ワークショップ

※セッション番号について:
開催日 + 午前 / 午後 (A / P) + ワークショップ(W)+ -(ハイフン)+ 会場
(例)1AW-01:第1日目・午前・第1会場
例)3PW-05:第3日目・午後・第5会場

※時間について:
11/30(午前)9:30-12:00、(午後)16:45-19:00、
12/1(午前135分枠)9:00-11:15、(午前150分枠)9:00-11:30、(午後)16:15-18:45
12/2(午前135分枠)9:00-11:15、(午前150分枠)9:00-11:30、
(午後135分枠)16:15-18:30、(午後150分枠)16:15-18:45

※講演言語について:
E 英語 E/J 演者が選択 J 日本語

1AW-03 11月30日(水)
9:30-12:00
E
貪食生物学 / The Cell Biology of Phagocytosis
かじって食べて築く細胞機能の多様性と進化―貪食生物学
Various forms of phagocytosis: A Novel Insight into Evolution and Cell Diversity
オーガナイザー
森岡 翔(岐阜大学)、津久井 久美子(国立感染症研究所)
詳 細

細胞間コミュニケーションとして、貪食や、生細胞の一部を取り込むトロゴサイトーシスの重要性が認識されてきている。これまで生命の構成単位とされる細胞はひとつの自己として完成しており、丸呑みされ、ちぎり取られてシグナルを伝えるイメージは一般的でなかった。演者たちは、この独特なシグナル伝達の型が、細胞による多様な機能の獲得と、個体進化を促してきた可能性を独自に見出しており、この新しい視点を本ワークショップにて議論する。細菌から免疫細胞、くわえて様々な疾患に見られる多様な貪食の様相と細胞機能の多様性の繋がりをプレゼンすることで、一見散発的な現象に普遍性を見つけ、進化の根源から存在する貪食能が持つ新たな可能性を伝えたい。

1AW-04 11月30日(水)
9:30-12:00
E/J
フォールド異常 / Protein Folding and Pathological Aggregation
フォールディング異常と脳機能障害の理解
Protein misfolding and brain dysfunction
共催:学術変革領域研究B「遅延制御超分子化学」
オーガナイザー
村岡 貴博(東京農工大学)、奥村 正樹(東北大学)
詳 細

タンパク質は熱力学的に最安定構造を取り機能発現するが、速度論的にトラップされた中間体構造が時折ミスフォールディングやタンパク質凝集体を惹起する。こういったタンパク質凝集体の蓄積は神経変性疾患をはじめ様々なミスフォールディング病を引き起こす。本講演ではフォールディング異常が引き起こす脳機能障害について、分子から個体までシームレスに議論することを目指し、最新の知見について紹介する。

1AW-05 11月30日(水)
9:30-12:00
E
ヘテロ群知能 / Heterogeneous swarm intelligence
動き回るヘテロな細胞集団の群知能的動態に迫れ
Reveal the swarm intelligence behaviors in migrating heterotypic cell groups
協賛:ヘテロ群知能
オーガナイザー
梅津 大輝(東北大学)、加納 剛史(東北大学)
詳 細

「群れ」全体があたかも意思を持った一つの個体であるかのように知能的に振る舞うことを「群知能」と呼ぶ。この振る舞いは、群れの構成要素の間の局所的なやり取りによって創発的に生み出される。生物の体は様々な性質を持つ細胞、すなわちヘテロな「自律個」の集団であり、変動環境下においても適切に機能を発揮し秩序を創発する能力を持っている。ヘテロな群知能システムの設計原理の解明と工学的応用を見据え、細胞が織りなす様々な群知能的動態について議論したい。

1AW-06 11月30日(水)
9:30-12:00
E
オルガネラ熱計測 / Advanced organelle thermometry
オルガネラ熱産生計測の挑戦
Advanced organelle thermometry
共催:学術変革領域研究(B)「筋肉トランススケール熱シグナリング」
Co-hosted by: Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (B) "Trans-scale thermal signaling in muscle"
オーガナイザー
鈴木 団(大阪大学)、大山 廣太郎(量子科学技術研究開発機構)
詳 細

多くの動植物で見られる熱産生は、細胞内の生化学反応によって連続的に熱が放出される現象である。本ワークショップでは、これを「熱源であるオルガネラの温度変化」として、オルガネラ指向性の蛍光プローブを用いて検出しようとする技術について取り上げる。また、熱産生によって上昇したオルガネラの温度は、近傍の生体分子にどのような効果を与えるだろうか。特に骨格筋の非ふるえ熱産生を取り上げ、疾患との関連を含めた最新の知見について紹介する。

1AW-07 11月30日(水)
9:30-12:00
E/J
サイズ生物学 / Size Biology
サイズスケーリングからひも解く細胞内世界の混沌と調和
Size scaling in chaos and cosmos of the cellular world
オーガナイザー
山本 一男(長崎大学)、原 裕貴(山口大学)
詳 細

直径数十µmの細胞の中には、数µmのオルガネラから数百nmの生体高分子に至るまで、様々なサイズの構造体が混沌と入り混じっている。細胞は、これら異なるスケールの要素間の「秩序」を認識し、さらに要素のサイズを巧みに「調和」させることで、細胞機能を形成する。本ワークショップでは、細胞レベルの分子やオルガネラなどの要素におけるサイズ制御について、「秩序」と「調和」を生み出す仕組みの定量的・力学的な理解に挑む最新の研究例を紹介する。

1AW-08 11月30日(水)
9:30-12:00
E/J
代謝と疾患生物学 / Metabolism & Disease Biology
古くとも新しい、「代謝」の異常からみた疾患生物学
Disease biology from the perspective of metabolic disorders
オーガナイザー
南嶋 洋司(群馬大学)、田沼 延公(宮城県立がんセンター研究所)
詳 細

細胞・臓器・個体が正常な機能を保つためには、細胞内代謝の恒常性を維持することが必須であり、代謝の異常は癌や老化をはじめ生体内の様々な疾患・病態と密接にリンクしている。本セッションでは、疾患・病態の本態を、古くとも新しい「代謝」の異常という切り口から考えてみたい。

1AW-09 11月30日(水)
9:30-12:00
E
微生物学の最前線 / New microbiological technologies and applications
最先端テクノロジーが解き明かす新しい微生物学
Cutting-edge technologies and their applications in microbiology
オーガナイザー
ジン ジャンシ(理化学研究所 )、前田 智也(北海道大学)
詳 細

分子生物学的解析を用いた近年の微生物学では、それまでに解析が難しかった、細菌叢と宿主の相互作用や、薬剤耐性、進化、そしてパーシスターなどの複雑な現象を研究対象とすることが可能になってきた。本ワークショップでは、次世代シーケンス技術や、オートメーション化、シングルセルイメージングなどの最先端技術の紹介や、これらを応用した微生物学の研究結果について議論する。

1AW-10 11月30日(水)
9:30-12:00
E/J
糖化と神経系疾患 / Glycation-related nervous system disorders
「糖化ストレスと神経系疾患」研究の最前線
Cutting-edge approaches to glycative stress-related neurological and neuropsychiatric disorders
共催:日本メイラード学会
オーガナイザー
三五 一憲(東京都医学総合研究所)、水上 浩哉(弘前大学)
詳 細

加齢、肥満、糖尿病などで増加する終末糖化産物やその前駆物質は、認知症やニューロパチーをはじめとする神経変性疾患の発症・増悪因子となりうる。また若年期の砂糖過剰摂取が糖化ストレスの亢進を介して、統合失調症や双極性障害などの精神疾患の発症リスクを高めることも示唆されている。本ワークショップでは国内外で活躍中の研究者を招き、糖化ストレスが関与する神経系疾患の病態解明や治療法開発に向けたアプローチを紹介してもらう。

1AW-11 11月30日(水)
9:30-12:00
J
クロマチン構造 / chromatin structural biology
クロマチン構造生物学の最先端
The cutting edge of chromatin structural biology
協賛:新学術領域 非ゲノム情報複製
オーガナイザー
有田 恭平(横浜市立大学)、仙石 徹(横浜市立大学)
詳 細

クロマチン構造の基盤となるヌクレオソームやその制御因子である非ゲノム情報 (DNAメチル化、 ヒストン修飾など) は、 遺伝子発現や高次染色体構造の制御に寄与する。本ワークショップでは立体構造解析 (X線結晶構造解析、 Cryo-EM、 NMR)、生物有機化学、 MDシミュレーションなどの技術を通して明らかになった、クロマチン構造生物学の最先端を紹介すると共に、非ゲノム情報を介した細胞制御機構について議論する。

1AW-12 11月30日(水)
9:30-12:00
J
化学×顕微鏡 / Chemistry x Microscopy
分子を観る・分子で観る:ケミカルバイオイメージングの新展開
Observation of molecules by molecules: A new school of chemical-bioimaging
オーガナイザー
吉村 英哲(東京大学)、樺山 一哉(大阪大学)
詳 細

生体分子の動きを文字通り目で見て理解するバイオイメージングでは、その標的分子の特性と観察目的に応じた標識・検出・解析法を適用・開発する必要がある。すなわちイメージング技術に加えケミカルバイオロジーに基づく様々な分子技術を駆使して標的分子を捉える必要がある。本ワークショップでは大小様々な分子の標識・操作・観察を行う研究者が集まり、新たな分子イメージングの可能性を議論する。

1AW-13 11月30日(水)
9:30-12:00
E
エピイメージング / Live-cell epigenetic imaging
ゲノム機能の理解に迫る生細胞エピジェネティックイメージング
Live-cell epigenetic imaging for understanding genome function
オーガナイザー
落合 博(広島大学)、木村 宏(東京工業大学)
詳 細

ゲノムの正確な複製、修復、情報の読み取りには、多階層でのエピジェネティック制御が重要である。次世代シーケンサーの発展によってその理解は進んできたが、ゲノム機能原理の高時空間分解能での理解には生細胞イメージングによる補完が不可欠である。本ワークショップでは、卓越した演者に遺伝子発現やDNA修復等に関する生細胞エピジェネティックイメージングの最新技術と研究成果を紹介してもらい、当該技術が如何にゲノム機能の理解に貢献していくかを議論する。

1AW-14 11月30日(水)
9:30-12:00
J
オミクスを重ねて / Advances and future of the Trans-Omics
オミクスを重ねた解析から我々は何を知ることができるのか?
What can we do with and what can we learn from trans-ome analyses?
オーガナイザー
岩崎 未央(京都大学)、河野 暢明(慶應義塾大学)
詳 細

近年、オミクス解析の中で最も困難であったプロテオーム解析、メタボローム解析技術の革新的な進歩によって、ゲノム、トランスクリプトーム等を含めたすべてのオミクス層を重ねた解析が可能となってきた。これによって、これまで単一のオミクス解析からではわからなかった知見が分子生物学の幅広い領域で明らかになりつつある。本セッションでは、trans-ome解析に焦点を当て、主に将来の本分野を担う若手研究者による最先端かつ斬新な情報解析技術と研究例を紹介し、trans-ome解析の重要性と今後の課題を議論する。

1AW-15 11月30日(水)
9:30-12:00
J
生老病死の新展開 / A New Perspective on “life-aging-disease-death"
先端分子生物学から切り開く生老病死の新展開
A New Perspective on “life-aging-disease-death" revealed from advanced molecular biology of disease pathophysiology
オーガナイザー
田中 知明(千葉大学)、南野 徹(順天堂大学)
詳 細

シングルセル解析やcell-cell interaction解析技術の発達、プロテオミクスやデータサイエンスの先鋭化と相まって、液-液相分離の疾患生物学や臓器間シングルセルネットワークなどのように、生老病死の病態が新たな視点から切り拓かれつつある。興味深いことに、生命・寿命・老化シグナルは、核内事象とミトコンドリア代謝シグナル-転写や翻訳、エピゲノム制御機構、酸化ストレス、栄養、代謝など-に集約したり、セノリテックCAR-Tなど老化細胞を除去することで生体や臓器の老化フェノタイプを克服しようと試みられている。本ワークショップでは、「先端分子生物学から切り開く生老病死の新展開」をテーマに、複合体解析・シングルセル解析やマルチオミクス解析など新たなアプローチを通じて、疾患病態との関わりを切り開いてきた先駆的研究を紹介する。核やミトコンドリアシグナルに焦点を当てながら、生老病死の分子生物学について、これからの展開と可能性を含めながら、皆さんと議論を深めたい。

1AW-16 11月30日(水)
9:30-12:00
E
核・細胞骨格動態 / Mechanochemical interplay of nucleocytoskeleton
発生と分化を制御する核骨格・細胞骨格ダイナミクス
Nucleocytoskeletal dynamics regulating development and cellular differentiation
オーガナイザー
島本 勇太(国立遺伝学研究所)、宮本 圭(近畿大学)
詳 細

アクチン、微小管、中間径フィラメント(ラミン等)に代表される核・細胞骨格は、細胞内でダイナミックに重合しながら束化・ネットワーク化し、細胞運動をはじめとする多くの力学的生命現象を支配している。本ワークショップでは、これら細胞内の骨格システムが遺伝子発現活性やシグナル伝達などの生化学過程と連携して胚発生や細胞分化の重要な制御因子として機能する点に着目する。異分野で活躍する研究者を集めて最新の知見を共有し、メカニズムに対する深い理解と次なる発見につながるアイデア探究の機会としたい。

1AW-17 11月30日(水)
9:30-12:00
E
幹細胞の多細胞創発 / From Stem cells to Organoid
幹細胞とオルガノイド:自己組織化を操作し、多細胞システムを創発する技術
From Stem cells to Organoid: new technologies manipulating self-organization to emerge multi-cellar system
後援:理化学研究所生命機能科学研究センターオルガノイドプロジェクト
オーガナイザー
森本 充(理化学研究所)、高里 実(理化学研究所)
詳 細

幹細胞から多細胞組織が自己組織化される過程では、多彩な細胞への分化、細胞数の調整、細胞形態の変化などの個別の事象が複雑に組み合わさり、臓器固有の器官構造が「創発」されている。構築された臓器様の細胞塊は“オルガノイド”と呼ばれ、幹細胞研究のみならずヒト発生や疾患モデル開発、創薬への応用も期待される。本ワークショップでは、気鋭のオルガノイド研究者を糾合し、幹細胞の創発能を引き出す技術を討論する。

1AW-18 11月30日(水)
9:30-12:00
J
機能性ゲノム / Functional genome autonomy
多様な機能性制御領域が織りなすゲノムオートノミー:新技術と最前線
Genome autonomy, woven by various functional elements: its frontline and technology development
オーガナイザー
井上 詞貴(京都大学)、辻村 太郎(京都大学)
詳 細

ゲノムには、遺伝子、エンハンサー、その他さまざまな機能性ゲノム領域が存在する。所与の核内環境に応じて、各々の制御領域が機能を発揮し、相互作用することで、ゲノムは自律的な機能発現動態「ゲノムオートノミー」を示す。本ワークショップでは、制御領域の網羅的探索や詳細な機能解析を可能とする新技術を開発・駆使しながら「ゲノムオートノミー」のメカニクス解明に挑む演者らを迎え、機能ゲノミクス研究最前線を展望する。

1AW-19 11月30日(水)
9:30-12:00
J
転写ユニティー / Transcription Unity
時空間的な多因子間相互作用が形成する転写ユニティー機構の新展開
Novel mechanisms of transcriptional unity formed by spatiotemporal multifactorial interactions
共催:学術変革領域研究B 時空間的な多因子間相互作用の理解による転写ユニティー機構の解明
オーガナイザー
二村 圭祐(大阪大学)、高橋 秀尚(横浜市立大学)
詳 細

細胞の機能発現には、ゲノム全体に分布する遺伝子の発現を適切に制御することが必須である。精密な転写制御のために、タンパク質、RNA、DNAなどの限られた数の転写制御因子間で、特異的な組み合わせの相互作用(多因子間相互作用)とその反応場が生じ、転写は“時空間的”に制御される。多因子間相互作用により、転写プロセス全体が密に相互連携することで一体化し、転写ユニティー(Unity: 一体化)機構が形成される。転写ユニティー機構では、異なる組み合わせの多因子間の相互作用によって、標的遺伝子ごとに特異的な転写ユニティーが構築されると考えられる。本ワークショップでは、このような多因子間相互作用によって形成される時空間的転写制御機構の新たな展開について議論したい。

1PW-01 11月30日(水)
16:45-19:00
E
mRNA分解翻訳 / mRNA degradation and translation
あなたの知らない再構築されたmRNAポリA鎖の世界
Reconsidering molecular and biological roles of mRNA poly(A) tails
オーガナイザー
森田 斉弘(University of Texas Health Science Center at San Antonio)、Marc Fabian(McGill University)
詳 細

mRNAのポリ(A)鎖は、ほぼ全てのmRNAに存在する。過去の研究結果から、ポリ(A)鎖はmRNAの翻訳を促進し、mRNAを分解から守ると考えられてきた。しかしながら、近年のオミクス解析といった新技術の開発によって、ポリ(A)鎖に対する我々の概念は再構築されつつある。RNA-seqなどの新技術により、ポリ(A)鎖の長さと翻訳効率の関係が見直され、ポリ(A)鎖の長さは以前考えられていたように一様ではないことが示された。本ワークショップでは、ポリ(A)鎖の研究の現状と将来への展望を紹介する。

1PW-02 11月30日(水)
16:45-19:00
E/J
血管から辿る進化 / Bio-evolution traced through blood vessels
血管の構造と機能から捉える生物進化論
Biological evolution from the perspective of vascular structure and function
オーガナイザー
坂上 倫久(愛媛大学)、木戸屋 浩康(福井大学)
詳 細

生物はゲノム情報をフレキシブルに書き換えることで特殊な組織や器官を作り上げ、生物が直面する様々な環境に適応してきた。その中でも血管を基本構成単位とする循環器系は、効率よく酸素や栄養を全身に供給し、また老廃物を排泄するために多細胞生物が獲得した優れた物質輸送システムである。本ワークショップでは、生物種ごとに環境変化に適応して進化を遂げた高度で多彩な循環器システムを紹介し、生物体の恒常性維持機能の多様性に隠された新しい血管機能と構造について分子や細胞レベルで論じる。

1PW-04 11月30日(水)
16:45-19:00
E/J
修飾生物学 / Modification Biology
修飾生物学 -分子修飾が生み出す新たな中心原理-
Modification Biology - A New Central Dogma Generated by Molecular Modifications and adducts
オーガナイザー
今野 雅允(産業技術総合研究所)、常陸 圭介(藤田医科大学)
詳 細

新たな分子修飾や付加体の発見により、DNA→RNA→Proteinという生物学領域の中心原理が従来知られていたものよりもさらに複雑な機構であることが理解され始めている。本ワークショップでは、分子修飾や分子に対する付加体が様々な生命現象に及ぼす影響について、最先端の知見を見出した若手研究者に発表いただく。これにより、まさに変革期を迎えつつある分子修飾についての議論を深め、新規参入のきっかけを提供し、この分野のさらなる発展を目指したい。

1PW-05 11月30日(水)
16:45-19:00
J
発達ネオ病理 / NeoPathology of Neurodevelopmental Disorders
多様な病因に潜む共通メカニズムから探る神経発達障害のネオパソロジー
NeoPathology of Neurodevelopmental Disorders Based on Common Mechanisms Underlying Various Pathogenesis
オーガナイザー
若月 修二(国立精神・神経医療研究センター)、高雄 啓三(富山大学)
詳 細

自閉スペクトラム症や統合失調症をはじめとする神経発達障害には遺伝的要因、そして環境的要因がある。発病に至る原因はさまざまであるものの、それらの病因は発生期や周産期の神経発達に作用しており、その背景には異なる病因に潜む共通メカニズムが存在する可能性がある。本ワークショップでは、シナプスの形成・機能、およびモデル動物を用いた行動学的解析など、疾患の病態を理解する上で極めて重要な研究に精力的に取り組む第一線の研究者を集めて最新のトピックスを紹介するとともに、神経発達障害の共通原理とは何かについて議論したい。

1PW-06 11月30日(水)
16:45-19:00
E/J
環境シグナル応答 / Signal Responses by Environmental Stimuli
環境受容シグナルによる統合的生体恒常性維持システム
Homeostatic mechanism regulated by signal reception of various exogenous stresses
オーガナイザー
池田 史代(九州大学)、清水 康平(大阪市立大学)
詳 細

生体の恒常性維持には、環境ストレス(温度、UV、圧)や微生物等の多彩な外来刺激を細胞レベルで検知し、その情報をシグナルに変換して臓器および個体全体へ伝達する事で、生命機能を統合的に制御する必要がある。このワークショップでは、細胞・分子生物学、オミクス、モデル動物、及び計算生物学などの各手法を用いた、環境ストレスに対する細胞レベルの受容・応答機構や、細胞間・臓器間における情報伝達についての最新の研究について議論する。

1PW-07 11月30日(水)
16:45-19:00
J
生命機能と振動 / Oscillations in multicellular systems
細胞機能のオシレーションから理解する多細胞構築メカニズム
From oscillation to multicellular dynamics
オーガナイザー
高橋 淑子(京都大学)、石松 愛(ブランダイス大学)
詳 細

細胞機能のオシレーションと形態形成との繋がりは、体節分節の研究が起爆剤となり、今では神経幹細胞の機能維持にも遺伝子発現のオシレーションが関わることが知られている。このワークショップでは、さらに新しい細胞機能オシレーションを発掘し、これまで未開拓であった形態形成や生命機能の理解につなげたい。指名演者による、体節分節、腸蠕動運動、中枢神経の蠕動シグナルなどの研究に加え、一般演題からも募集する。

1PW-08 11月30日(水)
16:45-19:00
J
細胞ヘテロ可塑性 / Cellular heterogeneity and plasticity
生体の頑強性と柔軟性を支える細胞不均一性と可塑性の理解に向けて
Toward understanding cellular heterogeneity and plasticity underlying robustness and flexibility in living organisms
オーガナイザー
中嶋 悠一朗(東京大学)、川又 理樹(九州大学)
詳 細

生体を構成する多種多様な細胞は、体の恒常性を頑強に維持する一方で、内外の刺激に柔軟に応答する。近年のシングルセル解析や細胞系譜解析の発展により、組織再生や環境応答において、細胞の不均一性や脱分化をはじめとした細胞可塑性の寄与が明らかにされつつある。本ワークショップでは、様々な生物種で展開されている細胞不均一性と可塑性の制御機構や生理機能に焦点をあてた研究を紹介し、今後の展望を議論する。

1PW-09 11月30日(水)
16:45-19:00
E/J
さかな神経科学 / Neuroscience of teleost fish
魚類モデルの特性を利用した脳神経科学研究の新潮流
New trends in neuroscience research exploiting unique characteristics of teleost fish models
オーガナイザー
大森 義裕(長浜バイオ大学)、久保 郁(国立遺伝学研究所)
詳 細

脳・神経科学研究の分野において、ゼブラフィッシュやキンギョを含む硬骨魚類は他の脊椎動物種にはない種々のユニークな特性を持ち、その解析に最先端の技術が適用され、これまでにない革新的な発見が相次いでいる。微小な稚魚の全脳ライブイメージングや、全ゲノム重複後に進化した種のシングルセルトランスクリプトーム解析など、Wet/Dry両方の技術を駆使した研究が展開されている。本セッションでは、これらの研究とともに今後魚類モデルが脳科学研究に貢献しうる領域についての議論も深めたい。

1PW-10 11月30日(水)
16:45-19:00
J
糖鎖と多様な現象 / Multi-phenomena lay on glycosylation
糖鎖関連の分子/オルガネラの異常が引き起こす多様な現象
Multi-phenomena caused by dysregulation of glyco-related molecules/organelles
オーガナイザー
藤平 陽彦(理化学研究所)、木塚 康彦(岐阜大学)
詳 細

糖鎖修飾は最も主要な翻訳後修飾で、タンパク質の品質管理、ウイルス感染など多様な生命現象に関わり、糖鎖の合成/分解に関わる分子/オルガネラの異常は疾患にもつながる。本ワークショップでは、糖鎖に関わる分子/オルガネラの異常に起因する現象や疾患、またその理解と治療法開発に向けたモデル生物や有機合成的アプローチを用いた研究について、気鋭の研究者から最新の知見について発表していただき、糖鎖にまつわる分子が引き起こす多様な現象とメカニズムについて議論を交わしたい。

1PW-11 11月30日(水)
16:45-19:00
E/J
グリア細胞学 / Glial Biology
グリア細胞学 -グリアから紐解く脳機能-
Glial functions in brain science
オーガナイザー
橋本 恵(お茶の水女子大学)、吉川 圭介(埼玉医科大学)
詳 細

グリア細胞は、神経を大きく上回る数存在し、脳の発生・恒常性維持・疾患を司る。近年ではグリア-神経コミュニケーションへと議論が発展し、単なるサポート役と思われてきたグリアが、脳の情報処理にも積極的に関与する傍証が次々と見つかっており、グリア機能の理解が脳機能の理解に必要であるという認識にある。本ワークショップでは、イメージング技術やオミクス解析を駆使したグリア研究の最前線で活躍する若手研究者と、最新のグリア知見を共有する。

1PW-12 11月30日(水)
16:45-19:00
J
運動器科学 / Frontiers in skeletal science
運動器科学の最前線
Frontiers in musculoskeletal science
オーガナイザー
井関 祥子(東京医科歯科大学)、宿南 知佐(広島大学)
詳 細

筋骨格システムの組織コンポーネントは、腱・靭帯によって適切に連結されて運動器という一つのユニットとして機能する。頭蓋では、裏打ちする硬膜や頭蓋骨を連結する縫合および軟骨結合が、脳の成長などの圧力に反応して骨吸収や添加が起きる。本ワークショップでは、これらの組織の発生、リモデリング、再生のメカニズムについて、幹細胞、動物モデル、オルガノイド、シミュレーション研究を用いて学際的に解明するアプローチに焦点を当てる。

1PW-13 11月30日(水)
16:45-19:00
E/J
構造生物の新展開 / Recent advances in structural biology
構造生命科学の新展開 -さぁ始めようか電顕観察-
New Developments in Structural Life Sciences
オーガナイザー
西澤 知宏(横浜市立大学)、西増 弘志(東京大学)
詳 細

クライオ電子顕微鏡における様々な技術革新により、生体内で起きている様々な現象を分子の高分解能構造から理解することができるようになっている。本ワークショップでは、タンパク質やタンパク質-核酸複合体の単粒子構造解析、あるいは細胞のトモグラフィー解析などから見えてきた分子メカニズムに関する最新の研究成果を中心に発表・討論したい。

1PW-14 11月30日(水)
16:45-19:00
E
ゲノム機能・科学 / Genome biology with genomics databases
ゲノム機能・構造データを起点とするゲノム科学の展開
genome biology with genomics databases
オーガナイザー
川路 英哉(東京都医学総合研究所)
詳 細

ゲノム多様性やエピゲノム、トランスクリプトームをはじめとするゲノム機能・構造情報の蓄積はこれまで以上にハイペースで続いており、先端技術による測定データの蓄積と基盤的データの着実な改善が同時平行的に進んでいる。本ワークショップでは、世界中で進められているこれらのアップデートを概観し、ゲノム機能・構造データを起点として明らかにされたゲノムの新しい側面について議論する。

1PW-15 11月30日(水)
16:45-19:00
J
代謝酵素集合体 / META body
代謝系×相分離の新たな挑戦
New Challenges on Metabolic System and Phase Separation
オーガナイザー
三浦 夏子(大阪府立大学)、美川 務(理化学研究所)
詳 細

細胞質内でエネルギー代謝経路を担う酵素群の多くは、特定の条件下で液-液相分離による集合体を形成し、代謝反応を調節することが知られつつある。代謝系が持つこの新たな仕組みを理解・利用・模倣できれば、これまでにない酵素の利用法や社会実装への道が拓けるはずである。本ワークショップでは、代謝系あるいは相分離をキーワードに新たな挑戦を行う講演者が集い、議論を通じて新たな知見や方法論が創発される場を構築することを目指す。

1PW-16 11月30日(水)
16:45-19:00
J
大腸菌の全体像 / Overview of the molecular mechanism in Escherichia coli
大腸菌の環境適応分子機構の全体像
Overview of the molecular mechanism of environmental adaptation in Escherichia coli
オーガナイザー
島田 友裕(明治大学)、吉田 秀司(大阪医科薬科大学)
詳 細

現在までに数万種類を越える生物のゲノム配列が決定され、1つの生物を構築する遺伝子の全体像が明らかとなった。本ワークショップでは、個別遺伝子の機能情報が最も多く、かつ、現在の網羅的解析手法を用いてゲノム遺伝子全体の分子機構の解析が可能である大腸菌を研究対象とし、全遺伝子の機能情報とゲノム包括制御機構を基盤として、生物の仕組みの理解を目指している研究を取り上げる。1つの生物システムの全体像について、皆さんと議論したい。

1PW-17 11月30日(水)
16:45-19:00
J
細胞分裂の駆動力 / Protein assemblies driving cell division
細胞分裂を駆動するタンパク質集合体の動態と制御
Protein assemblies driving cell division
オーガナイザー
野澤 竜介(がん研究会がん研究所)、新海 創也(理化学研究所)
詳 細

細胞分裂における、染色体の構造変換、動原体の構築、微小管・中心体といった分裂装置の形成、核膜の崩壊と再形成といった過程は、タンパク質分子の集合と分散によってダイナミックに制御されている。本ワークショップでは、こういった細胞分裂を担う集合体に着目し、その形成原理や制御、そしてそれらが生み出す細胞分裂進行の物理的な駆動力について議論する。細胞分裂メカニズムの理解に新たな切り口を見出したい。

1PW-18 11月30日(水)
16:45-19:00
E/J
幹細胞エピゲノム / Epigenetic regulatory networks in stem cells
幹細胞生物学におけるエピジェネティック制御機構
Epigenetic regulatory mechanisms in stem cell biology
オーガナイザー
石津 大嗣(慶應義塾大学)、坂下 陽彦(慶應義塾大学)
詳 細

受精によって形成される接合子は全ての種類の細胞に分化し、個体へと成長することができる全能性をもつ。しかし、受精卵がどのようにして全能性を獲得するのか、そのリプログラミング過程については不明な点が多い。近年、初期胚発生および幹細胞リプログラミング研究の進展から、エピジェネティック情報の初期化と再構築を担うダイナミックなゲノム構造の動態変化が明らかとなった。また、着床前胚発生における全能性から多能性へのプログラム転換に核内ノンコーディングRNAによるエピゲノム制御が関与することが明らかになりつつある。本ワークショップでは、全能性幹細胞の特徴を規定するエピゲノムの制御機構について最新の知見を共有し、全能性獲得の背景に潜むエピゲノム制御ネットワークの解明に向けた課題を議論する。

1PW-19 11月30日(水)
16:45-19:00
J
オルガネラ新技術 / New approaches to organelle functions
新計測技術で迫るオルガネラの維持と老化
Integrity and aging of organelles approached by novel technologies
オーガナイザー
後藤 聡(立教大学)、吉田 秀郎(兵庫県立大学)
詳 細

オルガネラの正しい構造や機能は加齢とともに維持できなくなり、そのことが細胞や個体の老化を加速させる。オルガネラの機能は、オルガネラ内の微小領域(オルガネラ・ゾーン)が担っているため、オルガネラを正しく理解するためには、新たな解析手法が必要となる。本ワークショップでは、新技術によるオルガネラ機能の維持と老化に伴う破綻についての研究を紹介する。

2AW-03 12月1日(木)
9:00-11:30
E/J
真核生物翻訳制御 / Translation Regulation in Eukaryotes
脊椎動物におけるmRNA翻訳制御の妙
Elaborate mRNA translation control in vertebrates
オーガナイザー
藤原 俊伸(近畿大学)、山下 暁朗(琉球大学)
詳 細

mRNA翻訳制御が含む様々な生命現象において重要な役割を果たしている。mRNAワクチンも40年にわたるmRNA翻訳制御研究の成果が盛り込まれている。本ワークショップでは、mRNA翻訳と生命現象の関わりが、不均一なリボソーム、tRNA修飾、ストレス応答などによる翻訳制御を、高解像度Cryo-EM構造解析、トランスレートローム解析などの方法論を用いることで解明した、最新の研究成果を紹介する。

2AW-04 12月1日(木)
9:00-11:30
E/J
老化栄養学と炎症 / Nutri-aging and chronic inflammation control
炎症制御につながるNutri-aging
Nutri-aging capable to chronic inflammation control
オーガナイザー
丸山 光生(国立長寿医療研究センター)、清水 孝彦(国立長寿医療研究センター)
詳 細

加齢とともに体内に蓄積する炎症は、老化・老化関連疾患の主要なリスクファクターとなる。慢性炎症を標的にした生体機能の制御には未病状態では機能性食品による介入が最も有力な方法と期待できる。本ワークショップでは老化の制御をめざす食品などによる栄養介入がどのように炎症を制御し、生体機能の恒常性を維持するのか「Nutri-aging(老化栄養学)」の最新研究を紹介、議論したい。

2AW-05 12月1日(木)
9:00-11:30
J
血管の多様な役割 / New frontier on Vascular-signpost
「組織血管化」の新展開:発生から病態まで
New frontier in “vascular-signpost": from development to disease
オーガナイザー
水谷 健一(神戸学院大学)、宝田 美佳(金沢大学)
詳 細

全身に隈なく存在する血管は、全ての細胞の機能や挙動を制御しうる極めて都合の良い組織と見なされている。近年、血管が成体においても様々な生体環境の変化に柔軟に適応することで、時間的・空間的に血管化(血管新生や血管リモデリング)を制御する新たな現象が相次いで発見されており、これは病態時の変化にも重要な役割を果たす。本ワークショップでは、脳・肺・皮膚などの様々な組織血管化の生理機能に着目し、発生から病態・治療を含めた幅広い議論を展開する。

2AW-06 12月1日(木)
9:00-11:30
E
タンパク質寿命 / Protein lifetime regulation
タンパク質寿命制御によるプロテオームリモデリングと生体制御
Proteome Remodeling and Biological Regulation by Protein Lifetime Regulation
共催:文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究「ケモテクノロジーが拓くユビキチンニューフロンティア」
オーガナイザー
村田 茂穂(東京大学)、佐伯 泰(東京都医学総合研究所)
詳 細

細胞のプロテオームは細胞機能を決定する主要な要因である。細胞・組織がダイナミックに変化または環境応答する際に、タンパク質分解がプロテオーム変容の中心的な役割を果たす場合が知られている。本ワークショップでは、細胞ストレス、分化、老化に際して生じるプロテオームリモデリングのメカニズムをタンパク質寿命制御の観点から議論する。

2AW-07 12月1日(木)
9:00-11:30
E
3Dゲノムの意義 / Integrative analysis of genome folding
統合型ゲノム解析で挑むゲノム立体構造の意義解明
Toward understanding the role of 3D genome structure by integrative analysis
オーガナイザー
中戸 隆一郎(東京大学)、岡部 篤史(千葉大学)
詳 細

次世代シーケンサーや超解像度顕微鏡を駆使した近年の研究により、細胞核内における三次元的ゲノム階層構造の分子機構、また特定の疾患におけるゲノム構造の破綻が明らかになりつつある。一方、ゲノム構造の大規模な変化が遺伝子発現に与える影響は限定的であることが報告され、ゲノム動態におけるゲノム構造制御の意義に疑問符がつく事態になっている。そこで本ワークショップでは、ゲノム立体構造が転写・複製・疾患などに対してどのような意義を持つのかについて取り組む様々な分野の研究者の取り組みを紹介する。

2AW-08 12月1日(木)
9:00-11:30
E/J
次世代栄養学 / DX Nutrition
未来を奏でる「栄養学×デジタル技術」の最前線
The forefront of "Nutrition x Digital Technology"
オーガナイザー
高橋 伸一郎(東京大学)、宮本 崇史(筑波大学)
詳 細

生命システムにおける栄養素の役割を理解するためには、デジタル技術を駆使した学際的な栄養学研究が必要である。本ワークショップでは、マルチモーダルな栄養素の機能性を理解するためのデジタル技術(情報のデジタル化から、その解析手法まで)を網羅することで、栄養学研究のDigitalizationについて議論する。さらにデジタル技術による栄養学の変革を通して、地球環境を大事にする自然資本主義社会へと価値変容を促すDX Nutritionの学術的・社会的意義についても議論する。

2AW-09 12月1日(木)
9:00-11:30
E
DNA複製システム / DNA replication and environmental adaptation
多様な複製システムによる環境変動対応のメカニズム
Adaptation to changing environments by altering modes of DNA replication
オーガナイザー
正井 久雄(東京都医学総合研究所)、片山 勉(九州大学)
詳 細

環境変化やストレスは、転写変動を誘導するが、DNA複製システムはどのように変化するだろうか? 細菌、古細菌、ファージでは、通常の複製起点が機能しない時に、第二の複製モードが作動しゲノムを維持する。大腸菌の第二の複製モードは、タンパク質合成に依存しない、省エネ型である。種々の生物におけるDNA複製システムの多様性に着目し、複製モードの変動が、環境変動への適応、或いは変異誘導と進化において持つ意義を議論し、新たなDNA複製研究の創生を狙う。

2AW-10 12月1日(木)
9:00-11:30
J
NEXT微生物学 / Next-generation Microbiology II
ユニークな技法で紐解く微生物の細胞増殖原理
Fundamentals of microbial cell proliferation deciphered through the state-of-the-art technologies
オーガナイザー
尾崎 省吾(九州大学)、河野 暢明(慶應義塾大学)
詳 細

高等生物と比較すると単純と誤解されがちな微生物であるが、その増殖は「個の細胞周期」と「集団における個のふるまい」の絶妙な調和によって生まれる複雑系を基礎とする。例えば、細菌は細胞分裂を正確に繰り返して遺伝的に均一な集団を形成する一方で、集団の中にはふるまいの異なる一部の細胞が出現し、集団の増殖を多様化させる。本ワークショップではカッティングエッジな技法を駆使して微生物の複雑系に挑戦する研究者を集め、分子・細胞・情報・理論など様々な視点から細胞増殖原理を紐解く。

2AW-11 12月1日(木)
9:00-11:15
J
転移因子コード / Transposable Element Code (TEC)
転移因子コードによる核内相分離構造の理解
Molecular complicity between transposable element code (TEC) and liquid-liquid phase separation (LLPS)
オーガナイザー
シャリフ ジャファル(理化学研究所)、日比野 絵美(名古屋大学)
詳 細

ゲノムの約半分を独占する転移因子(TE )は、エピゲノム制御因子などをリクルートし、核内高次構造を形成する。TEの持つこのような機能を、「転移因子コード(TEC)」と呼ぶ。興味深いことに、近年の研究から転移因子RNAやそれを認識する結合因子との相互作用が液-液相分離(LLPS)を介して核内機能を調節する可能性が示唆された。本ワークショップでは、TECとLLPSの観点から高等生物の核内制御を議論する。

2AW-12 12月1日(木)
9:00-11:30
E
神経科学あれこれ / Developmental, behavioral, and evolutionary neuroscience
多様なモデル生物を用いた発生・行動・進化神経科学の最前線
Frontiers in developmental, behavioral, and evolutionary neurosciences using a wide variety of model organisms
オーガナイザー
丹羽 隆介(筑波大学)、水本 公大(The University of British Columbia)
詳 細

オミクス解析、ゲノム編集、光遺伝学、そして個体行動の数理解析の各技術の急速な発展は、従来なら不可能であった単一神経レベルでの活性操作や大規模な行動トラッキング、さらには神経系の進化の研究を可能とし、神経行動科学の進展に大きな影響を与えている。本ワークショップでは、線虫からヒトオルガノイドまで多様なモデルを用いる若手研究者に登壇いただき、神経科学や行動科学の将来の展望を聴衆と共に考える機会としたい。なお、指定演者はすべて、富澤純一・桂子基金採択者である。

2AW-13 12月1日(木)
9:00-11:30
E/J
生命システム動態 / Life system Dynamics
相互作用から紐解く生命システムダイナミクス ~多細胞連関からオルガネラ連関まで~
Revealing the Principles of Life Sciences through Biosystem Dynamics: From Multicellular to Organelle Interactions
後援:ムーンショット型研究開発事業「ウイルス-人体相互作用ネットワークの理解と制御」
オーガナイザー
島村 徹平(名古屋大学)、大澤 毅(東京大学)
詳 細

がん、生活習慣病などの疾患や感染症の進行には、分子間、オルガネラ間、細胞間、組織間などのさまざまな階層の相互作用が重要な役割を果たすが、階層内、階層間でどのような生命情報のやり取りが行われているかは未解明なままである。本ワークショップでは、新進気鋭の若手研究者が集まり、最先端のオミクス、イメージング解析や情報解析技術を駆使して、生命科学の根幹に迫る生命システムダイナミクスの世界を紹介するとともに、若手研究者の新規参入のきっかけを提供する。

2AW-14 12月1日(木)
9:00-11:30
E
内在性ウイルス / Endogenous Viral Elements
内在性ウイルスエレメント:ウイルスからの贈り物?
Endogenous viral elements: gifts from viruses?
オーガナイザー
小林 美栄(慶應義塾大学)、Nicholas Parrish (理化学研究所)
詳 細

ウイルスは宿主に対する脅威である、というイメージがCOVIDパンデミックで人々に植え付けられた。しかしウイルスと宿主の関係はそれだけにとどまらない。多くの宿主ゲノムにはウイルス由来の配列(内在性ウイルスエレメント、EVEs)が大量に挿入されており、むしろウイルスが”今の宿主”を作り上げてきたと捉えられる。ではウイルスが宿主やEVEsに対しどう貢献してきたのか?本ワークショップでは、進化学やウイルス学、免疫学、細胞生物学の観点から議論したい。

2AW-15 12月1日(木)
9:00-11:30
J
多彩な1細胞研究 / Single-cell Diversity
シングルセルダイバーシティ
Single-cell diversity
オーガナイザー
野村 征太郎(東京大学)、油谷 浩幸(東京大学)
詳 細

シングルセル解析技術の進歩は生命科学の研究を大きく変えた。細胞内の網羅的な分子プロファイルの定量計測から始まり、DNA/RNA/タンパクの各構成要素の空間的な局在計測、ゲノム編集を応用した分子バーコード、クライオ電子顕微鏡技術を応用した細胞内分子構造、マイクロ・ナノ工学デバイスを駆使したシングルセル応答計測など、シングルセル解析研究はダイバーシティを見せている。本ワークショップは、これら多様な最先端のシングルセル解析技術を用いて生命現象を理解しようとする研究者を一堂に集め、シングルセル研究の新しい潮流を生み出す契機としたい。

2AW-16 12月1日(木)
9:00-11:30
J
遺伝情報作用因 / Diverse causes for chromatin potential
クロマチン潜在能に働きかけるエピゲノムと核内構造体
Chromatin potential modulated through biomolecular condensates and epigenome
オーガナイザー
斉藤 典子(がん研究会がん研究所)、小布施 力史(大阪大学)
詳 細

核内においてはタンパク質、DNA、RNAなどの高分子が高密度で存在する特殊な環境を反映して、核内構造体と呼ばれる分子濃縮体が多様に存在する。近年、核内構造体とエピゲノムとの相関が報告され、遺伝子発現制御をはじめとするクロマチンが持つ様々な潜在能に働きかけていると考えられる。本ワークショップは、様々な環境変化に応答してエピゲノムや核内構造体がクロマチン潜在能に働きかける現象やその仕組みなど、最新の知見を交換し議論する場としたい。

2AW-17 12月1日(木)
9:00-11:30
E
ミトコンドリア学 / Mitochondriology
正常と異常のミトコンドリア生物学
Mitochondrial Biology in Normal and Abnormal
オーガナイザー
石川 香(筑波大学)、佐々木 妙子(群馬大学)
詳 細

ミトコンドリアは、細胞内代謝の中枢を担う重要なオルガネラである。細胞が「正常」であるためには、ミトコンドリアが「正常」でなければならない。ミトコンドリアが正常を保つためには何が必要で、ミトコンドリアに異常があると細胞や生体の機能にどのような影響が出るのだろうか。本ワークショップでは、国内外の研究者に最新の話題を提供して頂きつつ、ミトコンドリアの正常と異常について議論したい。

2AW-18 12月1日(木)
9:00-11:30
J
植物メカノバイオ / Plant mechanobiology
植物メカノバイオロジー:一細胞レベルから個体レベルへ
Plant mechanobiology: from single cell levels to plant body levels
オーガナイザー
飯田 秀利(東京学芸大学)
詳 細

 植物の形づくりには二つのシグナルが欠かせない。一つは、植物ホルモンなどの化学的シグナルであり、もう一つは細胞自身の膨圧や重力などの機械的シグナル(=力学シグナル)である。植物科学分野において、植物ホルモンの作用機序と役割はかなり良く解明されているが、機械的刺激の感受と応答の研究はようやく始まったばかりである。本ワークショップでは、当該分野で世界的に活躍している若手・中堅の研究者に機械的刺激の感受と細胞内・細胞間のシグナル伝達、および機械刺激応答としての形態形成などのメカニズムについて講演してもらう。同時に若手研究者の呼込みと育成を意図して、各講演者には平易なイントロダクションと当該分野の魅力を語ってもらう。講演者の約半数は女性とする。

2AW-19 12月1日(木)
9:00-11:30
J
多細胞生命自律性 / multicelllular autonomy
細胞間コミュニケーションの視点から紐解く多細胞生命の自律性
Unraveling the autonomy of multicellular systems that emerges from cell-cell communications
共催:学術変革領域研究 (A)多細胞生命自律性
オーガナイザー
小田 裕香子(京都大学)、戸田 聡(金沢大学)
詳 細

多細胞生物は自発的に組織や器官を構築し、その構造や機能を自ら最適化する自律性を備えているが、細胞集団が自身を最適化するメカニズムはほとんど不明であった。近年、自己最適化現象には、細胞間の様々な協調的・競合的コミュニケーションが重要な役割を果たすことが示されつつある。そこで、本ワークショップでは、細胞集団の振る舞いを制御する細胞間コミュニケーションについて最新の知見を紹介し、多細胞システムが自律性を生成する原理について議論したい。

2PW-03 12月1日(木)
16:15-18:45
E
ヒト疾患モデル / human disease models
ヒト疾患研究へのモデル生物の挑戦-遺伝子機能と生命システムの理解へ-
Model animals' approaches to human diseases - Toward understanding of gene functions and biological mechanisms -
オーガナイザー
川上 浩一(国立遺伝学研究所)、井ノ上 逸朗(国立遺伝学研究所)
詳 細

日本では37,000人を超える希少未診断疾患患者が存在し、診断確定や治療法の開発が待たれている。各患者のNGS解析によって原因となる遺伝子変異の絞り込みが行われているが、その因果関係を証明するのは希少であるがゆえに困難である。近年、希少疾患研究者とモデル動物研究者の橋渡しをするような取り組みが我が国および世界においてなされるようになってきた。これらの研究からは、病態解明のみならず遺伝子機能解明や新しい生命システムの理解が期待できる。本ワークショップでは、実際にモデル動物を用いてヒト希少疾患研究やヒト疾患研究を行っている研究者に講演していただき、基礎研究と臨床研究の有機的連携について議論したい。

2PW-04 12月1日(木)
16:15-18:45
E
種間差形態多様性 / interspecific morphological diversity
生物の形態多様性を生み出す種特異的な遺伝子発現調節と分子動態
Species-specific regulation of gene expression and molecular dynamics leading to morphological diversity in organisms
オーガナイザー
笹井 紀明(奈良先端科学技術大学院大学)、鈴木 孝幸(名古屋大学)
詳 細

自然界に存在する多くの生物は、それぞれ固有の形態、サイズを持ち、また発生速度や寿命も互いに異なる。これは種特異的な遺伝子発現制御、タンパク質の安定性や機能に依存していることが、最近の研究から明らかになってきた。本ワークショップでは、主に複数のモデル動物または種を扱う研究者が、独自の方法論によって種間の発生システムの比較を行い発見した、形態多様性を生み出す新たな分子メカニズムを紹介・報告する

2PW-05 12月1日(木)
16:15-18:45
E/J
生物の時間を操る / Controlling biological time
生物の時間を知る・止める・操る
Understanding, pausing, and manipulating time for the organisms
オーガナイザー
中西 未央(千葉大学)
詳 細

生物の発生・成熟・老化スピードは何によって決まっているのだろうか? 本ワークショップでは人為的な寿命延伸やマウスの冬眠誘導など、生物の「時」を操る最先端の研究者を一同に会し、このビッグクエスチョンに挑む。

2PW-06 12月1日(木)
16:15-18:45
E
多階層エピ遺伝学 / Epigenetics: from cell to ecology
分子-自然集団のスケールから見えてくる頑強かつ柔軟なエピジェネティクス
Robust and flexible features of epigenetics: views obtained from molecules to ecologies
オーガナイザー
越阪部 晃永(東京大学)、佐々木 江理子(九州大学)
詳 細

エピジェネティックな遺伝子発現制御は、動植物の垣根を超えて広く保存されたシステムである。一方で、近年の多様なモデル生物を用いた分子生物学的解析や集団遺伝学的解析により、環境や生物種に特異的なエピジェネティクス制御機構が報告されてきた。本ワークショップでは、分子、種、生態のスケールで、制御機構から分子進化に至るまでの最新の研究成果を紹介し、植物における頑強かつ柔軟なエピジェネティクス制御機構について議論したい。

2PW-07 12月1日(木)
16:15-18:45
E
膜制御分子集合 / Ordered molecular assembly for membrane
生体膜の構造機能を制御する分子の秩序と集合機構
The ordered molecular assembly for determining the plasma membrane morphogenesis and functions
オーガナイザー
竹田 哲也(岡山大学)、末次 志郎(奈良先端科学技術大学院大学)
詳 細

5. 細胞と細胞小器官は、それらの機能に適した独特の膜構造を示す。生体膜はそれ自体では形作ることができず、生体膜の形作り、さらには、生体膜で担われる生物機能は、生体膜に相互作用するタンパク質の集合に依存すると考えられる。生体膜機能に関連するタンパク質のそのような集合には、複数のタンパク質の不均一な多価相互作用による集合、ならびに細胞骨格のような均質なタンパク質の重合が含まれる。これらの生体分子の集合機構の破綻は、がんや先天性疾患などの発症に深く関与する。このワークショップでは、細胞の膜構造と機能のためのタンパク質と生体分子の集合について、発表および討議を行う。

2PW-08 12月1日(木)
16:15-18:45
E/J
健康細胞適応 / Healthy Cell Adaptation
健康長寿のための自発性/随意性を引き出すメカニカルストレス適応細胞分子生物学基盤~細胞-身体ダイナミクス協応
Cellular Molecular Biology of Mechanical Stress Adaptation for Health and Longevity - Body-Cell Dynamic Linkage
オーガナイザー
跡見 順子(東京農工大学)、清水 美穂(東京農工大学)
詳 細

人間の抗重力筋による随意運動に見られる細胞・身体の適応はどのような分子メカニズムで起きるのでしょうか?自己組織化する細胞骨格・微小管とアクチン線維タンパク質が、力学的・代謝的に不安定になるように美しく構造化し、ミクロ(タンパク質)とマクロ(脳神経系)を適応的に連動させることで担っています。本企画では、抗重力筋のメカニカルストレス適応機構に注目して、分子と身体の体軸制御をつないで議論します。

2PW-09 12月1日(木)
16:15-18:45
J
ウイルス大捜査線 / Real-world virology
ウイルス感染は実験室で起きてるんじゃない、現場(リアル)で起きてるんだ!
The viral infection isn't happening at a lab, but on the earth!
オーガナイザー
伊東 潤平(東京大学)、高橋 迪子(高知大学)
詳 細

ウイルスの感染は細胞レベルのミクロな現象である一方、ウイルスの流行は地球規模で進行するマクロな現象である。近年、ウイルスのミクロな振る舞いの違いが、ウイルスのマクロな振る舞い(流行・進化動態および生態系への作用)に大きな影響を与えうることが分かってきた。本企画では、現実世界におけるウイルスの感染・流行の原理を追究する様々な捜査活動について、環境ウイルスから新型コロナウイルスまで包括的に紹介したい。

2PW-10 12月1日(木)
16:15-18:45
E
TORワールド / New Horizon in TOR World
細胞の司令塔TORワールドのニューホライゾン
New Horizon in the World of Cellular Command Center TOR
オーガナイザー
丑丸 敬史(静岡大学)、前田 達哉(浜松医科大学)
詳 細

プロテインキナーゼTORは細胞内外部の様々な状況を感知、統合して細胞代謝を統括制御する司令塔である。栄養があるときには、最適解で細胞を増殖させる一方で、ストレス下では一転して細胞の生き残りを担保する。本ワークショップでは、複眼的な視点から、TORの制御、TORによる制御を総合的に洗い出し、細胞の司令塔としてのTORのまだ知られていない真実を明らかにしたい。

2PW-11 12月1日(木)
16:15-18:45
J
小胞体頑健性 / Robustness of the endoplasmic reticulum
小胞体ロバストネスを創出する多様なシステム
The ER robustness sustained by diverse molecular systems
オーガナイザー
鈴木 郁夫(東京大学)、蜷川 暁(神戸大学)
詳 細

小胞体の主要な役割は、細胞の状況が絶え間なく変わる中で多様なタンパク質の品質を一定に保つことである。これは、小胞体シャペロン群や分解因子群が幅広い条件において機能できること、そして、レドックス環境やカルシウム濃度などが適切に維持されることにより達成される。本ワークショップでは、細胞環境の変動に対する小胞体システムの頑健性や、その基盤となる分子メカニズム、そして生物進化における適応機構や小胞体の恒常性が破綻した時に生じる疾患についての最新の知見を、若手研究者を中心に議論したい。

2PW-12 12月1日(木)
16:15-18:45
E
金属の意義と毒性 / Metal’s roles in our body
金属は毒かそれとも栄養か?:生体金属の生理的意義と毒性
Metals in our body...Physiological factor or toxic agent?
オーガナイザー
深田 俊幸(徳島文理大学)、神戸 大朋(京都大学)
詳 細

亜鉛や鉄等の必須金属は、生体分子の制御を介して生命維持に貢献する一方で、その恒常性異常は細胞障害をもたらす。一方、カドミウムや水銀は有害な金属であり、細胞はこれらを厳密に制御する必要がある。本ワークショップでは、日本微量元素学会、新学術領域(生命金属)、国際亜鉛生物学会、日本亜鉛栄養治療研究会の主要メンバーおよび若手研究者とともに、生体金属の生理的意義と毒性の分子機序に関する最新情報を議論する。

2PW-13 12月1日(木)
16:15-18:45
E/J
クロマチン転写 / Transcription and Chromatin
クロマチン構造と転写制御
Transcription regulation by chromatin structure
オーガナイザー
佐藤 優子(東京工業大学)、胡桃坂 仁志(東京大学)
詳 細

真核細胞の核内では、長大なDNAがクロマチン構造を形成し、機能的に収納されている。遺伝子発現の最初の反応である転写は、細胞の形質や機能を規定する重要な役割を担っている。1960年代に3種類の核内RNAポリメラーゼが同定され、転写制御に関して多くの研究が行われてきたが、「細胞核内で、転写は実際にどのように進むのか?」については、未だ不明な点が多く残されている。本ワークショップでは、最新技術により明らかになってきたクロマチン構造による転写制御に焦点をあて、分子レベルから細胞レベルの各ステージでの議論を展開し、クロマチンでの転写制御機構の包括的な理解を目指す。

2PW-14 12月1日(木)
16:15-18:45
E
ゲノム複製最前線 / The frontline of genome replication
ゲノム複製研究の最前線 - Flexibility, Fidelity, Fragility
The frontier of genome replication - flexibility, fidelity and fragility
共催:国立研究開発法人科学技術振興機構 CREST・さきがけ「ゲノムスケールのDNA設計・合成による細胞制御技術の創出」
オーガナイザー
大学 保一(がん研究会がん研究所)、鐘巻 将人(国立遺伝学研究所)
詳 細

分子生物学の黎明期からDNA複製は重要な研究課題であり、これまで複製開始点及び関与する因子がバクテリアや酵母を同定、研究されてきた。その一方で、特に大きなゲノムを持つ脊椎動物等においては、DNA複製の素過程が想像以上に確率的であり、核内環境に応じた複製メカニズムの変化の解明は今後の課題である。本ワークショップは、DNA複製が持つ潜在的な柔軟性と、それによって影響されるゲノム安定性に焦点を当てる。

2PW-15 12月1日(木)
16:15-18:45
E/J
ゲノムモダリティ / Genome modality revealing chrmomatin dynamics
ゲノムモダリティから読み解くクロマチンダイナミクス
Chromatin dynamics deciphered from genome modality
共催:学術変革領域研究(A) DNAの物性から理解するゲノムモダリティ
オーガナイザー
岡田 由紀(東京大学)、谷口 雄一(京都大学)
詳 細

学術変革領域研究(A)「ゲノムモダリティ」では、塩基配列情報やDNA物性、さらにそれらを取り巻く環境諸因子の研究を通じて、複眼的な視点からゲノムの構造や機能を理解することを目標としている。本ワークショップでは主にクロマチン構造を研究対象とする領域メンバーを中心に最新の研究成果を紹介し、ゲノムが持つ新たな側面に迫りたい。

2PW-16 12月1日(木)
16:15-18:45
E
協奏的膜相分離 / Synergetic membrane phase separation
生体膜を舞台とした協奏的液-液相分離
Synergetic liquid-liquid phase separation in and on cell membranes
オーガナイザー
下林 俊典(プリンストン大学)、柳川 正隆(理化学研究所)
詳 細

近年タンパク質やRNAの液-液相分離は細胞内のメソスケール構造と機能の制御に重要な役割を担っていることが明らかとなってきた。生体膜を構成する脂質分子が相分離することは古くから知られているが、細胞応答を司る多様なタンパク質は脂質とどのように協奏的に相分離し、構造と機能を制御しているのだろうか?本ワークショップでは、物理、化学、生物学の様々な視点から生体膜・タンパク質の不均一構造にアプローチする最先端の研究を紹介し、生体膜を舞台とした液-液相分離研究の未来を展望したい。

2PW-17 12月1日(木)
16:15-18:45
E
ECMと形態形成 / morphogenesis by extracellular matrix
細胞外環境を起点とした力による形態形成
Morphogenesis by mechanical forces from extracellular matrix
オーガナイザー
稲木 美紀子(大阪大学)、前川 絵美(東京慈恵会医科大学)
詳 細

生物の組織は、生体内において単独で発生するわけではなく、多様な細胞外環境の影響を受ける。このため、組織の形態は、細胞間のみならず、細胞と細胞外基質の力学的相互作用により形作られる。本ワークショップでは、様々な生物種やソフトマターを用い、細胞外環境を起点とした力による形態形成に焦点を当てる。ライブイメージングやモデリングを駆使しながら、細胞外マトリックス及び細胞外環境による力の寄与の解明に挑む。

2PW-18 12月1日(木)
16:15-18:45
J
細胞核を造る / Reconstitute the nucleus
細胞核を造る ~物理化学的視点に着目して~
Reconstruction of the cell nucleus - from quantitative and physicochemical perspectives -
後援:新学術領域「クロマチン潜在能」
オーガナイザー
山縣 一夫(近畿大学)、木村 暁(国立遺伝学研究所)
詳 細

細胞核は遺伝子の転写・複製を通じて生命の機能発現や連続性を担う重要なオルガネラである。その構築機序を理解するためには、要素還元的な解析だけでなく、それら要素を単純化した系で組み合わせる再構成的アプローチが有用である。本学会年会で5回目となる「細胞核を造る」ワークショップでは、再構成的アプローチによる最新の知見を中心に、定量的、物理化学的視点から核を理解しようとする研究を集め、細胞核構築原理に関して議論したい。

2PW-19 12月1日(木)
16:15-18:45
E/J
炎症エピゲノム / inflammation epigenetics
慢性疾患を駆動する炎症エピゲノム
Crossroad of inflammation and epigenetics in noncommunicable disease
オーガナイザー
真鍋 一郎(千葉大学)、尾池 雄一(熊本大学)
詳 細

慢性炎症は生活習慣病とがんの基盤病態である。慢性炎症の開始、進行、遷延化のすべてにおいて、免疫細胞をはじめとする間質細胞と実質細胞でダイナミックなエピゲノム変化が炎症プロセスを駆動する。様々な細胞で炎症の記憶がエピゲノムとして刻まれることもわかってきている。炎症がどのようにエピゲノムを変換するのか、またエピゲノム変換がどのように炎症プロセスを制御・実行するのか、炎症とエピゲノムの相互作用について議論したい。

3AW-03 12月2日(金)
9:00-11:30
E/J
粒子物質生体影響 / Particulate Matter Biological Effects
粒子状物質、化学物質が醸し出す細胞レベルの影響から全身影響への橋渡し
Bridging from cellular-level effects produced by particulate matter and chemical substances to systemic effects
オーガナイザー
三村 達哉(帝京大学)、吉田 安宏(産業医科大学)
詳 細

大気中には花粉、大気汚染物質、タバコからの副流煙、ペット、ダニ、真菌などを含めた、様々な粒子状物質、化学物質が浮遊してる。これらの肉眼では見えない粒子は細胞レベルでは免疫毒性を及ぼす。また、この細胞毒性は呼吸器、アレルギー・免疫疾患、循環器、生殖、加齢、感覚器などへの全身への生体影響を及ぼす。本ワークショップでは、大気中粒子が及ぼす細胞レベルでの基礎研究と、全身影響への臨床研究の橋渡しとなる各分野の専門家が、科学的な側面から、公開討論を行う予定である。

3AW-04 12月2日(金)
9:00-11:30
E/J
中心ドグマ再起動 / Rebooting the Central Dogma
セントラルドグマ・リブート
Rebooting the Central Dogma of Molecular Biology
オーガナイザー
田上 俊輔(理化学研究所)、清水 義宏(理化学研究所)
詳 細

分子生物学のセントラルドグマ(複製・転写・翻訳)は現在の複雑な生命システムの根幹をなしている。しかし、太古地球でセントラルドグマがどのように誕生・進化してきたかについては多くの謎が残されている。本ワークショップでは、セントラルドグマの構成因子の再構成・改造や、特殊な進化をたどった生命の観察から、セントラルドグマの成り立ちとその発展可能性を議論する。

3AW-05 12月2日(金)
9:00-11:30
E/J
DNA修復の理解 / Understanding of DNA damage repairs
分子から個体へ:DNA損傷修復機構の包括的理解を目指して
From molecules to individuals: Toward a comprehensive understanding of DNA damage repair pathways
オーガナイザー
鵜木 元香(九州大学)、笹沼 博之(東京都医学総合研究所)
詳 細

大腸菌から酵母細胞、ヒト細胞を使った研究により、多くのDNA修復遺伝子が単離され、DNA損傷修復経路の種を超えた保存性が明らかとなった一方で、修復経路間の遺伝的相互作用の解析あるいは、疾患形質の理解を目指したDNA損傷修復研究は少ない。本WSでは、DNA損傷修復の素過程研究者に加え、発生・分化や疾患研究分野から多彩な若手研究者を招聘し、個体・組織におけるDNA損傷修復研究への理解を深める。

3AW-06 12月2日(金)
9:00-11:30
E/J
GTPと疾患治療 / The GTP Metabolism and New Therapeutic Interventions
GTPエネルギー代謝制御による新たな疾患治療共創のフロンティア
Targeting GTP energy metabolism for co-creating new disease therapies
共催:CREST
オーガナイザー
佐々木 敦朗(シンシナティ大学)、千田 美紀(筑波大学)
詳 細

グアニンリボース3リン酸(GTP)は核酸の構成要素である一方、タンパク質合成や細胞骨格系を駆動するエネルギーである。ATPとは異なる物理化学的性質をもち、ATPと比べ細胞内GTP量は組織により大きく異なり、がんでは著しく増加する。これまでの研究から、どうやら生命はGTPのエネルギー利用を変化させながら進化し、生命のレジリエンスに重要な役割を果たしていることが示されつつある。そしてGTPシステムの破綻は、がん、代謝疾患、感染、神経性疾患や老化など、様々な病態に結びついていることも明らかになってきた。第6回目となる本GTPワークショップでは、JST-CREST「コロナ基盤」との共催により、GTPエネルギー代謝の破綻がどのように疾患を引き起こしているのかそのメカニズムに迫る。GTPワークショップでは“Together”と”Passion”を大切にしている。GTPエネルギー代謝を標的とした治療戦略について最新の知見をシェアしあい、参加者の方々と“科学”反応を起こし新たな疾患治療への共創の場を生み出す。

3AW-07 12月2日(金)
9:00-11:30
J
ゲノム刷り込み / Genomic Imprinting
ゲノム刷り込み研究から紐解くエピゲノム遺伝の新たなパラダイム
New paradigms of epigenomic regulation and transgenerational inheritance uncovered by recent studies of genomic imprinting
オーガナイザー
山口 新平(大阪大学)、小林 久人(奈良県立医科大学)
詳 細

親由来のエピジェネティック修飾によって制御される片アレル性遺伝子発現、ゲノム刷り込み(インプリンティング)はエピゲノム遺伝の優れたモデルとして注目を集めている。近年では、ゲノム刷り込みの多様な分子機構と生物種の進化・分岐への貢献、さらに生理的役割に関しても新たな知見が集積しつつある。本ワークショップではゲノム刷り込みに関する最新の研究成果を動物から植物まで幅広く紹介し、今後の展望について議論したい。

3AW-08 12月2日(金)
9:00-11:30
E
3Dゲノム動態 / 3D genome organization dynamics
生命現象の制御と疾患に伴うゲノム三次元構造動態
Dynamic regulation of the 3D genome organization in the control of biosystems and disease
オーガナイザー
平谷 伊智朗(理化学研究所)、金田 篤志(千葉大学)
詳 細

ゲノムの三次元構造を明らかにする画期的な全ゲノム解析手法Hi-Cが登場して10年余りが過ぎた。Hi-C解析で見出されたTADやA/Bコンパートメント、そしてクロマチンループといったゲノム構造単位は、生命現象制御の各過程でどのように振る舞い、また、どのような異常が疾患の原因となっているのだろうか?そして、転写制御やその他のエピジェネティクス制御との関係性は?本ワークショップでは、様々な角度からこの課題に取り組んでいる気鋭の演者をお招きし、4Dヌクレオーム研究の現在地を俯瞰する

3AW-09 12月2日(金)
9:00-11:30
E
ミトコン送受信 / Mitochondria; trafficking in and out
受け取る、伝えるミトコンドリア
Mitochondria; trafficking in and out
オーガナイザー
杉浦 歩(順天堂大学)、イオアヌ マリア(アルバータ大学)
詳 細

オルガネラ間では代謝物やシグナルの伝達が活発に行われ、細胞機能の維持に重要な役割を果たしている。本ワークショップでは各分野でユニークな研究を展開している国内外の研究者が、ミトコンドリアを中心としたオルガネラにおけるタンパク質や脂質、さらには膜構造の伝達に関する最新知見を紹介する。自由活発な議論を展開し、本ワークショップがミトコンドリア研究に留まらず、オルガネラ研究の新たな発展のきっかけとなることを期待している。

3AW-10 12月2日(金)
9:00-11:30
E/J
慢性腎臓病の解明 / CKD
複雑な細胞構成をもつ腎臓を通して全身の病態を考える
Elucidating the pathogenesis of systemic diseases through the kidneys, which have a complex cellular structure
オーガナイザー
三村 維真理(東京大学)、鳥巣 久美子(九州大学)
詳 細

新たな国民病ともいえる慢性腎臓病は、国民の成人の8分の1が罹患していると推定されている。患者数は増加の一途で、血液透析などの腎代替療法を必要とする末期腎不全患者は全国で34万人を超えている。しかし、腎臓は様々な種類の細胞が複雑なネットワークを構築しているため、その病態生理機能を明らかにして、腎臓病の発症および進行を食い止めるための画期的な治療法は非常に困難で、長年確立されていない。日本腎臓学会では、腎臓病の病態解明と新たな治療法の開発に向けてこれまで全力で取り組んできた。本ワークショップでは、腎臓病の病態と新しい治療法の可能性について、日本を代表する主に若手の研究者による最新の知見を紹介する。複雑な細胞構成をもつ腎臓の疾患の病態解明により、他臓器、他分野での研究発展が期待できる。

3AW-11 12月2日(金)
9:00-11:30
E/J
分子振動最前線 / Frontier of Molecular Vibration Imaging
分子振動イメージングの最前線
Frontiers of molecular vibrational imaging
共催:学術変革領域研究B 革新ラマン
オーガナイザー
神谷 真子(東京工業大学)、小関 泰之(東京大学)
詳 細

近年、ラマンイメージングをはじめとする分子振動イメージングが、独自の情報を引き出しうる手法として注目を集めている。本ワークショップでは、化学と光学の分野において、独自のアプローチで分子振動イメージングの技術開発に取り組んでいる研究者が一堂に会し、分子振動イメージングの最先端の技術や成果を紹介するとともに、その将来展望について議論する場としたい。

3AW-12 12月2日(金)
9:00-11:30
E/J
光制御分子ツール / photoresponsive molecular tools
古くて新しい光機能性分子-光制御ツール最前線
Old but New: Recent Advances in Optogenetic and Optochemical tools
共催:文科省科研費新学術領域「高速分子動画法によるタンパク質非平衡状態構造解析と分子制御への応用」
オーガナイザー
古田 寿昭(東邦大学)、松尾 和哉(京都工芸繊維大学)
詳 細

タンパク質構造ダイナミクスや細胞の生理機能を自在に制御する、光応答性ツール開発の最近の潮流を紹介する。この目的に用いられる光機能性分子は、近年の合理的な分子改変による高機能化、高性能化が著しい。光受容タンパク質を利用する光遺伝学的ツールと低分子量ケミカルを利用する光化学的ツールを対比することで、ユーザーから見た各制御法の特徴、長所と短所、解決すべき課題を浮き彫りにするとともに、今後の研究の展開を議論する。

3AW-13 12月2日(金)
9:00-11:30
E
翻訳品質管理RQC / Ribosome-Associated Quality Control
急拡大する翻訳品管理RQCの世界ーリボソームダイナミックスと生理機能ー
The expanding world of translation quality control RQC-ribosomedynamics and physiological functions-
オーガナイザー
稲田 利文(東京大学)
詳 細

正確な遺伝子発現は生命現象の根幹であり、異常タンパクの産生はタンパク恒常性の破綻をもたらす根本原因と考えられる。衝突リボソームは異常翻訳の実体であり、品質管理機構RQCに識別されて合成途中の異常産物が分解されることで、タンパク質恒常性が維持される。衝突リボソームは様々なストレス等で形成され、細胞死や自然免疫を誘導する因子を活性化することで、ストレス応答の起点となる。本ワークショップでは、RQCの破綻による精神疾患発症の分子機構を含めてRQCの分子機構と生理機能について、最新の知見を紹介する。

3AW-14 12月2日(金)
9:00-11:15
E
生体メカノ / Functions of mechanosensing
生体内メカノセンシング機構研究の最前線
Cutting-edge research on mechano-sensing mechanisms in the body
共催:学術変革領域(B)プレッシオ脳神経科学の創生
オーガナイザー
中澤 直高(近畿大学)、森松 賢順(岡山大学)
詳 細

生体内の多くの組織・細胞において多様な力学刺激を検知する機構が存在し、その下流で様々な応答が引き起こされることが近年明らかにされてきた。本ワークショップでは、メカノセンシング機構の分子基盤とその役割、および力学刺激の可視化定量技術についての最先端の研究成果を国内外の若手研究者により紹介いただく。加えて、脳の発生や神経ネットワーク形成におけるメカノセンシングの分子機構と機能について議論を深める。

3AW-15 12月2日(金)
9:00-11:30
E/J
血管周囲細胞 / Perivascular cell resurrections
血管周囲細胞に対する再考察
Perivascular cell resurrections
オーガナイザー
山本 誠士(富山大学)、榎本 篤(名古屋大学)
詳 細

ヒトの血管は管腔構造を呈し、血管内皮細胞と血管周囲細胞により構成されている。血管の総延長は地球約2周半にも及び、管腔内の面積はテニスコート約27面分に相当すると試算されており、人体最大の臓器であるといえる。しかしながら、ペリサイト、血管周囲線維芽細胞などの血管周囲細胞の存在意義はほとんど解明されていない。本ワークショップでは、大学院生からシニア研究者を広く対象にした血管周囲細胞の種類、臓器特異性、血管調節機能、病態形成機構に関する最先端研究の概説を行い、深く議論する場を提供する。

3AW-16 12月2日(金)
9:00-11:30
E/J
有性生殖 / Sexual reproduction
有性生殖における染色体・クロマチン・核動態
Chromosome, chromatin, and nuclear dynamics in sexual reproduction
オーガナイザー
石黒 啓一郎(熊本大学)、行川 賢(University of California, Davis)
詳 細

有性生殖に関連する様々なテーマを題材とする染色体・核・クロマチン研究の内容について発表および討論を行う。本セッションでは有性生殖にかかわる発生生物学、染色体動態、クロマチン構造、細胞分裂などの幅広い分野にまたがる研究内容を対象とする。有性生殖に関連する研究でありながら、生殖細胞発生、減数分裂、性分化、受精、初期胚発生などこれまで細分化されていた異分野の研究者が一同に会する場を提供することにより、演者と聴衆との相互交流・情報交換の促進を目的とする。

3AW-17 12月2日(金)
9:00-11:30
E
老化の設計図 / Blueprint of aging
メメント・モリ ~老化と死の設計図~
Memento Mori: The blueprint of aging and death
オーガナイザー
野間 健太郎(名古屋大学)、早野 元詞(慶應義塾大学)
詳 細

老化と死は、DNA損傷や活性酸素の蓄積などの受動的メカニズムを中心に研究されてきた。一方で、老化や寿命が生物種ごとに異なることから、遺伝的メカニズムの存在が示唆される。また、たとえばカゲロウやサケは、長期間、老化の兆候を見せないまま死ぬことから、老化と死は必ずしも連動していない。本ワークショップでは、特に個体寿命と神経機能老化のメカニズムについて共通点・相違点を議論し、その本質を考察したい。

3AW-18 12月2日(金)
9:00-11:15
E/J
非コード細胞情報 / Noncoding sequence information of cells
ノンコーディング核酸配列情報が教える分子相互作用と細胞状態・その変容
Non-coding sequence information teaches us about molecular interactions and cellular states and their transformations
オーガナイザー
小田 真由美(慶應義塾大学)、高橋 朋子(埼玉大学)
詳 細

配列解読技術によって得られる情報は細胞内のさまざまな種類の分子相互作用を教えてくれます。今日ではDNA/RNA配列を対象とした様々な解析法が生物学的問題を解決するために用いられています。本ワークショップではノンコーディング領域に注目し、配列と量的情報が教える相互作用によって示される細胞内の分子の振る舞いの観察手法と生物学的意義について議論します。

3AW-19 12月2日(金)
9:00-11:30
E/J
適応の遺伝子制御 / Adaptation through gene expression regulation
外界からのストレスに対抗する遺伝子発現制御の多彩な戦略
Gene expression regulation under stress: flexible stress-responsive strategy against fluctuating environments
オーガナイザー
片岡 直行(東京大学)、亀井 宏泰(金沢大学)
詳 細

生物は、酸素・温度・栄養をはじめとした、さまざまな外的環境因子に恒常的にさらされており、これらが大きく変化するとストレスとなる。そのため細胞は極端な外界の変化に対応し、また時にそれを利用しながら、適切な生理状態を維持する仕組みを遺伝子発現制御のレベルで備えている。本ワークショップでは、細胞内での様々な遺伝子発現過程でのストレス応答の分子機構の解明を通して、生命維持戦略の統合的な理解をめざす。

3PW-03 12月2日(金)
16:15-18:45
J
栄養応答シグナル / Nutrient-responsive signals
栄養応答性「飛び道具」の制御様式と生理機能
Regulation and Function of Nutrient-responsive "Tobidogu"
オーガナイザー
小幡 史明(理化学研究所)、岡本 直樹(筑波大学)
詳 細

動物個体の発生や恒常性は、液性因子を介した細胞間、臓器間相互作用により綿密に調節されている。インスリンの発見から100年、栄養状態に応答するホルモンやサイトカインが今なお次々と発見されている。本ワークショップでは、高度な遺伝子操作技術やオミックス解析を駆使した最新の研究成果をもとに、栄養や摂食などによって制御されるホルモンなどの「飛び道具」がどのように臓器・あるいは全身性の恒常性を維持するかを議論したい。

3PW-04 12月2日(金)
16:15-18:45
J
核酸医薬の分子生物学 / Molecular Biology for oligonucleotide drug
核酸医薬の分子機構
Molecular biology of Oligonucleotide drug
共催:日本核酸医薬学会
オーガナイザー
横田 隆徳(東京医科歯科大学)、小寺 淳(田辺三菱製薬)
詳 細

核酸医薬は最近立て続けに医薬品として上市されているが、新規の核酸医薬も次々に前臨床試験に上がっている。その生理学的機能は大きな細胞内DNA、RNAのタンパクに対して、その発現調節のみならず、RNA編集、DNA編集、RNA-たんぱく相互作用の調節、RNAの高次構造変化、細胞内trafficking調節など、様々な分子生物学的な介入が可能である。本ワークショップでは核酸医薬の分子生物学について最新の知見を紹介して今後の展望を議論したい。

3PW-05 12月2日(金)
16:15-18:45
J
糖鎖と難治性疾患 / Glycans and intractable diseases
糖鎖が関わる難治性・希少疾患:基礎から診断・治療まで
Intractable and rare diseases related to glycans: From basic to diagnosis and treatment
オーガナイザー
村上 良子(大阪大学)、西原 祥子(創価大学)
詳 細

糖鎖はタンパク質や脂質に結合し、多くは細胞表面に発現しており、個体発生、免疫、神経発達、受精など、ほとんどすべての生命現象に深く関わっている。それ故、その合成や分解の異常は様々な疾患の原因となる。現在、糖鎖が関わる遺伝性の難治性・希少疾患の病態が次々と明らかにされつつあり、治療法の開発も試みられている。本ワークショップでは、これらを取り上げ、基礎の病因から診断・治療にわたり、幅広い議論を行う。

3PW-07 12月2日(金)
16:15-18:45
E
腸内デザイン / Gut Design
腸内デザイン学の創生に向けて -細菌学の温故知新-
Toward the establishment of Gut Design Science ~ Developing new ideas based on the past study
オーガナイザー
佐々木 伸雄(群馬大学)、福田 真嗣(慶應義塾大学)
詳 細

腸内細菌と宿主の共生バランスが破綻すると様々な全身疾患が惹起される。そのため腸内細菌叢を自在に制御する(デザイン)技術の開発が期待されている。腸内細菌叢を操作するには個々の細菌機能を知ることが重要である。本ワークショップでは、従来の難培養性微生物操作から最新の多階層オミクス解析法など、アナログとデジタルの両輪を駆使する気鋭の研究者に最新研究について発表いただき、腸内デザイン法について議論したい。

3PW-08 12月2日(金)
16:15-18:45
J
虫の会まじめ版9 / 9th Insect meeting
虫の会まじめ版9:多様なスケールの昆虫研究を議論しよう(生態から分子まで)
9th Insect meeting: Let' discuss Entomology (from ecology to molecular biology)
オーガナイザー
横井 翔(農研機構)、仲里 猛留(情報・システム研究機構)
詳 細

昆虫の研究は分子レベルから生態レベルまで盛んに行われており、昆虫の多様性を反映した興味深い知見の報告が続いている。異なったスケールで同じ生物を議論することによる相乗効果で、日本の昆虫研究は独特な発展を遂げ、国外からも注目されている。本会では様々なスケールで昆虫を研究している若手の研究者に発表を行なっていただく。多様な観点から議論することで、統合的なスケールでの新しい研究が生み出されることを期待する。

3PW-09 12月2日(金)
16:15-18:45
E
生体膜の物理制御 / Artificial control of biological membranes
生体膜機能の人工制御化と生物物理呼応の計測アプローチ
New artificial approaches for controlling functions of biological membranes and detection of biophysical communications
オーガナイザー
中瀬 生彦(大阪公立大学)、矢野 義明(武庫川女子大学)
詳 細

生体膜は多種の脂質・タンパク質・糖からなる複雑な超分子二分子膜構造をもっている。生体膜を舞台とした細胞機能の制御には、膜受容体をリガンド分子で刺激する以外にも、膜に人工的摂動を加える多様なアプローチがある。例えば、膜変形、膜ドメイン、膜透過性の制御などによって最終的に細胞機能に影響を与える新しい技術構築が大きく注目されている。本ワークショップでは、生体膜に加え、ハイブリッド分子やモデル膜等の人工膜系を融合した研究開発において、新しい機能性ペプチド・タンパク質化学を組込んだ生物物理呼応による細胞機能制御と、イメージングや分子量測定等を用いたユニークな生体膜計測アプローチを中心に講演・議論する。

3PW-10 12月2日(金)
16:15-18:45
E/J
バクテリア表情学 / Surface research on bacteria
細菌、ミトコンドリアの表情研究の最前線
Frontiers of surface research on bacteria and mitochondria
オーガナイザー
田中 敦(山形大学)、塩田 拓也(宮崎大学)
詳 細

細菌の表層は、様々な外的影響にしなやかに対応するため多様な表層の情態(表情)を持つ。本ワークショップでは、細菌と、細胞内に共生した形であるミトコンドリアの表情を、分子生物学的手法で操作できる研究者と、生物物理学的手法で詳細に見ることができる研究者が最新の研究知見を紹介し、細菌、オルガネラ表情研究分野の開拓を目指したい。

3PW-11 12月2日(金)
16:15-18:45
J
定量と定性 / Quantitative and qualitative biology
定量と定性の予測検証生物学
Quantitative and qualitative approaches to predictive biology
オーガナイザー
望月 敦史(京都大学)、青木 一洋(自然科学研究機構)
詳 細

生命システムに対し、理論と実験を組み合わせることで合理的な理解を得る方法は、欠かせないものとなっている。特に、精密な測定により生体分子の振る舞いを捉える定量生物学は、生物物理学における測定技術の進歩もあって、大きく躍進している。一方で、これまでの分子生物学の歴史において、生体分子間の相互作用の有無、すなわち定性的な理解が、有効に機能してきたことも事実である。予測検証研究において、定量的な解析が有効な場合と、定性的な解析が有効な場合がある、と言えそうだ。本ワークショップでは、定量的あるいは定性的解析の特徴を活かした研究展開を進めている、理論/実験研究者を招待し研究紹介をいただく。二つのアプローチを比較すると同時に、これらが相補的に発展する方向を議論する。

3PW-13 12月2日(金)
16:15-18:45
J
分子微生物学再考 / Revisiting Molecular Microbiology
微生物の分子生物学・再考
Molecular Biology of Microorganisms Revisited
オーガナイザー
金井 昭夫(慶應義塾大学)、白石 都(九州大学)
詳 細

最近の分子生物学会年会では微生物 (原核生物)に関わる演題が少なくなっているように思われる。その理由の一つには、真核生物、特に高等脊椎動物などにおいても様々な分子生物学的アプローチが可能となり、医学、薬学的な観点からも研究対象に微生物を選ぶ必要がなくなってきたからかもしれない。しかし、一方で、微生物を対象とした最先端の分子生物学は、ゲノム科学、システム生物学、合成生物学の発展を受け、新しい段階に入ったと考えられる。21世紀の分子微生物学を論じる。

3PW-14 12月2日(金)
16:15-18:45
J
リボソーム最前線 / Frontier sciences of ribosome
リボソームを主軸とした生命科学の最前線
Frontiers of ribosome-focused life science
オーガナイザー
丹澤 豪人(大阪大学)、楊 倬皓(東京大学)
詳 細

リボソームは生命維持に必須の分子機械として進化学・分子標的薬探索・合成生物学など多岐にわたり永く研究されてきた。近年、解析手法の進展により、翻訳制御というリボソーム本来の機能の理解に留まらず、ストレス応答・オルガネラ環境変化・疾患といったリボソームを介した生命現象についても注目されている。そこで本ワークショップでは様々な分野の若手研究者を中心に、リボソームを主軸とした研究の最前線を紹介していただき、議論したい。

3PW-15 12月2日(金)
16:15-18:45
E/J
相分離の小宇宙 / Microcosm of phase separation
『リボ核酸と結合タンパク質による生体制御の多様性と疾患』 -相分離のつくる生命現象の小宇宙-
Diversity of biological regulations elicited by ribonucleic acid RNA and RNA-binding proteins, and related diseases-In a microcosm of life phenomena generated by phase separations-
オーガナイザー
黒川 理樹(埼玉医科大学)、片平 正人(京都大学)
詳 細

リボ核酸RNA、RNA結合タンパク質RBPは、その天然変性領域(IDR)を介して相分離を主導する。相分離の働きは、非膜オルガネラ形成や転写など生命現象の根源をなす小宇宙を形成するが、その作動原理は従来の核酸・タンパク質の配列特異性では説明できない。今回、相分離機能の究明から臨床応用まで、植物からヒトに渡る広範な系で取組む演者が集結した。ここでの論議から、配列特性を越えた生命原理に迫りたい。

3PW-16 12月2日(金)
16:15-18:45
J
血管の新たな機能 / Novel blood vessel functions
生体組織の形成・再生・恒常性維持とその破綻における血管の新たな機能
Novel functions of blood vessels in formation, regeneration, homeostasis of biological tissues and its breakdown
共催:日本血管生物医学会
オーガナイザー
福原 茂朋(日本医科大学)、渡部 徹郎(東京医科歯科大学)
詳 細

全身を張り巡らす血管は、からだのすべての細胞に酸素や栄養を供給する“生命維持に必須のライフライン”である。しかし、最近の研究から、血管は単に血液を運搬する“管”ではなく、アンジオクラインファクターの産生や血管機能を介して、生体組織の形成や再生、恒常性維持、さらには線維化やがん微小環境などの病態形成にも積極的に関与することが明らかになりつつある。本ワークショップにおいては、これら血管の新たな機能について先駆的な研究を推進している研究者が最新の知見を紹介し、これからの血管生物学研究の展開について議論を深めたい。

3PW-17 12月2日(金)
16:15-18:45
E
ストラクチャオーム / structurome
オミクスワイドのタンパク質立体構造(ストラクチャオーム)に向けて
Toward an omics-wide protein structure (structurome)
オーガナイザー
黒田 真也(東京大学)、富井 健太郎(産業技術総合研究所)
詳 細

タンパク質は生命現象を形づくっているといっても過言ではない。酵素による物質変換、リン酸化などを介した信号伝達、細胞骨格などによる細胞成形、遺伝情報の正確な複製および伝令など、生命に必要なすべてのプロセスを担っている。AlphaFold2などの機械学習の発展により、いよいよプロテオームワイドにその実態を明らかにする時代が到達した。本ワークショップではオミクスとタンパク質の構造の観点からプロテオームワイドのタンパク質立体構造(ストラクチャオーム)について議論する。

3PW-18 12月2日(金)
16:15-18:30
J
環境と生物多様性 / Biodiversity by environmental responses
環境応答によるバイオダイバーシティ -遺伝子, 種, 生態-
The biodiversity by environmental responses - genes, species, and ecology -
オーガナイザー
平澤 孝枝(帝京大学)、高山 優子(帝京大学)
詳 細

環境の変化に生物は様々な応答をし、その生命現象に多様性をもたせている。本ワークショップでは、環境変化をキーワードに生物の多様性を1分子から種、生態などの観点から追っていきたいと考えている。モデルもマウスから微生物までバリエーションある企画とし、特定の分野ではなく分子生物学という大きな枠組みの中で生物多様性をとらえたい。また、本ワークショップでは発表者を若手の女性研究者をメインとし、学部生や院生で研究者を目指す女子学生のロールモデルとなるような刺激のあるセッションとしたい。年代、性別、研究分野に囚われず自由にカフェに参加するような形でディスカッション出来るフロアになるようなセッションにしたいと考えています。

3PW-19 12月2日(金)
16:15-18:45
E/J
Notchと形 / Notch signaling in morphogenesis
かたち作りを指揮するNotchシグナル
Notch signaling directs morphogenesis
オーガナイザー
山川 智子(大阪大学)、下條 博美(大阪大学)
詳 細

Notchシグナルは、多細胞生物間で広く保存されており、様々な組織構築過程において細胞の運命決定を制御している。Notchシグナルによる細胞の分化制御は、時空間的に非常に厳密にコントロールされており、その破綻は時にがんや神経変性といった重篤なヒト疾患を引き起こす。本ワークショップでは、多様な動物、組織の“かたち作り”におけるNotchシグナルの多彩な役割について議論する。

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