ログラム

シンポジウム

シンポジウム一覧

  1. 日本発新バイオ医薬品イノベーションを目指す最先端創薬▼
  2. ビックデータ(仮)▼
  3. 産学連携シンポジウム(仮)▼
  4. 産学連携のボトルネック▼
  5. レドックスシグナルの生化学的基盤の解明▼
  6. イメージングと再構築による生体膜ダイナミクスの理解:変形と融合と輸送と切断▼
  7. オートファジーの選択性と多様性▼
  8. 細胞死による細胞膜恒常性維持の破綻▼
  9. 広がりゆく糖質科学の世界▼
  10. リポクオリティが解き明かす生命現象▼
  11. 生化学反応を可視化するクライオ電子顕微鏡▼
  12. 液体相分離と細胞機能▼
  13. 嗅覚受容体のバイオロジーと食品開発応用▼
  14. 浸透圧ストレスシグナリングの最前線▼
  15. 多様な生命現象を司る微小管-中心体集合システム▼
  16. 動的修飾による翻訳装置の個別化獲得と生命機能制御▼
  17. 遺伝子発現制御を定量的に理解し操作する▼
  18. 実験自動化の今▼
  19. がん細胞における代謝変動とその機能的役割▼
  20. 栄養環境センシングと制御 (の分子基盤)▼
  21. がんのバイオマーカー探索と診断法の社会実装▼
  22. 神経科学を支えるチャネルの生化学▼
  23. 免疫システムの能動的抑制機構▼
  24. 共生微生物叢研究の最前線▼
  25. 多様な生物学的階層における生命現象理解のための戦略▼
  26. ケミカルツールで切り開く生命科学研究 ▼

 

シンポジウム概要

No.01
日本発新バイオ医薬品イノベーションを目指す最先端創薬
オーガナイザー:菅 裕明(東京大学)、髙木 淳一(大阪大学)
講演者・概要▼
講演者:秋吉 一成(京都大学)、髙木 淳一(大阪大学)、黒澤 信幸(富山大学)、玉田 耕治(山口大学)、菅 裕明(東京大学)
概 要:本シンポジウムでは、日本発の新しいバイオ医薬品(バイオロジクス)を開発し、イノベーションを起こすことを目指して活躍をされている先生方をお招きし、近年の研究の進歩と将来の展望を議論して頂きます。
No.02
ビックデータ(仮)
オーガナイザー:岡田 随象(大阪大学)
講演者・概要▼
講演者:
概 要:
No.03
産学連携シンポジウム(仮)
オーガナイザー:
講演者・概要▼
講演者:
概 要:
No.04
産学連携のボトルネック
オーガナイザー:髙子 徹(日本医療研究開発機構)、古矢 修一(岡山大学 中性子医療研究センター)
講演者・概要▼
講演者:酒井 敏行(京都府立医科大学)、國澤 純(医薬基盤・健康・栄養研究所)、嵯峨山 和美(岡山大学)、荒森 一朗(日本医療研究開発機構)、鈴木 忍(日本べーリンガーインゲルハイム㈱)、藤江 昭彦(日本医療研究開発機構)
概 要:医薬品開発の難度があがる中、革新的な医薬品の開発を目指す製薬企業にとってアカデミアの基礎研究で得られた成果(創薬標的や創薬技術)を自社の事業に取り込むことが益々重要となっており、産学連携への期待は大きい。産学連携の枠組みとしては、研究室レベルの連携からアカデミアと企業との包括的な連携、さらに最近ではオープンイノベーションの取組まで様々な形がある。企業にとっては創薬標的や創薬技術など「シーズ」と呼ばれるこれら成果物への早期のアクセスが可能となり、アカデミアにとっては実用化につながるための必要な試験、プロセスを学ぶ機会となる。本シンポジウムでは、産学官それぞれの立場で産学連携に関わってこられた方々に連携の内容を紹介していただくとともに、具体的な成果につなげる際にボトルネックとなっている問題、産学連携の推進を困難としている課題について共有し、その解決策についても議論したい。
No.05
レドックスシグナルの生化学的基盤の解明
オーガナイザー:伊東 健(弘前大学)、西田 基宏(自然科学研究機構)
講演者・概要▼
講演者:齊藤 哲也(新潟大学)、赤池 孝章(東北大学)、山本 雅之(東北大学)、西田 基宏(自然科学研究機構)、伊東 健(弘前大学)、潮田 亮(京都産業大学)
概 要:活性酸素種・活性窒素種や親電子性物質などの反応性分子種は、種々の生体応答のシグナル分子として働き、生命活動に必須の働きをしている。酸化ストレスや還元ストレスはこれらのシグナル伝達を撹乱し、種々の生体分子をレドックス修飾して細胞死などを惹起する。レドックス制御が種々の代謝経路と密接に関連することは、グルタチオンやNADPHなどの抗酸化物質がアミノ酸代謝や糖代謝から合成されること、活性酸素種の産生がミトコンドリア代謝と関連することなどから明らかである。
本シンポジウムでは、Nrf2応答経路、活性硫黄代謝調節、小胞体ストレス応答などのレドックス制御機構に焦点を当てるとともに、オートファジー、ミトコンドリア代謝、栄養飢餓応答を始めとする種々の代謝経路との相互作用について議論する。
No.06
イメージングと再構築による生体膜ダイナミクスの理解:変形と融合と輸送と切断
オーガナイザー:井上 尊生(ジョンズホプキンス大学)、末次 志郎(奈良先端科学技術大学院大学)
講演者・概要▼
講演者:伴 匡人(久留米大学)、佐藤 健(東京大学)、三間 穣治(大阪大学)、西村 珠子(奈良先端科学技術大学院大学)、井上 尊生(ジョンズホプキンス大学)
概 要:脂質を主要素とする生体膜は、細胞内外を隔離する静的な防御壁である以上に、様々な生理機能を触媒する動的な場として機能し、その役割は細胞内輸送、細胞遊走、オルガネラ分裂、ウイルス感染など多岐にわたる。しかし、生体膜動態の分子機構の多くは未解明である。その最たる理由は、脂質の持つ特異な化学的性質と、脂質が遺伝子の直接的産物でないことから、従来の生化学、遺伝学での解析が難しいことにある。また、細胞を用いた実験系は生理的環境を反映できる反面、内在性分子の寄与が無視できず、一元的な法則を得ることが難しい。こうした制限を克服する実験系がセルフリーであり、最先端技術の融合が生体膜動態の再構築も可能にした。本シンポジウムでは、再構築系を駆使して生物学的ブレイクスルーを牽引してきた方々に、特に切断、変形、輸送、融合の四つの焦点から最新の知見を共有していただく。再構築系の明快で美しい映像もお楽しみいただきたい。
No.07
オートファジーの選択性と多様性
オーガナイザー:小松 雅明(順天堂大学)、水島 昇(東京大学)
講演者・概要▼
講演者:小松 雅明(順天堂大学)、吉森 保(大阪大学)、中戸 川仁(東京工業大学)、阪井 康能(京都大学)、株田 智弘(国立精神・神経医療研究センター)、水島 昇(東京大学)
概 要:オートファジーは細胞内成分をリソソームにおいて分解する経路の総称である。オートファジーは大きく3つの経路、すなわち新規の膜形成を伴うマクロオートファジー、リソソーム膜が陥入するミクロオートファジー、そしてリソソーム膜を透過することによる膜透過型オートファジーに分かれ、それぞれ異なるシグナル、そして分子機構により制御されている。しかし、リソソーム分解全体を考えると、これらの経路は独立に、あるいは協調して細胞内分解に貢献していると考えられる。さらに、各オートファジーは選択性を有し、時空間的に制御された基質の分解により、遺伝子発現や細胞内代謝の制御、ひいては個体としての健康維持、老化抑制にまで働くと予想される。本シンポジウムでは、各オートファジーの分子機構から生理作用まで紹介するとともに、今後のオートファジー領域の研究展開について討議したい。
No.08
細胞死による細胞膜恒常性維持の破綻
オーガナイザー:中野 裕康(東邦大学)、鈴木 淳(京都大学)
講演者・概要▼
講演者:遠山 祐典(シンガポール国立大学)、鈴木 淳(京都大学)、田中 正人(東京薬科大学)、三浦 正幸(東京大学)、中野 裕康(東邦大学)
概 要:細胞死を誘導する様々な刺激は、細胞膜リン脂質の非対称性の破綻、細胞膜リン脂質の過酸化、細胞膜障害性タンパク質の活性化を通して、最終的に細胞膜の恒常性を破綻させる。このメカニズムを明らかにするためには、生理的あるいは病理的な状況において細胞膜の恒常性がどのようにして保たれているのかを理解することが重要である。また死細胞と周辺に存在する生細胞との細胞膜を介した相互作用も組織の恒常性を維持するためには重要であり、ある状況においては死に行く細胞に隣接する正常上皮細胞が死に行く細胞を排除する現象も知られている。 本シンポジウムでは、細胞死がどのようなメカニズムで細胞膜の恒常性を破綻させるのか、また正常上皮細胞がどのようにして死に陥った上皮細胞を排除するのかについての我々の知見を紹介したい。これらの結果をもとにどのようにして細胞膜の恒常性が保たれているかについて討論したい。
No.9
広がりゆく糖質科学の世界
オーガナイザー:金川 基(神戸大学)、古川 潤一(北海道大学)
講演者・概要▼
講演者:金川 基(神戸大学)、Myoung-Goo Kang(西江大学校)、大場 雄介(北海道大学)、竹内 英之(名古屋大学)、古川 潤一(北海道大学)
概 要:糖鎖は、核酸・タンパク質に次ぐ『第三の生命鎖』、あるいは、『細胞の顔』とも呼ばれるほど、生体における重要性は広く認識されている。核酸やタンパク質は普遍的な技術として解析法や合成法が確立され、その結果として飛躍的に生命科学の解明が進められてきた一方で、糖鎖については、その多様性や複雑な修飾様式、構造・機能解析における技術的困難さなどが研究の障壁として立ちはだかってきた。とはいえ、構造や修飾酵素が明らかになるにつれ、糖鎖の生物学的意義や疾患との関わりも解明され、画期的な研究手法や治療法も生まれている。最近では、糖鎖修飾酵素が全く別の機能を発揮する例や、糖鎖修飾によって本来とは異なる機能を発揮する分子なども同定され、糖質科学の新たな学際的広がりが目に見えてきている。本シンポジウムでは、糖質科学の挑戦によって道が拓かれつつある領域に注目し、網羅的解析法などの技術革新から糖鎖の生化学に基づいた新規治療法など、糖鎖研究を切り口にした生命医科学研究について議論し、糖質科学の世界への入り口は決して狭いものではなく、また、大いなる可能性を秘めていることを知っていただく場としたい。
No.10
リポクオリティが解き明かす生命現象
オーガナイザー:有田 誠(慶應義塾大学、理化学研究所)、佐々木 雄彦(東京医科歯科大学)
共催:脂質クオリティが解き明かす生命現象
講演者・概要▼
概 要:脂質は生体膜の構成成分やエネルギー源、シグナル伝達分子としての機能をもち、生体内で多彩な役割を担う分子である。これら脂質分子の構造的な特質を「リポクオリティ」と捉え、その多様性が織りなす生命機能や動作原理を理解することは、生命システムの成り立ちや秩序を分子レベルで理解する上で極めて重要である。本シンポジウムでは、多様性に富むリポクオリティを明確に識別し、分析・可視化する技術、生体がリポクオリティの違いを生み出し、これを認識・受容する分子機構、およびリポクオリティ制御による疾患制御の可能性について、最新の知見を紹介したい。
No.11
生化学反応を可視化するクライオ電子顕微鏡
オーガナイザー:吉川 雅英(東京大学)、岩崎 憲治(大阪大学)
講演者・概要▼
講演者:ダネフ・ラドスティン(東京大学)、西澤 知宏(東京大学)、胡桃坂 仁志(東京大学)、栗栖 源嗣(大阪大学)、ジョナサン へドル(ヤギェウォ大学)、大嶋 篤典(名古屋大学)
概 要:クライオ電子顕微鏡法は、近年、生体分子の近原子分解能の解析を、結晶化をせずに可能にしてきた点で注目されてきている。クライオ電子顕微鏡には、一つ一つの分子のイメージを取得するという特徴がある。この特徴を活かし、不均一な試料からも構造を解くことで、生化学反応過程を可視化する試みを紹介したい。
No.12
液体相分離と細胞機能
オーガナイザー:廣瀬 哲郎(北海道大学)、高橋 秀尚(横浜市立大学)
講演者・概要▼
講演者:Qiang Zhou(カリフォルニア大学バークレー)、山口 雄輝(東京工業大学)、塩見 美喜子(東京大学)、吉村 成弘(京都大学)、水野 大介(九州大学)、高橋 秀尚(横浜市立大学)、廣瀬 哲郎(北海道大学)
概 要:近年、RNA顆粒、ヘテロクロマチン、転写装置などの非膜系細胞内構造体の液滴としての性質に注目が集まっている。これらの液滴は、天然変成領域(IDR)タンパク質の局所集合が誘発した液体相分離によって形成される。多くのIDRタンパク質は、核酸結合性で、DNAやRNAを介して集合し、相分離を誘発すると考えられている。こうした相分離構造体は、特異的制御因子の空間的隔離、特異的反応の場、制御ハブの形成といった働きが提案されているが、具体的な生物学的意義については、未だ明らかにされていない。本シンポジウムでは、国内外の第一線研究者の多彩なアプローチによる転写装置、RNA顆粒、核膜孔複合体などの相分離構造体の研究を取り上げ、細胞生物学の新分野開拓の現状と今後を展望したい。
No.13
嗅覚受容体のバイオロジーと食品開発応用
オーガナイザー:東原 和成(東京大学)、廣田 順二(東京工業大学)
講演者・概要▼
概 要:匂いを感知する嗅覚受容体をコードする遺伝子群は1991年に発見された。ゲノムプロジェクトの進展によって、脊椎動物ゲノム最大の遺伝子ファミリーを形成する嗅覚受容体遺伝子の全容が明らかになってきた(新村)。嗅神経細胞が膨大な数の嗅覚受容体遺伝子の発現をどのように制御するのか、その分子機構もわかってきた(廣田)。さらに嗅覚受容体が受容する匂いシグナルがどのように脳に伝わり行動に結びつくかも解析されている(小出)。一方、鼻以外の身体の臓器に発現する嗅覚受容体が複数同定されており、その機能が見えてきている(山田)。また基礎研究だけでなく産業界に目を向けると、食品における美味しさに一番重要な香りの開発へ嗅覚受容体の分子レベルからのアプローチもなされている(伊地知)。本シンポジウムで、嗅覚受容体に関する基礎から応用までの最先端を知ることができる。
No.14
浸透圧ストレスシグナリングの最前線
オーガナイザー:名黒 功(東京大学)、舘林 和夫(東京大学 医科学研究所)
講演者・概要▼
講演者:舘林 和夫(東京大学 医科学研究所)、高橋 史憲(理化学研究所)、名黒 功(東京大学)、吉種 光(東京大学)、檜山 武史(基礎生物学研究所)
概 要:脂質二重膜で包まれた細胞の内外の溶液の差によって、生物には浸透圧という物理量が常に働いている。浸透圧は乾燥や脱水、イオンなど溶質の濃度変化で容易に変化するため、あらゆる生物はこの浸透圧という原始的で身近な環境情報を感知し応答するシステムを発達させている。しかし、特定の物質的存在では表現されない浸透圧がどのような分子メカニズムで細胞に感知・情報伝達されるかについて未だ多くの謎が残されている。また、脊椎生物では体内局所の浸透圧を手掛かりに免疫細胞が活性化するなど、生物による浸透圧環境の能動的な利用も近年注目され始めている。
本シンポジウムでは、酵母、植物、動物それぞれを題材に、近年明らかになった浸透圧に対する感知と応答のメカニズムを取り上げる。特に、分子レベルから個体の恒常性維持に必要な細胞間の情報伝達に至るまで異種間のメカニズムを議論し、浸透圧環境が引き起こす多彩な生理現象の起源に迫りたい。
No.15
多様な生命現象を司る微小管-中心体集合システム
オーガナイザー:北川 大樹(東京大学)、島本 勇太(国立遺伝学研究所)
講演者・概要▼
講演者:杉本 亜砂子(東北大学)、五島 剛太(名古屋大学)、佐藤 政充(早稲田大学)、鳥澤 嵩征(国立遺伝学研究所)
概 要:微小管はダイナミックに重合・脱重合する細胞骨格であり、単細胞生物から脊椎動物まで高度に保存されている。動物細胞においては、中心体が微小管形成中心として機能し、細胞分裂、細胞内輸送、形態の制御を行うことで、多様な生命現象に重要な役割を果たし、密接に関連している。減数分裂や高等植物においては、中心体非依存的な紡錘体のアッセンブリー機構が知られており、様々な生物種や生理的局面において、多様な微小管集合システムを進化的に発達させることで、柔軟に適応してきたと捉えることができる。このシステムの破綻は、染色体分配異常を起因とする細胞がん化や不妊症など様々な疾患を引き起こすことが知られている。本シンポジウムでは、微小管ー中心体集合システムの多様性と共通性を、様々なモデル系を用いた研究から浮き彫りにする。さらに、染色体動態を制御する紡錘体形成をメカニクスと分子反応ケミストリーの観点から、構造学的にも議論し、理解を深めたい。
No.16
動的修飾による翻訳装置の個別化獲得と生命機能制御
オーガナイザー:稲田 利文(東北大学)、鈴木 勉(東京大学)
講演者・概要▼
講演者:稲田 利文(東北大学)、鈴木 勉(東京大学)、魏 范研(熊本大学)、竹内 理(京都大学)、河原 行郎(大阪大学)、王 丹(京都大学)
概 要:翻訳装置はリボソームを中心とする巨大構造体であり、転写後における遺伝子発現制御の中核を担う。近年、リボソームや翻訳因子にこれまでに知られていない修飾が発見され、環境ストレスなどの生育条件において、翻訳装置の機能がダイナミックに制御される現象が見出されている。またこれら修飾因子の破綻は様々な疾患の原因となることが知られている。本シンポジウムでは、ユビキタスに存在する翻訳装置が修飾によって個性を獲得し、遺伝子発現を時空間的に制御する分子機構について最新の成果を共有し討論を行う。
No.17
遺伝子発現制御を定量的に理解し操作する
オーガナイザー:白髭 克彦(東京大学)、泊 幸秀(東京大学)
講演者・概要▼
講演者:Taekjip Ha(ジョンズホプキンス大学)、Christian Häring(欧州分子生物学研究所)、木村 宏(東京工業大学)、深谷 雄志(東京大学)、多田隈 尚史(大阪大学)、白髭 克彦(東京大学)、泊 幸秀(東京大学)
概 要:生命の根幹を担うセントラルドグマは、古典的な転写、翻訳だけではなく、ゲノムのエピジェネティックな制御、RNAやタンパク質の分解・修飾など、様々な過程で緻密な制御を受けている。しかしながら、これまでの生物学においては、それらの制御はあたかも均一に、あるいはON/OFFスイッチのように作用しているかの様に扱われることも多く、そのダイナミクスについての理解は遅れている。本シンポジウムでは、新しい技術を用いることによって遺伝子発現制御を定量的に捉え記述することの重要性に焦点をあて、さらにその理解に基づいて生命現象を操作する可能性について議論したい。
No.18
実験自動化の今
オーガナイザー:高橋 恒一(理化学研究所)、神田 元紀(理化学研究所)
講演者・概要▼
講演者:神田 元紀(理化学研究所)、古澤 力(東京大学)、石井 純(神戸大学)、谷内江 望(東京大学)、光山 統泰(産総研)
概 要:2016年にNature誌に掲載された研究者調査によると、研究者の52%が現在の生命科学に「深刻な再現性の危機が存在する」と答え、70%が他者の実験の再現に失敗したことがあると答えている。再現性は「巨人の肩の上に立つ」科学技術の進歩の根本であり、他者の実験の再現が困難であれば不正行為の誘因ともなりかねない。また無駄な再現実験の必要性は研究現場における労働集約的なワークスタイルの一要因ともなっている。ロボットと情報技術による実験の自動化は、研究現場における飛躍的な生産性の向上の方策として非常に有望であり、再現性の問題に有効な解決策を提示しうる。本シンポジウムでは、自動実験と自動実験計画を実際に活用している新世代の研究者を中心に、その可能性を議論する。
No.19
がん細胞における代謝変動とその機能的役割
オーガナイザー:伊藤 貴浩(ジョージア大学)、平尾 敦(金沢大学)
講演者・概要▼
講演者:Sumin Kang(エモリー大学)、本橋 ほづみ(東北大学)、谷口 浩二(慶應義塾大学)、伊藤 貴浩(ジョージア大学)、平尾 敦(金沢大学)
概 要:近年のオミクス技術の進歩により、脂質、アミノ酸、核酸等の合成・分解を担うさまざまな代謝経路が、がん細胞と正常細胞では異なる挙動を示すことが明らかになってきた。一方で、このような代謝変動はがんの発生や進展の要因なのかあるいは結果なのか、個々の変化が持つ機能的役割については全容が解明されたとは言い難いのが現状である。がん細胞の代謝脆弱性を発見し、その仕組みを理解することは、新しい分子標的療法の開発にも大きく貢献する。本シンポジウムでは、代謝・栄養・環境といった切り口からがん細胞の作動原理の解明にアプローチする研究者をお招きし、最新の知見について議論いただく機会としたい。
No.20
栄養環境センシングと制御 (の分子基盤)
オーガナイザー:酒井 寿郎(東北大学/東京大学)、島野 仁(筑波大学)、
講演者・概要▼
講演者:関谷 元博(筑波大学)、布浦 拓郎(海洋研究開発機構)、日野 信次朗(熊本大学)、松村 欣宏(東京大学)、村上 誠(東京大学)
概 要:飢餓、飽食の応答、脂肪細胞の分化や燃焼、がん、炎症など栄養や環境に応じた細胞の適応のメカニズムは、多くの場合細胞外シグナルの下流として解析されてきた。 一方、オミクス解析の展開の中、様々な生理、病態における細胞、組織内の栄養状態や代謝産物の量と質、変化、局在が重要であり、これをセンスする分子やシステムがあきらかになりつつある。エネルギーハブ分子にまつわる生命活動は、結局脂質代謝やアミノ酸代謝を含めて解糖系・TCAサイクル・ETCに繋がっており、生体は、状況、目的に応じてこれをどう活用するかで代謝プログラミングを調節しているようだ。 これらの制御の仕組みや生物学的意義は意義深く示唆に富む。 栄養制御 、脂質メディエーター、肥満エピゲノム海洋微生物など目的や生物種を超えて分子メカニズム解明に活躍されている研究者にお集まりいただいて、メタボライトのセンシングと制御の視点から栄養代謝ホメオスタシスの分子基盤と意義を語っていただく。
No.21
がんのバイオマーカー探索と診断法の社会実装
オーガナイザー:本田 一文(国立がん研究センター)、浦野 泰照(東京大学)
講演者・概要▼
講演者:朝長 毅(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所)、落谷 孝広(  )、浦野 泰照(東京大学)、本田 一文(国立がん研究センター)
概 要:がんの早期発見は、特に難治性がんにおいて、患者の良好な予後を実現する最も重要な要因の一つであり、これを実現する技術開発は焦眉の急である。一方で、多くのがんはその性質に大きなheterogeneityが見られることが知られており、高い感度・特異度でがんを早期に発見するためには新たな有用なバイオマーカーの発見が必須であり、これはがんの精密個別化医療(Precision and Personalized Medicine)実現の観点からも極めて重要である。そこで本シンポジウムでは、最新オミクス技術、画像化技術、情報解析技術を活用して、如何に臨床サンプルから有用なバイオマーカーを発見・策定するかという基礎科学的な側面と、そのバイオマーカーを活用した技術を如何に社会実装して医療技術の具体的な向上を図るかに関する社会的な側面に関して、両者を精力的に行っている国内の代表的な研究者に登壇してもらい、技術開発の具体例を挙げながら活発に議論する。
No.22
神経科学を支えるチャネルの生化学
オーガナイザー:富田 進(イエール大学)、富田 泰輔(東京大学)
講演者・概要▼
講演者:富田 進(イエール大学)、富田 泰輔(東京大学)、安田 涼平(マックスプランクフロリダ研究所)、深田 正紀(生理学研究所)
概 要:脳は、数千億個の神経細胞が機能的に接続された回路を構築してその高次機能を担っている。個々の神経細胞は膜電位を変化させることにより神経細胞上あるいは神経細胞間のシグナル伝達を行い、神経回路の素子として機能している。イオンチャネルは膜電位の変化を神経活動として変換する重要なシグナル分子であり、その局在や活性の動的変化は記憶や学習に寄与している。また、イオンチャネルの異常はてんかんや統合失調症、精神疾患の原因となることが知られており、チャネロパチーと呼ばれている。したがって各チャネルの細胞内局在や発現量の制御機構は、脳機能を担う重要なメカニズムである。これまでのチャネルの研究は、主に電気生理学的手法を用いておこなわれてきたが、チャネルの分子レベルでの生化学的変化については不明な点も多い。本シンポジウムにおいては、神経活動を支えるチャネルおよび関連分子、それらの動的変化、そして疾患発症に関わる「チャネル生化学」の最新の知見を紹介したい。
No.23
免疫システムの能動的抑制機構
オーガナイザー:岡崎 拓(徳島大学)、堀 昌平(東京大学)
講演者・概要▼
講演者:荒瀬 尚(大阪大学)、岡崎 拓(徳島大学)、小野 昌弘(インペリアル・カレッジ・ロンドン)、渋谷 彰(筑波大学)、堀 昌平(東京大学)
概 要:免疫システムは、病原微生物などの異物を免疫担当細胞が認識して活性化し、異物を排除あるいは無力化することにより、生体を異物から防御する役割を担っている。一方、過剰な免疫応答や自己に対する不適切な免疫応答による組織傷害を回避するために、免疫応答を能動的に抑制するシステムが存在することが明らかとなっている。近年、免疫抑制システムを担当する分子および細胞を標的として、免疫応答を人為的に制御することにより癌や自己免疫を治療する方法が大きな関心を集めている。既に、CTLA-4やPD-1といった抑制性免疫補助受容体に対する阻害抗体が、癌細胞に特異的なT細胞を活性化し、T細胞による癌細胞の傷害を促進する薬剤として認可されているとともに、制御性T細胞の機能制御や移植により癌や自己免疫を治療する試みが進められている。本シンポジウムでは、免疫応答を抑制する分子および細胞の機能、およびそれらを標的とした治療法に関して議論し、理解を深めることを目的とする。
No.24
共生微生物叢研究の最前線
オーガナイザー:大野 博司(理化学研究所)、豊田 敦(国立遺伝学研究所)
共催:AMED-CREST「微生物叢と宿主の相互作用・共生の理解と、それに基づく疾患発症のメカニズム解明」
講演者・概要▼
講演者:豊田 敦(国立遺伝学研究所)、森 宙史(国立遺伝学研究所)、梶谷 嶺(東京工業大学)、岡本 章玄(物質・材料研究機構)、金井 隆典(慶應義塾大学)
概 要:近年、腸内細菌をはじめとする共生細菌叢が宿主の生理や病理と密接に関係しており、様々な疾患の発症や病態・症状の出現に関与していることが示され、注目されている、欧米では、国家予算の投入による大規模な研究がここ10年ほどで本格化したが、本邦でも2016年度から要約AMED-CREST「微生物叢と宿主の相互作用・共生の理解と、それに基づく疾患発症のメカニズム解明」が発足し、研究の巻き返しを帰している。本シンポジウムでは、AMED-CRESTとの共催により、本邦における共生微生物叢研究の現況を紹介する。
No.25
多様な生物学的階層における生命現象理解のための戦略
オーガナイザー:神谷 厚輝(神奈川県立産業技術総合研究所)、三浦 重徳(京都大学)
講演者・概要▼
講演者:神谷 厚輝(神奈川県立産業技術総合研究所)、三浦 重徳(京都大学)、尾上 弘晃(慶應大学)、車 兪澈(東京工業大学)、高橋 康史(金沢大学)
概 要:近年、工学や生物学分野における技術革新により生体分子、細胞、組織の機能の一部を再現することで生命現象を理解する試みがなされている。生体分子、細胞、組織といった多様な生物学的階層で生じる生命現象の素過程の理解のためには、さらなる再構成技術や計測技術が求められると考える。例えば、マイクロデバイスの利用によって、トップダウン手法により生体組織機能の再現や非侵襲での細胞環境測定の革新的な技術が開発されてきた。また、人工細胞膜リポソームによる真核細胞の細胞膜組成の再現や多段階の酵素反応の再現が可能になってきた。本シンポジウムでは、マイクロデバイスや人工細胞モデル等のアプローチにより、生体分子、細胞、組織における生命現象の理解や測定に向けて研究を行っている様々な分野の研究者の方々をお招きし、最新のご研究について発表していただき、これらの技術の利用によって生命現象理解への新展開について議論したい。
No.26
ケミカルツールで切り開く生命科学研究
オーガナイザー:神谷 真子(東京大学)、田端 和仁(東京大学)
共催:共鳴誘導で革新するバイオイメージング, 分子夾雑の生命化学
講演者・概要▼
講演者:清中 茂樹(京都大学)、萩原 伸也(理化学研究所)、岩野 智(理化学研究所)、浅沼 大祐(東京大学)、田端 和仁(東京大学)、神谷 真子(東京大学)
概 要:生命現象の解析や病因の解明などにおいて、「生きている状態の生物試料」における生体分子の挙動や動態を観測・制御することは極めて重要であり、低分子化合物を用いた可視化や機能発現・制御などの化学的手法が果たす役割は益々大きくなってきている。また同時に、その使用法や適用範囲は多様化しており、化学・物理・生物などの異分野間のより強固な連携の必要性が高まっている。本シンポジウムでは、ケミカルバイオロジー・生物物理の分野において、独自のアプローチで生命現象の解明に取り組む新進気鋭の若手研究者が一堂に会し、ケミカルツールを用いた生命科学研究の最先端の技術や成果を紹介するとともに、その将来展望について議論する。

 

 

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