年会長挨拶
第61回日本生物物理学会年会
年会長・実行委員長
神取秀樹
(名古屋工業大学 オプトバイオテクノロジー研究センター)
日本生物物理学会の第61回年会を、2023年11月14日から16日まで、名古屋国際会議場で開催します。「生物物理学」は、さまざまな生命現象を物理学、化学、生物学、情報科学などを基礎とした幅広い研究者の連携により解明する学問です。ヘテロな研究者の集まりである当学会にとって、最新の研究成果を発表し議論する年会はもっとも大切なイベントになります。第61回年会は、名古屋のある愛知県の他、静岡県、岐阜県、三重県の学会員から構成される年会実行委員会により運営します。諸学会の開催はコロナ禍により大きな困難に直面しましたが、今回の年会はすべて対面での開催として、現在、準備を進めております。
日本生物物理学会は学会としてすでに還暦を迎えた伝統のある学会ですが、バイオの新しい潮流の中で常に先端的な新しい分野を生み出す活気に満ち溢れています。特に名古屋は、本学会の誕生から発展を支えた「生誕地」とも呼べる地域であり、私たちは『生物物理の故郷、名古屋から世界へ!』をキャッチフレーズとして開催します。学生発表賞に申し込む方は、全員に口頭発表をしていただきます。2024年6月には年会を兼ねた国際生物物理会議が京都で開催されますが、今回のキャッチフレーズには、名古屋での発表内容を基盤として世界と渡り合っていただきたい、という我々の願いが込められています。
日本生物物理学会・年会の名物は懇親会です。著名なシニア研究者と大学院生が、カタールワールドカップさながらに料理の前でデュエルを繰り広げる光景は、我々の世代の脳裏に焼き付いています。懇親会開始直後は決して仲間と研究の話をしてはいけない(=食事にありつけなくなる)、という鉄則も今や昔となりました。宮崎年会以来、久しぶりとなる懇親会、お楽しみにしてください。
英文のキャッチフレーズにあります ”Relaunching Biophysics” という言葉には、コロナなどの困難を乗り越え、生物物理の熱い議論を名古屋の地で再開しよう、という意味を込めました。名古屋年会の会場で、多くの皆さまとお会いできることを心待ちにしております。