フォーラム
※セッション番号について:
開催日 + フォーラム(F)+ -(ハイフン)+ 会場
(例)1F-01:第 1 日目・第 1 会場
※時間について:19:15-20:45
※講演言語について:E 英語 J 日本語 E/J 演者が選択
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(例)1F-01:第 1 日目・第 1 会場
※時間について:19:15-20:45
※講演言語について:E 英語 J 日本語 E/J 演者が選択
1F-02 | 12月1日(水)19:15~20:45 |
細胞小器官ペルオキシソームの形成機構と欠損症研究:オルガネラ病概念の確立 Organelle homeostasis and its disorders 共催:認定特定非営利活動法人 綜合画像研究支援 |
J |
オーガナイザー:川本 進(千葉大学)、登田 隆(広島大学)
1F-02 藤木幸夫博士御講演資料
- 生命科学を先導する分子生物学において高分解能可視化技術が果たしてきた役割は大きく、我々は分子生物学会フォーラムの場で種々の関連分野で活躍している先端的研究者による講演を毎年紹介して来た。今回講演をお願いした藤木幸夫博士は細胞小器官・ペルオキシソームの世界的研究者である。ペルオキシソームは脂質代謝や過酸化水素の生成・消去系等重要な機能を担う細胞小器官(オルガネラ)であり、藤木博士は多くのペルオキシソーム形成因子(ペルオキシン)を発見・解明し、原因不明のペルオキシソーム欠損症の一次的病因の網羅的解明にも成功してきた。さらに、ペルオキシソーム欠損症の世界初の病態発症機構の解明、ペルオキシソームの主要酵素カタラーゼによる抗細胞死の発見など一連の成果はオルガネラ欠損病を遺伝子・分子レベルで解明、オルガネラ恒常性(オルガネラスタシス)という新しい概念で捉えるものである。本フォーラムではペルオキシソームをモデルとしたオルガネラと欠損症研究の最前線を分野外の研究者にもわかりやすい形でお話しいただく。
1F-03 | 12月1日(水)19:15〜20:45 |
AlphaFoldがもたらす分子生物学への影響 The Impact of AlphaFold on Molecular Biology |
J |
オーガナイザー:森脇 由隆(東京大学)
- 2021年7月中旬にGitHub上で無償公開されたDeepMind社によるソフトウェア"AlphaFold" version 2はタンパク質の立体構造をこれまでにないほど正確に予測することを可能にした。加えて別の有志のグループによってインターネットブラウザからも簡単に構造予測ができるよう整備されたことで、誰でも簡単に任意のアミノ酸配列からタンパク質構造を予測できるようになった。これら2つのことにより、すべての生命科学研究者はAlphaFoldを取り入れたタンパク質の研究を行う新しい時代が始まったと言える。本フォーラムでは、これまでタンパク質構造に馴染みがない分子生物学研究者向けにAlphaFoldの使い方とその驚くべき予測精度を紹介しながら、これによる医学・創薬研究方面への応用と、ポストAlphaFold時代の生命科学の将来の展望について議論する。
1F-04 | 12月1日(水)19:15〜20:45 |
年会特別企画 『緊急フォーラム!! 我が国の研究基盤の活性化への挑戦』 —次世代の研究者のためにどのような科学政策と研究インフラ整備が必要かを考える— |
J |
モデレーター:阿形 清和(自然科学研究機構 基礎生物学研究所)
演者:柳沢 正史(筑波大学)、Piero Carninci(理化学研究所)
- 2021年10月、ノーベル物理学賞を受賞した眞鍋氏は、好奇心に満ちた基礎研究の支援と学問の自由の重要性を提言した。時を同じくして我が国の国際的研究ランキングは10位へと下落し、中国や韓国が世界の研究やイノベーションへの影響力を高めつつあるのを尻目に、我が国の科学技術立国としての立ち位置は危ぶまれつつある。「科学政策と研究インフラの改革」。これは我が国のサイエンスの生き残りを賭けた、そしてそれを担う有能な次世代科学者の育成に不可欠であり、今の我々に課せられた喫緊の課題である。日本は「適合性」を重んじることから「多様性」を促進するように言われて久しい。日本の科学基盤の近代化は遅れているとも言われる。独立した思考を養い、海外の日本人研究者の帰国を促すためのインセンティブを実施しなくてはならない。また、世界レベルの若い才能を惹きつけるために、修士・博士課程の国際化をさらに推進し、オリジナリティと透明性を重視した研究資金およびポジションの獲得プロセスを保障する必要がある。
1F-05 | 12月1日(水)18:45~20:45 |
さきがけ「生体における微粒子の機能と制御」第3回成果報告会~動植物体内をめぐる微粒子の世界~ PRESTO “Function and control of fine particles in a living body" the third achievement report~World of fine particles travelling in animal and plant bodies~ 共催:JSTさきがけ「生体における微粒子の機能と制御」 |
J |
オーガナイザー:中野 明彦(理化学研究所)
- 近年、PM2.5やカーボンナノチューブなど環境中の微粒子(外因性微粒子)の生体内への影響や、エクソソームなど生体内で形成された微粒子(内因性微粒子)の機能が注目されています。2017年10月に発足したJSTさきがけ「生体における微粒子の機能と制御」研究領域では、微粒子の体内動態や機能の解明、さらにはそれらの制御に関する研究開発の推進によって、微粒子により惹起される生命現象の本質的な課題に取り組んでいます。今回、第3回成果報告会として、2018年度採択のさきがけ研究者の中から5名の研究者が、動物や植物の生体内をめぐる微粒子が及ぼす影響とその意義について、研究成果を分かり易く紹介します。
1F-06 | 12月1日(水)19:15~20:45 |
iPS細胞の量産化にむけた新規の液滴電気穿孔装置の開発 The novel droplet electroporation device for production of iPS cells 国立研究開発法人科学技術振興機構研究成果展開事業 研究成果 最適展開支援プログラムA-STEP委託研究 |
J |
オーガナイザー:沼野 利佳(豊橋技術科学大学)、松本 光二朗(ネッパジーン株式会社)
- 豊橋技術科学大学が開発した液滴電気穿孔法(細胞と遺伝子を含む液滴に、直流電圧を用いてナノ秒パルス電界を印加し、細胞膜の浸透性をたかめ、遺伝子を導入する電気穿孔法)は、小スケール(液滴 数マイクロリットル、細胞 数千個から)かつ低細胞毒性で、簡便に、遺伝子導入を可能とした先進的な電気穿孔法です。本方法を理化学機器として装置化し、低コスト、高効率で、iPS細胞をはじめとする有用な遺伝子組み換え体の作出に寄与します。本手法が社会実装されれば、安全性の高いiPS細胞の簡便な作製法を提供し・iPS細胞量産の低コスト化が可能となります。また、さらに、本液滴電気穿孔法をマイクロチップ上に集積化し、マイクロ流路内の数ピコリットルの極微小液滴において液滴電気穿孔を実施する実験系にも発展させています。今回のフォーラムにて、本法を紹介し、現在までの成果やわかったことを報告し、デモ実験なども行います。と、同時に、皆さまのサンプルにさらに適用するための改良も模索したいです。
1F-07 | 12月1日(水)19:15~20:45 |
生物多様性ゲノミクスの世界潮流―日本からどういったインプットが可能か? Global trend of biodiversity genomics - how can Japan contribute to that? |
J |
オーガナイザー:工樂 樹洋(国立遺伝学研究所)、磯部 祥子(かずさDNA研究所)
- Earth BioGenome Project(EBP)という、全真核生物を対象として、全ゲノム配列決定の動きを束ねるイニチアチブが正式に発足し、2年が経った。日本人研究者の局所的な貢献は見られるものの、国産プロジェクトの立上げや組織レベルでの加盟はごく少数に留まっている。技術が普及し、全ゲノム配列決定への着手における敷居は下がったものの、高質な配列情報を生物学的な発見に繋げることや、国際的なプレゼンスを示し満足できる出版を実現することのハードルはむしろ上がったのではないか?新規の試みとなる本フォーラムでは、上記の話題について、3~4名に自身の経験や雑感を語ってもらい、それ以外の時間を、聴衆からの意見をも募りながら、オープンな討論に充てる。本討論から、日本固有種を対象とした日本版EBPのようなプロジェクトが生まれる可能性も想定している。
1F-10 | 12月1日(水)19:15~20:45 |
科学コミュニケーションイベントのオンライン化~その効果と課題 The benefits and issues of online events for Science Communication |
J |
オーガナイザー:佐野 和美(帝京大学)、飯田 啓介(フリーランス)
- 昨年から続くCOVID-19の拡大により、科学コミュニケーションのイベントは大きな転換を求められている。対面による小規模な対話型のイベントを行うことでより親密な双方向コミュニケーションを行ってきた活動は、軒並み、中止やオンライン化への対応を余儀なくされた。オンライン化は、これまで現地に行かなければ参加できなかったイベントに、全国どこからでも容易にアクセスすることを可能にし、時間や費用などを気にせずに参加できるという大きなメリットがある反面、相手の顔が見えず、不特定多数に向けの一方的な発信になってしまうなどデメリットも大きい。そのような中、試行錯誤しながらも、オンラインツールを利用しての科学コミュニケーション活動の実践実績が徐々に積み上がってきた。2020年初頭から現在に至るまでの間に実施されてきた、オンライン科学コミュニケーション(サイエンスカフェ、オープンキャンパスや施設紹介、実験教室、出前授業など)を振り返りながら、集客や教育・情報伝達効果等を元に比較し、整理してみたい。科学コミュニケーション活動のオンライン化のメリットやデメリットを、みなさんと議論したいと考えている。
1F-11 | 12月1日(水)19:15~20:45 |
EMBO-MBSJ 合同フォーラム:EU留学と若手キャリアアップ | E/J |
オーガナイザー:塩見 美喜子(東京大学/EMBOメンバー/第44回日本分子生物学会年会 年会長)、イリス・ヴィーツォレック(株式会社IRIS科学・技術経営研究所/日本でのEMBOコンサルタント)
1F-12 | 12月1日(水)19:15~20:45 |
発生工学の実験手法の開発と試行 Development and trials of experimental methods of developmental engineering |
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オーガナイザー:笹井 紀明(奈良先端科学技術大学院大学)、磯谷 綾子(奈良先端科学技術大学院大学)
- 近年、幹細胞培養を始めとする発生工学に関する実験手法が普及し、他分野の研究者でも一般的な実験手法として利用できつつある。そこで、このフォーラムでは、研究結果というよりは実験手法に焦点を当て、現場で実験を行っている若手研究者に実験の試行錯誤や成功例、失敗例を紹介していただく。
2F-02 | 12月2日(木)19:15~20:45 |
生命科学のデータベース活用法 How to use the databases and tools in life science |
J |
オーガナイザー:科学技術振興機構(NBDC)
- NBDCでは、わが国のライフサイエンス研究を推進するために、生命科学データベースに関する様々なサービス提供と研究開発を行っています。このフォーラムでは、生物種別、目的別等で産出される情報を網羅的に収集して整理するNBDCの「統合化推進プログラム」から生まれたサービスなどについてご紹介します。データから新たな知見を引き出したい研究者のみなさまに役立つデータベースやツールがきっと見つかります。
2F-04 | 12月2日(木)19:15~20:45 |
UJA留学のすゝめ2021 Benefits of Studying Abroad and Tips for Success |
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オーガナイザー:岸 誠司(川崎医科大学)、鈴木 仁人(国立感染症研究所)
- 私たち海外日本人研究者ネットワーク(UJA)の活動の根底には共通した「危機感」があります。それは、日本の科学技術への予算が圧迫されていく中で、世界で日本のサイエンスの存在感を保つことができるのか?その一方で海外に出ることへのリスクを感じている国内の研究者たちは、留学すること自体を躊躇しており、このままでは、日本のサイエンスは世界の中で孤立してしまうのではないか?ということです。この理念に基づいた活動の一環として、2014年の日本分子生物学会から毎年、フォーラムを企画し、海外で活躍する日本人研究者の方々と海外での成功の秘訣や世界のサイエンスの現状を共有してきました。また、会場全体でのパネルディスカッションを通じて日本人研究者が世界で活躍できる高機能なネットワーク作りについても継続して議論してまいりました。今年も本フォーラムにおいて、様々なキャリアステージの留学経験者のプレゼンを通して世界の「今」を共有していただき、個々人の研究留学の効用を最大化するための議論をします。よりよい論のため、これから留学を考えている研究者はもちろん、私たちと危機感を共有し議論を深めたいと思っている全ての方々の参加を期待します。
2F-05 | 12月2日(木)19:15~20:45 |
AMED再生医療実現拠点ネットワークプログラム(中核拠点)iPS細胞研究の進展2 Progress of the AMED Core Center for iPS Cell Research 2 協賛:国立研究開発法人日本医療研究開発機構 |
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オーガナイザー:高島 康弘(京都大学)、青井 貴之(神戸大学)
- AMED再生医療実現拠点ネットワークプログラム(中核拠点)は、高品質で安全な再生医療用iPS細胞ストックの製造を目指し、1.基礎的研究、2.製造体制の強化、3.新規知見・新技術の導入、4.分化機関との情報共有を行う、平成25年度からの10年間のプログラムです。新聞、テレビ、インターネットをはじめとしたメディアでは、iPS細胞ストック事業や創薬・細胞治療の進展が報道され、基礎的研究を発信する機会が多くありませんでした。昨年第43回年会フォーラムでは、基礎的研究の成果を報告させていただき多くの方々にご参加いただきました。第44回年会においても、中核拠点iPS細胞研究所における基礎的研究・新技術・再生医療の裾野を広げる研究をご紹介したいと思います。次代を担う研究者4名が最新の研究成果と進展を発表します。
2F-10 | 12月2日(木)19:15~20:45 |
分子生物学の科学コミュニケーション:公衆衛生行政と社会 Science communication of molecular biology: Public health administration and Society |
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オーガナイザー:朝倉 幹晴(船橋市議会・駿台予備学校)、田野尻 哲郎(大阪大学)
- COVID-19の世界的流行は、それが分子生物学を筆頭とする科学技術によって対処される事象であるが故に、社会の多種多様なコミュニケーションをマクロの次元からミクロまで質的に変容させている。つまり、まったく新しい科学技術コミュニケーションの諸様相が、いまコロナ禍によって現れつつある。本フォーラムでは、公衆衛生行政の現場に深く関与してきた政治家と科学技術コミュニケーションの研究者がオーガナイザーとして各現場の現状をまず概観する。そして3名の若手女性研究者が、日本の教育と宗教そしてインドネシアの公衆衛生行政の各現場における科学技術コミュニケーションのありさまを報告する。これらを元にこの問題について、興味を持ってご参加いただいた皆様とディスカッションを行うことで、関心ある人たちと現状認識と展望をひろく共有したいとおもっている。
2F-12 | 12月2日(木)19:15~20:45 |
大学と地域社会との科学を通じた共生を目指して Aiming for "Kyosei" practice between universities and local societies through scientific activities |
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オーガナイザー:中西 徹(就実大学)
- 共生はKyoseiとして英語にも取り入れられていて、いわゆるSDGsのキーワードの一つとの言える言葉であるが、少子化が進む社会構造において、大学が生き残るために地域社会との共生は必須でありかつ重要な課題である。そのために科学を通じて行われている様々な取り組み(地域医療、大学発ベンチャー、科学人材発掘事業、サイエンスカフェなど)を紹介して、今後、大学や科学研究が生き残る方策を考える。