ご挨拶
総会長 飯田 哲也
大阪大学微生物病研究所
この度、第96回日本細菌学会総会を担当させていただくことになりました大阪大学微生物病研究所の飯田です。
日本細菌学会の総会は、第1回が1927年(昭和2年)に当時の慶應義塾大学医学部長で初代日本医師会長であった北里柴三郎先生により慶應義塾大学において「第1回 衛生学微生物学寄生虫学聯合学会」として開催されました。その後、終戦の年の1945年(昭和20年)に1回中断されたものの100年近くに亘り開催されてきた国内で最も歴史と伝統を誇る学術総会の一つです。この間、細菌や真菌の生理・遺伝・生態や発病メカニズム、また宿主免疫等に関わる数多くの研究成果を生み出すともに、感染症の制御につながる多くの重要な知見の発表の場となってきました。近年は医学細菌学の研究者のみならず、基礎微生物学、環境微生物学、応用微生物学、ゲノム微生物学等、多様な微生物研究者に研究交流のプラットフォームを提供しています。
過去2回の総会は、新型コロナウイルス感染症の影響により対面での開催がかないませんでした。この3年間、オンライン方式による学会開催の様々なメリットも体感いたしましたが、同時にやはり、人間同士が実際に対面で接して議論し交流することの重要性・必要性を改めて認識する機会でもありました。
今回、第96回総会を2023年3月16日(木)〜18日(土)の会期で、JR姫路駅より徒歩圏内に新たにオープンした「アクリエひめじ」にて開催いたします。今回の総会では、何よりも皆様に現地に足を運んでいただき、研究者同士が実際に対面で議論し交流する場を提供するということを第一の目的にしたいと考えています。もちろん、今後の新型コロナウイルス感染症の流行状況によってはハイブリッド方式あるいはオンライン方式に変更せざるを得なくなる可能性もありますが、できうる限り対面での開催を目指していきたいと思います。
本総会では、長年、病原細菌学研究のトップランナーであるJohn J. Mekalanos博士(Harvard Medical School)を特別講演にお招きしています。日本細菌学会会員の皆様のみならず、細菌学会以外の微生物や感染症関連の学会に所属され研究に携わられておられる方々、また、日常的に各種病原体等の検査業務や解析、感染症の予防・診断・治療、疫学等に携わっておられる方々にも有意義な総会にしたいと思います。多数の皆様方の積極的なご参加とご支援をよろしくお願い申し上げます。
ぜひとも現地にご参集ください。姫路の地で、久しぶりに皆様と「対面で」お会いできることを心より楽しみにしております。