会長挨拶

第18回総会・第9回 日本感染管理ネットワーク学会学術集会の開催にあたって

会長 家入 裕子
山口県立大学 看護栄養学部看護学科

 このたび、第9回日本感染管理ネットワーク学会学術集会で会長を務めさせていただくことになりました。本来であれば、今回の中国地方の開催をもって全国での本会学会の開催が達成できるところでしたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの影響で残念ながら2020年の開催を見送るとともに現地開催を断念せざるを得ませんでした。しかし、今こそ会員の皆様の知識や経験を集約し、新たな時代の感染症に立ち向かうべき時だと考えております。

 今まさに直面しているCOVID-19のパンデミックに対する感染対策をはじめ、医療の高度化・高齢や、社会のグルーバル化に伴う輸入感染症のリスクの増大など多くの課題を抱えている中、私たち感染管理担当看護師(ICN)の活躍の場や働き方は多様化し、期待される役割はますます大きくなっています。既に、薬剤耐性(AMR)対策として国連においてAMRグローバル・アクションプランが採択され、加盟国である日本でも本格的な取り組みが始まっています。来る超高齢社会に備え、特定行為に係る研修制度が始まり、感染管理分野においても感染症に係る薬剤投与関連の医行為が特定行為として定められ、認定看護師教育課程でも特定行為研修を組み込んだ新たな認定看護師制度がスタートしました。

 そこで、今回のテーマを「感染管理のさらなる躍進~新時代に一歩前に進もう~」とし、それぞれのICNが今自分の立っている場において、その役割意義を再認識しともに自己研鑽することによって、さらなる活躍ができるICNとなるための様々な企画を準備し、COVID-19対策に関しても最前線の情報を提供するためのプログラムを組み込みました。皆様の自由な時間に視聴可能なWEB開催とし、視聴期間も余裕をもって提供させていただくことで、日々多忙な業務に追われている会員の皆様に少しでも役立つ情報を得ていただきたいと考えております。ぜひ、多くの皆様にご参加いただきますようお願い申し上げます。

 残念ながら、現時点では直接現地に来ていただくことはできませんが、開催地として予定していました山口県下関市の素晴らしい名所や名産物を紹介させていただくコーナーを学会ホームページ上に準備しております。無事にCOVID-19が収束し、山口県をはじめとする中国地方の観光を直にお楽しみいただける日が来ることを祈っております。

 最後になりましたが、本学会学術集会を開催するにあたり、ご支援・ご指導を賜ります諸先生方、並びに企画運営に多大なるご尽力いただきます会員、法人会員の皆様に心より感謝申し上げます。