日本微生物生態学会 第33回大会

シンポジウム・自由集会の公募


シンポジウム・自由集会の公募は締切りました。
以下のシンポジウムを開催いたします。

シンポジウム

9/11  13:00 - 15:00
<微生物生態学会 - 植物生理学会 共催シンポジウム>

1、植物微生物研究で共創する未来

コンビーナ:菅野学(産総研)・市橋泰範(理研)

微生物生態学分野において、分離培養に依存しない環境DNA解析技術の進展により、古くから活発に研究されている菌根菌や根粒菌、植物病原菌のみならず、植物体や周辺環境には多種多様な微生物が存在して植物の形質に影響を及ぼすことが明らかとなった。一方、植物生理学の分野においても、植物生物間相互作用は一大トピックとなり、これまで植物のみを対象としていた研究者にとっても、そこに棲息する微生物集団の情報は無視できないものとなっている。農耕地や自然生態系における植物と微生物の相互作用の包括的理解には、微生物学・植物科学・情報学等の多岐にわたる学問分野間の連携が求められるが、対象があまりに複雑かつ多様であるため、どのように切り込んでいくべきか統一した見解はなく、個別に研究連携が進められているのが現状である。本シンポジウムでは、植物生理学会と微生物生態学会が共催し、両学会の中堅若手を中心に連携の方向性の一例を示したい。特に、当該分野が長期的に発展するためのマイルストーンとして、実験系の基盤プラットフォームの開発が重要と考えており、その要素技術と検討課題、必要な取り組みについて議論する。

講演者
原新太郎(東北大)
植物組織に棲む微生物群集の構造・機能を解析する:植物微生物“ならでは”の課題と研究例
東樹宏和(京都大)
複雑微生物叢を設計・制御する:「コア微生物叢」の組み立て
中野トーマス亮平(MaxPlank)
Synthetic community (SynCom) を用いた植物ーマイクロバイオータ相互作用の分子生物学的解析
清水将文(岐阜大)、別役重之(筑波大)
植物のマーカー遺伝子群と可視化技術を活用した有用植物共生微生物の機能解析および高効率スクリーニング法の開発
鈴木健大(理研)
微生物叢データ解析の新展開: 代替安定状態の地図化とその応用可能性
市橋泰範(理研)
日本らしい植物微生物学
<微生物生態学会 - 陸水学会 共催シンポジウム>

2、水の中の「細菌だけじゃない」微生物の生き様

コンビーナ:岡崎友輔(産総研)・岩田智也(山梨大)

一見透明な海や湖の水をコップ1杯すくえば、日本の人口を超える細菌や世界の人口に匹敵するウイルスが存在している。さらに、それを濃縮して顕微鏡を覗けば、おびただしい種類の動植物プランクトンや菌類・原生生物がひしめき合っている。これら微生物は、捕食—被食、競争、共生などの複雑な相互作用ネットワークを構築しており、水圏の生物多様性や物質循環の基盤をなしている。一方でそのほとんどが、生態や分類に関する知見が確立しておらず、何者なのかもきちんと理解できていない微生物で占められている。コップ一杯の水の中で起こっている出来事ですら、まだほとんど理解できていないのが現状である。本シンポジウムでは、陸水学会と微生物生態学会との共催により、この難題に挑戦する陸水学・水域微生物生態学における最前線の研究を紹介する。特に「細菌以外」の水域微生物を対象とした研究を中心に取り上げ、それらをとりまく相互作用・食物網や物質循環にも着目しながら、身近な水環境がいかに多様な「微生物」に満ちているかということを、その生き様と魅力に触れながら紹介したい。

講演者
岡崎友輔(産総研)、西村陽介(東大)、吉田天士、緒方博之、中野伸一(京大)
メタゲノム解析でひも解く淡水湖のファージの多様性と生態
近藤竜二、片岡剛文(福井県大)
水圏の嫌気環境における従属栄養性原生生物 - 現存量、多様性、生理・生態 -
鏡味麻衣子(横国大)
陸域だけじゃない、水域でも重要な真菌類の多様性と機能
牧野渡(東北大)
淡水産微小甲殻類の多様性と生態
岩田智也、Khatun Santona(山梨大)、小島久弥、福井学、寺島美亜、高須賀太一(北大)、田中健太(筑波大)、篠原隆一郎(国環研)
淡水生態系における好気的メタン生成プロセス
9/13  10:00 - 12:00

3、データは城・データは石垣―バイオインフォが築き上げる難攻不落の微生物生態学―

コンビーナ:吉澤晋(東大)・平岡聡史(JAMSTEC)

近年のDNAシーケンシング技術の発展と普及は、さまざまな生物種のゲノム情報の取得を一段と容易にし、多くの生命科学分野における基礎・応用研究を加速させている。特に微生物生態学やウイルス学分野において、蓄積されたゲノムや遺伝子配列のデータ量は加速度的に増加しており、また一つの研究で取得・利用されるシーケンスデータの量も増加傾向にあるため、大量のデータを効率よく的確に解析する必要性が高まっている。このような現状のなかで、単純な群集構造解析や機能遺伝子のアノテーションを超えて、いかに配列データの奥深くに隠された生命現象にバイオインフォマティクスを武器にアプローチしていくのかは、データの取得と同等あるいはそれ以上に重要で本質的な課題になってきている。本シンポジウムでは、16S rRNAアンプリコンやショットガンメタゲノム、単離株ゲノム等のシーケンスデータを活用し、微生物の持つ機能を明らかにする幅広い研究事例の紹介を通じて、バイオインフォマティクス解析がデータ解析に、ひいては微生物生態学に与えるインパクトについて議論していきたい。

講演者
熊谷洋平(JAMSTEC)、吉澤晋、木暮一啓、岩崎渉(東大)
光を利用するか、それとも避けるか?海洋細菌の二種類の光適応戦略の解明
東光一(遺伝研)
大規模マイクロバイオームデータセットの機械学習と微生物群集構造の全体像
高安伶奈1,2、須田亙2、渡辺栄一郎2、梅山大地2、黒川李奈2,3、服部正平 2,3(1 東大、2 理研、3 早稲田大)

メタゲノムデータを活用した常在細菌叢の時系列解析
吉澤晋、西村陽介、岩崎渉(東大)
メタゲノム中のダークマター機能性遺伝子の解析
平岡聡史 (JAMSTEC)
メタゲノムとエピゲノムを融合した「メタエピゲノム」解析の提唱と実証
<微生物生態学会・共生生物学会 共催シンポジウム>

4、生物間相互作用から視る微生物の真の姿

コンビーナ:雪真弘(理研)・菊池義智(産総研)

自然界の微生物はひとりで生きているわけではない。動物、植物、昆虫さらには微生物同士など様々な生物と相互作用しながら生きている。“共生”はその最たる例であり、微生物と緊密な共生関係を結ぶことで宿主生物は新しい代謝機能を獲得したり生育場所を拡大することに成功してきた。一方、宿主に不利益を与える寄生や病原性も生物間相互作用の一種であり、その遺伝的基盤や進化原理を理解することは共生現象の包括的理解にも繋がる。本シンポジウムでは生物間相互作用をキーワードとして、「細菌に共生/寄生する細菌」、「原生生物の細胞内外に共生する細菌」、「昆虫の腸管に共生する細菌」、「植物の病原細菌」など、多様な共生・寄生関係を鳥瞰し、生物間相互作用の中で進化してきた微生物の真の姿を炙り出す。

講演者
雪真弘、大熊盛也(理研)
シロアリ腸内原生生物と細胞内・表面共生細菌間の相互作用
加藤真悟1、小笠原綾香2、伊藤隆1、酒井博之1、雪真弘1、高品知典2、大熊盛也1(1 理研、2 東洋大)
好熱好酸性ナノアーキアの共培養系から探るアーキア間相互作用
大林翼(CNRS)
カメムシから紐解く昆虫腸内共生の成立メカニズム
別役重之(筑波大)
植物病原細菌の植物感染動態と植物の免疫応答

5、雪氷圏微生物研究のフロンティア

コンビーナ:瀬川高弘(山梨大)・福井学(北海道大)

雪氷圏は寒冷で過酷な環境だが、多様な微生物が生息するユニークなバイオームとして知られている。近年の分析手法の著しい進歩に伴い、世界各地の雪氷圏生態系の調査が急速に推し進められ、重要な知見も蓄積されはじめている。例えば、雪氷微生物群集の活動が、雪氷環境外の土壌や海洋といったより広域の物質循環にまで影響を与えていることが、オミックス解析や同位体を用いた生理活性測定を通じて明らかになってきた。
本企画では、南極や北極をはじめとする雪氷圏微生物に関する最新の研究を紹介する。ゲノム解析や分子進化学的解析、プロテオーム解析といった多角的な手法によって明らかになった雪氷圏微生物の特徴を通じて、個々の微生物種だけでなく雪氷圏生態系全体としての構造や機能について議論したい。さらに、現在の雪氷圏微生物叢の全球的な地理的構造の知見に加え、アイスコア試料から得られた古代DNA情報を組み合わせることによって、「雪氷圏微生物はどのような変遷をたどって現在のかたちになったのか」という地球史的な問いが開かれる。この生物圏科学のフロンティアを目指して、今後の方向性について論じたい。

講演者
渡邉友浩(マックスプランク)、小島久弥、福井学(北大)
南極湖沼の硫黄サイクル微生物:優占種の全球分布・ゲノム・プロテオーム
村上匠(遺伝研)
無脊椎動物と細菌の共生に着目した新たな氷河生態系の研究
小杉真貴子1,3、植竹淳2、矢野充啓3、田淵ゆり3、諏訪裕一3(1 NINS、2 コロラド州立大、3 中央大)
氷河上に形成される微生物群集クリオコナイト粒の光合成特性
瀬川高弘(山梨大)、米澤隆弘(東農大)、松崎令(国環研)、秋好歩美(極地研)、森宙史(遺伝研)、竹内望(千葉大)
世界の氷河に分布する雪氷藻類とシアノバクテリアの比較と地理的分布
米澤隆弘(東農大)、瀬川高弘(山梨大)
古代DNA情報を用いた雪氷圏微生物叢の全球的集団構造とその変遷の解明

特別セッション

9/11 13:00 - 15:00

Multidisciplinary English session:Wisdom of Microbial Life, Fundamentals and Applications

convener:Shino Suzuki,(JAMSTEC)・Natsuko Hamamura(Kyushu Univ)

JSME Committee for the Promotion of Diversity and Gender Equality is pleased to announce that the English session will be newly launched to facilitate the scientific discussions with all members of JSME. This session will invite several key note speakers and accept wide range of oral presentations. Participation of young generations of scientists are highly welcome. In this first round of the English session, we seek session contributions that across all aspects of microbial ecology. The best presenter will be awarded by the committee.
Microorganisms almost always exist as a community in nature or in artificial systems. Significance of microbial community activities is well appreciated in relation to the human health, agriculture, waste treatment, energy and environmental conservation, global warming and global elemental cycling. Function of such microbial communities are governed by the principal of microbial metabolisms, that are ‘wisdom of microbial life’ being gained in their evolutionary processes through interactive relationships with the earth environments, hosts, or other microbes in vast ranges of space and time. In this session, we would like to discuss fundamental questions laying in the field of microbial ecology.

Shawn McGlynn(東工大)
一般講演者1,2,3(予定)
Andrew S. Utada(筑波大)
一般講演者4,5,6(予定)

自由集会

9/11  11:30 - 12:30

「Microbes and Environmentsのこれから:愛される学会誌であるために」

Microbes and Environments編集長 高井研, Microbes and Environments編集幹事会

M&E誌は微生物生態学会を中心に、国内外4学会・研究会が運営する国際誌・学会誌です。学会誌は年会の開催と並ぶ学会の最も重要な価値であり、その役割は「学会員にその独創的かつ先端的な論文発表の場を提供し、多数・多様な学会員・非会員を含めた読者への閲覧を促し、科学的・社会的な議論を通じた学会およびより広範な科学の発展に寄与すること」にあります。そして、そのような学会誌であるためには、学会員自らが思い入れある論文を投稿したいと思われることが大切です。
 一方、多くの研究者は、IFのような数値指標に代表される国際的な序列とブランド感で投稿誌を選択します。「IFなど科学論文の本質とは全く無関係」という正論と、「やっぱり少しでもIFや様々な指標の高いジャーナルに掲載したい」と考えることは矛盾ではなく、むしろ至極真っ当なことです。即ち、学会員に大切な論文を投稿していただくためには、ある程度の国際的地位(数値指標)を維持することは大切です。しかし、国際的地位向上は、投稿数の増加等、新たな負担も伴います。
 現在、M&Eは、国際化当初からの様々な環境変化(会員の日常非研究業務の増加、非会員海外研究者からの投稿増加等)に対応し、学会員(投稿者そして編集にボランティアで携わる編集委員を含む)に(金銭的にも)優しい学会誌であることと、国際的な地位を獲得することを両立すべく、様々なモデルチェンジを図っています。今後、よりよい学会誌、会員に愛される学会誌としてM&Eを発展させるためには学会員の皆様からのご意見、編集委員会との対話が不可欠です。本集会は一般会員の皆様と編集幹事・委員会が意見を交わす年に一度の機会です。どのくらいのレベルの論文が投稿できるか?どのような判断基準で投稿論文の査読を行えば良いのか?今のM&Eの方針は気に喰わん!など、ぜひ皆さんの参加、質問、意見、議論を期待しています。

9/11  18:00 - 19:30

「教育研究部会の今後を考える」:微生物生態教育研究部会

当部会は、時々の要請に応えて様々なアウトリーチ活動を実施してきました。近年では高校生ポスター発表会や微生物観察会が恒例となるなど活動の場は益々拡大しています。同時に、スタッフや資金の確保など活動維持に関する課題も生じてきました。これらの課題の整理と解決方法、また、今、当部会が今後取り組むべき課題についても意見交換できればと思いますので、非部会員も大歓迎ですので興味のある方はご参加ください。

「フィールド調査法のいろいろを学ぶ」:BioGeoscience研究部会集会

微生物生態学におけるフィールド調査では、フィールドの選定方法、プロポーザル作成(主に船の場合)、環境要因の測定項目、他分野のサンプリング方法など、様々な項目を考慮し、議論してからサンプリングに臨む。さまざまなフィールドでの調査前準備について各フィールドについて講演いただき、議論する。

9/12  11:30-12:30

「世代を超えて扉を拓く微生態研究者の多彩なキャリアパス」

男女共同参画・ダイバーシティ推進委員会・若手の会・微生物生態学会誌 共催

ランチョンセミナー形式で行います。詳細はプログラム集・要旨集でご確認ください

9/13  12:30 - 13:40

「電気微生物生態学の新展開:電極による微生物探索と代謝 制御の可能性」:微生物電気化学研究部会定例会

本年度の微生物電気化学研究部会定例会では、電気微生物分野の二名の新進気鋭の若手研究者を演者に招き、電極を用いた微生物探索・微生物制御に関する最近 の研究を紹介し、微生物生態学分野における電気の利用の可能性について議論する予定です。
非部会員も大歓迎ですので興味のある方はご参加ください。ランチョンセミナー形式で行いますので、先着40名には弁当を配布します。

9/13  13:00 - 14:30

バイオフィルム研究における現在の動向と将来の展望:2019年バイオフィルム研究部会定例会

次世代シークエンスや各種センサーによる物質濃度測定等の新技術が開発されたことによって、微生物の生態を新しいアプローチで研究可能になりつつある。本年度のバイオフィルム研究部会定例会では、バイオフィルムも含めてミクロスケールの微生物生態に関する最近の研究を紹介し、新技術の応用可能性や問題点、将来展望について議論する。

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