ご挨拶

第47回日本分子生物学会年会を担当する木村宏です。COVID-19 以降の困難な状況の中、第43回~ 46回の各年会長のご尽力により、オンラインやハイブリッド、それらの併用など工夫を凝らして年会が開催されてきました。これらの経験や社会情勢を踏まえて、第47回年会は、対面とオンラインのハイブリッドで開催することにしました。研究に対する議論はやはり対面が最も効果的であると思いますが、オンラインはどこからでも参加できるというメリットがあります。可能であれば福岡の年会にご参集いただき、対面で熱い議論を行っていただきたく思います。ただ、家庭の事情や機関の業務、経済的な理由などにより、福岡の年会に来にくい場合でも、オンラインであれば気軽に参加できると思います。

第47回年会では、特にキャッチフレーズは設けていませんが、「多様な参加形態」と「新しい出会い」を意識しています。 

「多様な参加形態」に関しては、ハイブリッド開催の利点を生かします。福岡の現地開催の前日(11月26日)に、オンラインポスター発表を設けます。時差のある海外からも発表できるように、午前、午後、夕方のセッション時間を選べるようにする予定です。シンポジウムは全てハイブリッドですので、シンポジウム会場とオンラインのどちらでも参加可能です。学会会場に来ていても特定のシンポジウム会場に入らず、オンラインで参加して複数のシンポジウムをサーフィンすることもできます。このような観点から、また、できるだけ最新データを発表していただけるように、オンデマンド配信は行わないことにしました。現地でのポスターに関してもオンライン配信はありません。事前に予定を組んで、効率よく発表を聞いていただきたく思います。

「新しい出会い」に関しては、小規模の研究会や関連学会からのミニシンポジウムの企画を大募集します。大きな学会のひとつの利点は、広い分野から研究者が参加するため異分野融合が進むことです。特定の学問分野の学会ができるのはある程度その分野が成熟してからとなるのが通常ですが、その前身や勉強会としてコアな関連研究者が集まって〇〇研究会というようなものを開催することも多くあるのではないでしょうか。そして、このような集まりから新しい学問分野が発展する可能性が大いにあります。分子生物学会の会員にも会の活動を広く紹介することを兼ねて、是非ミニシンポジウム企画を提案していただきたく思います。それから、この何年か続いていた一人複数演題の発表は継続せず、一人一演題に制限します。シンポジウムの予定演者が重なってしまった場合、若手の共同研究者に発表の機会を与えていただくことをご検討下さい。

ところで、福岡での年会開催は、第42回(佐々木裕之年会長)以来5 年ぶりとなります。過去の福岡年会はポスター会場の関係で4日間の開催でしたが、2021年に「マリンメッセ福岡 B館」が新設されたため、本年会の現地開催は他の会場同様に3日間となり、お忙しい方にも参加しやすい日程となっています。皆さんにお会いできることを楽しみにしています。

2023年11月

第47回日本分子生物学会年会

年会長  木村 宏

(東京工業大学科学技術創成研究院)