ご挨拶

 この度、第9回日本心血管脳卒中学会学術集会を2022年4月23日(土)に完全Web形式で開催させていただくことになりました。徳島大学脳神経外科教授の髙木康志副会長と力を合わせて準備を進めてまいりました。

 循環器疾患と脳卒中とは非常に関係が深く、心原性脳梗塞など心疾患を原因とする脳卒中は多く、逆に、たこつぼ心筋症のように脳卒中が心疾患の契機になることもあります。また、一人の患者さんが両方の疾患を患っており、どちらの治療を優先するかが問題になることもしばしばです。心臓は助けることができたが、脳卒中で大きな後遺症を残すような症例も経験します。循環器系、脳卒中系の薬剤の相互作用を考慮しないといけないこともよくあります。このような臨床で日々遭遇する問題点を、脳卒中関係者と循環器関係者がディスカッションして、情報交換することは大変有意義であると思います。

 テーマは「脳心連関から考える循環器病対策」とさせていただきました。2018年12月に「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」が成立し、各都道府県で循環器病対策基本計画が進められていると思います。この大会が少しでも循環器病克服のために貢献できれば幸いです。

 徳島大学の循環器内科学講座と脳神経外科学講座が何度も会合を繰り返して、参加者に興味をもっていただける、シンポジウムや共催セミナーを盛り沢山に用意してきました。日常診療で遭遇する諸問題をとりあげ、脳卒中領域ならびに循環器領域の第一人者に、座長、シンポジストをお願いしました。治療に苦慮した症例や珍しい疾患を提示いただき、循環器医と脳卒中医がそれぞれの立場から、熱いディスカッションができる場も設けました。医療現場を支えてくれるメディカルスタッフ方々の沢山の御参加もお待ちしております。

 約2年前から新型コロナウイルスの感染が拡大し、多くの学会が延期や形式の変更を余儀なくされています。当学会も現地開催とWebを用いたhybrid 形式を模索して参りましたが、2022年1月からオミクロン株が猛威をふるい続けている状況であり、大変残念ではありますが完全Web形式で開催することに決定いたしました。しかし、Web開催の利点を最大限に活用して、実り多い学術集会にしたいと思っております。脳卒中、循環器の診療に携わる多くに医師、メディカルスタッフの方々とWeb上で熱い議論と有意義な情報交換ができるように努力していきます。どうか宜しくお願いいたします。

 

第9回日本心血管脳卒中学会学術集会
会長 佐田 政隆
徳島大学大学院医歯薬学研究部 循環器内科学