN11の世界 The World of SLFN11 |
E/J |
オーガナイザー:村井 純子(慶應義塾大学)、高田 穰(京都大学)
- SLFN11 (schlafen 11, シュラーフェンイレブン) は、DNA障害型抗がん剤の効果を飛躍的に高める。事実上2012年の発見以来、メカニズムや、臨床での有用性が明らかになりつつあるが、総論文数は100報にも満たず、認知度はまだ低い。ヒトにはあってマウスにないようだが、そんなヒトに都合の良い遺伝子が存在して良いものか?本質的な機能は何なのか? SLFN 11を通すと見えてくるあたらしい生命現象をこのWSで知って下さい!
2PWS2-18 | 12月2日(木)17:30~19:00 |
転移因子コードがもたらすゲノム制御機能 Genome functions mediated by transposable elements |
J |
オーガナイザー:Sharif Jafar(理化学研究所)、西原 秀典(東京工業大学)
- クロマチン繊維は、核内でTADやコンパートメントなどの機能的空間を形成し、それらの空間で転写、DNA複製、組み換えなどのゲノム機能が制御されている。さらに、各コンパートメントにはSINEやLINEなどの特異的な転移因子(transposable elements: TE)が濃縮しており、それらが自己組織化の素子としてクロマチン構造やゲノム機能を制御している可能性がある。本ワークショップでは、これを転移因子コードと名付け、その実体にどう迫るのか、関連研究を通して議論する。
3AW-06 | 12月3日(金)09:00~11:15 |
ゲノム安定性:その破綻を誘導する分子機構と破綻によりおこるゲノム異常 The molecular mechanism that disrupts genome stability and the genomic abnormalities caused by genome instability |
E/J |
オーガナイザー:中田 慎一郎(大阪大学)、廣田 耕志(東京都立大学)
- これまでに、ゲノム恒常性維持に関わる多様なシステムの詳細な分子機構が解明されてきた。しかし、各システム間の関係性やゲノム不安定性に起因する疾患の分子病態、臓器特異的発がん機構など未だ解明に至らない生命現象が多く残されている。本ワークショップでは、これらの未解決事項の解明に取り組む先進研究の発表を通して、ゲノム恒常性維持システムを利用した病態解明や新しい疾患治療法開発の可能性について議論したい。
3AW-07 | 12月3日(金)09:00~11:15 |
機能性RNAネットワークによる生体恒常性の維持 Functional RNA networks in homeostatic regulation |
E/J |
オーガナイザー:鈴木 亨(理化学研究所)、中村 能久(シンシナティ小児病院)
- RNAは、安定性、細胞内局在、翻訳開始の有無など、様々な転写後制御を受ける。また、RNA自身が、タンパク質と協調して、細胞の内外で多彩な制御機構を作り出している。本ワークショップでは、「RNAの関与する分子機構が、生命現象にどのような形で貢献しているのか」解明することを目指した研究について、最新の成果を紹介する。普遍的な制御、細胞特異的な制御、細胞外RNAによる制御など、幅広く取り扱う。
3AW-08 | 12月3日(金)09:00~11:15 |
凝集体形成の分子生物学-相分離・凝集体形成の制御と細胞のリスク管理- Molecular Biology of Aggregation-Regulation of Phase separation and Aggregation Formation Contributes to Risk Management of Cells- |
E |
オーガナイザー:黒川 理樹(埼玉医科大学)、片平 正人(京都大学)
- 相分離(PS)は、dropletを形成し非膜性オルガネラの構築など多様な生理機能を示す。PSが行き過ぎると天然変性タンパク質の凝集体(AG)を形成し細胞障害が発生する。これはALSなど様々な神経変性疾患の原因として注目されている。AG形成は、リスク回避のために制御されている。今回は、PSとその制御をAG形成の観点から論じる多彩な研究者による講演を企画した。闊達な論議を期待している。
3AW-09 | 12月3日(金)09:00~11:15 |
骨格筋維持機構の新知見 -健康長寿の実現を目指して- New insight into the mechanism for skeletal muscle maintenance: toward the realization of healthy aging |
J |
オーガナイザー:上住 聡芳(東京都健康長寿医療センター研究所)、灘中 里美(神戸薬科大学)
- 人体で最大の臓器である骨格筋は、運動や身体活動を担うと共に代謝性器官としても機能し、健康を維持する上で欠くことのできない役割を果たしている。加齢に伴う筋の衰弱は、全身の健康状態に悪影響を及ぼす。よって、筋の健全性維持は健康長寿実現の鍵となる。本ワークショップでは、筋組織の維持機構を多角的に捉えた先端研究を紹介し、筋の健全性維持機構についての新知見を共有したい。
3AW-10 | 12月3日(金)09:00~11:15 |
ホモキラリティがつくる生命の秩序ー鏡に映し出す生物界の真理 Homochirality governs order of life; veritas of organisms reflected in the mirror |
J |
オーガナイザー:笹部 潤平(慶應義塾大学)、松野 健治(大阪大学)
- 右手と左手のように、実像と鏡像が一致しない物性をキラリティという。生物は、鏡像関係にあるキラルな物質、細胞、個体、生態システムの構造のいずれか一方を選択することで(ホモキラリティ)、生体システムの秩序を飛躍的に向上させている。ホモキラリティによる秩序形成は生物界に広く認められるが、その重要性は看過されてきた。本ワークショップでは、生物のホモキラリティを縦断的・横断的に捉え直し、その機能や形成機構を包括的に議論したい。
3AW-11 | 12月3日(金)09:00~11:15 |
細胞核を造る~計測再構成アプローチによるクロマチン、染色体、細胞核の理解~ Reconstruction of the nucleus -Toward understanding chromatin, chromosomes, and cell nuclei by reconstruction approach - 後援:新学術領域研究「クロマチン潜在能」 |
J |
オーガナイザー:山縣 一夫(近畿大学)、原口 徳子(大阪大学)
- 細胞核は、DNAという化学物質を、制御された転写や複製を行うシステムに変えるのに必要な“魔法の器”である。この“魔法”の実体である核機能に真に必要な因子を分子レベルで理解するためには、既知の要素を使って機能的な細胞核を再構成することが重要である。本ワークショップでは、in vitro合成、ナノテクノロジー、人工染色体・細胞核構築など様々な手法を用いて、再構成的理解をしようとする第一線の研究者を集めて、核機能の構築について議論したい。
3AW-12 | 12月3日(金)09:00~11:15 |
工学的手法の活用による生命現象解明への挑戦 Challenges in Elucidating Life Phenomena by applying the Engineering-assisted Methods |
E |
オーガナイザー:菊池 裕(広島大学)、永樂 元次(京都大学)
- 近年、複雑な生命現象の理解のため、生体外での組織・器官構築の試みが行われ、発生・疾患・再生・生体機能維持など様々な現象・機構の解明に多くの成果をあげている。しかし、大きく複雑な形状を有する成熟した組織・器官を構築・解析するには、形状の維持・パターニング・機能の発現や維持など、多くの問題が残されている。本ワークショップでは、工学的手法の活用により、これら問題点を克服し、生命現象の解明に挑戦する最新の研究を紹介する。
3AW-13 | 12月3日(金)09:00~11:15 |
統合的な栄養学研究で紡ぐ次世代栄養学 Next -generation nutritional science woven from integrative research |
E/J |
オーガナイザー:高橋 伸一郎(東京大学)、宮本 崇史(筑波大学)
- 「生命」という高度な情報処理システムでは、各種栄養素が時空間的に協奏することで、多彩な機能を担っていることが知られている。しかし近代生命科学では、栄養素ごとに専門領域が確立しているため、生命における栄養素の役割を包括的に理解する学術的環境が整っていない。そこで本ワークショップでは、糖鎖・脂質・アミノ酸などの栄養素を専門とする研究者が最先端の知見を共有することで、生命における栄養素の機能性を包括的に理解する次世代栄養学の礎を築くことを目指す。
3AW-14 | 12月3日(金)09:00~11:15 |
オルガネラ操作新技術から迫るオルガネラ量的調節機構研究 Analyses of organelle autoregulation with new technologies of organelle manipulation |
J |
オーガナイザー:吉田 秀郎(兵庫県立大学)、清水 重臣(東京医科歯科大学)
- 細胞内に存在する細胞小器官の量は、細胞の需要に応じて厳密に制御されている。このような細胞小器官の量的調節機構は細胞生物学の根本的命題であるが、従来の研究手法では解析の限界が近づきつつある。一方、様々な技術の発達によって、オルガネラを自在に操作し、その機能を解析することができるようになってきた。そこで本ワークショップでは、脂質の光遺伝学や新規顕微鏡技術など様々な新規細胞小器官解析技術を紹介するとともに、その技術を活用した「細胞小器官の量的調節機構」研究の最前線について講演する。
3AW-15 | 12月3日(金)09:00~11:15 |
1細胞ダイナミクス Single-cell dynamics |
E |
オーガナイザー:野村 征太郎(東京大学)、油谷 浩幸(東京大学)
- 細胞は生命の最小機能単位であり、その機能は様々な分子の時間的・空間的な挙動によって制御されている。近年、シングルセルオミックス・1分子超解像イメージング・ゲノム編集・構造生物学・相分離生物学といった革新的な科学技術の発展によって、細胞内の分子挙動を高解像度で計測する技術が飛躍的に進歩した。本ワークショップでは、これらの分野の最先端研究者が集結して多角的な視点から細胞・分子の挙動について議論することによって、あらゆる生命現象の根幹を理解して制御する手段の構築を目指す。
3AW-16 | 12月3日(金)09:00~11:15 |
ゲノムDNA量の変化から紐解く生物の生存戦略 Genomic DNA quantity matters: how changes in genomic DNA quantity impact the fate of living organisms |
J |
オーガナイザー:佐々木 真理子(東京大学)、大杉 美穂(東京大学)
- 細胞増殖、発生、老化、がん化、進化などの過程において、ゲノムには様々な変化が生じる。本ワークショップでは、このゲノム変化をリピート配列のコピー数、染色体の数、倍数性の変化などといったゲノムDNA量の変化という視点から捉え、ゲノムDNA量変化を引き起こすメカニズムとそれに伴う生物の様々な生存戦略(細胞応答、発生、多様化など)について最新の知見を紹介し議論する。
3AW-18 | 12月3日(金)09:00~11:15 |
リソソームの新形態、新機能 New Roles and New Morphology of Lysosomes |
E |
オーガナイザー:神 唯(東京工業大学)、木村 洋子(静岡大学)
- リソソームは、高分子の分解、代謝産物の貯蔵、イオン調節を始めとした多彩な機能を持つオルガネラである。このオルガネラは変幻自在であり、細胞内外の環境変化に伴い、形や大きさを変える。しかしながら、多彩な形態と多彩な機能に関連性は未だ見出されていない。今回のワークショップでは、様々な生物種で見出されてきているリソソーム、或いはリソソーム由来オルガネラの新たな機能・形態を紹介し、関連性について議論したい。
3PW-03 | 12月3日(金)15:45~18:00 |
mRNA翻訳による生命現象制御の新展開 mRNA translational control in biological processes and disease |
E/J |
オーガナイザー:山下 暁朗(琉球大学)、藤原 俊伸(近畿大学)
- mRNA翻訳が、発生やウイルス感染、炎症を含む様々な生命現象において重要な役割を果たしていることが明らかとなってきた。ここ1年で一気に注目を浴びることになったmRNAワクチンにもキャップ依存的翻訳、コドン最適化などの最新のmRNA翻訳研究の成果が数多く盛り込まれている。本ワークショップでは、mRNA翻訳と生命現象の関わりを、翻訳の試験管内再構成、高解像度Cryo-EM構造解析、リボソームフットプリント解析などの新たな方法論を用いることで解明した、最新の研究成果を紹介する。
3PW-04 | 12月3日(金)15:45~18:00 |
時空間的な多因子間相互作用が司る転写制御機構の新展開 Novel mechanism of transcription regulation by spatiotemporal multifactor interactions |
J |
オーガナイザー:高橋 秀尚(横浜市立大学)、二村 圭祐(大阪大学)
- 細胞の機能発現には、ゲノム全体に分布する遺伝子の発現を適切に制御することが必須である。このような精密な転写制御のために、タンパク質、RNA、DNAなどの限られた数の転写制御因子間で、特異的な組み合わせの相互作用(多因子間相互作用)とその反応場が生じ、転写は“時空間的”に制御される。本ワークショップでは、このような多因子間相互作用によって形成される時空間的転写制御機構の新たな展開について議論したい。
3PW-05 | 12月3日(金)15:45~18:00 |
血管周囲細胞の最先端 State-of-the-art research in “perivascular cells" |
E/J |
オーガナイザー:山本 誠士(富山大学)、榎本 篤(名古屋大学)
- 近年、血管周囲細胞研究領域では、ペリサイトや血管周囲線維芽細胞が注目を浴びているが、それら細胞の発生様式や血管における役割については未だ議論の渦中である。また、血管周囲細胞が関与する病態として、腫瘍や神経難病との関連性が示唆されるが、細胞レベル、分子レベルでの発症・増悪メカニズムは未解明である。 本ワークショップでは、血管周囲細胞の発生や病態形成における最先端研究を紹介し、シニアから若手研究者とともに広く知識を共有し深く議論を行い、血管周囲細胞の重要性を考察することを目的とする。
3PW-06 | 12月3日(金)15:45~18:00 |
生体ストレスへの細胞応答機構による恒常性維持戦略 Strategy for maintaining homeostasis under stressful condition with stress coping mechanism |
E/J |
オーガナイザー:片岡 直行(東京大学)、正木 聡(立命館大学)
- 生物は、さまざまな外的環境因子に恒常的にさらされており、常にストレス条件下におかれている。細胞は外的ストレスに応答して恒常性を維持する機構を備えているだけではなく、ストレス応答を利用して、生理機能の調節を行う場合もある。また、その機構がうまく働かない場合、疾患として現れる。本ワークショップでは、細胞内での様々な過程でのストレス応答機構やその破綻による疾患の解明を通して、細胞や生体での恒常性維持戦略の統合的な理解をめざす。
3PW-07 | 12月3日(金)15:45~18:00 |
生殖細胞におけるレトロトランスポゾンのエピジェネティック制御と次世代への影響 Retrotransposon epigenetics in germ cells and its intergenerational effects |
J |
オーガナイザー:野原 恵子(国立環境研究所)、一柳 健司(名古屋大学)
- さまざまな環境因子-栄養、化学物質、ストレスなど-が生殖細胞のエピゲノムを変化させることによって子孫の健康に影響を及ぼすことが示唆されている。生殖細胞のエピゲノムの重要な役割の一つがレトロトランスポゾンの制御である。では生殖細胞のレトロトランスポゾンを制御するエピゲノムはどのような状況で変化するのか、レトロトランスポゾンの変化は次世代にいかなる影響をもたらすであろうか。本セッションでは、このテーマに関する最新の知見や研究上の課題について議論したい。
3PW-08 | 12月3日(金)15:45~18:00 |
虫の会まじめ版8:昆虫を軸とした異分野融合・異分野交流 8th Insect meeting: Communication between different research fields via Enotomolgy |
J |
オーガナイザー:横井 翔(農研機構)、仲里 猛留(情報・システム研究機構)
- 昆虫は最も多様な生物の一つで、興味深い生命現象の宝庫である。これまで虫の会(まじめ版)では昆虫特有の興味深い現象を最前線で、多様なアプローチで研究しているポスドク・博士課程学生を始めとした、若手研究者を中心に講演していただき、異なるバックグラウンドの研究者間で議論を活性化させてきた。今回も個体レベルの現象と分子レベルの機構を俯瞰する研究を紹介し、異分野融合やそれぞれの学問分野における新規視点の導入を促したい。
3PW-09 | 12月3日(金)15:45~18:00 |
生体内環境の社会学 ~ 生物における「ちょうどよさ」を生むものとは? Sociology of intra-/inter-cellular environment: How Dose Life Find “Comfort"? |
E/J |
オーガナイザー:山本 一男(長崎大学)、渡邊 千穂(広島大学)
- 地球上の生物は、さまざまな姿かたちを呈しながらそれぞれの「生」をまっとうしている。そこには環境に即した適当な「サイズ」の縛りが存在しているように見える。それは個体のみならず、その内部、すなわち組織、細胞、オルガネラから遺伝物質に至るまで、スケールを超えた「ちょうどよさ」を演出しているものと捉えることができる。このちょうどよさを規定するのは何か?本ワークショップは多様な視点からその実体に迫る。
3PW-10 | 12月3日(金)15:45~18:00 |
不均一環境変動に対する植物の情報統御機構 Regulatory system of plant resilience under fluctuating environment 後援:学術変革領域研究(A)「不均一環境と植物」 |
J |
オーガナイザー:松下 智直(京都大学)、松林 嘉克(名古屋大学)
- 植物を取り巻く環境は土壌栄養や木もれ日のように空間的不均一性を示し、また乾燥具合の変化のように不規則な時間的変動を伴う。本ワークショップでは、これらの時空間的に不均一な環境情報を統御する分子機構とそれを支えるプロテオーム多様化機構に焦点を当てることで、植物が示す柔軟かつ頑健な環境適応能力、すなわち環境レジリエンスの本質について議論したい。
3PW-11 | 12月3日(金)15:45~18:00 |
動く細胞による形づくりから見る発生現象 Morphogenesis by moving cells |
E |
オーガナイザー:稲木 美紀子(大阪大学)、梅津 大輝(東北大学)
- 本ワークショップでは、動く細胞による形づくりにスポットライトを当てる。動き回る細胞は可塑性の高い形づくりが可能である。しかし、自由度や複雑性が高い分、解析の難易度も高く、決まったアプローチも定まっていないのが現状である。細胞が動く仕組みから集団全体のまとまった動態を生み出す仕組みまで、幅広いスケールと多様な視点から細胞移動を議論し、動く細胞による形づくり機構の理解を深める。 それにより、発生生物学における細胞移動研究を新たなフェーズへと導きたい。
3PW-12 | 12月3日(金)15:45~18:00 |
古典的モデル生物に関連する近縁種群のゲノム研究から探る進化・多様性の分子メカニズム Researches focused on species closely related to classical model organisms reveal molecular mechanisms of evolution and diversity |
E/J |
オーガナイザー:大森 義裕(長浜バイオ大学)、安齋 賢(東北大学)
- 近年、古典的モデル生物の近縁種群を研究することで進化・多様性と分子生物学のギャップを埋める戦略が注目されている。次世代DNAシーケンスやゲノム編集の技術発展により、これらの種が示す多様な表現型の解析が可能になって久しいが、適用可能な実験技術の制約のため独特の難しさを伴う。本セッションでは、メダカ、線虫、ショウジョウバエなどの古典的モデル生物に関連する近縁種群を使って形態や行動、生殖隔離の進化の分子メカニズムの謎に挑む研究者にご講演いただく。
3PW-13 | 12月3日(金)15:45~18:00 |
炎症老化"inflammaging"の深化と展開 Molecular and cellular networks of inflammaging |
J |
オーガナイザー:真鍋 一郎(千葉大学)、尾池 雄一(熊本大学)
- 加齢関連疾患では共通して慢性炎症が基盤病態であること、また加齢とともに組織や全身で炎症シグナルの亢進が認められることから、老化と炎症との密接な結びつきが想定されており炎症老化inflammagingと呼ばれている。しかしその本態はよく分かっていない。本ワークショップではどのように加齢に関連して炎症が誘導され遷延するのか、またどのように加齢関連疾患に特有の組織傷害を引き起こすのかについてメカニズム的な理解を進めたい。
3PW-14 | 12月3日(金)15:45~18:00 |
成熟期を迎えるTOR研究 TOR research in its prime |
E |
オーガナイザー:前田 達哉(浜松医科大学)、丑丸 敬史(静岡大学)
- TORキナーゼは、栄養・エネルギー・増殖因子・ストレスなど細胞内外の増殖関連シグナルを統合し、細胞の成長と生存とを統御するという重要かつ根本的な役割を果たしている。そのため、広汎な生理機能の制御に関わるのみならず、その機能の破綻はさまざまな病理現象の基盤ともなっている。本ワークショップでは、国内外の気鋭の研究者を集め、発見以来30年を重ねて今や成熟期を迎えつつあるTOR研究の現状を見渡したい。
3PW-15 | 12月3日(金)15:45~18:00 |
脳の形成と修復における細胞外環境の機械的性質 Mechanical properties of the extracellular environment for brain development and repair 共催:京都大学 SPIRITS |
E |
オーガナイザー:小林 妙子(京都大学)、小曽戸 陽一(韓国脳研究所 )
- 細胞外マトリクスなどの細胞外環境が作り出す機械的性質は、組織により大きく異なる。脳組織は特に柔らかく、また加齢や疾患に伴いその固さが変動することが明らかになってきている。近年、細胞レベルで周囲環境の固さによる分化や増殖の制御が示されつつあるが、組織レベルでの制御についてはほとんど明らかになっていない。本ワークショップでは脳組織に焦点をあて、その機械的性質による脳形成および機能修復の制御機構や、ヒトへの応用に関する話題を提供し、議論の場としたい。