バイオテクノロジーセミナー・
バイテクショートセミナー

バイオテクノロジーセミナー

1BT1112月6日(水)
12:25-13:15 第11会場
神戸国際会議場4階 (401+402)
何のための「オミックス解析」?:その必要性と今後の展望
共催:イルミナ株式会社
司会
山重 りえ(イルミナ株式会社)
講演者
小原 収(かずさDNA研究所 ゲノム事業推進部)
みどころ

次世代シーケンシング技術は、本来の塩基配列を決定するという目的だけではなく、高度にハイスループットなデジタル分子計測装置として、「オミックス解析」と名付けられた解析に大きな貢献を果たしてきた。本講演では、いつのまにか私達の研究活動に忍び込んできた「オミックス解析」について、「オミックス解析」がなぜポストゲノム時代の分子生物学的研究に必要とされ、そしてどのような成果が得られつつあるのかを一度立ち止まって考えてみたい。それによって、これからどのような「オミックス解析」の方向性が分子生物学に革新をもたらす可能性があるかを考えてみたいと思います。

1BT1212月6日(水)
12:25-13:15 第12会場
神戸国際会議場5階 (501)
新規ゲノム編集技術CRISPR-Cas3の紹介
共催:株式会社ニッポンジーン
司会
佐藤 健一(株式会社ニッポンジーン)
講演者
CRISPR-Cas3とは何者?どのようにして使えるのか?
吉見 一人(東京大学医科学研究所 実験動物研究施設 先進動物ゲノム研究分野/ゲノム編集研究分野)
講演者
Cas3ゲノム編集技術の応用に向けた開発
小堀 峻吾(C4U株式会社)
みどころ

CRISPR-Cas3は、東京大学医科学研究所の真下知士教授、大阪大学の竹田潤二招へい教授らの研究成果を基に開発された日本発のゲノム編集技術です。CRISPR-Cas3ではゲノムを連続的に切断することで大きな欠損を誘導でき、またオフターゲット効果の影響も極めて低いという特徴があります。
この度、株式会社ニッポンジーンは、C4U株式会社とCRISPR-Cas3技術に関してライセンス契約を締結し、高純度のCas3タンパク質とCascade-crRNA複合体の供給を開始しました。
本発表では開発者でもある東京大学の吉見一人先生と、医療にむけた実用化をめざすC4U株式会社の小堀氏からCRISPR-Cas3技術の基礎から応用についてご紹介頂きます。

1BT1312月6日(水)
12:25-13:15 第13会場
神戸国際会議場5階 (502)
#WeMakeDNA 合成生物学によるゲノム編集へのアプローチ 〜基礎研究から社会実装まで〜
共催:Twist Bioscience
司会
野口 匡則(Twist Bioscience)
講演者
Twist Custom Panelを用いたCRISPR/Cas3ゲノム編集結果の網羅的解析
佐伯 涼太(C4U株式会社)
講演者
Writing the Future 合成生物学とNGS研究を加速するTwist合成DNAツール 〜人工遺伝子とオリゴプール〜
金城 一貴(Twist Bioscience)
みどころ

招待講演タイトル:Twist Custom Pannelを用いたCRISPR/Cas3ゲノム編集結果の網羅的解析
当社セミナーをより魅力的な内容にするにあたり、本セミナー参加者の皆様の事前登録を実施いたします。ご登録いただいた方に、人工遺伝子の注文にご利用いただける特典をご用意しております。
当社ウェブサイトにある以下のフォームからご登録をお願いいたします:
https://pages.twistbioscience.com/EV3-APAC-FY24-3815-NGS-MBSJ-2023_Seminar.html
是非ご登録ください。
【お問い合わせ先】E-mail:jsalescustomer@twistbioscience.com

1BT1412月6日(水)
12:25-13:15 第14会場
神戸国際会議場5階 (504+505)
VectorBuilder: 遺伝子デリバリー革命ステージ
遺伝子導入から始まる革新
- 非ウイルスベクターを中心として -
共催:ベクタービルダー・ジャパン株式会社
座長
亦勝 実穂(ベクタービルダー・ジャパン株式会社 代表取締役)
講演者
ヒト多能性幹細胞からの神経系細胞種特異的な分化誘導プラットフォームの構築
石川 充(慶應義塾大学 医学部 生理学教室 特任講師)
講演者
ベクタービルダー: mRNAおよびLNP-mRNA製造のための信頼できるシングルソースCDMOパートナー
Charles Bai(Lead Application Scientist VectorBuilder Inc.)
みどころ

前半の見どころ
iPS細胞を用いた神経系の病態評価・創薬は今やさほど珍しいものではなくなった。一方で神経系への分化誘導技術は未だに”確立した”とは言えない。その問題点として主に、「① 標的細胞への分化誘導効率が不十分、② ドナーやクローン間による分化のバラつきが大きい、③ 成熟に時間がかかる・バラつく・成熟しない」などの原因が考えられる。
今回演者は、上記問題を克服する手段として、遺伝子導入を用いたサブタイプ特異的な神経系の分化誘導法の例について紹介する。本法は主にTetOシステムを搭載させたPiggyBacベクターを遺伝子導入するものであるが、細胞のサブクローニングを介することで、コンディショナルに選択的分化誘導できる方法である。ここでは、具体的にどのようにして標的細胞への指向性をもつ遺伝子を抽出するか、およびその評価をどのようにして行うかを説明する。また高い標的選択性を持って分化できることで、真に取り組める実験、さらにはこの技術によって従来表出しにくかった病態を確度良く出現させ、実際に行った神経疾患解析の例も紹介する。本ランチョンセミナーを通して、興味を持っていただいた研究者の方と議論・共同研究を進めることも想定している。(なお、アルツハイマー病・ALS・精神疾患・発達性てんかん性脳症などについて触れる予定ですが、変更するかもしれません。)
後半の見どころ
mRNAに関する数十年にわたる基礎研究は、SARS-CoV2パンデミックと闘うワクチンの開発に成功しました。即効性と卓越した拡張性により、IVT mRNAは、特にウイルスベクターと比較した場合、有望な治療化合物となっています。現在、何百もの臨床研究が進行中であり、IVT mRNAの応用分野はワクチンから腫瘍学、遺伝性疾患のタンパク質置換などの分野へと拡大しています。VectorBuilderは、研究段階から臨床試験への移行を促進するIVT mRNAのCROおよびCDMOサービスを提供しています。ベクターの性能を向上させるため、スケールアップ時のmRNAの効力の向上とコスト効率の高いテンプレート生産に重点を置いた幅広い技術支援を提供します。カスタムmRNA生産は、mRNAの特徴、ご希望の仕様、プロセス開発の成果を考慮して適用されます。さらにVectorBuilderは、LC、RP-HPLC、オリゴdTクロマトグラフィーを含む様々な精製プロセスを開発し、望ましくない副産物や原料残渣を除去しています。VectorBuilderは確立された分析パネルを採用し、mRNAの完全性、不純物レベル、キャッピング効率など、重要な属性を工程内試験と最終リリースの両方で評価しています。品質への責任とmRNA技術に関する専門知識によって、VectorBuilderはmRNA治療薬の進歩において信頼できるパートナーとなっています。

1BT1512月6日(水)
12:25-13:15 第15会場
神戸国際展示場
2号館 2階(2A会議室)
NanoBiT® の応用で明らかとなった「筋肉が骨になる難病FOP」の発症機序
共催:プロメガ株式会社
司会
大田 光徳(プロメガ株式会社)
講演者
片桐 岳信(埼玉医科大学 医学部 ゲノム基礎医学)
みどころ

進行性骨化性線維異形成症(FOP)は、筋肉に余分な骨が形成され、関節が癒合してしまう難病です。この病気の原因は、ALK2というタンパク質の異常です。ALK2は骨誘導因子BMPなどの成長因子を制御する受容体で、異常な受容体は病的な骨形成を引き起こします。我々は、Promega社のNanoBiT®を応用することでFOPや関連する疾患の発症機序を明らかにすることができました。本セミナーでは、我々の試行錯誤の過程を交えて、NanoBiT®の利用例をお話しさせていただきます。

1BT1612月6日(水)
12:25-13:15第16会場
神戸国際展示場
2号館 2階(2B会議室)
顕微鏡イメージングの未来へ
共催:ライカマイクロシステムズ株式会社
司会
田中 晋太郎(ライカマイクロシステムズ株式会社)
講演者
蛍光寿命顕微鏡法を使ったプローブ開発
松田 道行(京都大学大学院 生命科学研究科/医学研究科)
講演者
蛍光寿命顕微鏡法 FRET、バイオセンサーから超解像顕微鏡まで
長利 卓(ライカマイクロシステムズ株式会社)
みどころ

フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET)の原理を使った様々なバイオセンサーが開発されている。これらを使えば、カルシウム、ATP、乳酸などの濃度、リン酸化酵素やGタンパク質の活性、さらには張力や分子夾雑などの生物物理学的パラメータを培養細胞や動植物において蛍光顕微鏡下に可視化できる。本セミナーでは、FRETバイオセンサーの作動原理とプローブ開発のアプローチ、そしてフェルスター共鳴エネルギー移動を定量的に測定する手法である蛍光寿命顕微鏡法の利点と限界について紹介する。

1BT1712月6日(水)
12:25-13:15 第17会場
神戸国際展示場 2号館 3階(3A会議室)
セルソーティングが与えるメタボローム解析への影響とその抑制へ向けたアプローチ
共催:株式会社オンチップ・バイオテクノロジーズ
司会
百田 匡寿(株式会社オンチップ・バイオテクノロジーズ)
講演者
製品技術紹介
百田 匡寿(株式会社オンチップ・バイオテクノロジーズ)
講演者
セルソーティングが与えるメタボローム解析への影響とその抑制へ向けたアプローチ
Peter Lopez(Associate Professor of Pathology, New York University Grossman School of Medicine)
みどころ

液滴電荷方式のセルソーターは、1960年代後半にMack Fulwylerらによって開発され、以来、生命科学や医学など多くの分野で欠かせないツールとなっています。この発明を基に、数多くの液滴電荷方式のセルソーターが開発されてきましたが、ソーティング中に発生する細胞ダメージ ""SICS""(Sorter Induced Cellular Stress)という課題が依然として大きな問題となっています。SICSは、細胞の表現型変化や細胞死を引き起こすことが知られています。SICSを軽減するために、低温環境や低圧力でのソーティング、オリフィス系の拡大など、さまざまな対策が講じられてきましたが、基本原理はこの数十年間ほとんど変わっていません。
本発表では、液滴電荷方式のセルソーターによるSICSが細胞のメタボロームに広く影響を与えること、およびこの影響を最小限に抑えるための技術について紹介します。
「講演1」では株式会社オンチップ・バイオテクノロジーズの製品と技術紹介を行い、「講演2」ではNew York University Grossman School of MedicineのPeter Lopez先生による招待講演というセミナー構成となっております。

1BT1812月6日(水)
12:25-13:15 第18会場
神戸国際展示場
2号館 3階(3B会議室)
たかがウェスタンブロット、されどウェスタンブロット(正確な定量ウェスタンブロット解析のために)
共催:株式会社スクラム
司会
稲葉 亮平(株式会社スクラム)
講演者
服部 徹(株式会社スクラム)
みどころ

ウェスタンブロット法は、タンパク質解析の基本的な実験手法として多くの研究者に使われています。一方で、ウェスタンブロットを用いて、サンプル間のタンパク発現量を正確かつ再現性高く比較定量するには、いくつかの実験ポイントを抑える必要があります。最近では論文投稿規定も変化し、ウェスタンブロットデータ対するパブリッシャーの見方も変わってきました。本セミナーでは、定量的ウェスタンブロットのための最新手法をご紹介します。

2BT0812月7日(木)
12:25-13:15 第8会場
ポートピアホテル地下1階 (生田)
細胞状態変化を計測するマルチオミクス技術開発
共催:アジレント・テクノロジー株式会社
司会
齋藤 るみ子(アジレント・テクノロジー株式会社)
講演者
原田 哲仁(九州大学 生体防御医学研究所 附属高深度オミクスサイエンスセンター トランスクリプトミクス分野)
講演者
富松 航佑(九州大学 生体防御医学研究所 附属高深度オミクスサイエンスセンター トランスクリプトミクス分野)
みどころ

多細胞生物における細胞種特異的な状態変化は、シグナル伝達に代表される細胞間コミュニケーションや、局所的なクロマチン構造変化といった細胞内のエピゲノム変化によってもたらされる。一方で、これらを包括的に理解するアプローチ法は確立されていない。我々はこの問題解決を目指し、ハイスループットなシングルレベル解析と空間解析技術の開発を進めている。ハイスループットなシングルレベルの解析では、シングルセルマルチエピゲノミクス技術の開発を進めており、疑似時間解析をもとに細胞状態変化に伴う転写因子やヒストン修飾のダイナミクスの可視化を目指している。空間解析では、シグナル伝達に起因する細胞状態変化を捉えるため、シグナル伝達と遺伝子発現を同時解析する空間マルチオミクス技術の開発を進めている。本セミナーではこれら最新の知見について紹介したい。

2BT1112月7日(木)
12:25-13:15 第11会場
神戸国際会議場4階 (401+402)
高精度ナノポアシークエンサーを使ったショートリード&ロングリードシークエンスアプリケーション
共催:株式会社オックスフォード・ナノポアテクノロジーズ
司会
荒井 麻美(株式会社オックスフォード・ナノポアテクノロジーズ)
講演者
海外の遺跡出土骨からゲノムを読む〜オンサイトパレオゲノミクスの創出と課題〜
覚張 隆史(金沢大学 古代文明・文化資源学研究所)
講演者
高精度ナノポアシークエンサーによるショート&ロングリードアプリケーション
宮本 真理(株式会社オックスフォード・ナノポアテクノロジーズ)
みどころ

海外の遺跡出土骨からゲノムを読む〜オンサイトパレオゲノミクスの創出と課題〜
考古学の発掘によって見つかる遺跡出土人骨及び動物骨には、その生物が残したDNAが保存されている。大半の遺跡出土骨中のDNAは100bp以下に断片化しており、ショートリードをターゲットにした次世代シーケンサーによって、これまでに多くの古代ゲノム解析(パレオゲノミクス)が達成されてきた。パレオゲノミクスは、現代生物のみで推定されてきたヒトや動物のこれまでの進化史に対して、「時間」という新たな指標を加えて議論することを可能にさせた。人類学や哺乳類学における多くの仮説に対して、パレオゲノミクスは新たなモデルを提示するポテンシャルを有しており、世界では生物学の大きな研究分野へと成長を遂げている。一方、パレオゲノミクスの学術領域の急成長の裏で、多くの課題が残されている。特に、海外の貴重な遺跡出土人骨及び動物骨は、国外持出しができない場合も多く、また、調査国におけるゲノム解析に対する法規制によって、そもそもプロジェクトを立ち上げる前に断念することもある。本発表では、これまでのパレオゲノミクスの研究史から、ナノポアシーケンサーを用いた新しいオンサイトパレオゲノミクスのシステム構築について、海外の遺跡出土人骨の解析事例を挙げて紹介する。

高精度ナノポアシークエンサーによるショート&ロングリードアプリケーション
ナノポアシークエンスは小さなたんぱく質に通るDNAやRNAの分子の形状を電子シグナルへ変換し、配列を読み取るシークエンサーである。シークエンスケミストリやベースコーラー、フローセルに埋め込んでいるタンパク質の改良により、その精度とスループットを大幅に向上させてきた。精度だけではなく、シークエンスが出来る断片長も20bpから読み取り可能となり、1台のシークエンサーから、様々な長さの高精度なデータを出すことが可能となった。本セミナーでは、最新のケミストリの紹介に加え、ショートリードからロングリードまで1台のシークエンサーで実施可能となったナノポアシークエンスの幅広いアプリケーションを紹介する。

2BT1212月7日(木)
12:25-13:15 第12会場
神戸国際会議場5階 (501)
研究留学 憧れから実行へ
共催:公益財団法人東洋紡バイオテクノロジー研究財団
オーガナイザー
近藤 滋(大阪大学)
オーガナイザー
林 茂生(理化学研究所)
講演者
歩いたところに道はできる
山口 智子(京都大学大学院薬学研究科)
講演者
世界一幸福な国フィンランドでふたご研究
豊田 峻輔(大阪大学大学院医学系研究科附属ツインリサーチセンター)
講演者
仕事と子供とお金と生活~シングルマザーのたのしいスイス留学~
吉井 紗織(東京大学大学院医学系研究科)
講演者
しくじり留学伝 波瀾万丈サンディエゴ留学記
松本 大亮(広島大学大学院医系科学研究科)
みどころ

本セミナーでは、「海外生活が不安」「語学力に自信がない」「経済面が心配」などの理由で、留学に憧れながらも実現できていない研究者の方々の背中を押せるよう、私たちの留学経験をお話しします。

2BT1312月7日(木)
12:25-13:15 第13会場
神戸国際会議場5階 (502)
生物発光計測と電気泳動分離技術の新展開
共催:アトー株式会社
司会
久保田 英博(アトー株式会社)
講演者
多色発光レポータ細胞による生理活性物質の探索・評価
近江谷 克裕(国立研究開発法人産業技術総合研究所)
講演者
新規架橋剤を用いた高分子タンパク質分離用のゲルの実用化
藤生 弘子(アトー株式会社 技術開発部)
みどころ

講演1
私たちは異なる発光色を持つ甲虫ルシフェラーゼを基にした生理活性物質の評価などに活用可能な多色発光レポーターアッセイシステムを世界に先駆けて開発しました。本講演では、このシステムをアトー社のKronos装置と組み合わせることで、生理活性物質の時間軸での影響評価に成功した事例を紹介いたします。また、皮膚感作性試験のために樹立した多色発光細胞に関するOECDガイドラインや、生物発光を測定する際に推奨されるISO/DIS 24421についても説明いたします。

講演2
新規架橋剤によりポアサイズが大きく、強度が高くなった究極のプレキャストゲルをご紹介します。500 kDa以上の高分子タンパク質が目詰まりすることなく、クリアに分離できます。もちろんブロッティング操作でも破れることなく、高効率に転写できます。BN-PAGEなどNative-PAGEにも最適です。

2BT1412月7日(木)
12:25-13:15 第14会場
神戸国際会議場5階 (504+505)
VectorBuilder: 遺伝子デリバリー革命ステージ
遺伝子細胞治療開発の加速力
共催:ベクタービルダー・ジャパン株式会社
座長
亦勝 実穂(ベクタービルダー・ジャパン株式会社 代表取締役)
講演者
遺伝子改変iPS細胞を用いた癌治療研究
金子 新(京都大学 iPS細胞研究所 増殖分化機構研究部門 副所長・教授)
講演者
ベクタービルダー: 細胞・遺伝子治療開発を加速するエンド・ツー・エンドCDMO
Cole Cheng(Application Scientist VectorBuilder China Inc.)
講演者
AAVカプシド進化
William Zhang(Application Scientist VectorBuilder China Inc.)
みどころ

セミナー前半の見どころ
体細胞を初期化して得られる多能性幹細胞であるiPS細胞はその無限の増殖能と体を構成するあらゆる細胞に分化できる多分化能から、免疫再生治療のための細胞ソースとしても期待されている。体細胞のiPS細胞化の本質はepigenetic reprogrammingであることが知られるが、我々はその過程でゲノムの初期化は生じないことに着目し、標的抗原に特異的なTCR(T細胞受容体)遺伝子再構成をもつCD8キラーT細胞をiPS細胞化し、そこから同一の抗原特異性と優れた抗原反応性を持つ「若返った」再生T細胞を分化誘導する技術を開発した。またTCR遺伝子再構成を持たない(すなわちT細胞に由来しない)iPS細胞にTCR遺伝子を導入することによって、抗原特異的TCRを発現する再生CD8キラーT細胞を誘導できることや、CAR遺伝子導入によって抗原特異性を付与できることも明らかになった。更にはこの技術を臨床応用することを目的として再生CAR-T細胞(iCAR-T)分化培養系の完全無フィーダー化を試み、その手法で得られたCD19 iCAR-Tが健常人由来CD19 CAR-T細胞と同等の治療効果を持つことをCD19陽性ヒトB細胞性白血病細胞株を移植した動物モデルを用いて確認した。また同種移植片拒絶にかかわる宿主免疫細胞であるCD8キラーT細胞、CD4ヘルパーT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞などからの回避を目的とし、iPS細胞を対象にゲノム編集を用いて同種抗原性に関わるHLA分子等の発現様式を改変し、同種細胞移植のソースに適した低免疫原性同種iPS細胞を作製した。本講演ではこれらの免疫細胞誘導技術開発の取組とがん免疫治療への活用について、紹介する。
セミナー後半の見どころ
VectorBuilderのエンド・ツー・エンドCDMOソリューション
VectorBuilderは、研究者やバイオファーマがウイルスベクターベースの医薬品パイプラインを開発する際のリスクを軽減するお手伝いをいたします。本セミナーでは、世界の細胞・遺伝子治療(CGT)の全体像を分析し、CDMOの視点からCGT製造に関する新たな切り口で課題をまとめます。臨床段階に入るCGTパイプラインの増加に伴い、遺伝子導入ウイルスベクターの大量生産の需要は飛躍的に高まっています。製造プロセスにおけるボトルネックやGMP製造能力は、ローカル市場とグローバル市場の両方を満足させるために取り組まなければなりません。それらの課題に対するVectorBuilderのエンド・ツー・エンドCDMOソリューションと、プロセス開発とGMP製造を促進する技術プラットフォームをご紹介します。
VectorBuilderのAAVカプシド指向性進化ソリューション
組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)は、その広範なトロピズム、導入遺伝子の長時間発現、非病原性、低免疫原性により、遺伝子治療やワクチン応用の広い範囲で非常によく使われる遺伝子導入ベクターです。しかしながら、既存のAAV血清型にはいくつかの問題点があり、治療の可能性を制限しています。第一に、多くの臨床応用は、既存の血清型では満たされない組織特異性を必要とします。第二に、治療目的の組織が既知のトロピズムでカバーされていても、標的外の組織に対する望ましくないトロピズムの可能性と共に、導入効率が低すぎる場合があります。第三に、既存の中和抗体によって、当初あるいは反復投与時に効率的な導入が阻害される可能性があります。最後に、いくつかの血清型は、高力価、高純度、高安定性での製造が本質的に困難です。これらの制限を克服するために、AAVカプシドの進化は、改良された特徴を持つ新規AAV変異体の開発を加速する強力な方法です。AAVカプシドの指向性進化は、野生型AAVカプシド遺伝子を変異させて多様性の高いAAVカプシドライブラリーを作成し、それをin vitroまたはin vivoでスクリーニングして、特性を改善した新規キャプシドバリアントを同定することによって行われます。指向性進化はタンパク質の構造と機能の関係に関する予備知識を必要としないため、AAVカプシド工学では合理的設計よりも好まれています。

2BT1512月7日(木)
12:25-13:15 第15会場
神戸国際展示場
2号館 2階(2A会議室)
細胞外小胞を用いたバイオマーカー開発・治療法開発
共催:富士フイルム和光純薬株式会社
司会
嶋田 直人(富士フイルム和光純薬株式会社)
講演者
土屋 淳紀(新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野)
講演者
桝田 祥太郎(富士フイルム和光純薬株式会社)
みどころ

細胞外小胞はあらゆる細胞が産生する100nm前後の小胞で、脂質二重膜で覆われ安定で有り、内部にも多くのタンパク質やmiRNA等の核酸を含む事から、バイオマーカーとしての可能性や治療薬としての可能性が模索されている物質である。我々は、患者血清中の細胞外小胞のプロテオミクス解析から、新たな肝線維化マーカーであるFibulin-4を発見した。また、間葉系幹細胞の細胞外小胞を用いた肝硬変の線維化改善・再生促進を目指した治療法の開発を行ってきている。本ランチョンセミナーでは我々が取り組む、細胞外小胞を用いた取り組みを紹介したい。

2BT1612月7日(木)
12:25-13:15 第16会場
神戸国際展示場
2号館 2階(2B会議室)
QIAGEN IPAによる高植物性脂質食の心不全改善に働く鍵分子の解明
共催:株式会社キアゲン
司会
酒井 名朋子(株式会社 キアゲン)
講演者
武城 怜史(東京大学医学部附属病院 循環器内科 先端臨床医学開発講座)
講演者
QIAGEN IPA の利点のおさらい
世良 実穂(株式会社 キアゲン)
みどころ

RNA-seq 解析は、解析対象の現象の分子機序理解の目的で広く行われています。しかしながら遺伝子発現変動から分子機序を導く仮説の構築は簡単ではありません。本セミナーでは、東京大学の武城先生らが、高植物性脂質食の心不全改善効果の分子機序を明らかにした例をご紹介します。RNA-seq データの解釈を QIAGEN IPA で行うことにより、よる迅速でスムースに仮説の構築が可能であることをご説明します。オミックスデータの解釈から分子機序解明を目指されている方、是非、ご参加ください。

2BT1712月7日(木)
12:25-13:15 第17会場
神戸国際展示場 2号館 3階(3A会議室)
「あなたの科研費研究を最先端の技術で支援します」
生命科学 4 プラットフォームによる最先端技術支援説明会
共催:文部科学省 学術変革領域研究 学術研究支援基盤形成生命科学連携推進協議会
座長
武川 睦寛(東京大学 医科学研究所)
講演者
生命科学連携推進協議会の活動紹介
武川 睦寛(東京大学 医科学研究所)
講演者
先端バイオイメージング支援プラットフォームの支援活動紹介
阿形 清和(基礎生物学研究所)
講演者
先端バイオイメージング支援プラットフォームの支援活動紹介
真野 昌二(基礎生物学研究所)
講演者
先進ゲノム解析研究推進プラットフォームの支援活動紹介
森 宙史(国立遺伝学研究所)
講演者
コホート・生体試料支援プラットフォームの支援活動紹介
村上 善則(東京大学 医科学研究所)
講演者
先端モデル動物支援プラットフォームの支援活動紹介
清宮 啓之(がん研究会)
みどころ

科研費を取得している生命科学分野の研究者の研究を支援する、4つのプラットフォームの支援活動を紹介します。

2BT1812月7日(木)
12:25-13:15第18会場
神戸国際展示場
2号館 3階(3B会議室)
かつてない解像度を誇る高速ライブセルイメージングシステム ZEISS Elyra 7 with Lattice SIM2
共催:カールツァイス株式会社
司会
佐藤 朗(カールツァイス株式会社)
講演者
末永 佳代子(カールツァイス株式会社)
講演者
宮脇 敦史(特定国立研究開発法人 理化学研究所)
みどころ

超解像顕微鏡はその技術の進歩とニーズの高まりにより、ライフサイエンス分野において様々な形で広がりを見せています。また、ライブセルイメージングにおいては更なる分解能はもちろん高速性、低ダメージ性も求められているのではないでしょうか?

本セミナーでは、Lattice SIM2技術により従来型のSIM分解能をおよそ2倍まで向上させ、Sub-Organelle構造も鮮明に観察可能な高速・超解像ライブセルイメージングシステム ZEISS Elyra7with Lattice SIM2をデータ例と共にご紹介致します。
また、超解像顕微鏡を用いた現在のご研究について理化学研究所 宮脇敦史先生にご講演頂きます。

3BT1212月8日(金)
12:25-13:15 第12会場
神戸国際会議場5階 (501)
簡便で信頼性の高い微量次世代シーケンス解析(NGS)を可能にするツールの数々
共催:タカラバイオ株式会社
講演者
SMART-Seqを用いた簡便で信頼性の高い次世代シーケンス(NGS)用ライブラリー調製
木村 剛隆(タカラバイオ株式会社)
みどころ

タカラバイオでは、独自のSMART技術を使用したシングルセルや微量RNAからのRNA-Seq用の次世代シーケンス(NGS)ライブラリー調製試薬、そして微量DNAからのNGS解析を可能とするThruPLEX技術やPicoPLEX技術を使用した試薬を提供し、簡便で信頼性の高い微量NGS解析をサポートしています。微量NGS解析の中でも、病院や研究機関には大量のホルマリン固定・パラフィン包埋(FFPE)組織が保管されており、それらを出発材料とした貴重で少量サンプルからのNGS解析の重要性がますます高まっています。
本セミナーでは、FFPE由来サンプルの確実な解析に役立つ前処理用新製品のご紹介や、微量NGS解析を強力に押し進めるDNA-Seq、およびRNA-Seq用のライブラリー調製キットをご紹介いたします。

3BT1312月8日(金)
12:25-13:15 第13会場
神戸国際会議場5階 (502)
PCR法によるウイルス核酸検出検査と検査精度管理について
共催:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社・日本ジェネティクス株式会社
講演者
PCR法によるウイルス核酸検出検査と検査精度管理について
影山 努(国立感染症研究所)
みどころ

2020年初頭、世界保健機関(WHO)は新型コロナウイルスによる急性呼吸器感染症の世界的大流行(パンデミック)を宣言しました。このウイルスは2019年12月に肺炎症状を示した中国武漢市の患者検体から次世代シークエンサーによる網羅的病原体ゲノム解析により発見され、後にSARS-CoV-2と命名されるそのウイルスゲノム全長塩基配列は2020年1月10日に公開されました。全く新しい未知病原体の検出法をその病原体が出現する以前に準備するのは難しく、病原体が明らかになった後に新たな検査法を構築しなければならないことがほとんどです。PCR法などの遺伝子検査であれば、ゲノム配列公表後の1週間前後で検査法を構築する事も可能です。他にも人類の前に突如として新規病原体が現れて人々の間で流行した事例として、近年ではHIV、A型インフルエンザウイルス(H1N1)pdm09(AH1pdm)、Mpox virusなどの流行が知られています。AH1pdmはブタインフルエンザウイルスを起源とし、2009年にパンデミックを引き起こし、当初ウイルス同定のための検査にはリアルタイムRT-PCR法が用いられました。
ライフサイエンス研究においてPCRは遺伝子増幅の一般的な手法の一つとして広く利用されていますが、新型コロナウイルスの流行により「PCR検査」というキーワードが今では一般にも広く知られるようになりました。

今回のセミナーでは「PCR法によるウィルス核酸検出検査と検査精度管理」と題し、感染症の検査・診断におけるPCR法等を利用した遺伝子検査への活用と精度の高い遺伝子検査を実施するための検査精度管理について、ウイルス病原体遺伝子診断の第一人者である国立感染症研究所 感染症危機管理研究センター 検査対応総括研究官 影山 努 先生に解説していただきます。

また、PCR検査に重要なリアルタイムPCR装置についてロシュ社から新製品LightCycler Proが2023年11月に新発売されました。 その製品特徴などをご紹介いたします。

3BT1412月8日(金)
12:25-13:15 第14会場
神戸国際会議場5階 (504+505)
VectorBuilder: 遺伝子デリバリー革命ステージ
先天性疾患とAAV遺伝子治療
- 臨床医、基礎研究者、企業 それぞれの挑戦 -
共催:ベクタービルダー・ジャパン株式会社
司会
西村 章子(ベクタービルダー・ジャパン株式会社 東日本テリトリーマネージャー)
講演者
ウィルスベクターを用いた遺伝子治療開発 -小児内分泌科医からみた遺伝子治療の可能性-
内木 康博(国立成育医療研究センター 小児内科系専門診療部 内分泌・代謝科 医長)
講演者
細胞・遺伝子治療を支えるベクタービルダーのCRO/CDMO技術
亦勝 実穂(ベクタービルダー・ジャパン株式会社 代表取締役)
みどころ

セミナー前半の見どころ
1990年にアメリカで先天性免疫不全症の患者に対して世界で初めて遺伝子治療が行われてから30年以上の年月が経ったが、その間により効果的で安全なウィルスベクターの開発が進んだ。現在では数多くの疾患で治験もしくはすでに保険収載された遺伝子治療が存在するが多くはがん、神経疾患、免疫異常、血液疾患の治療が先行しおり、広義では昨今の抗CODIV-19ワクチンも遺伝子治療に含まれる。我々は新生児マススクリーニング対象疾患である先天性副腎皮質過形成に注目し、この遺伝子治療モデルを開発してきた。本疾患は国内ではほぼ1万出生に1人罹患する比較的頻度の高い単一遺伝子異常でステロイドホルモン合成が障害されるため、新生児期に診断されて以降、生涯にわたりステロイドホルモン内服治療が必要であり、常に副腎性ショックの危険を伴う。我々は疾患モデルマウスと患者由来の線維芽細胞に対してアデノウィルス随伴ウィルスベクターを用いた遺伝子導入によって酵素活性を獲得しえた。この成果を発表したのちにアメリカでは我々の方法を模した遺伝子治療の臨床治験がすでに行われている。本疾患以外にも正常な遺伝子を導入するだけで疾患が治癒もしくは軽快されうる先天性疾患は数多く存在する。今後も我々小児科医は新規の遺伝子治療薬を心待ちにし続け、遺伝子治療薬の巨額な医療費を鑑みると国内で新薬が開発されることを願ってやまない。
セミナー後半の見どころ
VectorBuilderは遺伝子導入技術の世界的リーダーであり、遺伝子細胞治療用医薬品開発の加速に貢献しています。ハイスループットなベクター生産、マンツーマンのCROソリューション、最先端のGMP設備により、VectorBuilderチームは研究者や医師に効果的な遺伝子導入ソリューションを提供するよう努めています。VectorBuilderは近年、小児の希少遺伝病であるメンケス病を治療するためのカスタムAAVベクターシステムの構築に取り組んでいます。本講演では、VectorBuilderのCDMO能力、遺伝子導入ベクター改良のための研究開発努力、および最近のIITの背景について紹介します。

3BT1512月8日(金)
12:25-13:15 第15会場
神戸国際展示場
2号館 2階(2A会議室)
血管網を有するMicrophysiological systems (MPS)を用いた腎近位尿細管および腫瘍微小環境の再構築
共催:株式会社エビデント
司会
今井 雄一郎(株式会社エビデント)
講演者
血管網を有するMicrophysiological systems (MPS)を用いた腎近位尿細管および腫瘍微小環境の再構築
横川 隆司(京都大学 大学院工学研究科 マイクロエンジニアリング専攻)
みどころ

ヒト臓器において、実組織と血管網の界面は様々な機能を担っている。例えば、腎近位尿細管では薬剤の吸収や排泄を担い、腫瘍においては酸素や養分を供給すると共に転位において重要な役割を担う。近年注目されているMicrophysiological systems (MPS)を用いると、多孔質膜を介して近位尿細管上皮細胞と血管内皮細胞からなる界面を再構築し、各種トランスポーターを介した再吸収や排泄を再現できる。また、血管内皮細胞の自己組織可能を利用した3次元の血管網を用いると、腫瘍スフェロイドと血管網の吻合した界面を持つ腫瘍微小環境を再現できる。本セミナーでは、マイクロ加工学の研究者という立場から、腎近位尿細管と腫瘍微小環境モデルの例とそれを支える基盤技術としてのMPS、さらに新たな細胞アッセイ系開発の重要性とその評価方法について紹介する。

3BT1612月8日(金)
12:25-13:15 第16会場
神戸国際展示場
2号館 2階(2B会議室)
分析技術からAIまで!
島津の最新細胞解析技術ご紹介
共催:株式会社島津製作所
司会
渡邉 淳(株式会社 島津製作所)
講演者
糖鎖解析を加速する、島津の最新ソリューション
黒田 博隆(株式会社 島津製作所)
講演者
試行錯誤からの脱却!!
LCMS培地分析×AI による細胞培養の条件最適化

鈴木 崇(株式会社 島津製作所)
みどころ

【講演1】
抗体医薬品をはじめとした糖タンパク質を原薬とする医薬品では品質指標の一つに糖鎖プロファイルが挙げられます。糖鎖プロファイルは培地中の金属イオン(糖鎖修飾酵素の補因子)や細胞内外の糖・糖ヌクレオチド(糖鎖基質)の濃度に影響を受けることが近年報告されています。これらの測定技術について紹介します。

【講演2】
再生医療やバイオ医薬品の製造において、細胞培養は根幹をなす技術です。しかし、細胞により使用する培地やその培養条件は様々であり、都度試行錯誤での培養条件検討が必要とされてきました。本課題を解決すべく、LCMS培地多成分分析とAI最適化を組み合わせたデータ駆動型の手法を開発しましたので紹介します。

3BT1712月8日(金)
12:25-13:15 第17会場
神戸国際展示場
2号館 3階(3A会議室)
レーザー顕微鏡が切り拓くニューロイメージングの新時代
共催:株式会社ニコンソリューションズ
司会
井野 正子(株式会社ニコンソリューションズ)
講演者
光学顕微鏡コネクトミクスを用いた神経回路発達研究
今井 猛(九州大学大学院医学研究院)
講演者
神経活動パターンに依存した嗅覚神経回路の精緻化
竹内 春樹(東京大学大学院理学系研究科)
みどころ

講演内容その1
脳機能やその破綻としての疾患を研究するには、神経回路の発達過程の理解が欠かせない。神経回路は多数の細胞から構成されるネットワークであることから、その全体像をとらえることなしに発達過程の鍵となる現象を捉えることは難しい。我々のグループでは、蛍光顕微鏡を用いて脳の局所から全体像まで捉えるための標識技術や透明化技術、解析技術の開発に取り組んできた。大容量画像が容易に取得できるようになった今、機械学習を活用した大容量画像の自動解析も大きな課題となっている。本講演では、こうした技術の課題について議論するとともに、これらを活用した最近の回路発達研究についても紹介したい。

講演内容その2
高等動物の神経回路は、予め決められた遺伝的プログラムに加えて、発達期に生じる神経活動による精緻化を経て完成されます。嗅覚神経回路は、匂い分子の受容を担う嗅覚受容体が神経活動依存的に神経軸索の伸長を制御することがわかっていますが、電気的な神経活動がいかにして回路の構造変化を引き起こすのか、その詳細なメカニズムは明らかにされていませんでした。ここでは、近年の研究で明らかにされてきた新しい活動依存的な神経回路の形成機構について紹介します。

バイテクショートセミナー

1BS0112月6日(水)
12:25-12:55
サイエンスピッチブース9
神戸国際展示場3号館
信頼と実績のNEBNextライブラリー調製キットで次世代シーケンス
共催:ニュー・イングランド・バイオラボ・ジャパン株式会社
座長
吉田 直樹(ニュー・イングランド・バイオラボ・ジャパン株式会社)
講演者
花崎 洋平(ニュー・イングランド・バイオラボ・ジャパン株式会社)
みどころ

前半は信頼と実績のNEBNextライブラリー調製キットについて、その中核をなすUltra II DNA/RNAライブラリー調製キットについて詳しくご紹介いたします。後半は今年発売された新製品を中心に、お客様の多様なニーズに応えるNEBNextの専用キットについてご紹介いたします。

1BS0212月6日(水)
12:25-12:55
サイエンスピッチブース10
神戸国際展示場3号館
ウイルス大量検査のための核酸増幅・分析技術の新生
共催:BioSeeds株式会社
座長
保川 清(京都大学)
講演者
「RICCAキット」
迅速で強固な等温RNA/DNA増幅のための新しいプロトコル

ビヤニ マニシュ(BioSeeds 株式会社)
講演者
「BioMuRun アナライザー」低コストでポータブルなRNA/DNA分析システム
ビヤニ マニシュ(BioSeeds 株式会社)
みどころ

第一部では、RICCA(RNA Isothermal Co-Assisted Coupled Amplification)について紹介する。RICCAは、新たに開発された核酸ベースの体外診断技術であり、唾液サンプル中のCOVID-19やその他のRNAウイルスを「ラボフリー、ラボ品質」で30分以内に直接検出することができる。
後半では、電源、電気泳動ユニット、リアルタイムゲルイメージングユニット、遺伝子型バリアント検出技術など、遺伝子型判定に必要な4つのコンポーネントを完全スタンドアロン化した、新設計の「5分・1インチ」ポリアクリルアミドゲル電気泳動システムをご紹介します。ゲル電気泳動を日常的に使用されている方は必見である。

2BS0112月7日(木)
12:25-12:55
サイエンスピッチブース9
神戸国際展示場3号館
CAR-T細胞の特性解析用の新たな抗体
共催:セルシグナリングテクノロジージャパン株式会社
司会
幸田 由梨(セルシグナリングテクノロジージャパン株式会社)
講演者
橋詰 力(セルシグナリングテクノロジージャパン株式会社)
みどころ

CAR-T療法は、血液悪性腫瘍の治療において顕著な成功を収めており、固形がんや肝線維症、糖尿病などの老化関連疾患の治療にも安全に活用できる可能性があります。
Cell Signaling Technology (CST) は、CAR-T細胞の特性解析を支援するため、幅広いCAR発現細胞を認識できるようにデザインされた新規の抗体を開発しました。市場初となるこの抗体は、フローサイトメトリーパネルに組み込むことも可能です。本セミナーでは、新規抗体の特徴やCAR発現細胞を検出する原理を、実際に得られるデータとともにご説明します。

2BS0212月7日(木)
12:25-12:55
サイエンスピッチブース10
神戸国際展示場3号館
研究をバイオベンチャーに変える方法
共催:新生キャピタルパートナーズ株式会社
講演者
栗原 哲也(新生キャピタルパートナーズ株式会社)
みどころ

バイオベンチャーを設立するなんて敷居が高いと思っていませんか。
「自分の研究はまだそのレベルまで達していない」「共同研究と何が違うの?」「創りたいけれど時間がない」「そもそも、どうやって今の研究からベンチャーが作れるのか仕組みが分からない」研究者の周りからは、様々な声が聞こえてきます。不安の正体はプロセスがよくわからないことや資金のことではないでしょうか?本セッションでは大学発ベンチャーを創った経験もあるベンチャーキャピタリストが、そんな疑問点を解説していきます。