会長挨拶
第55回日本免疫学会学術集会 会長を拝命いたしました、大阪大学の竹田 潔でございます。
このたび、2026年11月17日(火)から19日(木)の3日間にわたり、大阪国際会議場において、第55回日本免疫学会学術集会を開催させていただく運びとなりました。
わが国の免疫学は、免疫現象を現象論として捉える学問として幕を開け、1980年代にはサイトカイン遺伝子の相次ぐクローニングにより分子実態の解明が飛躍的に進展いたしました。1990年代には遺伝子欠損マウスの作製技術を駆使し、免疫分子の機能を個体レベルで明らかにしてまいりました。さらに近年では、次世代シークエンサーをはじめとする解析技術の革新により、微量のサンプルから膨大かつ精緻な情報を取得することが可能となり、免疫学は新たな時代を迎えております。
こうした潮流の中で、今後の免疫学は、臨床医学や情報科学との緊密な連携のもと、ヒトの免疫システムを深く理解し、免疫疾患克服へとつなげていくことが重要な課題であると考えております。本学術集会においても、このような視点から多様なトピックを取り上げ、活発な議論を展開してまいりたいと存じます。また、現在、日本免疫学会理事長として、学会の持続的かつ国際的な発展のために、①臨床系学会との連携、②次世代研究者の育成、③国際化の三課題に継続的に取り組んでおります。
本学術集会におきましても、
①臨床系学会との連携:日本アレルギー学会、日本リウマチ学会との合同シンポジウムの開催、
②次世代研究者の育成:研究奨励賞の授与式およびポスター発表、若手免疫学研究推進事業・若手女性研究者研究支援事業の採択者セッション、「きぼう」プロジェクト採択者によるポスター発表、
③国際化:フランス、ドイツ、オーストラリア、韓国の各免疫学会との合同シンポジウム、
などを通じて、幅広い交流と成果の共有を図る予定でございます。
なお、大阪における本学術集会の開催は、2009年に宮坂昌之先生が会長を務められて以来、実に17年ぶりとなります。大阪では2025年に「関西万博 EXPO2025」が開催され、街全体が活気に満ちております。私ども大阪大学の免疫学研究者一同も、その熱気に呼応しつつ、万博に勝るとも劣らぬ実り多き学術集会となるよう、鋭意準備を進めております。
多数の演題のご応募ならびに皆様のご参加を、心よりお願い申し上げます。
第55回日本免疫学会学術集会
会長 竹田 潔
大阪大学 免疫学フロンティア研究センター 拠点長


