柿内三郎記念賞/柿内三郎記念奨励研究賞/奨励賞/JB論文賞
14:50~15:05
公益財団法人倶進会 理事長 勝見 允行 ご挨拶
公益社団法人日本生化学会 会長 菊池 章 ご挨拶
2020年度 第15回柿内三郎記念賞 授賞式
2020年度 第17回柿内三郎記念奨励研究賞 授賞式
2020年度 日本生化学会奨励賞 授賞式
2020年度 JB論文賞 授賞式
15:10~15:40
第15回柿内三郎記念賞 受講講演
15:45~16:50
2020年度日本生化学会奨励賞 受賞講演
JBランチョンワークショップ
Web開催のため中止
JBシンポジウム
細胞外小胞の医化学- 華山 力成
- (金沢大学)
- 池上 浩司
- (広島大学)
- 諸石 寿朗
- (熊本大学)
- 星野 歩子
- (東京大学)
- 吉田 孟史
- (金沢大学)
エクソソームやマイクロベジクルなどの細胞外小胞は、細胞間情報伝達を担うメッセンジャーとして機能することが知られており、分泌細胞とその標的細胞との間で蛋白質や脂質などを受け渡すことで、様々な細胞応答を制御します。更に、細胞外小胞の内側には分泌細胞由来のmRNAやmicroRNAが存在しており、細胞間の遺伝子発現情報の交換に関与する可能性が示されています。しかし、細胞外小胞の生理的・病態生理学的な役割は未だに多くが不明のままです。そこで本シンポジウムでは、細胞外小胞の新たな役割に関して最新の研究成果を紹介します。
- 鈴木 匡
- (理化学研究所)
- 吉田 雪子
- (東京都医学総合研究所)
- Nic Lehrbach
- (Massachusetts General Hospital, Harvard University)
- Hamed Jafar-Nejad
- (Balyor Collage of Medicine)
- 吉田 雪子
- (東京都医学総合研究所)
- 藤平 陽彦
- (順天堂大学)
- 平山 弘人
- (理化学研究所)
細胞質ペプチド:N-グリカナーゼ(NGLY1)はアスパラギン結合型(N型)糖鎖の脱離酵素で、真核生物で進化的に保存された酵素である。2012年に米国で遺伝子疾患(NGLY1欠損症)が見つかって以来、NGLY1研究は急速に伸展している。NGLY1は小胞体で正しい構造をとれなかった糖タンパク質の細胞質での分解に関わる酵素であると考えられてきたが、最近、様々なタンパク質の活性化に関わる例が報告され、大きな注目を集めている。NGLY1はアスパラギンから脱糖鎖をすると同時にアスパラギン酸への変換を行う。このアミノ酸配列の”editing”機構がNGLY1の機能やNGLY1欠損症の病態発現に重要である可能性も示されている。本シンポジウムでは、NGLY1の翻訳後修飾分子としての機能や内在性の基質の解析、モデル動物を用いた病態発現のメカニズム解析、病態を左右する調節遺伝子の解析や治療を見据えたバイオマーカー解析など、最新の知見を紹介し、NGLY1の多機能性について議論を交わしたい。
男女共同参画推進企画ランチョンワークショップ
性差を超えて:女性研究者のライフサイクルを踏まえたエンパーメント小出 寛(順天堂大学) 12:05~12:10
講演者ご紹介瀬尾 美鈴(京都産業大学)
性差を超えて:女性研究者のライフサイクルを踏まえたエンパーメント講演者
宇野 賀津子(公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター) 12:10~12:45
性差について、有る無しの論争は長らくあった。ジェンダーフリーを強調しないと、女性が仕事しづらかった時代もあった。女性研究者は女性であることを否定しないと、研究を続けられないのだろうか。私自身は、発生学、免疫学に加えて、性科学についても研究を進めてきた。特に、長年の性差論争も横目で見ながら、性差について、生物学的・歴史学的・社会学的視点から検討するなかで、今や、性差を否定しなくとも研究者として生きていくことが可能な時代になったと確信を持つことに至った。
多様な研究者の有り様をむしろ生かす事で、ユニークな研究もできるのでないだろうか。先輩達は保育所を作り、女性は業績が無いから地位が低いと言われると、調査をして業績の割には地位が低い事を明らかにした。データでもって周辺状況を明らかにし改善することは、科学者としての強みでもあり、視点を広げることに繋がるのではないだろうか。科学の発展、衛生環境の改善、家電製品の進化は、女性のエンパワーメントの周辺状況を整備した。IT環境の進化もまた、男女差の縮小に働いている。新型コロナの広がりの中でテレワークが広がり、一気に多様な働き方がうけいれられるようになった。現在の状況は人類史上かつてない状況にある。新しい女性役割・生き方を考える事の出来る時代に今私たちは生きている。女性であることも性差も認めた上で、より生きやすい社会、産みたい時、産めるときに産める社会を目指して、新たなる男と女の関係を確立し、私の生き方、研究スタイルを考えてみよう。
京都の女性研究者のネットワークから広がった女性研究者のメイリングリストは今や全国の研究者に広がり、女性研究者特有の問題を議論している。広く全国の大学の経験を交流することで、可能となった事案もある。柔軟な異分野連携・多様な年齢層連携で女性研究者のエンパワーを進めることが出来ればと考える。
司会進行:瀬尾 美鈴(京都産業大学) 12:45~12:55
日本医学会連合 加盟学会連携フォーラム エピゲノム制御の破綻とがん
- 牛島 俊和
- (国立がん研究センター研究所)
- 近藤 豊
- (名古屋大学)
- 竹島 秀幸
- (国立がん研究センター研究所)
- 古川 雄祐
- (自治医科大学)
- 荻原 秀明
- (国立がん研究センター研究所)
- 近藤 豊
- (名古屋大学)
- 石井 秀始
- (大阪大学)
エピゲノムの破綻は「万病のもと」とまではいかないが、今や「万病に随伴する」または「千病のもと」と言える状況である。なぜなら、エピゲノムは細胞の記憶装置としての精緻な制御機構をもち、その異常や慢性炎症等によるエピゲノム自体の異常は細胞記憶を破壊してしまうからである。最近は、ゲノム情報を有効に活用するための新たな装置としてlincRNA, circRNA, RNA修飾の重要性も明らかになり、これらの異常と疾患の関連も見えて来た。本シンポジウムでは、古くから知られるDNAメチル化とヒストン修飾の異常を如何にしてがんの予防や治療につなげるのかという新しい話題、多くのがんで異常が認められるクロマチン変換因子の変異を如何にして治療に活かすのかという重要な話題、lncRNAやRNA修飾がどのように疾患に関係するのかという先端の話題を集めた。会場の方々と大いなる議論を行うことで、次のcutting-edgeな研究が生まれるきっかけとなることを目指したい。
懇親会
中止