会長挨拶
この度、第31回日本臨床精神神経薬理学会を2021年10月7日(木)、8日(金)の両日にタワーホール船堀(東京)にて開催することとなりました。大会長といたしまして、一言ご挨拶を申し上げます。
2020年以降世界中がコロナ禍に遭遇し、国内外の多くの学会は新たなスタイルによる学術大会の開催を余儀なくされています。当学会の第30回大会も通常開催を断念し、今年1月に『臨床神経精神薬理の「新未来」を模索する』とのテーマで趣向を凝らして、オンライン開催されました。第31回大会は、第30回大会のオンライン開催経験とオンサイトでのタワーホール船堀の特徴を十分に活かし、参加者の皆様にご満足して頂けるような大会運営を心がけたいと考えています。
第31回の大会テーマは「世代に寄り添う薬物療法」です。昨今、国内では精神科領域の薬物療法に関するガイドラインが精力的に作成され、海外にも引けを取らない秀逸なガイドラインが公開されるようになりました。これらのガイドラインで注目されることの一つとして、“周産期”や“高齢者”などの特有な世代に寄り添うような配慮が作成過程になされている点であります。おそらくそれぞれの世代において、これまでにないエビデンスが蓄積されるようになり実現に至ったものと考えます。大会ではエビデンスレベルだけではなく、日常臨床におけるナラティブなレベルにも視点を置き、証左を得がたい臨床精神薬理の領域にも議論の幅を広げていきたいと考えています。妊産婦の周産期に始まり、出生後の小児期、思春期・青年期、壮年期、中年期・更年期、老年期へと繋がるさまざまなライフステージに注目し、それぞれの世代の患者様に寄り添う優しい精神科薬物療法の在り方を検討できる場になってほしいと思います。
プログラム委員の先生方、会員の皆様の多大なるご協力のもと、お陰様を持ちまして第31回大会は単独開催ではありますが、特別講演1企画、教育講演6企画、会長企画シンポジウム1企画、一般シンポジウム16企画、EGUIDEプロジェクトワークショップ、臨床精神神経薬理学セミナー、臨床試験-倫理教育セミナー、共催シンポジウム3企画のほか、口頭発表40題、ポスター発表55題を企画することができました。現状では、オンサイトとオンラインのハイブリット開催を目指していますが、今後のCOVID-19感染状況やワクチン接種状況が依然として予測不可能であることから、今後開催までに運営方針が二転三転する可能性は否めません。しかしながら、新しい大会スタイルを創意工夫して、大会の成功に向けて尽力させて頂きたいと思います。
ご参加の皆様方には、一人でも多くの方がオンサイトで東京3大タワー(スカイツリー、東京タワー、船堀タワー)の夜景を眺めながら、2日間の大会を満喫して頂きたいと願っております。多くの皆様のご参加を、心よりお待ちいたしております。
第31回学術大会大会長
順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院
鈴木 利人