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開催にあたって

患者由来がんモデルは基礎研究のみならず前臨床試験のツールとして重要な役割を果たしてきました。ゲノム解析など新しい科学によってがんの分子レベルの理解が進めば進むほど、そして研究成果の治療応用への期待が大きくなればなるほど、がんモデルの重要性は高まっていくでしょう。

過去半世紀にわたり患者由来がんモデルは世界中で使われてきました。しかし、患者由来がんモデルには、学術的に多くの課題が残されています。たとえば、モデルの樹立成功率は報告によってまちまちで、何が樹立成功率を決定しているのか、未だわかっていません。また、樹立されたモデルは生体の何をどれくらい反映しているのかも不明です。そして、患者由来がんモデルを用いて実際の患者さんの治療応答性を予測できるかもしれないと期待されていますが、臨床研究としてきちんと調べられた例はありません。さらに、免疫療法など新しい治療法に対応するモデル系の構築が求められています。このような課題に一つ一つ取り組んでいくことで、患者由来がんモデルを今まで以上によい道具にすることができるでしょう。

本研究会では、患者由来がんモデルを組織的に構築していたり、基礎研究や前臨床試験に使っていたり、あるいはモデル構築のための基礎研究を行っている研究者の方々に御講演をお願いしました。患者由来がんモデルのさらなる有効活用と関連する研究分野の発展に向けて、活発な議論を期待しています。

本研究会が、患者由来がんモデルに興味のある方々の交流の場となることを願い、皆様の御参加をお待ちしています。

末筆ながら、皆様の臨床・研究・ビジネスの益々の御発展をお祈り申し上げます。


近藤先生

オーガナイザー 近藤 格
国立がん研究センター研究所 希少がん研究分野
研究室サイト