日程表
・日程表
特別講演
Phillip A. Sharp
(Massachusetts Institute of Technology)
シンポジウム
セッションNo
時間:
糖鎖・レクチンを活用した新たな創薬戦略
オーガナイザー:舘野 浩章 (国立研究開発法人産業技術総合研究所・細胞分子工学研究部門)、鈴木 匡 (理化学研究所・鈴木糖鎖代謝生化学研究室)
講演者・概要▼
講演者:原田 陽一郎 (大阪国際がんセンター研究所・糖鎖オンコロジー部)、木塚 康彦 (岐阜大学 生命の鎖統合研究センター)、下村 治 (筑波大学・医学医療系消化器外科)、Lalhaba Oinam (国立研究開発法人産業技術総合研究所・細胞分子工学研究部門)
概 要:糖鎖は細胞の最も外側に露出し、細胞型のみならず癌化や分化等の細胞状態の変化を鋭敏に反映する。もちろん糖鎖は老化によっても変化する。そのため糖鎖は病態細胞や老化細胞を狙い打ちするための極めて有望な標的となる。組織特異的に発現する内在性レクチンを標的とした医薬品(GalNAc-siRNA)やレクチンを用いたがん等の診断技術(AFP-L3, M2BPGi)は既に実用化されている。また、レクチンは病態細胞に露出した糖鎖を標的化するための薬剤キャリアへの展開も期待される。本シンポジウムでは糖鎖・レクチンを活用した新たな創薬戦略の構築に向けて、基礎から応用まで広く講演頂く。がん関連糖転移酵素の生化学的解析、老化により変化する皮膚幹細胞の糖鎖の機能と応用、がん細胞の挙動を支配する糖代謝、そして膵がんを狙いうちするレクチン医薬品開発について、今後の糖鎖研究を担う勢いのある4名の若手研究者から講演頂く。規定路線の研究では面白くない。糖鎖・レクチンを活用した挑戦的な創薬戦略について議論したい。
セッションNo
時間:
スフィンゴ脂質多機能性の新展開
オーガナイザー:木原 章雄 (北海道大学)、沖野 望 (九州大学)
講演者・概要▼
講演者:木原 章雄 (北海道大学)、長野 稔 (立命館大学)、山崎 晶 (大阪大学)、井ノ口 仁一 (東北医科薬科大学)、沖野 望 (九州大学)
概 要:生体膜を構成する脂質の中でもスフィンゴ脂質は多様性と多機能性に富んでいる。本シンポジウムでは、様々な生物種(細菌、植物、哺乳類)におけるスフィンゴ脂質の多様性、生合成、生理機能、病態との関連について最近の研究の新展開について取り上げる。これらには細菌におけるグルクロノシルセラミドとガラクトシルセラミド、植物におけるグルコシルセラミドとイノシトール含有スフィンゴ脂質、哺乳類におけるグルコシルセラミド、ガラクトシルセラミド、ガングリオシド、セラミドが含まれる。これらのスフィンゴ脂質は免疫、環境応答、糖代謝調節、皮膚バリア、神経機能などの生理機能を有し、その生合成異常または恒常性の破綻は様々な病態(肥満/メタボシックシンドローム、自己免疫疾患、神経疾患、皮膚魚鱗癬)を引き起こす。
セッションNo
時間:
メタボリックシンドロームにおける脂質代謝研究の最前線
オーガナイザー:松坂 賢 (筑波大学 医学医療系 内分泌代謝・糖尿病内科/トランスボーダー医学研究センター エネルギー代謝科学分野)、小濱 孝士 (昭和大学薬学部基礎薬学講座生物化学部門)
共催:日本動脈硬化学会
講演者・概要▼
講演者:蔵野 信 (東京大学医学部附属病院検査部)、小濱 孝士 (昭和大学薬学部基礎薬学講座生物化学部門)、垣野 明美 (信州大学医学部分子病態学教室)、藤坂 志帆 (富山大学学術研究部医学系第一内科)、松坂 賢 (筑波大学医学医療系内分泌代謝・糖尿病内科/トランスボーダー医学研究センターエネルギー代謝科学分野)
概 要:メタボリックシンドロームは肥満とインスリン抵抗性を背景として、高血糖、脂質代謝異常、高血圧症が共存する病態であり、動脈硬化を相乗的かつ急速に進行させ心血管イベントのリスクを高めることから、その病態解明と有効な治療法の開発が求められている。そのためには、メタボリックシンドロームの基本となる脂質代謝機構の解明に新しい視点から取り組み、その制御法を開発することが重要である。近年の脂質代謝研究は、代謝酵素の同定や質量分析技術の飛躍的な進歩により、新たな代謝制御機構の解明や治療法開発につながるものとして注目を集めている。そこで本シンポジウムでは、様々な視点からメタボリックシンドロームおよび動脈硬化症に関連する脂質代謝研究を取り上げ、最先端の研究成果を紹介して頂くとともに、将来への展望を含めて議論する機会としたい。
セッションNo
時間:
脂質生物学の新しいパラダイム
オーガナイザー:村上 誠 (東京大学)、杉本 幸彦 (熊本大学)
講演者・概要▼
講演者:村上 誠 (東京大学)、河野 望 (東京大学)、大石 由美子 (日本医科大学)、森下 英晃 (東京大学、順天堂大学)、遠藤 祐介 (かずさDNA研究所)、杉本 幸彦 (熊本大学)
概 要:脂質は、細胞膜の主要構成要素、最大のエネルギー源、細胞内外で働くシグナル分子、体表バリアの主成分、として生命に必須の根源的物質であり、その質的量的変化は様々な疾患と関連する。かつては生命科学の中で地味な領域であった脂質生化学は、今や代謝・免疫・がん・神経・皮膚・生殖・発生などの病態生理と密接に結びつき、脂質生物学へと大きく発展を遂げた。我が国の脂質生物学は世界の当該研究領域を牽引し、健康志向の高まりから国民の関心も高い。本シンポジウムでは6名の演者を招き、脂質の四大機能を俯瞰した脂質生物学研究の最前線について、最新の話題を提供する。具体的には、細胞外リン脂質代謝酵素sPLA2の新しい動作原理、古くて新しいプロスタグランジンの新機能、NASHに関わるリン脂質と中性脂質の新しいクロストーク、脂質によるT細胞免疫の新規制御機構、脂質がつなぐ炎症―再生連携のメカニズム、細胞内オルガネラ膜の大規模分解などの話題を取り上げる。
セッションNo
時間:
選択的オートファジー
オーガナイザー:小松 雅明 (順天堂大学)、池田 史代 (九州大学)
共催:マルチモードオートファジー:多彩な経路と選択性が織り成す自己分解系の理解
講演者・概要▼
講演者:小松 雅明 (順天堂大学)、池田 史代 (九州大学)、Lazarou Michael (Monash University)、Dagdas Yasin (Gregor Mendel Institute of Molecular Plant Biology)、佐藤 美由紀 (群馬大学)
概 要:現在までに国内外のオートファジー研究は、未曽有の発展をした。しかし、オートファジー研究は、収束に向かう状況にはない。むしろ、新しい発見が更に多くの未知を創出し、解明すべき課題が山積している。実際、従来の概念を超えた謎、特にオートファジーの選択性が明らかになってきた。本シンポジウムでは、オートファジーの選択的分解に焦点を当て、選択性をエンゲージするメカニズムや選択的分解の生理作用を討議したい。
セッションNo
時間:
マルチファセット・プロテインズ:拡大し変容するタンパク質の世界
オーガナイザー:田口 英樹 (東京工業大学・科学技術創成研究院・細胞制御工学研究センター)、永井 義隆 (大阪大学大学院医学系研究科)
共催:科研費学術変革領域研究(A) マルチファセット・プロテインズ:拡大し変容するタンパク質の世界
講演者・概要▼
講演者:松本 雅記 (新潟大学医歯学系)、松本 有樹修(九州大学 生体防御医学研究所)、遠藤 斗志也(京都産業大学 生命科学部)、田口 英樹 (東京工業大学・科学技術創成研究院・細胞制御工学研究センター)、永井 義隆 (大阪大学大学院医学系研究科)
概 要:この数年間での発見や技術革新により、従来のタンパク質像が揺らいでいる。例えば、非典型的な翻訳が普遍的に起こるため、タンパク質の種類は急激に増加している。また、細胞内でのタンパク質の機能発現様式も多様であることがわかってきた。つまり、タンパク質の世界において従来見えていなかった多くの面(マルチファセット)が見えはじめている。この拡大し変容しつつある真のタンパク質像を理解するためには、マルチファセットにタンパク質の世界を捉えなおす必要がある。そこで本シンポジウムでは、新しいタンパク質の世界を開拓している研究者に最新の知見を講演してもらった上で、拡大し変容しつつあるタンパク質の世界の今後について議論する。
セッションNo
時間:
未定
オーガナイザー:津本 浩平 (東京大学)
講演者・概要▼
セッションNo
時間:
レドックス生物学におけるアダクトエクスポソームの重要性
オーガナイザー:熊谷 嘉人 (筑波大学医学医療系)、上原 孝 (岡山大学大学院)
講演者・概要▼
講演者:上原 孝 (岡山大学大学院)、伊藤 昭博 (東京薬科大学)、鈴木 孝禎 (大阪大学産業科学研究所)、堂前 直 (理化学研究所)、どど 孝介 (理化学研究所)
概 要:親電子物質は反応性システイン残基を有するセンサータンパク質に共有結合して、レドックスシグナル伝達を活性化(低用量)および破綻(高用量)する。一方、細胞内において、安息香酸のような保存料が細胞内基質として誤認され、ヒストンのリジン残基を介して化学修飾することでエピゲノム変化を生じることが話題になっている。一連の研究成績は、生活環境、ライフスタイルや食生活を通じて、生体内に取り込まれた化学物質により細胞内の脱プロトン化しやすい求核置換基が化学修飾され、それが起点となってエピゲノム変化やレドックスシグナル変動を生じる可能性を示唆している。本シンポジウムでは、ヒトの生涯における環境曝露の総体である「エクスポソーム」を研究する一環として、タンパク質の化学修飾能を有する被験物質を対象とした“アダクトエクスポソーム"のモデル化を推進する研究者達の戦略と最新の成果を概説する。
セッションNo
時間:
シリア-中心体系のダイナミズムと多様な生命現象の制御機構
オーガナイザー:中山 和久 (京都大学大学院薬学研究科)、北川 大樹 (東京大学大学院薬学系研究科)
講演者・概要▼
講演者:中山 和久 (京都大学大学院薬学研究科)、小林 哲夫 (奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科)、篠原 恭介 (東京農工大学)、上原 亮太 (北海道大学大学院先端生命科学研究院)、北川 大樹 (東京大学大学院薬学系研究科)
概 要:シリア-中心体系は細胞周期においてダイナミックに変化する。分裂期の細胞において、中心体は紡錘体形成の中心として細胞分裂を制御するのに対して、静止期の細胞では、中心小体が基底小体となって繊毛(シリア)形成の中心となる。また、シリア-中心体系は、様々な駆動力を発生させる運動性繊毛、および化学的シグナルや機械的シグナルの受容と伝達に関与する一次繊毛が機能するための基盤となり、多様な生命現象を制御する。このように重要な機能を果たすことから、分裂期の中心体の複製や分配、静止期の繊毛形成や繊毛内タンパク質輸送の破綻は、がんや多岐にわたる重篤症状を呈する遺伝性疾患の原因となる。しかし、シリア-中心体系の機能の制御には多くの「ナゾ」が残されている。本シンポジウムでは、多様な生命現象を制御するシリア-中心体系の「ナゾ」に迫るこれまでの研究成果をもとにして、今後のシリア-中心体系研究の展望について熱い議論を交わしたい。
セッションNo
時間:
多細胞システムを支える細胞外環境ダイナミクス
オーガナイザー:藤原 裕展 (理化学研究所生命機能科学研究センター)、高田 慎治 (基礎生物学研究所)
講演者・概要▼
講演者:松林 完 (キングス・カレッジ・ロンドン)、平島 剛志 (京都大学大学院医学研究科)、星野 歩子 (東京工業大学生命理工学院)、高田 慎治 (基礎生物学研究所)、藤原 裕展 (理化学研究所生命機能科学研究センター)
概 要:器官は個々の細胞の単なる総和ではなく、多様な細胞とそれが働く「場」としての「細胞外環境」とが一体となって機能する多細胞システムである。細胞外環境には細胞の機能を制御する様々な情報が存在するが、技術的な難しさなどのため、細胞種ごとに最適化された微小環境の分子実体や、細胞との相互作用の時空間ダイナミクスに関する理解は十分ではなかった。しかし近年、細胞外因子の検出・可視化・操作技術などの進展により、細胞外マトリックス、モルフォゲン、エクソソームなどの組織内での動態や活性変化が活写されるようになってきた。その結果、細胞外因子の動態や機能に関する定説を覆すような発見が相次ぎ、古典的概念がアップデートされてきている。本シンポジウムでは、細胞と細胞外環境との相互作用のダイナミクスに関わる最新の研究を紹介し、細胞外環境研究の今後の展開について議論したい。
セッションNo
時間:
哺乳類の代謝変動による環境適応とその異常
オーガナイザー:木村 航 (理化学研究所生命機能科学研究センター)、有馬 勇一郎 (熊本大学大学院生命科学研究部循環器内科学)
講演者・概要▼
講演者:有馬 勇一郎 (熊本大学大学院生命科学研究部)、山口 良文 (北海道大学大学院環境科学院)、田中 都 (名古屋大学環境医学研究所)、木村 航 (理化学研究所生命機能科学研究センター)、林 悠 (京都大学大学院医学研究科)
概 要:哺乳類はその恒温性などに代表されるように、外部環境の変化にかかわらず内部環境を一定に保つ能力に長けている。このように一見したところ同じに見える内部環境を保つ能力は、実際には外部環境の変化を感受し、それに応答して代謝状態をはじめとした内部環境を変化させる能力と表裏一体である。哺乳類がライフサイクルの中で経験する日周期や季節性、または出生や成長・病的環境などの大きな環境の変動への応答のメカニズムの解明は、疾患に立ち向かう予防医学や新規治療法開発に向けた示唆に満ちている。本シンポジウムではさまざまな動物種、ライフステージのモデル生物を使い、環境の変動に対する適応のメカニズムについて個体から細胞までの階層をつなぐ研究を展開している若手研究者による講演を行う。
セッションNo
時間:
細胞外膜小胞による細胞応答 〜微生物からヒトまで〜
オーガナイザー:野村 暢彦 (筑波大学生命環境系・JST ERATO野村集団微生物制御プロジェクト)、華山 力成 (金沢大学WPIナノ生命科学研究所)
共催:・2019-2023年度 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究超地球生命体を解き明かすポストコッホ機能生態学・JST CREST/さきがけ「細胞外微粒子」・JST ERATO野村集団微生物制御プロジェクト
講演者・概要▼
講演者:野村 暢彦 (筑波大学生命環境系・JST ERATO野村集団微生物制御プロジェクト)、岡本 章玄 (国立研究開発法人物質・材料研究機構)、小嶋 良輔 (東京大学大学院医学系研究科・JSTさきがけ)、吉田 知史 (早稲田大学国際学術院)、華山 力成 (金沢大学WPIナノ生命科学研究所)
概 要:細胞応答は、動物・植物・微生物の全ての生物において、生命現象の重要な共通基盤である。近年、すべての生物界にわたって、脂質二重膜により構成された数十〜数百nmの細胞外膜小胞が報告され注目されている。ヒト・動物においては、エクソソームやマイクロベジクルなどが知られており、免疫応答の制御や癌・神経変性など、様々な疾患への関与が明らかになっている。また、グラム陰性・陽性に関わらず全ての細菌が細胞外小胞(メンブレンベシクル(MV))を産生し、種・属を越えた細菌間のみならず細菌-動物間のMVを介した細胞応答が存在することも明らかになってきた。このように細胞外膜小胞による細胞応答は、動物個体内のみならず、微生物など生物界の壁を超えて注目されている。 本シンポジウムは、ヒト・動物また微生物の細胞外膜小胞を介した細胞応答について、生物界を越えた総合理解の場を提供し、生命ネットワークの理解を深めることを目的とする。
セッションNo
時間:
人生100年時代の「老い」を考える
オーガナイザー:佐田 亜衣子 (熊本大学)、森 英一朗 (奈良県立医科大学)
講演者・概要▼
講演者:佐田 亜衣子 (熊本大学)、佐藤 亜希子 (国立長寿医療研究センター)、早野 元詞 (慶應義塾大学)、荻沼 政之 (大阪大学)、廣田 恵子 (東京女子医科大学)、松崎 京子 (東京医科歯科大学)、柴田 淳史 (群馬大学)、森 英一朗 (奈良県立医科大学)
概 要:いつまでも若々しく、健やかに生きることは、人類の長年の願いである。酵母、線虫、ショウジョウバエ、哺乳類を用いた個体レベルの解析により、適切な運動や食事、睡眠、生殖が、老化を制御する鍵として提唱されている。分子レベルでは、加齢に伴い、DNA損傷、エピゲノム変化、代謝やプロテオスタシスの異常等が、単独または複合的に起こり、組織の機能低下や病変の一因となることが明らかにされつつある。1つの細胞内で起こる変化は、細胞外へと伝達され、臓器・個体レベルで時空間的に情報が統制される。しかし、老化に関する知見の多くは、特定の臓器や分子に着目した個別研究であり、老化プロセスを統合的に理解し、議論するための基盤が不足している。本シンポジウムでは、細胞内外の多様な生体分子を扱う研究者が一堂に集い、「老化」現象の階層的、横断的な理解を深め、人生100年時代を健やかに生きるストラテジーについて考察する。
セッションNo
時間:
個体と臓器のスケーリング機構
オーガナイザー:仁科 博史 (東京医科歯科大学)、松井 秀彰 (新潟大学)
講演者・概要▼
講演者:仁科 博史 (東京医科歯科大学)、兪 史幹 (理化学研究所BDR)、大森 義裕 (長浜バイオ大学大学院)、山口 智之 (東京大学)、豊島 文子 (京都大学)、二階堂 雅人 (東京工業大学)、松井 秀彰 (新潟大学)
概 要:動物は進化の過程で生息環境に適応しつつ、個体サイズ(体長や体重)を多様化させてきた。生物学者は、機能と関連させて個体サイズの制御機構(スケーリング機構)の解析を行ってきた。しかし、マウスとゾウの個体サイズの違いを説明しうる遺伝要因依存性の個体スケーリング機構や、環境要因依存性の個体スケーリング機構、特定の個体サイズでの臓器の配置・相互作用・サイズなどの臓器スケーリング機構、これらの重要な課題は未解明のままである。このような状況下、ゲノムインフォマティクス・各種オミクス解析などを駆使することにより個体や臓器のスケーリング機構の本格的解明に着手できる環境が整ってきた。本シンポジウムでは、スケーリング機構の最前線の研究を紹介する。
セッションNo
時間:
RNAとRNPの特異的修飾による発現制御機構と生理機能
オーガナイザー:稲田 利文 (東北大学)、齊藤 博英 (京都大学)
講演者・概要▼
講演者:鈴木 勉 (東京大学)、五十嵐 和彦 (東北大学)、齋藤 博英 (京都大学)、魏 范研 (東北大学)、稲田 利文 (東北大学)
概 要:遺伝子発現は生命現象の基盤であり、発現制御の破綻は様々な疾患の原因となる。RNAは、ゲノム情報をタンパク質へ仲介する分子であり、様々な修飾を受けることで機能を獲得する。最近の解析手法の進展によりRNA修飾の重要な生理機能がより明確になり、転写後の発現制御を介した細胞内シグナル伝達や代謝との関連が明らかになりつつある。また、RNAがタンパク質と形成する「RNA-タンパク質複合体(RNP)」は細胞内分子機構の中核をなす。翻訳装置であるリボソームは代表的なRNPであり、特異的な修飾を受けることで、異常翻訳の認識やリボソーム自身の品質管理、さらにはmRNA安定性やタンパク質の局在にも重要な機能を果たす。さらに、RNAやRNP複合体の機能や形成を制御し、細胞を自在に操作するための基本原理も明らかになりつつある。本シンポジウムでは、RNAとRNPの新規修飾とその生理機能解明を目指した最新の研究成果を紹介する。
セッションNo
時間:
クロマチン構造による遺伝子発現制御機構
オーガナイザー:胡桃坂 仁志 (東京大学 定量生命科学研究所)、立和名 博昭 (公益財団法人がん研究会がん研究所)
共催:遺伝子制御の基盤となるクロマチンポテンシャル
講演者・概要▼
講演者:胡桃坂 仁志 (東京大学 定量生命科学研究所)、立和名 博昭 (公益財団法人がん研究会がん研究所)、大川 恭行 (九州大学生体防御医学研究所)、佐藤 優子 (東京工業大学 科学技術創成研究院)、玉田 洋介 (宇都宮大学 工学部)、栗原 美寿々 (北海道大学 薬学研究院)
概 要:真核生物において、ゲノムDNAはクロマチン構造を形成している。近年、クロマチン構造が遺伝子発現制御に重要な役割を果たすことが明らかになり、エピジェネティックな遺伝子制御機構として注目されている。クロマチン構造はヒストンとDNAからなるヌクレオソームを基本単位とし、ヌクレオソームが数珠状に連なって形成されている。ヒストンのメチル化やアセチル化などの化学修飾、ヒストン亜種であるヒストンバリアントの有無により、クロマチンは相互作用する因子を変化させることで多様な構造と機能を獲得している。そのため、これらの相互作用因子も含めたクロマチン構造が遺伝子発現制御においてどのように機能するかを明らかにすることが、遺伝子発現制御機構の解明において重要である。本シンポジウムでは、クロマチン構造が遺伝子発現を制御する機構について、原子分解能での構造解析から細胞および個体を用いた最新の研究成果を紹介する。
セッションNo
時間:
先端技術を用いた食事・栄養成分を介した免疫-代謝ネットワークの理解と応用
オーガナイザー:國澤 純 (医薬基盤・健康・栄養研究所)、長谷 耕二 (慶應義塾大学)
講演者・概要▼
講演者:國澤 純 (医薬基盤・健康・栄養研究所)、長谷 耕二 (慶應義塾大学)、高橋 伸一郎 (東京大学)、中川 嘉 (富山大学)
概 要:世界中に新型コロナウイルスが広がり、社会情勢が大きく混乱している中、改めて生体防御システムとしての免疫の重要性が認識され、また糖尿病などの代謝性疾患とウイルス感染時における病態との関連も注目されている。これら免疫や代謝の制御における食事・栄養成分の重要性は古くから知られていたが、その多くは曖昧模糊としたものであった。しかしながら、近年の分析技術の発展もあり、その詳細な制御メカニズムが議論できる時代になってきた。本シンポジウムでは、生化学的手法を含めた複数の解析技術により、「免疫・代謝・栄養」の相互関連を明らかにする先駆的研究を進められている演者に講演いただき、新しい融合領域としての将来展望と生化学の可能性について議論したい。
セッションNo
時間:
冬眠様の能動的低代謝状態における生体の適応機構
オーガナイザー:櫻井 武 (筑波大学医学医療系/WPI-IIIS)、金 尚宏 (東京大学 大学院理学系研究科 生物科学専攻)
講演者・概要▼
講演者:櫻井 武 (筑波大学医学医療系)、砂川 玄志郎 (理化学研究所 BDR)、金 尚宏 (東京大学 大学院理学系研究科 生物科学専攻)、平野 有沙 (筑波大学医学医療系/WPI-IIIS)
概 要:一部の哺乳類は冬季などに飢餓から生き延びるため基礎代謝を低下させるために低体温を維持し、エネルギーを節約する生存戦略をとる。冬眠と呼ばれる状態である。冬眠中の動物は非活動状態となり基礎代謝が低下し、種々の生命機能は大幅に低活動になり、その状態がしばらく維持され何らの障害なく回復(復温)する。このメカニズムは生理学的にも非常に興味深いものの、冬眠動物そのものを使用しなければ研究ができないため、研究の進展が妨げられていた。最近、マウスの視床下部の一部の小領域に存在する神経を特異的に興奮させるとマウスの体温が数日間に渡って大きく低下し併せて代謝も著しく低下することがしめされた。この状態は様々な点で冬眠動物にみられる冬眠に酷似していた。この発見は体温制御・代謝制御の新たな機構の発見という生物学的に大きな意義をもつだけではなく、ヒトの人工冬眠が現実味を帯びてくることを示したものである。また、冬眠様状態をマウスを用いて生理的・生化学状態を検討することが可能になった。本シンポジウムでは低体温状態での生理的状態について体内時計や体温制御メカニズムを中心に議論したい。
セッションNo
時間:
遺伝子制御の新世界
オーガナイザー:鈴木 洋 (名古屋大学)、森田 剣 (ハーバード大学)
講演者・概要▼
講演者:野島 孝之 (オックスフォード大学)、鈴木 洋 (名古屋大学)、河口 理紗 (コールドスプリングハーバー研究所)、嶋田 健一 (ハーバード大学)、森田 剣 (ハーバード大学)、青井 勇樹 (ノースウェスタン大学)
概 要:遺伝子の制御は生命現象の根幹をなしますが、その基本的なメカニズムの理解は今もアップデートされ続けています。バイオインフォマティクス・次世代シーケンサー・ゲノム編集・シングルセル解析などの技術躍進は、このような遺伝子制御の高解像度の理解を深めるだけでなく、ゲノム情報と疾患メカニズム、ヒト集団とシングルセルでの遺伝子制御といったアプローチの異なる大きく離れた情報群を連続的に統合し、高次生命システムの本質に迫る新たな研究の潮流を生み出しています。本シンポジウムでは、コロナ禍での新しい学会スタイルの1つとして、留学後・留学中の研究者をつなぎ(ジェットラグ on time シンポジウム)、遺伝子制御・遺伝子ネットワーク研究の最先端と未来について幅広く議論します。
セッションNo
時間:
動物モデルによる先端がん研究
オーガナイザー:鈴木 聡 (神戸大・医・分子細胞生物学)、平尾 敦 (金沢大・がん研・遺伝子染色体構築研究分野)
講演者・概要▼
講演者:前濱 朝彦 (神戸大・医・分子細胞生物学)、平尾 敦 (金沢大・がん研・遺伝子染色体構築研究分野)、中村 卓郎 (がん研・発がん研究部)、山田 泰広 (東大・医科研・先進病態モデル研究分野)、小玉 尚宏 (阪大・医・消化器内科)、北嶋 俊輔 (がん研・細胞生物部)
概 要:ヒト悪性腫瘍のマウスモデルは、発癌や癌進展の理解や、新しい抗癌剤による治療効果の評価に極めて大切である。本シンポジウムでは、ドライバー遺伝子を変異させることによって、融合遺伝子を発現させることによって、代謝を撹乱することによって、細胞老化を引き起こすことによって、あるいはユニークな変異方法によって、革新的な癌マウスモデルなどを作成・利用した6人の講演者で構成する。本シンポジウムの目的は、新しいマウスモデルを紹介し、発癌や癌進展の生化学的機構や基本原理の理解を深化させること、種々の分子標的薬耐性に重要なシグナル経路を見出すこと、また新しい抗腫瘍薬を開発することなどである。
セッションNo
時間:
造血細胞、エクソソーム、多階層オミクス解析からみる全身性疾患生物学
オーガナイザー:星野 歩子 (東京工業大学 生命理工学院)、井上 大地 (神戸医療産業都市推進機構先端医療研究センター血液・腫瘍研究部)
講演者・概要▼
講演者:佐野 宗一 (バージニア大学医学部)、橋本 彩子 (東京工業大学)、指田 吾郎 (熊本大学 国際先端医学研究機構)、大澤 毅 (東京大学先端科学技術研究センター)、脇田 将裕 (大阪大学)
概 要:生命誕生前の妊娠がもたらす合併症から、加齢や老化を背景とする「がん」に至るまで、各臓器レベルでの炎症・ストレス・代謝異常・遺伝子発現異常に端を発して、臓器横断的に影響を及ぼすことが明らかとなりつつある。このような現象を新しい手法により可視化し、全身性の異常を多角的に理解することは病態の正しい理解と治療法の開発において不可欠な課題といえる。 本シンポジウムでは、妊娠・老化・がん・動脈硬化等が進展する上で、あらゆる臓器で生じる変化、特にそれを司る様々な循環代謝物・炎症性分子・血液細胞・エクソソームなどに着目した研究およびその解析方法についての統合的な理解を目標とする。「全身性疾患生物学」をテーマに、予想もしない臓器連関、そのメディエーターやエフェクターの同定、メカニズムに基づく治療アプローチについて、各分野で活躍する気鋭の若手研究者を演者に迎え、未来志向の新しい生物学を議論する。
セッションNo
時間:
遺伝子発現制御から探る神経発生メカニズム
オーガナイザー:古川 貴久 (大阪大学 蛋白質研究所)、山本 亘彦 (大阪大学 生命機能研究科)
講演者・概要▼
講演者:中島 欽一 (九州大学 医学研究院 基盤幹細胞分野)、古川 貴久 (大阪大学 蛋白質研究所)、花嶋 かりな (早稲田大学)、中嶋 一範 (慶應大学 医学部)、山本 亘彦 (大阪大学 生命機能研究科)
概 要:中枢神経系の発生・発達過程においては、非常に多様な種類の神経細胞が生み出される。例えば、脊椎動物の網膜においては、大まかには5種類の主要な神経細胞(視細胞、双極細胞、水平細胞、アマクリン細胞、神経節細胞)が存在するが、それぞれの神経細胞はサブタイプに分かれ、マウス網膜でも全体として80種類以上ものサブタイプが知られている。大脳でも同様に神経細胞は多様性に富んでいる。このような多種多様な神経細胞が適切に発生してくるためには、内在的な転写調節因子の発現調節、ならびに細胞外環境からのシグナルが重要な役割を演じていることが示唆されているが、いまだ不明な点が多い。また、細胞分化は当初想定されていた以上に長期に及び、生後の外界からの影響によっても、遺伝子発現調節を介して分化が制御されるが、そのメカニズムも興味深い。さらに、それをコントロールすることによって、神経再生や精神神経疾患の治療法の基盤となる知見にも繋がることが期待されている。本シンポジウムでは、遺伝子発現制御の観点から神経発生機構について研究されている研究者に御講演いただき、古くて新しい神経発生における遺伝子発現制御の問題について理解を深めたい。
セッションNo
時間:
免疫における転写および転写後調節ネットワーク
オーガナイザー:酒井 真志人 (日本医科大学)、吉田 英行 (理化学研究所)
講演者・概要▼
講演者:幸谷 愛 (東海大学)、伊川 友活 (東京理科大学)、二村 圭祐 (大阪大学)、吉田 英行 (理化学研究所)、酒井 真志人 (日本医科大学)
概 要:免疫システムは精密に制御された防御メカニズムとして感染症防御や腫瘍細胞の排除に働き、その破綻は日和見感染症や自己免疫疾患、自己炎症性疾患、腫瘍の増殖など、様々な疾患につながる。免疫システムでは多種多様な免疫細胞が様々な機能を担っており、免疫システムの理解を進めるため免疫細胞の機能が多面的に研究されてきた。最近のゲノミクスとシングルセル解析の技術的な進歩は、免疫細胞の機能を調節する転写および転写後制御ネットワークの理解を、これまでにない速度で進ませており、DNAメチル化やクロマチン修飾、高次クロマチン構造、転写因子、非コードRNA、転写後調節因子等が協調的に働き遺伝子発現が制御されることが明らかになってきている。本シンポジウムでは、独自のアプローチで免疫細胞の転写とRNA制御の解明に取り組む研究者の最新の知見を紹介し、多角的な視点から議論したい。
セッションNo
時間:
アーキア生化学の最前線
オーガナイザー:石野 良純 (九州大学 大学院 農学研究院 生命機能科学部門)、跡見 晴幸 (京都大学 大学院 工学研究科 合成・生物化学専攻)
講演者・概要▼
講演者:跡見 晴幸 (京都大学大学院工学研究科)、石野 良純 (九州大学大学院農学研究院)
概 要:地球上に生息する生物は3つのドメインに分類される。そのうち、アーキアは極限環境で生息できるものが多く、バクテリアや真核生物には見られない固有の生命機能を有する。メタゲノム解析が盛んになり、アーキアは地球上に広く生息し、系統的に異なるアーキアが次々に提唱されている。本シンポジウムではアーキアの遺伝情報系、細胞構造、エネルギー代謝系、生体防御系(CRISPR/Cas系)などの最前線の生化学を紹介することにより、アーキアの生命現象の理解を深めたい。
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創薬を志向したケミカルバイオロジー
オーガナイザー:北 将樹 (名古屋大学 大学院生命農学研究科)、鈴木 智大 (宇都宮大学 バイオサイエンス教育研究センター)
共催:新学術領域「化学コミュニケーションのフロンティア」
講演者・概要▼
講演者:井貫 晋輔 (京都大学 大学院薬学研究科)、井本 正哉 (順天堂大学大学院医学研究科)、上杉 志成 (京都大学 iCeMS・化学研究所)、舘野 浩章 (国立研究開発法人産業技術総合研究所 細胞分子工学研究部門)、田中 良和 (東北大学 大学院生命科学研究科)
概 要:ケミカルバイオロジーは化学・生化学を含む様々な基幹分野の融合により発展してきた学問であり、ゲノミクス、メタボロミクス、ケモインフォマティックスなどとの協同により、生体内の多様な化学シグナルの統合的な理解が達成されつつある。生物種間で働く化学シグナルを理解し、生物活性リガンドの探索・同定・機能解析ならびに標的指向型表現型スクリーニングの実践により、創薬シーズやケミカルツールの論理的設計など先端医療への応用・展開も期待されている。本シンポジウムでは、天然物および合成リガンドを基軸にして機能性分子の開発を推進する第一線の研究者から講演をいただき、化学シグナルの理解による多様な生物機能の制御の実現や、革新的な医農薬の創出など、創薬を志向したケミカルバイオロジー研究の今後の方向性について議論したい。
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時間:
分子・細胞研究者が挑戦する医療イノベーション
オーガナイザー:高木 淳一 (大阪大学蛋白質研究所)、保仙 直毅 (大阪大学大学院医学系研究科)
講演者・概要▼
講演者:星野 温 (京都府立医科大学)、酒井 克也 (金沢大学がん進展制御研究所)、保仙 直毅 (大阪大学大学院医学系研究科)、籠谷 勇紀 (愛知県がんセンター研究所)
概 要:臨床医学者と有機化学者、薬理学者などのチームが連携すれば可能であった伝統的な低分子化合物医薬の開発にくらべ、バイオ医薬品や細胞医薬品、遺伝子治療などの先端医療のシーンでは遙かに広い分野の研究者の集結が必要である。また、COVID-19などでは従来とは別次元の医薬品開発スピードが求められ、「医療技術開発」はもはや一部の医学者や製薬企業の仕事ではなく、ライフサイエンス研究者のだれもが当事者として重要な役割を果たし得る時代に突入している。本シンポジウムでは、分子・細胞レベルの基礎的研究に従事していた研究者が、持てる知識と経験を投入して、「予算取りのための方便」ではない真の医療応用につなげようとしている例をいくつか紹介し、基礎研究者主体の本学会からのさらなる新しい医療イノベーション産生を促進したい。
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根圏の生化学
オーガナイザー:白須 賢 (国立研究開発法人理化学研究所)、吉田 聡子 (奈良先端科学技術大学院大学)
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講演者:杉山 暁史 (京都大学)、晝間 敬 (東京大学)、亀岡 啓 (東北大学)
概 要:根圏は植物の根と多様な生物が共存するユニークなインターフェースであり、生物間そして真核生物である宿主との間で相互作用する場となっている。宿主である植物と生物は一対一で見れば、寄生、片利共生あるいは共生の関係があるといえるが、根圏は、無数といえる相互作用があって非常に複雑であり、環境の変化および根の生長や発達にともないダイナミックに変動している。しかしながら、どのようにして根圏生物の共同体が成立し維持されているか、またメンバーである生物同士、さらには宿主が情報交換をしているはほとんど明らかになっていない。植物そして根圏に生息する生物は、最近のゲノム解析からも、多様な代謝物を生産できる酵素群をコードしていることが明らかになってきているが、その代謝物の機能はほとんど同定されていない。本シンポジウムでは根圏のエキスパートを招聘し、生化学的アプローチによる根圏の理解をめざす。
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時間:
これからの研究者はどうあるべきか?
オーガナイザー:田中 智之 (京都薬科大学)、榎木 英介 (科学・政策と社会研究室)
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講演者:豊田 長康 (鈴鹿医療科学大学)、斉藤 卓也 (文部科学省)、田中 智之 (京都薬科大学)、瀧澤 美奈子 (日本科学技術ジャーナリスト会議)
概 要:プロジェクト型研究や任期制の拡大といった近年の科学研究政策の変化は、研究者のキャリアを不透明でリスクの高いものにしており、結果として研究力の低下を招いています。私たちはどうすればこの状況を変えることができるでしょうか?例えば、政策決定者がどう考えているかを理解することや、科学研究を取り巻く人たちとの対話と協働に加わる必要があるかもしれません。また、社会に溶け込む研究者が増えれば、科学研究の支援者は増えるかもしれません。このシンポジウムでは科学研究政策、研究公正、科学コミュニケーション、新たに結成された日本版AAASを取り上げ、こうした問題を考えていただく契機にしていただくことを目的としています。講演後はパネルディスカッションを通じて議論を行う予定です。