ご挨拶
日本生理学会の第100回記念大会を迎えるにあたり、大会長としてご挨拶申し上げます。
日本生理学会の発足は、大正11年(1922年)に京都で開催された日本医学会総会・分科会の際に生理学単独での大会を開催しようという機運が生まれ、早速同年7月に第一回大会が東京にて開催されたことに始まるとされています(日本生理学教室史上巻より)。それ以降1944年と45年の2年間を除いて毎年大会が開催され、この度2023年の大会をもって第100回大会を迎えることになりました。
生理学とは、私達の生命の営みの基本となる原理の解明を目指す学問です。その研究の成果は、私達が自らの身体や精神の活動を理解するための医学的知識の最も基本的な部分を成し、それによって創薬も含めた治療法の開発、疾患の予防や健康のための教育、さらに近年では生体を模したロボットや人工知能の開発にも貢献してきました。
今回の第100回記念大会におきまして、これまでの100年の日本の生理学の歩みを振り返るとともに次の100年を展望してさらなる発展を目指す機会としたいと思います。過去100年の医学・生理学の歴史は、私達の健康寿命の確実な延伸に反映されるように確かに人間の健康増進に貢献してきたと言えます。一方で2020年に始まったコロナウイルスの感染拡大は様々な局面で人間社会の在り方を変えようとしています。私たち人類はその英知をもって現在の困難な状況をどのようにして克服していけば良いのでしょうか?その中で「生理学が社会に貢献できるものは何か」を、人類、そして我々が住む世界の持続可能性に向けて、今一度謙虚に考え直してみることも必要かもしれません。そこで、第100回記念大会は、「恒常性と持続可能性~生理学の次なる100年に向けて~」を全体テーマとし、未来に向けて学会員や大会に参加される皆様がそれぞれに思いを馳せ、議論する場としたいと考えています。 是非とも京都へお越しいただき、次なる100年に向けての生理学の息吹を感じてください。皆様のご期待に添えるような素晴らしいプログラムを準備してお待ちしています。
末筆ではございますが、皆様の今後益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
謹白
日本生理学会第100回記念大会 大会長
京都大学大学院医学研究科/ヒト生物学高等研究拠点
伊佐 正
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