Program

プログラム

特別講演

PL1-1
日時:11月9日(水) 11:10-12:00 会場:第1会場(レセプションホール)
山本 雅之(東北大学 東北メディカル・メガバンク機構)
PL2-1
日時:11月10日(木) 11:10-12:00 会場:第1会場(レセプションホール)
森 和俊(京都大学大学院理学研究科)
PL3-1
日時:11月11日(金) 11:10-12:00 会場:第1会場(レセプションホール)
Carolyn R. Bertozzi
(Chemistry, Engineering & Medicine for Human Health Stanford University)

シンポジウム一覧

シンポジウム一覧

セッションNo. 日にち 会場 テーマ
1S01m 11月9日(水) 第1会場(レセプション) 生命の階層構造の観点から生命金属の役割を探る
1S02m 11月9日(水) 第2会場(141+142) AI・データ駆動生命科学研究の新潮流
1S03m 11月9日(水) 第3会場(国際会議場) 小胞体、ゴルジ体で調節、増幅されるタンパク質の個性
1S04m 11月9日(水) 第4会場(234) 免疫代謝で紐解く慢性疾患の新たな病態メカニズム
1S05m 11月9日(水) 第5会場(231) 上皮ダイナミクスと個体応答
1S06m 11月9日(水) 第6会場(232+233) オルガネラサーベイランスシステム:細胞がオルガネラの質と量を感知し調節する仕組み
1S07m 11月9日(水) 第7会場(224) 病態モデルから迫る組織線維化のメカニズム
1S08m 11月9日(水) 第8会場(221) 最新ミトコンドリア学のアンソロジー
1S09m 11月9日(水) 第9会場(222) タンパク質を架橋接着させる酵素・トランスグルタミナーゼが担う生体機能構築
1S10m 11月9日(水) 第10会場(223) 異分野融合が推進するバイオマテリアルの新展開
1S11m 11月9日(水) 第11会場(211) ミトコンドリアがつなぐ多彩な疾患研究最前線
1S12m 11月9日(水) 第12会場(212) 老化モデル動物: エイジングリサーチにおける役割と限界
1S13m 11月9日(水) 第13会場(431) タンパク質を捉え広がる神経科学研究の新展開
1S14m 11月9日(水) 第14会場(432) オルガネラと細胞膜における脂質スクランブル
1S15m 11月9日(水) 第15会場(131+132) リン酸化シグナルの種を越えた共通性と多様性
1S16m 11月9日(水) 第16会場(133+134) 細胞内オルガネラを介した神経系と免疫系の制御機構
1S01e 11月9日(水) 第1会場(レセプション) 膜タンパク質作動機構の構造機能的理解
1S02e 11月9日(水) 第2会場(141+142) マルチモダリティ医療革命
1S03e 11月9日(水) 第3会場(国際会議場) 時間タンパク質学~時を生み出すタンパク質特性~
1S04e 11月9日(水) 第4会場(234) ゲノム調節機構の破綻による疾患発症メカニズム
1S05e 11月9日(水) 第5会場(231) オートファジー・リソソーム研究の新展開
1S06e 11月9日(水) 第6会場(232+233) 先端質量分析を駆使した生化学研究~イメージングから生理活性分子同定まで~
1S07e 11月9日(水) 第7会場(224) 生化学で解く腎疾患 -患者に届く生化学研究-
1S08e 11月9日(水) 第8会場(221) 糖鎖生物学の革新へ
1S09e 11月9日(水) 第9会場(222) 植物の長距離情報伝達による栄養獲得と成長の制御
1S10e 11月9日(水) 第10会場(223) 糖鎖修飾の普遍性と多様性ー微生物から哺乳動物までー
1S11e 11月9日(水) 第11会場(211) 先端生化学から切り開く生老病死の新展開 ~核内事象とミトコンドリア代謝シグナル~
1S12e 11月9日(水) 第12会場(212) 中枢ー末梢連関による生体恒常性維持と疾患
1S13e 11月9日(水) 第13会場(431) RNA binding proteinの生化学:生理機能と神経疾患における役割
1S14e 11月9日(水) 第14会場(432) リゾリン脂質メディエーターの新しい機能
1S15e 11月9日(水) 第15会場(131+132) マルチレイヤー解析技術によるシグナル伝達-生命現象の解読
1S16e 11月9日(水) 第16会場(133+134) オルガネラの機能連携から視える生命現象の新たな実像
2S02m 11月10日(木) 第2会場(141+142) グリアによる脳機能デコーディン
2S03m 11月10日(木) 第3会場(国際会議場) 動的な細胞内プロセスにおける膜タンパク質研究の新機軸
2S04m 11月10日(木) 第4会場(234) グリケーションで繋がる医と食のニューワールド
2S05m 11月10日(木) 第5会場(231) 細胞分裂の制御とその破綻による発がん
2S06m 11月10日(木) 第6会場(232+233) 近接依存性ビオチン化酵素を用いたタンパク質間相互作用解析の新技術
2S07m 11月10日(木) 第7会場(224) 脂質多様性の生物学
2S08m 11月10日(木) 第8会場(221) 免疫系による自己認識とその意義
2S09m 11月10日(木) 第9会場(222) 非ゲノム情報による染色体機能制御の最前線
2S10m 11月10日(木) 第10会場(223) 認知症のcomplexity:その理解と治療介入へ向けて
2S11m 11月10日(木) 第11会場(211) 膜輸送体研究の方法 2022
2S12m 11月10日(木) 第12会場(212) ‘‘塩''と‘‘水''制御の新発見が切り拓く体内恒常性ダイナミズム
2S13m 11月10日(木) 第13会場(431) 異分野融合研究の醍醐味:揺らぎ、振動、バラツキに視点をおいた生命科学研究の新たな到達点
2S14m 11月10日(木) 第14会場(432) 若手研究者が切り拓く生化学の学際的フロンティア
2S15m 11月10日(木) 第15会場(131+132) 超硫黄生物学が切り拓く生命原理変革
2S16m 11月10日(木) 第16会場(133+134) 百聞は一見にしかず Seeing is believing-そして酵素を見つめ直す2022- 構造と機能の多様性とその先
2S01e 11月10日(木) 第1会場(レセプション) コレステロール代謝と疾患制御の新たな展開
2S02e 11月10日(木) 第2会場(141+142) DOHaD学説の生化学的基盤研究
2S03e 11月10日(木) 第3会場(国際会議場) 翻訳に連携したタンパク質の運命制御機構とその意義
2S04e 11月10日(木) 第4会場(234) ユビキチンワールドを制御する脱ユビキチン化酵素の疾患、創薬における重要性
2S05e 11月10日(木) 第5会場(231) TBA
2S06e 11月10日(木) 第6会場(232+233) さきがけ「生体における微粒子の機能と制御」第5回成果報告会~体内外微粒子の挙動から見えてくる世界~
2S07e 11月10日(木) 第7会場(224) 膜脂質代謝の操作による細胞機能の改変
2S08e 11月10日(木) 第8会場(221) 免疫調節機構の解明に基づく新たな免疫療法の展開
2S09e 11月10日(木) 第9会場(222) 非二重らせん核酸の多元機能
2S10e 11月10日(木) 第10会場(223) 基礎研究成果を社会実装へ ~ベンチャー起業家となる選択肢~
2S11e 11月10日(木) 第11会場(211) プレイオトロピックな核膜の生物学
2S12e 11月10日(木) 第12会場(212) メソスケールのイメージング手法として、軟X線顕微鏡(SXTM)
2S13e 11月10日(木) 第13会場(431) 時間生物学ー同調因子の多様性の生化学
2S14e 11月10日(木) 第14会場(432) クロマチンの動的構造変換とエピジェネティック制御
2S15e 11月10日(木) 第15会場(131+132) 革新的硫黄研究が明らかにする細胞内情報伝達の多様性
2S16e 11月10日(木) 第16会場(133+134) 転写促進と抑制 ― 表と裏から理解する遺伝子発現制御
3S01m 11月11日(金) 第1会場(レセプション) 「しなやかな」生体高分子の新時代
3S02m 11月11日(金) 第2会場(141+142) 「代謝で免疫を制御する」:疾患をコントロールする免疫-代謝ネットワークの新知見
3S03m 11月11日(金) 第3会場(国際会議場) ユビキチン・プロテアソーム研究のニューフロンティア
3S04m 11月11日(金) 第4会場(234) ヒューマングライコームが展開する疾患生物学
3S05m 11月11日(金) 第5会場(231) プロテインホスファターゼが拓く生命現象の理解と創薬開発の最前線
3S06m 11月11日(金) 第6会場(232+233) 高速・高感度化オミクス技術の開発とそれが導く次世代研究
3S07m 11月11日(金) 第7会場(224) 心血管代謝学2.0
3S08m 11月11日(金) 第8会場(221) 生体膜を舞台にした分子夾雑挙動応答と可視化
3S09m 11月11日(金) 第9会場(222) 生化学で切り拓くDNA複製、修復、染色体構造の制御メカニズム
3S10m 11月11日(金) 第10会場(223) ダウン症から学ぶ多面的な病態生化学
3S11m 11月11日(金) 第11会場(211) 抗体開発の新潮流
3S12m 11月11日(金) 第12会場(212) スクロース、フルクトース代謝の新パラダイム
3S13m 11月11日(金) 第13会場(431) 軸索損傷とニューロパチーの病態生化学
3S14m 11月11日(金) 第14会場(432) タンパク質構造ダイナミクス研究の最近のトピックスと未来展望
3S15m 11月11日(金) 第15会場(131+132) 細胞内シグナルの開始・継続・終焉に働く多様なタンパク質分解機構
3S16m 11月11日(金) 第16会場(133+134) 細胞内と細胞外環境の連環、その制御機構と疾患発症のメカニズム

シンポジウム概要

1S01m
日時:11月9日(水) 9:00-11:00 会場:第1会場(レセプション)

生命の階層構造の観点から生命金属の役割を探る

オーガナイザー:
神戸 大朋(京都大学大学院生命科学研究科)
津本 浩平(東京大学大学院工学系研究科) )
共催:
新学術領域「「生命金属科学」分野の創成による生体内金属動態の統合的研究」
石森 浩一郎(北海道大学大学院 理学研究院)
澤井 仁美(兵庫県立大大学院 生命理学研究科)
高野 順平(大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科)
古川 良明(慶應義塾大学 理工学部)
神戸 大朋(京都大学大学院 生命科学研究科)
生体内に存在するタンパク質の約3割は、何らかの金属イオンと結合することで初めて機能獲得し、様々な生命現象に関与することができる。したがって、金属イオンの吸収・輸送・運搬・活用・感知は、生体内で厳密に制御されており、その解明は生命現象を正しく理解する上で不可欠となる。本シンポジウムでは、鉄・亜鉛・銅・マンガンといった「生体金属」に関する知見を、低分子・タンパク質・細胞・組織・個体レベルで俯瞰し、生命金属が生命維持に果たす役割や、その破綻が疾病の原因となるメカニズム、生命金属をターゲットにした治療薬の可能性について、最新の知見を交えて幅広く議論する。近年、生命金属が関わる現象には大きな注目が集まっており、本シンポジウムでもその魅力を発信したい。
1S02m
日時:11月9日(水) 9:00-11:00 会場:第2会場(141+142)

AI・データ駆動生命科学研究の新潮流

オーガナイザー:
島村 徹平(名古屋大学大学院医学系研究科)
大澤 毅(東京大学先端科学技術研究センター)
太田 禎生(東京大学)
二階堂 愛(理研 / 東京医科歯科大学)
平林 祐介(東京大学大学院工学系研究科)
島村 徹平(名古屋大学大学院医学系研究科)
片岡 圭亮(慶應義塾大学 / 国立がん研究センター研究所)
次世代シークエンサー、質量分析機、イメージングなどの技術革命が進み、膨大な多階層の生命情報が指数関数的に増えているが、多くの生命科学者がその解析に悩まされている。こうした膨大なデータを活用して、既知の学問を超えて革新的な知見・知識を創出するためには、数理科学、情報学、物理学など、異分野で培われた叡智や新たな理論を利活用した異分野融合研究が必要不可欠である。その一方で、分野を跨いで研究するにはどうすればよいか、具体的に何をすればいいのかなど、未だに敷居が高いと感じる生命科学研究者も多いのではないだろうか。本シンポジウムでは、がん、神経科学などの生命現象を、マルチオミクス解析、AI、イメージングなどの最新解析技術でアプローチしている新進気鋭のデータ駆動科学研究者が集まり、最新計測技術や解析技術を紹介する。また、融合研究の魅力を紹介し、若手研究の新規参入のきっかけを提供する。
1S03m
日時:11月9日(水) 9:00-11:00 会場:第3会場(国際会議場)

小胞体、ゴルジ体で調節、増幅されるタンパク質の個性

オーガナイザー:
蜷川 暁(神戸大学 バイオシグナル総合研究センター)
木塚 康彦(岐阜大学 糖鎖生命コア研究所)
蜷川 暁(神戸大学 バイオシグナル総合研究センター)
石川 裕之(千葉大学 大学院理学研究科)
有岡 裕子(名古屋大学医学部附属病院)
奥村 正樹(東北大学学際研)
鈴木 郁夫(東京大学 大学院理学系研究科 )
矢木 宏和(名古屋市立大学大学院薬学研究科)
小胞体は、全タンパク質の約1/3が生合成される場である。小胞体において合成されたタンパク質は、単純なアミノ酸配列だけによってその機能が規定されず、小胞体、ゴルジ体において翻訳後修飾を受け、機能の多様性が生まれる。すなわち、ゲノムを発端とする情報が、これらのオルガネラにおいてさらに多様化され、タンパク質それぞれの個性になっているとも言える。このタンパク質の個性の組み合わせが、ひいては個体機能に大きな影響を与え、ヒトの個性や種々の疾患につながると考えられる。本シンポジウムでは、タンパク質に個性を与えうるN型糖鎖修飾、O型糖鎖修飾、ジスルフィド結合形成、リン酸化などの翻訳後修飾、またそれらを変えうるゲノム情報にも焦点をあて、それぞれのタンパク質の機能がどのように調節、増幅されるかという点に関して、分子細胞生物学、構造学、発生学により多角的に解析した成果を新進気鋭の若手研究者が発表する。
1S04m
日時:11月9日(水) 9:00-11:00 会場:第4会場(234)

免疫代謝で紐解く慢性疾患の新たな病態メカニズム

オーガナイザー:
菅波 孝祥(名古屋大学環境医学研究所)
井上 啓(金沢大学新学術創成研究機構)
石井 優(大阪大学大学院医学系研究科・生命機能研究科)
吉野 純(慶應義塾大学医学部)
稲葉 有香(金沢大学新学術創成研究機構)
関根 弘樹(東北大学加齢医学研究所)
伊藤 パディジャ 綾香(名古屋大学環境医学研究所)
慢性炎症は、様々な慢性疾患に共通の病態基盤として関わっており、例えば、代謝臓器の慢性炎症が全身のインスリン抵抗性を制御するなど、炎症と代謝の密接な関係が存在する。一方、細胞内代謝の変化による炎症・免疫細胞の分化や機能制御メカニズムが明らかとなり、免疫代謝(immunometabolism)と称される学問領域が注目を集めている。本シンポジウムでは、種々の慢性疾患における免疫代謝の役割に関して最先端の知見を共有し、免疫代謝の視点から複雑な病態メカニズムの理解に繋がる議論を展開したい。
1S05m
日時:11月9日(水) 9:00-11:00 会場:第5会場(231)

上皮ダイナミクスと個体応答

オーガナイザー:
井垣 達吏(京都大学大学院生命科学研究科)
小田 裕香子(京都大学ウイルス・再生医科学研究所)
島田 裕子(筑波大学 生存ダイナミクス研究センター)
進藤 麻子(熊本大学 発生医学研究所)
榎本 将人(京都大学大学院生命科学研究科)
中嶋 洋行(国立循環器病研究センター)
小田 裕香子(京都大学ウイルス・再生医科学研究所)
上皮組織は、さまざまな内的・外的ストレスや局所的・全身性の生体因子に応答してダイナミックにその構造や機能を変化させる。一方、上皮ダイナミクスの変化は、さまざまな生体因子や細胞間相互作用を介して個体レベルの多彩な生体応答を引き起こしうる。最近、このような上皮ダイナミクスと生体応答の相互連関が、形態形成や組織修復、炎症応答など種々の動的プロセスに重要な役割を果たすことがわかってきた。本シンポジウムでは、さまざまな角度から上皮ダイナミクスと生体応答の連関を研究する気鋭の研究者を招集して最新の知見を紹介いただき、それらに通底するメカニズムやコンセプトを議論するとともに、新たな問いを見いだす機会としたい。
1S06m
日時:11月9日(水) 9:00-11:00 会場:第6会場(232+233)

オルガネラサーベイランスシステム:細胞がオルガネラの質と量を感知し調節する仕組み

オーガナイザー:
田村 康(山形大学)
清水 重臣(東京医科歯科大学)
伊藤 容子(お茶の水女子大学)
中井 正人(大阪大学)
上川 泰直(広島大学)
吉田 秀郎(兵庫県立大学)
藤木 幸夫(九州大学)
田村 康(山形大学)
真核細胞内には様々な機能を持つオルガネラが発達し,互いに連携しながら細胞機能を支えている。これまで,オルガネラを構成する成分の同定とその機能解析を中心とした,定常状態におけるオルガネラの研究が進められてきた。しかしオルガネラは,常に新生,成長,解体を繰り返す動的な膜構造であるため,オルガネラの存在量や機能がまさに変化している非平衡状態に着目した研究が必須である。例えば,細胞動態やストレス環境に応じてオルガネラ膜が劇的に拡大することが知られている。また,オルガネラが完全に消失する運命をたどる細胞も存在するが,このようなオルガネラ量の調節メカニズムはほとんど研究されていない。本シンポジウムでは,細胞が適切なオルガネラの量や質を感知し,その運命を決定する仕組みを「オルガネラサーベイランスシステム」と命名し,出芽酵母から,植物,動物細胞に至る幅広い視点から議論する。
1S07m
日時:11月9日(水) 9:00-11:00 会場:第7会場(224)

病態モデルから迫る組織線維化のメカニズム

オーガナイザー:
田中 稔(国立国際医療研究センター研究所 細胞組織再生医学研究部)
中野 裕康(東邦大学医学部医学科生化学講座)
土屋 勇一(東邦大学医学部)
木戸 丈友(東京大学 定量生命科学研究所)
七野 成之(東京理科大学 生命医科学研究所)
仲矢 道雄(九州大学薬学研究院)
榎本 篤(名古屋大学)
田中 稔(国立国際医療研究センター研究所)
組織の線維化はコラーゲンをはじめとする細胞外マトリックスが過剰に蓄積する状態を指し、さまざまな要因により誘導される。線維化は進行すると組織の硬化や構造変化をもたらし、機能障害につながることから、多くの疾患において生命予後を左右する要因となっている。またある種のがんでは、がん化に伴い間質に強い線維化が誘導され、それが治療抵抗性に関与していることも明らかにされつつある。しかし、その有効な治療法は未だ開発されていない。線維化の治療法開発のためには、そのメカニズムの解明が必要となるが、線維化に関与する細胞や制御機構は臓器やがん種によって一様ではなく、臓器ごとの解明が求められる。本シンポジウムでは肝臓、心臓、肺臓といった様々な臓器や、がん間質の線維芽細胞を対象として線維化機構の解明に取り組んでいる研究者を迎え、最新の成果をご講演いただくとともに、線維化治療の今後の可能性や方向性について議論したい。
1S08m
日時:11月9日(水) 9:00-11:00 会場:第8会場(221)

最新ミトコンドリア学のアンソロジー

オーガナイザー:
渡邊 康紀(山形大学)
山野 晃史(東京都医学総合研究所)
石原 孝也(大阪大学)
小島 和華(東京都医学総合研究所)
安藤 香奈絵(東京都立大学)
神吉 智丈(新潟大学)
渡邊 康紀(山形大学)
河野 望(東京大学)
ミトコンドリアは細胞の必須オルガネラである。エネルギー産生、アミノ酸合成、脂質代謝、カルシウム濃度の調整、免疫応答など、その役割は多岐にわたる。最近の研究によって、ミトコンドリアは融合と分裂を繰り返し、ダイナミックに形態を変化させるだけでなく、その形態変化がミトコンドリアDNAの分配にも重要であること、様々なストレスや老化シグナルを検知して、オートファジーを介した巧妙な分解経路が存在することが明らかになってきた。さらにミトコンドリア内外の脂質トラフィッキングとその制御に関わる因子が数多く発見されている。また、組織特有なミトコンドリアの機能とその破綻が多様なヒト疾患に関連することも示唆されている。本シンポジウムでは、「ミトコンドリア学のアンソロジー」と称して、ミトコンドリアをキーワードとして精力的に研究を進めている研究者を結集し、最新の知見を紹介したい。
1S09m
日時:11月9日(水) 9:00-11:00 会場:第9会場(222)

タンパク質を架橋接着させる酵素・トランスグルタミナーゼが担う生体機能構築

オーガナイザー:
人見 清隆(名古屋大学大学院創薬科学研究科)
惣宇利 正善(山形大学大学院医学系研究科)
人見 清隆(名古屋大学大学院創薬科学研究科)
惣宇利 正善(山形大学大学院医学系研究科)
長野 文彦(名古屋大学大学院医学系研究科)
嶋田 勝光(松本歯科大学歯学部)
辰川 英樹(名古屋大学 大学院創薬科学研究科)
柴田 俊生(九州大学理学研究院)
我々の体の中には特定のタンパク質どうしを架橋接着させてその働きを変えてしまう酵素反応が存在する。不可逆な翻訳後修飾であるこの反応はトランスグルタミナーゼと呼ばれる酵素ファミリーで行われる。例えば生体では血液凝固や皮膚形成など「タンパク質の不溶化や硬化」により生体防御や恒常性の維持に必須である。酵素は通常は活性の無い「眠った状態」として厳密な制御を受けるが、特定の要因で発現の増減や酵素自体の活性化が生じる。この制御が破綻するとヒトでは様々な種類の疾患がもたらされ、この酵素の異常と正常状態をコントロールすることは関連疾患の解決につながる。酵素により架橋される基質(タンパク質)の制御機構やその産物を明らかにすることが、恒常性維持や疾患を解決するために求められる。それらの基礎研究について、広く組織や生物種を研究対象として、本酵素反応の生理的意義を追求する研究者に講演頂く。
1S10m
日時:11月9日(水) 9:00-11:00 会場:第10会場(223)

異分野融合が推進するバイオマテリアルの新展開

オーガナイザー:
水谷 健一(神戸学院大学 大学院薬学研究科)
長濱 宏治(甲南大学 フロンティアサイエンス学部)
児島 千恵(大阪府立大学 大学院工学研究科 )
味岡 逸樹(東京医科歯科大学 脳統合機能研究センター)
長濱 宏治(甲南大学 フロンティアサイエンス学部)
水谷 健一(神戸学院大学 大学院薬学研究科)
様々な組織を構成する細胞や、細胞が産生する生体由来分子と相互作用する「バイオマテリアル」の開発が進展しつつあるが、生体との間で誘起される多様な生命現象をさらに模倣・制御できる高い機能性材料の開発が求められている。このため、生体環境を生命科学の観点から明確化すると共に、生体環境に置かれた材料の構造や物性の変化を化学・材料工学の観点から理解する異分野融合が近年推進されている。本シンポジウムでは、生体直交型反応により細胞そのもので作製したゲル材料、タンパク質を効率的に徐放することで脳梗塞治療を可能にするペプチド材料、ドラッグデリバリーシステムに利用できる高分子デンドリマー材料、血管周囲に発現するプロテオグリカンの血管新生を利用した天然物由来材料など、化学・材料工学・生命科学の各々の観点でバイオマテリアルの情報を共有し、発生から病態・再生を含めた幅広い議論を展開する。
1S11m
日時:11月9日(水) 9:00-11:00 会場:第11会場(211)

ミトコンドリアがつなぐ多彩な疾患研究最前線

オーガナイザー:
八木 美佳子(九州大学医学研究院保健学部門)
安川 武宏(順天堂大学 医学部 病理・腫瘍学講座)
荒川 博文(国立がん研究センター研究所)
田部 陽子(順天堂大学)
今居 譲(順天堂大学)
柳谷 耕太(九州大学)
林下 瑞希(長崎大学)
八木 美佳子(九州大学)
ミトコンドリアは細胞活動に必要なエネルギーの大部分を産生するだけでなく、細胞内代謝、免疫応答、イオンバランス、シグナル伝達、アポトーシスなど多岐にわたる機能や活動に関わっている。そして、核、小胞体、リソソームなどのオルガネラと連携しながら細胞恒常性を維持しており、ミトコンドリア品質管理は生命活動のかなめである。それ故、ミトコンドリア機能異常が関与する疾患はミトコンドリア病をはじめ、がん、神経変性疾患、心筋症、糖尿病、メタボリックシンドロームなど多彩であり、その原因もミトコンドリア機能障害によるオートファジー活性低下、エネルギー産生能の低下、活性酸素増加による細胞障害など様々な報告がある。そこで本シンポジウムでは、ミトコンドリアに焦点をあてた疾患の発症機構から治療までを視野に入れた独創的な研究を紹介し、ミトコンドリアをハブとした基礎・応用・医学分野の研究者の新しい出会いと議論の場を創りたい。
1S12m
日時:11月9日(水) 9:00-11:00 会場:第12会場(212)

老化モデル動物: エイジングリサーチにおける役割と限界

オーガナイザー:
高橋 良哉(東邦大学 薬学部 生化学教室)
樋上 賀一(東京理科大学 薬学部 生命創薬科学科 分子病理・代謝学)
高橋 良哉(東邦大学 薬学部 生化学教室)
赤木 一考(富山大学 未病研究センター)
細川 昌則(京都光華女子大学 健康科学部 看護学科)
清水 孝彦(国立長寿医療研究センター 老化ストレス応答研究プロジェクトチーム)
丸山 光生(国立長寿医療研究センター 炎症・免疫機構研究部)
樋上 賀一(東京理科大学 薬学部 生命創薬科学科 分子病理・代謝学)
老化の基礎研究に使用される生物は、酵母、線虫、ショウジョウバエ、サカナ、マウス、ラット、サルなど様々である。それぞれの生物種により寿命と加齢に伴う老化現象は異なるが、共通点も多くみられる。一方、近年の遺伝子工学技術の発展は、老化メカニズムの遺伝子レベルでの解明を加速させてくれた。しかし、同時に老化に関連する遺伝子ネットワークの複雑さもみえてきた。本シンポジウムでは、基礎老化学会のメンバーとして様々な老化モデル動物を使い、長年研究を続けられている先生方にそれぞれのモデル動物の役割と限界について語って頂きます。このシンポジウムが老化に関心を持つ生化学会員の皆様が新たな視点から老化研究をはじめるきっかけとなることを期待しています。
1S13m
日時:11月9日(水) 9:00-11:00 会場:第13会場(431)

タンパク質を捉え広がる神経科学研究の新展開

オーガナイザー:
竹本 さやか(名古屋大学環境医学研究所)
三國 貴康(新潟大学脳研究所)
洲崎 悦生(順天堂大学大学院医学研究科)
高野 哲也(慶應義塾大学医学研究科)
竹本 さやか(名古屋大学環境医学研究所)
三國 貴康(新潟大学脳研究所)
生命科学研究において近年著しい発展を遂げたタンパク質を捉える様々な技術は、神経科学研究においても多くの知見をもたらしつつある。本シンポジウムでは、タンパク質を捉える新たな技術として、近位依存性ビオチン化標識(in vivo BioID法)による相互作用タンパク質の網羅解析技術、脳内の細胞においてタンパク質を改変し多彩な標識を付加することが可能なゲノム編集技術、広範囲におけるタンパク質局在の検出を可能とする透明化技術、さらにはイメージング技術などを組み合わせ、多角的なアプローチによりタンパク質の操作や検出に基づき脳の理解を目指す研究者に最近の知見をご紹介頂き、今後の展開を議論する。
1S14m
日時:11月9日(水) 9:00-11:00 会場:第14会場(432)

オルガネラと細胞膜における脂質スクランブル

オーガナイザー:
鈴木 淳(京都大学)
野田 展生(微生物化学研究所)
圓岡 真宏(京都大学)
的場 一晃(微生物化学研究所)
木下 タロウ(大阪大学)
水島 昇(東京大学)
南保 明日香(長崎大学)
細胞膜における脂質スクランブルは、脂質二重膜における脂質の非対称分布を変えることにより細胞膜内側の脂質を露出させ、細胞外環境と相互作用するシグナル分子として機能させるために重要な現象である。一方で、オルガネラにおける脂質スクランブルは、脂質二重膜の片側で合成された脂質を平衡化させるため、またさらなる脂質修飾のために管腔側に脂質を移動させる重要なプロセスである。近年、これら脂質スクランブルを司る分子の分子的実体、その生理的役割が明らかとなってきた。本シンポジウムでは、細胞膜、オルガネラにおける脂質スクランブルに注目し研究を進める研究者が集うことで知識を共有し、今後の展望、課題を議論したい。
1S15m
日時:11月9日(水) 9:00-11:00 会場:第15会場(131+132)

リン酸化シグナルの種を越えた共通性と多様性

オーガナイザー:
武田 弘資(長崎大学)
梅澤 泰史(東京農工大学)

小川 基行(東京大学)
松林 嘉克(名古屋大学)
武川 睦寛(東京大学)
梅澤 泰史(東京農工大学)
馬場 大暉(長崎大学)

タンパク質リン酸化は、可逆的な翻訳後修飾のプロトタイプとして常に細胞内シグナル伝達研究の中心に位置づけられてきた。リン酸化シグナルの統合的な理解のためには、キナーゼとホスファターゼの両面からの研究に加え、様々な生物種における共通性や多様性を俯瞰することで、普遍的なリン酸化制御機構やそれぞれの生物種でのリン酸化による新たな生体調節機能を見出していく必要がある。実際、様々なモデル生物を用いた研究がリン酸化シグナルの理解に大きく貢献してきた。本シンポジウムでは、動物に加えて植物におけるリン酸化シグナル研究の最新の知見を紹介することで、リン酸化シグナルの重要性や面白さをあらためて認識し、今後の研究の方向性を考える場を提供したい。
1S16m
日時:11月9日(水) 9:00-11:00 会場:第16会場(133+134)

細胞内オルガネラを介した神経系と免疫系の制御機構

オーガナイザー:
白根 道子(名古屋市立大学 大学院薬学研究科)
齊藤 達哉(大阪大学 大学院薬学研究科)
白根 道子(名古屋市立大学 大学院薬学研究科)
齊藤 達哉(大阪大学 大学院薬学研究科)
齋藤 伸一郎(東京大学 医科学研究所)
向井 康治朗(東北大学 大学院生命科学研究科)
國井 政孝(大阪大学 医学系研究科)
渡邊 征爾(名古屋大学 環境医学研究所)
生体の機能制御において細胞内オルガネラはさまざまな場面で重要な働きをしている。一方で神経系と免疫系は相互に影響し合っており、複雑な病態機構を説明するためには切り離せない関係であることが明らかになってきており、神経免疫学という研究領域も産まれている。例えば、免疫応答の亢進が神経変性疾患や精神疾患の病態機構と関連していることが示唆されている。これらの背景より、本シンポジウムでは神経系と免疫系に焦点を当てて、細胞内オルガネラを介した生体のホメオスタシス調節機構について議論する。そして神経系と免疫系に共通する、あるいは両者を繋げる機構について情報共有し、両者の融合研究の発展に繋がることを期待している。
1S01e
日時:11月9日(水) 16:40-18:40 会場:第1会場(レセプション)

膜タンパク質作動機構の構造機能的理解

オーガナイザー:
阿部 一啓(名古屋大学細胞生理学研究センター)
小川 治夫(京都大学大学院薬学研究科)
下村 拓史(自然科学研究機構・生理学研究所)
岡崎 圭一(自然科学研究機構 分子科学研究所)
櫻木 崇晴(大阪大学 免疫学フロンティア研究センター)
細胞の境界ではたらく膜タンパク質は、生命の根幹である生体膜を隔てた物質/情報の不均衡な分布の形成を担っています。その機能故に、これらの膜タンパク質は創薬標的としても重要です。膜タンパク質を対象とした研究は、これまでの分子生物学、生化学、生理学に根差した研究を土台に、近年のクライオ電子顕微鏡や機械学習等の革新的解析手法が加わることで、その構造基盤の解明や構造機能連関、そこから生体機能・病態との関連の理解に対し飛躍的な進展がみられています。本シンポジウムでは、膜タンパク質の構造情報を手掛かりに、その作動機構を理解する為の研究を展開している若手研究者を集め、最新の知見をご紹介頂きます。
1S02e
日時:11月9日(水) 16:40-18:40 会場:第2会場(141+142)

マルチモダリティ医療革命

オーガナイザー:
萩原 正敏(京都大学・大学院医学研究科)
園田 啓之(JCRファーマ株式会社)
萩原 正敏(京都大学・大学院医学研究科)
園田 啓之(JCRファーマ株式会社)
小林 久隆(米国国立衛生研究所)
小林 孝彰(愛知医科大学医学部)
マルチモダリティ創薬という言葉を頻繁に聞くようになったが、単に低分子化合物から抗体医薬や核酸医薬へのシフトという狭い意味で使われていることが多いように感じる。生命科学関連分野における複合的な技術イノベーションにより先端医療は劇的な変貌を遂げつつある。広い意味でのマルチモダリティによる先端医療の革命的進化の最新状況を本会会員で共有したい。
1S03e
日時:11月9日(水) 16:40-18:40 会場:第3会場(国際会議場)

時間タンパク質学~時を生み出すタンパク質特性~

オーガナイザー:
吉種 光(東京都医学総合研究所)
八木田 和弘(京都府立医科大学)
共催:
学術変革領域B「時間タンパク質学」
松尾 拓哉(名古屋大学 )
大出 晃士(東京大学)
戸田 浩史(筑波大学)
吉種 光(東京都医学総合研究所)
向山 厚(分子科学研究所)
吉田 松生(基礎生物学研究所)
寿命、季節応答、概日リズム、発生、細胞分裂、神経発火など生体内には様々な時間スケールの生命現象が存在します。つまり、生物は何らかの仕組みで「時」を生み出しているのです。この「時」を測る実体はなんでしょうか。本シンポジウムでは、学術変革領域B「時間タンパク質学(Chronoproteinology)」との共同開催として、様々な生理現象の中でも、時間情報を持った、または「時」を生み出すような生命現象に着目して、その仕組みの理解を目指す研究の最前線をご紹介します。特に本領域メンバーが着目しているのが分子間相互作用・翻訳後修飾・酵素活性・立体構造変化などのタンパク質ダイナミクスです。タンパク質がもつ物性やそのダイナミクスが自律振動子としてさまざまな時間軸の「時」を生み出している可能性について議論したいと思います。
1S04e
日時:11月9日(水) 16:40-18:40 会場:第4会場(234)

ゲノム調節機構の破綻による疾患発症メカニズム

オーガナイザー:
近藤 豊(名古屋大学 大学院医学系研究科 腫瘍生物学)
金田 篤志(千葉大学大学院医学研究院分子腫瘍学)
斉藤 典子(がん研究会がん研究所)
金田 篤志(千葉大学大学院医学研究院分子腫瘍学)
井上 大地(神戸医療産業都市推進機構 先端医療研究センター 血液・腫瘍研究部)
服部 奈緒子(国立がん研究センター研究所 エピゲノム解析分野)
近藤 豊(名古屋大学 大学院医学系研究科 腫瘍生物学)
DNA上にあるすべての情報は“遺伝情報(ゲノム)”と呼ばれ、その調節により様々な生物学的プロセスをつかさどっている。ゲノムとその制御メカニズムであるエピゲノムは複雑かつ多彩な分子ネットワークを構築し調節している。ゲノム調節機構は生物そして疾患の多様性を説明するために重要なメカニズムであり、疾患の本態を解明するためにはその包括的解析は避けては通れない。最近の研究からDNAの転写産物であるRNAもゲノムの調節機構として重要な分子であることが明らかとなり、一部の非翻訳RNAでは、タンパク質との相互作用を介してゲノム機能の調節に関与している。本シンポジウムでは疾患発症、とりわけ”がん”に関わるゲノム調節機構の破綻について様々な視点から捉え最先端の知見を共有したい。
1S05e
日時:11月9日(水) 16:40-18:40 会場:第5会場(231)

オートファジー・リソソーム研究の新展開

オーガナイザー:
中戸川 仁(東京工業大学 生命理工学院)
中村 修平(大阪大学 高等共創研究院)
共催:
新学術領域研究 マルチモードオートファジー:多彩な経路と選択性が織り成す自己分解系の理解
学術変革領域研究B ポストリソソーム生物学:分解の場から始まる高次生命現象の理解
中戸川 仁(東京工業大学 )
藤岡 優子(微生物化学研究所)
城村 由和(東京大学)
小林 妙子(京都大学)
藤田 尚信(東京工業大学)
中村 修平(大阪大学)
オートファジーとは細胞の自己成分をリソソームあるいは液胞に輸送し、分解する経路の総称である。その経路及び選択的分解基質の多様性は“マルチモードオートファジー”として統合的に捉えられ、そのメカニズム、生理機能、経路間連携の研究が強力に推し進められている。その中で、最近、オートファジーの誘導因子や分解対象となるタンパク質の細胞質での存在状態を正しく理解することの重要性が浮き彫りになってきた。さらに、分解の場であるリソソームも、多彩な分解産物や構成因子を介して様々なシグナル伝達の起点として働き、発生や老化など多くの生命現象に積極的に関与することが明らかとなってきた。本シンポジウムでは、オートファジーとリソソームに関する最新の知見について、6名の研究者に講演いただき、オートファジー・リソソーム研究の今後の展開と可能性について議論したい。
1S06e
日時:11月9日(水) 16:40-18:40 会場:第6会場(232+233)

先端質量分析を駆使した生化学研究~イメージングから生理活性分子同定まで~

オーガナイザー:
杉浦 悠毅(慶應義塾大学医学部医化学教室)
和泉 自泰(国立大学法人 九州大学, 附属トランスオミクス医学研究センター)
新 幸二(慶應義塾大学 医学部 微生物学・免疫学教室 )
宮島 倫生(理化学研究所 生命医科学研究センター )
永田 康祐(九州大学大学院 農学研究院附属 昆虫科学・新産業創生研究センター)
杉浦 悠毅(慶應義塾大学医学部医化学教室)
遡ること40年以上前、質量分析は大掛かりな装置を用いて、「そこにどんな分子があるのか」を検証するシンプルな定性ツールであり、緻密に計画された生化学実験において、重要な酵素反応や、生理活性分子発見の鍵となる技術であった。今日では、質量分析(プロテオミクス、メタボロミクス)により多くの情報を一挙に得ることが出来る。しかし、オミクス測定の膨大な情報を、仮説検証型の生化学研究において活用するには工夫が必要である。データの海に溺れるだけでは、生理現象を説明する本質的な因子に辿り着くことは難しい。しかしながら、複数の先導的な研究において、オミクス測定を飽くまで生化学研究のツールとして活用することにより、個体の表現系を説明できる生理活性分子を同定する、特殊な代謝経路を持つ細胞種を同定する、といった挑戦が成功を収めている。本セッションではこれらの成功事例に加え、オミクス計測に空間情報を付加した質量分析イメージングの活用も取り上げ、先端質量分析の基礎から応用までを議論したい。
1S07e
日時:11月9日(水) 16:40-18:40 会場:第7会場(224)

生化学で解く腎疾患 -患者に届く生化学研究-

オーガナイザー:
古市 賢吾(金沢医科大学 腎臓内科学)
山原 真子(滋賀医科大学 糖尿病内分泌・腎臓内科)
山原 真子(滋賀医科大学 糖尿病内分泌・腎臓内科)
長谷川 頌(東京大学大学院医学系研究科 慢性腎臓病病態生理学講座)
内村 幸平(山梨大学 腎臓内科学)
佐藤 有紀(京都大学大学院医学研究科 腎臓内科学)
森 雄太郎(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科腎臓内科学分野)
長船 健二(京都大学 iPS細胞研究所 増殖分化機構研究部門)
腎臓は、老廃物の排泄のみならず、電解質の維持、酸塩基平衡、赤血球の代謝、あるいは骨代謝など、種々の機能を保持しており、全身の恒常性維持に重要な臓器である。その一つ一つの機能破綻は、遺伝子発現、代謝、再生、炎症、免疫など、様々なシステムの異常が複雑に絡み合って生じる。近年、進歩した新規生化学的解析手法は、腎疾患の病態解明や、治療法の開発を大きく進展させた。その一部は、腎疾患に苦しむ多くの患者に治療薬や検査薬として届けられている。超高齢化が進む我が国において、健康寿命の延伸は喫緊の課題である。本シンポジウムでは、「腎生100年」の達成に向け、臨床への還元を目指した腎臓病の最新研究を紹介頂く。 日本腎臓学会は、腎臓研究の裾野を広げることが重要と考えている。日本生化学会の会員の皆様に腎臓病研究の新知見を紹介し、腎疾患への興味と研究参加を呼びかける目的で本シンポジウムを企画した。
1S08e
日時:11月9日(水) 16:40-18:40 会場:第8会場(221)

糖鎖生物学の革新へ

オーガナイザー:
金川 基(愛媛大学大学院医学系研究科)
竹内 英之(静岡県立大学薬学部・大学院薬学研究院)
中野 明彦(理化学研究所 光量子工学研究センター)
田中 克典(理化学研究所/東京工業大学)
成松 由規(コペンハーゲン大学)
南 彰(静岡県立大学 薬学部)
金川 基(愛媛大学大学院医学系研究科)
糖鎖は、核酸・タンパク質に次ぐ『第三の生命鎖』、あるいは、『細胞の顔』とも呼ばれるほど、生体における重要性は広く認識されている。本邦の糖鎖生物学者は、糖転移酵素の発見などに代表される基礎学術的知見の蓄積、質量分析などの解析技術やデータベース構築など、世界をリードする貢献を果たしてきた。糖鎖の構造や機能、そして何より糖鎖修飾の生合成と分解のメカニズムなどまだまだ解明されていない点も多いが、学術的にも応用科学的にも糖鎖生物学のポテンシャルに期待が高まっている。同時に、糖鎖の多様性や複雑な修飾様式を解明するためのブレイクスルーも求められている。本シンポジウムでは、糖鎖の構造や機能に基づいた革新的な研究を紹介するとともに、糖鎖が生理機能を発揮するために必要な修飾メカニズムなど細胞生物学的原理について議論を深めたい。
1S09e
日時:11月9日(水) 16:40-18:40 会場:第9会場(222)

植物の長距離情報伝達による栄養獲得と成長の制御

オーガナイザー:
榊原 均(名古屋大学)
蜂谷 卓士(島根大学)
榊原 均(名古屋大学)
瀬上 紹嗣(基礎生物学研究所)
大熊 直生(基礎生物学研究所)
大久保 祐里(名古屋大学)
蜂谷 卓士(島根大学)
多くの土壌中には植物の成長に十分な栄養元素が含まれておらず、植物の成長の律速要因となっている。これを克服するために、植物は、低濃度の栄養イオンを効率よく吸収できる高親和性輸送体、大気中の窒素をアンモニアに固定する根粒菌の共生、捕獲した小動物の消化から栄養元素を得る捕虫葉などのしくみを獲得してきた。最近の研究によって、これら栄養獲得機能が、植物ホルモン、ペプチド、マイクロRNA、活動電位といった、組織・器官間を移動・伝播する長距離シグナルによって時空間的に制御されることが明らかになった。さらに、植物体内外の栄養状態に応じて、長距離シグナルが器官間の成長のバランスを調節することも分かってきた。本シンポジウムでは、長距離シグナルによる栄養獲得・成長制御メカニズムに関する最新の研究成果の発表を通して、包括的な理解を深めるとともに今後の課題について議論したい。
1S10e
日時:11月9日(水) 16:40-18:40 会場:第10会場(223)

糖鎖修飾の普遍性と多様性ー微生物から哺乳動物までー

オーガナイザー:
平山 弘人(理化学研究所 鈴木糖鎖生化学研究室)
藤田 盛久(東海国立大学機構 岐阜大学 糖鎖生命コア研究所 糖鎖分子科学研究センター)
平山 弘人(理化学研究所 鈴木糖鎖生化学研究室)
原田 陽一郎(大阪国際がんセンター)
神田 大輔(九州大学 生体防御医学研究所)
高 暁冬(江南大学 生物工程学院)
野田 陽一(東京大学大学院農学生命科学研究科,東京大学微生物科学イノベーション連携研究機構)
岡 拓二(崇城大学生物生命学部生物生命学科)
タンパク質への糖鎖修飾は真核生物だけでなく真正細菌や古細菌を含む全ての生物界に保存された「普遍的」な翻訳後修飾であり、タンパク質の安定性向上に貢献するだけではなく、分泌タンパク質の局在化、細胞間相互作用、シグナル伝達など生物が生きていくために必須な共通プロセスに関わっていることが知られている。一方、生物種間の糖鎖構造を比較するとその構造に大きな「多様性」があることが知られている。それぞれの種に特徴的な糖鎖構造がどのような生理機能に関わっているのかを解明することは、糖鎖修飾の生物学的意義を正しく理解する上で不可欠である。本シンポジウムでは、微生物から哺乳動物までの様々な生物種における糖鎖の生合成機構および機能について最新の知見を紹介することで、糖鎖機能の統合的な理解を深めることを目的とする。
1S11e
日時:11月9日(水) 16:40-18:40 会場:第11会場(211)

先端生化学から切り開く生老病死の新展開 ~核内事象とミトコンドリア代謝シグナル~

オーガナイザー:
田中 知明(千葉大学)
井上 聡(東京都健康長寿医療センター研究所)
山形 一行(千葉大学)
池田 和博(埼玉医科大学ゲノム医学研究センター)
伊藤 敬(長崎大学)
松井 秀彰(新潟大学)
北見 俊守(理化学研究所生命科学研究センター)
廣田 佳久(芝浦工業大学)
シングルセル解析やcell-cell interaction解析技術の発達、プロテオミクスやデータサイエンスの先鋭化と相まって、液-液相分離の疾患生物学や臓器間シングルセルネットワークなどのように、生老病死の病態が新たな視点から切り拓かれつつある。特に、生命・寿命・老化シグナルは、おもしろいほどに核内事象とミトコンドリア代謝シグナル-転写や翻訳、エピゲノム制御機構、酸化ストレス、栄養、代謝など-に集約する。本シンポジウムでは、「先端生化学から切り開く生老病死の新展開」をテーマに、複合体解析・シングルセル解析やマルチオミクス解析など新たなアプローチを通じて、疾患病態との関わりを切り開いてきた先駆的研究を紹介する。核とミトコンドリアに焦点を当てながら、生老病死の新しい生化学について、これからの展開と可能性を含めながら、皆さんと議論を深めたい。
1S12e
日時:11月9日(水) 16:40-18:40 会場:第12会場(212)

中枢ー末梢連関による生体恒常性維持と疾患

オーガナイザー:
伊藤パディジャ 綾香(名古屋大学 環境医学研究所 分子代謝医学分野/名古屋大学高等研究院 )
片岡 直也(名古屋大学大学院 医学系研究科 統合生理学分野/名古屋大学高等研究院)
共催:
名古屋大学研究大学強化促進事業 若手新分野創成研究ユニット
片岡 直也(名古屋大学大学院 医学系研究科 統合生理学分野/名古屋大学高等研究院)
木場 智史(鳥取大学 医学部 医学科 生理学講座 統合生理学分野 )
鈴木 一博(大阪大学 免疫学フロンティア研究センター 免疫応答動態学)
井上 啓(金沢大学 新学術創成研究機構/金沢大学大学院 医薬保健学総合研究科)
「心(脳)」と「体(末梢)」が正しく連関することは、生体の恒常性維持には不可欠である。古くから「病は気から」と言われるように、心理ストレスなどの「心」の神経回路が末梢の生理機能の破綻をもたらし、疾患の発症につながることが経験的に知られており、近年、その実態が明らかになりつつある。一方、末梢の生理機能の破綻が自律神経バランスの破綻をもたらし、疾患の悪化を招くことも示唆されていることから、脳ー臓器連関の実態を理解することは疾患の発症機構を解明するだけでなく、治療法の選択にも大きな影響を及ぼすと考えられる。本シンポジウムでは、4人の研究者より、体温調節や心機能に関わる神経回路、神経免疫連関、糖尿病や心血管疾患における神経制御などに関する最新の知見を紹介頂き、生体の恒常性維持とその破綻による疾患の発症に関して中枢ー末梢連関の観点から議論を深めたい。
1S13e
日時:11月9日(水) 16:40-18:40 会場:第13会場(431)

RNA binding proteinの生化学:生理機能と神経疾患における役割

オーガナイザー:
山中 宏二(名古屋大学環境医学研究所)
永井 義隆(近畿大学医学部)
廣瀬 哲郎(大阪大学生命機能研究科)
藤井 雅寛(新潟大学医歯薬総合研究科)
永井 義隆(近畿大学医学部)
山中 宏二(名古屋大学環境医学研究所)
RNA結合タンパク質(RBP)は、遺伝子発現や細胞機能制御の様々な局面で多様な役割を担っているが、近年、液・液相分離をはじめとしたRBPの相互作用の生理的・病的役割が次々に明らかになっている。本シンポジウムでは、RBPの生理機能や神経変性疾患における役割について最新の知見を紹介し、本分野の将来展望を議論する。
1S14e
日時:11月9日(水) 16:40-18:40 会場:第14会場(432)

リゾリン脂質メディエーターの新しい機能

オーガナイザー:
青木 淳賢(東京大学大学院薬学系研究科)
石井 聡(秋田大学大学院医学系研究科)
安田 大恭(秋田大学大学院医学系研究科)
仲 一仁(広島大学原爆放射線医科学研究所)
幸谷 愛(東海大学医学部)
武富 芳隆(東京大学大学院医学系研究科)
青木 淳賢(東京大学大学院薬学系研究科)
脂肪酸を1本だけ持つリン脂質、リゾリン脂質は血液中や組織に存在するだけでなく、炎症・組織ダメージの際生じてくる。現在まで、リゾリン脂質の極性頭部と脂肪酸部を含め、リゾリン脂質の構造を認識する20種類弱のGタンパク質共役型受容体(GPCR)が同定されている。リゾリン脂質の受容体、産生酵素の同定には、本邦の研究者が大きく貢献してきた。本シンポジウムでは、リゾリン脂質受容体、産生酵素、産生源に着目したリゾリン脂質の新しい研究、特に、血管形成、造血系幹細胞・血球細胞分化、がん、におけるリゾリン脂質の機能に焦点を当てた各研究者の最新の成果をまとめてもらう。
1S15e
日時:11月9日(水) 16:40-18:40 会場:第15会場(131+132)

マルチレイヤー解析技術によるシグナル伝達-生命現象の解読

オーガナイザー:
井上 飛鳥(東北大学 大学院薬学研究科)
斉藤 毅(筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構)
共催:
学術変革(B) 生理因数分解
井上 飛鳥(東北大学 大学院薬学研究科)
斉藤 毅(筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構)
櫻井 勝康(筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構)
寿野 良二(関西医科大学)
GPCRを始めとする受容体研究は、受容体活性がオンオフの二成分で単純化されることが多い。近年、バイアスシグナル活性が着目されてきており、複数のシグナル伝達のバランスの重要性が認知されつつある。本シンポジウムでは、神経システムのオピオイド受容体をモデルとして、多次元的なシグナル情報を活用して、薬効に直結する神経回路の活性・抑制作用を明らかにする取り組みについて、リガンドレベル、構造レベル、細胞レベル、個体レベルの最先端の研究手法を本シンポジウムで取り上げる。シンポジストは学術変革B「生理因数分解」の参画者であり、現在進行形で展開するスケール横断的な生命現象のシグナル解読と今後の展望を議論する。
1S16e
日時:11月9日(水) 16:40-18:40 会場:第16会場(133+134)

オルガネラの機能連携から視える生命現象の新たな実像

オーガナイザー:
齋藤 敦(広島大学大学院 医系科学研究科 分子細胞情報学)
佐藤 明子(広島大学大学院 統合生命科学研究科 生命環境総合科学プログラム)
共催:
文部科学省研究大学強化促進事業 広島大学インキュベーション研究拠点「オルガネラ疾患研究拠点」
佐藤 明子(広島大学大学院 統合生命科学研究科 生命環境総合科学プログラム)
小池 誠一(富山大学大学院 理工学研究科 生命・物質化学プログラム)
齋藤 敦(広島大学大学院 医系科学研究科 分子細胞情報学)
玉田 宏美(名古屋大学大学院 医学系研究科 機能組織学)
戸島 拓郎(理化学研究所 光量子工学研究センター)
宮良 政嗣(広島大学大学院 医系科学研究科 生体機能分子動態学研究室)
真核生物の細胞内には膜で仕切られた区画であるオルガネラが存在し、独立したオルガネラ内部における固有の生化学的反応と機能が解明されてきた。しかし近年、オルガネラは空間的な独立性を保ちながらも物質移動によるクロストークやオルガネラ膜同士の直接結合による特異領域の形成によって、情報を相互に受け渡しながら細胞機能を最大限に高めることがわかってきた。さらにオルガネラ間の機能連携破綻が様々な疾患の発症・進展に関わることも明らかになりつつある。本シンポジウムではオルガネラの精緻な観察を可能とする高速高感度共焦点レーザー顕微鏡(SCLIM)や先端電子顕微鏡技術FIB/SEMなどの最新技術を紹介するとともに、小胞体や核、ミトコンドリア、ゴルジ体、リソソームなどの各オルガネラ間における機能連携や物質輸送システムの実像に迫る最新知見を報告する。さらにその破綻から疾患発症に至る分子機構についても議論を深めたい。
2S02m
日時:11月10日(木) 9:00-11:00 会場:第2会場(141+142)

グリアによる脳機能デコーディング

オーガナイザー:
和氣 弘明(名古屋大学大学院医学系研究科分子細胞学)
小泉 修一(山梨大学 大学院総合研究部医学域・薬理学1, GLIAセンター2)
共催:
学術変革領域(A) グリアデコーディング:脳-身体連関を規定するグリア情報の読み出しと理解
和氣 弘明(名古屋大学大学院医学系研究科分子細胞学)
小山 隆太(東京大学大学院薬学系研究科 薬品作用学教室)
小泉 修一(山梨大学 大学院総合研究部医学域・薬理学1, GLIAセンター2)
岡部 繁男(東京大学大学院医学系研究科神経細胞生物学分野)
近年、光学技術などの発達に伴い、生体で細胞構造・細胞間相互作用やその動態・機能などの読み出しが可能となり、生理的機能応答・病態での変化などが抽出されるようになってきた。特に神経系においてはその動態・機能応答などが2光子顕微鏡、超解像顕微鏡、電子顕微鏡などで明らかになり、脳環境の変化や脳のシグナル、さらに脳が外界変化をどのように検出するかなどそれらの連関などが盛んに研究されるようになった。その中心となっている要素としてグリア細胞が注目を集めている、本シンポジウムでは4人の研究者が様々な読み出し技術を用いてグリア細胞による脳機能でコーディングを観ることによって行ってきた研究を議論したい。
2S03m
日時:11月10日(木) 9:00-11:00 会場:第3会場(国際会議場)

動的な細胞内プロセスにおける膜タンパク質研究の新機軸

オーガナイザー:
伴 匡人(久留米大学分子生命科学研究所)
小柴 琢己(福岡大学理学部化学科)
稲岡 健ダニエル(長崎大学、熱帯医学・グローバルヘルス総合研究科)
森垣 憲一(神戸大学 バイオシグナル総合研究センター)
嶋田 睦(九州大学生体防御医学研究所)
立川 正志(京都大学 ウィルス・再生医科学研究所)
伴 匡人(久留米大学分子生命科学研究所)
膜タンパク質は、シグナル伝達、エネルギー生産、膜融合などの生体膜を介した細胞内プロセスにおいて中心的な役割を担っている。そのため、生体膜中での膜タンパク質の構造変化、会合状態、分布などの複数の情報が、時空間的に厳密に制御された細胞内プロセスの理解に必要となる。また膜タンパク質を囲む脂質分子の状態や膜タンパク質との相互作用も重要な要素となることから、生化学的解析に加え、人工脂質二重膜の構築、数理モデリングなどの多面的な解析の連携が重要となってきた。本シンポジウムでは、最前線で活躍する研究者の多彩な実験手法による細胞形質膜、ミトコンドリアや小胞体を囲むオルガネラ膜を構成する膜タンパク質の機能や分布の制御機構、さらには細胞内プロセスとの関わりを紹介し、今後の展開・新たなアプローチとの連携に向けた活発な議論を重ねていきたい。
2S04m
日時:11月10日(木) 9:00-11:00 会場:第4会場(234)

グリケーションで繋がる医と食のニューワールド

オーガナイザー:
大畑 素子(日本大学 生物資源科学部)
稲城 玲子(東京大学大学院医学系研究科 慢性腎臓病(CDK)病態生理学)

大畑 素子(日本大学 生物資源科学部)
能見 祐理(新潟薬科大学 応用生命科学部)
Melinda Coughlan(Glycation, Nutrition & Metabolism Laboratory, Department of Diabetes, Central Clinical School, Faculty of Medicine, Nursing and Health Sciences, Monash University)
原島 愛(金沢大学大学院 医薬保健学総合研究科 血管分子生物学)
田口 顕正(久留米大学医学部 腎臓内科学)

食品科学領域における蛋白のグリケーション(糖化、メイラード反応)を軸とした研究は、従来、グリケーション由来の褐変色素や香気成分の生成をコントロールし、食品の品質や嗜好性を向上させることを大きな目的として発展を遂げてきました。近年は、そのグリケーションによる食品の機能性研究が再び注目されています。一方病態生理学の領域では、生体内で起こる病的グリケーション(生体内蛋白質・核酸の糖化修飾)に加え、グリケーション生成物を多く含む食品を長期間多量に摂取することで生じる糖化ストレスによる疾患を対象とした研究が盛んに行われてきました。近年は特に、食品のグリケーションが生体に及ぼす影響として、消化吸収後の腸管と腎臓の連関すなわち腸腎連関にフォーカスした研究が特徴的です。一見、異分野領域である食品科学と病態生理学が、グリケーションという同じキーワードで繋がっているその研究の最前線と新しい世界を共有するシンポジウムになることを期待します。さらに本シンポジウムでは、海外からもスピーカーを招聘し、まさに世界最先端のグリケーション研究について議論します。
2S05m
日時:11月10日(木) 9:00-11:00 会場:第5会場(231)

細胞分裂の制御とその破綻による発がん

オーガナイザー:
島田 緑(山口大学大学院共同獣医学研究科)
田守 洋一郎(京都大学大学院医学研究科)
柴田 淳史(群馬大学 未来先端研究機構)
竹林 慎一郎(三重大学大学院生物資源学研究科)
上原 亮太(北海道大学大学院先端生命科学研究院)
島田 緑(山口大学 大学院共同獣医学研究科)
田守 洋一郎(京都大学大学院医学研究科)
細胞分裂は生命現象の根幹を担っており、そのシステムの破綻は、がんの発生・悪性化など様々な疾患に関与することが知られている。細胞分裂時におけるゲノム安定性維持には、正確なDNA複製とエラーに対する防御機構としてのDNA修復、さらに染色体全体としての倍数性の維持機構が重要となる。発がんの真実に迫るには、これらの多彩な維持システムに対する統合的な理解が必要である。本シンポジウムでは、シングルセルゲノムコピー数の解析技術や超高解像イメージングなどの技術革新・網羅的解析を取り入れた研究者を招き、多細胞生物の恒常性維持の実態に迫り、またその分子機構の解明から新たながん治療の標的についても議論する。
2S06m
日時:11月10日(木) 9:00-11:00 会場:第6会場(232+233)

近接依存性ビオチン化酵素を用いたタンパク質間相互作用解析の新技術

オーガナイザー:
澤崎 達也(愛媛大学・プロテオサイエンスセンター)
小迫 英尊(徳島大学・先端酵素学研究所)
共催:
プロテオインタラクトーム解析共同研究拠点
澤崎 達也(愛媛大学・プロテオサイエンスセンター)
森下 了(株式会社セルフリーサイエンス)
李 優嘉(京都大学・大学院薬学研究科)
小迫 英尊(徳島大学・先端酵素学研究所)
山中 聡士(愛媛大学・プロテオサイエンスセンター)
川口 紘平(東京工業大学・科学技術創成研究院)
谷内 一郎(理化学研究所 免疫転写制御研究チーム)
生体内のタンパク質の多くは、他のタンパク質と相互作用して複合体を形成することにより機能している。特に高等生物では、複合体形成はタンパク質の機能制御機構の1つであることが明らかである。そのため目的とするタンパク質の理解を深めるためには、細胞内や個体内で相互作用するタンパク質を同定・解析することが重要である。近年、ビオチン化酵素を目的タンパク質に融合し、生体内で近接するタンパク質をビオチン化することによって同定するBioID法の技術が開発され、酵素の改良も進んできた。本シンポジウムでは、近接依存性ビオチン化酵素を基盤とした、ビオチン化ペプチドの解析法や、プロテインアレイを活用した相互作用タンパク質探索技術、細胞内や個体内での相互作用タンパク質探索・解析技術の現状、さらに細胞内での薬剤依存的な相互作用解析技術を紹介すると共に、今後のBioID技術の可能性についても議論する。
2S07m
日時:11月10日(木) 9:00-11:00 会場:第7会場(224)

脂質多様性の生物学

オーガナイザー:
有田 誠(慶應義塾大学薬学部、理化学研究所生命医科学研究センター)
田口 友彦(東北大学大学院生命科学研究科)

有田 誠(慶應義塾大学薬学部、理化学研究所生命医科学研究センター)
見市 文香(佐賀大学医学部)
廣澤 幸一朗(岐阜大学糖鎖生命コア研究所)
可野 邦行(東京大学大学院薬学系研究科)
李 賢哲(順天堂大学)

脂質は生体膜を構成し、エネルギー源としての役割に加え、シグナル分子やその前駆体として働く多彩な役割を担う生体分子である。脂質の特性は「単独の分子が生理活性を有するもの」と「分子集合体として場の制御にかかわるもの」に分けられる。このような生理機能を担う脂質分子には構造多様性が存在し、生体内でどのように認識され、利用されているのかを分子レベルで理解することが重要である。また、脂質代謝異常が多くの疾患の背景因子であり、また脂質分子の中には生理活性分子が多く含まれていることから、新たな創薬シーズの発見や、早期診断・治療などの医学応用につながる可能性がある。本シンポジウムでは、細胞レベルと個体レベルの両面から脂質多様性の生物学的意義について議論したい。
2S08m
日時:11月10日(木) 9:00-11:00 会場:第8会場(221)

免疫系による自己認識とその意義

オーガナイザー:
山崎 晶(大阪大学)
安友 康二(徳島大学)

堀 昌平(東京大学)
木村 元子(千葉大学)
浅野 謙一(東京薬科大学)
和泉 自泰(九州大学)
瀬川 勝盛(東京医科歯科大学)
Seth Masters(WEHI)

免疫系は非自己病原体を認識しこれを排除する生体システムであると考えられてきた。ところが、未知の非自己を漏れなく認識することは事実上不可能であり、無数の異物に対処する万能性を可能にする合理的説明はまだない。近年、獲得免疫受容体のみならず自然免疫センサー、また、多くの機能不明センサー様分子が、自己成分を弱く認識することが明らかとなってきた。多数のセンサー分子群が認識する自己分子との相互作用は自己をモニターする認識網と考えられ、この平衡関係に歪みを与える対象を、生体は内外の「異物」として感知していると捉えることもできる。本シンポジウムでは、本観点において先駆的な研究を推進している新進気鋭の研究者から最新の知見を発表して頂き、免疫系による自己認識とその生物学的意義を再定義する機会としたい。
2S09m
日時:11月10日(木) 9:00-11:00 会場:第9会場(222)

非ゲノム情報による染色体機能制御の最前線

オーガナイザー:
西山 敦哉(東京大学医科学研究所)
有田 恭平(横浜市立大学大学院 生命医科学研究科)
越阪部 晃永(東京大学 大学院理学系研究科/JST さきがけ)
岸 雄介(東京大学大学院薬学系研究科)
鐘巻 将人(国立遺伝学研究所)
仙石 徹(横浜市立大学医学研究科)
有田 恭平(横浜市立大学大学院 生命医科学研究科)
西山 敦哉(東京大学医科学研究所)
染色体機能制御にはゲノムの本体であるDNAとともに、DNAメチル化やヒストン修飾、高次染色体構造などの非ゲノム情報が重要な役割を果たす。ゲノムDNAが固定された情報であるのに対し、非ゲノム情報のダイナミックな変動は、分化や発生に伴う細胞機能の変化を引き起こす重要な要因となる。一方で、いったん分化した細胞では、その特性を維持するために、非ゲノム情報はゲノムDNAとともに正確に複製される必要がある。しかしながら、ゲノムDNAの複製機構が詳細に明らかにされているのとは対照的に、非ゲノム情報の制御機構については未だ不明な点が数多く残されている。本シンポジウムでは、構造生物学、遺伝学、生化学など多様なアプローチによる非ゲノム情報に関する最先端の研究を通じて、非ゲノム情報の読み取り、書き込み、消去の制御機構の理解をめざすとともに、非ゲノム情報を介した多様な細胞機能制御への寄与についても議論したい。
2S10m
日時:11月10日(木) 9:00-11:00 会場:第10会場(223)

認知症のcomplexity:その理解と治療介入へ向けて

オーガナイザー:
菊地 正隆(大阪大学)
関谷 倫子(国立長寿医療研究センター)
春日 健作(新潟大学)
道川 誠(名古屋市立大学)
井上 治久(京都大学)
関谷 倫子(国立長寿医療研究センター)
菊地 正隆(大阪大学)
アルツハイマー病をはじめとする認知症の罹患者数は増加の一途を辿っており、その根本治療は多くの患者の悲願である。しかし、初めて症例が確認されてから120年経った今もなお、アルツハイマー病の根底にあるメカニズムは十分に解明されていない。認知症の全容を解明するためにはこの病態が孕む様々な複雑性を乗り越える必要がある。本シンポジウムでは、多彩な背景病理や脳領域による病変の違いといった「病理の複雑性」を理解し精度の高い鑑別や診断を目指すバイオマーカー研究、「老化に伴う複雑性」を克服しメカニズムの解明を目指すiPS技術を駆使した研究、脳内の多様な細胞種がクロストークする「細胞種の複雑性」を理解するためのシングルセル解析研究をそれぞれ紹介する。認知症の様々な複雑性を紐解き解決するために最先端の技術でアプローチしている研究者にご講演いただき、最新の知見を紹介するとともに将来の展望について議論したい。
2S11m
日時:11月10日(木) 9:00-11:00 会場:第11会場(211)

膜輸送体研究の方法 2022

オーガナイザー:
永森 收志(東京慈恵会医科大学)
高田 龍平(東京大学医学部附属病院)

原 雄二(静岡県立大学)
中條 浩一(自治医科大学)
黒川 洵子(静岡県立大学)
Pattama Wiriyasermkul (東京慈恵会医科大学)
高田 龍平(東京大学医学部附属病院)

生命は、トランスポーター、ポンプ、チャネル(膜輸送体)が作り出す、生体膜を隔てた物質の不均衡分布により支えられている。生体内には数百種類の膜輸送体が存在しているが、未だその多くの生体機能は不明であり、機能既知とされている分子についても生理的機能の全貌は明らかになっていない。我々は生化学を基盤としつつ、様々な分野の手法を取り入れて膜輸送体研究を進めてきた。膜輸送体の構造解析が著しく進んだことで輸送の分子機序が明らかとなり、また比較的作製が容易になった遺伝子改変動物やヒトオルガノイド、網羅的なオミクス解析などを用いることで、膜輸送体の生理機能の解明も進んでいる。本シンポジウムでは、生化学に立脚する研究者のみならず、生理学、薬理学などを基盤とし、生化学も用いて膜輸送体の研究を進めてきた研究者を交え、「膜輸送体学」の更なる進展のために議論する。
2S12m
日時:11月10日(木) 9:00-11:00 会場:第12会場(212)

‘‘塩''と‘‘水''制御の新発見が切り拓く体内恒常性ダイナミズム

オーガナイザー:
名黒 功(東京大学)
北田 研人(香川大学)

名黒 功(東京大学)
北田 研人(香川大学)
Jens Titze(Duke-NUS Medical School)
峯岸 薫(横浜市立大学)
Jonathan Jantsch(Institute of Clinical Microbiology and Hygiene, University HospitalRegensburg)
檜山 武史(岡山大学)

従来、浸透圧をはじめ、生体内の塩と水のバランスの恒常性は主に腎臓により全身性に制御され、体液環境を一定に維持していると考えられてきた。しかし、近年Na-MRIなど新技術の発展もあり、各種組織のNa濃度は血液とは独立して制御されること、炎症やがんの患部局所で高Na環境が形成されることなどが見出された。さらに、この微小環境情報は、浸透圧による水の動きや、免疫細胞のリプログラミング等を介して、代謝、血圧、免疫系など多彩な生体機能に影響することが分子メカニズムを含めてわかってきた。これにより、腎臓に加えて肝臓、皮膚、神経系などの多臓器連携が体内Na制御機構の本質であるという、既存の常識を覆す新しい概念が確立されつつある。本シンポジウムでは、生体の塩と水の制御と応答について斬新な研究を展開する国内外のトップランナーを招聘し、この分野で起きているパラダイムシフトの共有と展望について議論したい。
2S13m
日時:11月10日(木) 9:00-11:00 会場:第13会場(431)

異分野融合研究の醍醐味:揺らぎ、振動、バラツキに視点をおいた生命科学研究の新たな到達点

オーガナイザー:
井倉 毅(京都大学大学院生命科学研究科附属放射線生物研究センター、クロマチン動態制御学分野)
今吉 格(京都大学 大学院生命科学研究科 脳機能発達再生制御学)
今吉 格(京都大学 大学院生命科学研究科 脳機能発達再生制御学)
若本 祐一(東京大学大学院総合文化研究科)
白木 琢磨(近畿大学生物理工学部 )
井倉 毅(京都大学大学院生命科学研究科附属放射線生物研究センター、クロマチン動態制御学分野)
最近、数理生命科学の進歩に伴い、既存の生化学的解析との融合研究の重要性が唱えられている。実験研究者は、既存の知見を基にしたモデルから、仮説を構築し、実験を行うが、時として要素還元的アプローチの中で既存のモデルに沿わない実験結果を手にすることがある。数理的解析を含めた異分野との交流の中にその乖離を解決するヒントを探り、既存のモデルを更新し、真実に迫ることが、融合研究の醍醐味ではなかろうか。現在、生物学は遺伝子発現や分子の揺らぎ、振動、バラツキなど、分子機械論的には説明できない問題に直面している。本シンポジウムでは、環境応答や幹細胞制御など多彩な分野の研究者が、これら動的生命現象の時空間制御の意義を、数理統計学との融合あるいはイメージングや光制御などのデバイス開発などの新技術を駆使し、既存のモデルを更新していく様を提示しながら、生命科学における異分野融合研究の将来展望について議論したい。
2S14m
日時:11月10日(木) 9:00-11:00 会場:第14会場(432)

若手研究者が切り拓く生化学の学際的フロンティア

オーガナイザー:
宮下 惇嗣(帝京大学医真菌研究センター)
石井 雅樹(武蔵野大学)
宮下 惇嗣(帝京大学)
林 陽平(東北大学)
稲垣 善則(東京大学)
大畑 慎也(武蔵野大学)
松本 靖彦(明治薬科大学)
宮崎 真也(長崎大学)
生命科学は、自己と非自己、内部と外部、正常と異常、のような対立概念を分子レベルで統一的に理解することによって、この一世紀ほどの間にめざましい進歩を遂げてきた。こうした概念を分子レベルで理解するための強力なアプローチの一つが生化学である。生化学的な知見に支えられた生命に関する分子レベルでの理解はこれまでに、生命に関するより普遍的な原理の解明、疾患に対する新しいアプローチ、あるいは新たな仮説の創出といった様々な成果をもたらしつつ発展を遂げてきた。例えば、発生と分化における細胞・組織アイデンティティの形成、外来異物やがんを排除する免疫システムによる自己非自己の識別、といった基本的な生命現象についての分子レベルでの理解がそのよい例である。本シンポジウムでは、基礎から臨床にわたる様々な研究の現場で活躍する若手・中堅研究者を招聘し、発生、分化、感染、免疫、がん、といった広い研究領域において生化学が切り拓く新たなフロンティアを見据え、活発な議論を期待する
2S15m
日時:11月10日(木) 9:00-11:00 会場:第15会場(131+132)

超硫黄生物学が切り拓く生命原理変革

オーガナイザー:
西田 基宏(九州大学 大学院薬学研究院 生理学分野)
本橋 ほづみ(東北大学 加齢医学研究所 遺伝子発現制御分野)
本橋 ほづみ(東北大学 加齢医学研究所 遺伝子発現制御分野)
西田 基宏(九州大学 大学院薬学研究院 生理学分野)
澤 智裕(熊本大学大学院生命科学研究部微生物学講座)
吉沢 道人(東京工業大学 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所)
和田 啓(宮崎大学医学部 蛋白質機能学分野)
花岡 健二郎(慶應義塾大学 大学院薬学研究科)
硫黄が直鎖状に連結した超硫黄(スーパースルフィド)が、普遍的な生命素子として生体内で豊富に産生され、エネルギー代謝やタンパク質品質管理、シグナル伝達などを支える生体内の重要な電子移動媒体として働くことが明らかにされてきた。超硫黄分子は、酸素や活性酸素を感知し、その生物活性を担うとともに、核酸・タンパク質など主要な生体分子の生理機能創発の要となり、幅広い生命現象を支えていると考えられる。本シンポジウムでは、超硫黄分子と多彩な関連分子・生体システムの機能的相互作用を解明するために必要な、最先端の硫黄定量オミックスや硫黄イメージング技術、ケミカルモジュレーターの開発成果を紹介し、超硫黄代謝フラックスの世界標準に関するコンソーシアムの構築に向けた集学的なアプローチを議論する。さらに、これら超硫黄計測基盤技術を活用した革新的な生物学を創成し、細菌から、植物、ヒトに至る全生物が営む生理機能と病態の生命概念を刷新する。
2S16m
日時:11月10日(木) 9:00-11:00 会場:第16会場(133+134)

百聞は一見にしかず Seeing is believing-そして酵素を見つめ直す2022- 構造と機能の多様性とその先

オーガナイザー:
藤間 祥子(奈良先端科学技術大学院大学)
中村 照也(熊本大学)
古川 亜矢子(横浜市立大学 生命医科学研究科)
竹中 瑞樹(京都大学理学研究科)
吉田 昭介(奈良先端科学技術大学院大学)
佐藤 匡史(株式会社アグロデザイン・スタジオ)
松浦 滉明(理化学研究所 放射光科学研究センター)
中村 照也(熊本大学)
“酵素”研究は、200年にわたる生化学研究と歩みを共にし、未だ尽きることのない酵素の世界の面白さ・奥深さを追究することで発展・進化してきた。構造生物学分野は、AlphaFold2による高精度構造予測に代表されるすさまじい技術革新を迎え、今まさに大きな転換期にある。今年の生化学の祭典では、今後の構造生物学に求められる「立体構造を起点に広がる機能解析とその先」という視点から酵素を見つめ直す機会を作りたい。本シンポジウムの演者は、構造生物学者に限定せず、様々なアプローチで酵素の構造・機能解明に迫るアカデミアの基礎研究者から酵素阻害薬のデザインという社会実装を担う産業界の研究者まで、ジェンダーレスな若手研究者で構成する。本シンポジウムでは、アカデミアだけでなく産業界の立場からも今後の発展的な酵素研究とその可能性を議論する。
2S01e
日時:11月10日(木) 16:40-18:40 会場:第1会場(レセプション)

コレステロール代謝と疾患制御の新たな展開

オーガナイザー:
宇留野 武人(九州大学 生体防御医学研究所)
大石 由美子(日本医科大学 大学院医学研究科)

佐藤 隆一郎(東京大学大学院 農学生命科学研究科)
Esperanza Perucha(Centre for Inflammation Biology and Cancer Immunology;Centre for Rheumatic Diseases, King’s College London)
高橋 勇人(慶應義塾大学医学部)
大石 由美子(日本医科大学 大学院医学研究科)
小黒 秀行(University of Connecticut Health Center)
國村 和史(九州大学 生体防御医学研究所)
宇留野 武人(九州大学 生体防御医学研究所)

コレステロールは、細胞膜の主要構成成分の一つであると共に、各種ステロイドホルモン生合成の起点となり、生命活動の維持に不可欠の役割を果たす。社会の長寿高齢化が進む中で、コレステロールと生活習慣病や慢性疾患の関係に大きな関心が寄せられているが、依然として不明な点が多く残されている。最近、その代謝過程で生じる様々なコレステロール代謝産物が、免疫応答やがん、炎症制御において重要な役割を担うことが次々と明らかにされ、トランスレーショナル・リサーチの観点からも大きな注目を集めている。そこで、本シンポジウムでは、これら最新の知見を紹介し、コレステロール代謝と生体機能・疾患制御の関係性を新たな視点から俯瞰することで、コレステロール・バイオロジーの更なる進化と発展を促す機会としたい。
2S02e
日時:11月10日(木) 16:40-18:40 会場:第2会場(141+142)

DOHaD学説の生化学的基盤研究

オーガナイザー:
有馬 勇一郎(熊本大学 国際先端医学研究機構)
根本 崇宏(日本医科大学生理学(生体統御学))
東海林 宏道(順天堂大学)
根本 崇宏(日本医科大学)
石山 詩織(山梨大学)
三原田 賢一(熊本大学国際先端医学研究機構)
木村 航(理化学研究所 生命機能科学研究センター)
有馬 勇一郎(熊本大学国際先端医学研究機構)
日本において平均出生体重の低下と低出生体重児出生率の増加、最終身長の低下が報告されている。胎児期に加わる環境の変化やストレスは、成長後の疾患発症リスク形成因子となることが、Developmental Origins of Health and Disease (DOHaD) 学説として知られ、基盤となる概念に倹約型体質仮説がある。この概念は、胎生期に栄養環境不良に陥ると、胎児は生命維持に重要な臓器を守るために自身の代謝・内分泌系を変化させ、そのtrade-offとして小さな体格となるものである。この環境適応は出生後の栄養環境が不良であれば生存に有利に働くが、成長後に過剰な栄養に曝されると体質と環境のミスマッチが疾患発症のリスク因子になるとされる。しかしながら、倹約型体質仮説の根幹を成す機序の詳細は不明である。そこで本シンポジウムでは、個体発生や母子関係、そして胎生期低栄養によるモデル動物に注目して検討を進める新進気鋭の研究者から最新の知見を聞き、倹約型体質獲得に至る生理的・病的機序に迫る。
2S03e
日時:11月10日(木) 16:40-18:40 会場:第3会場(国際会議場)

翻訳に連携したタンパク質の運命制御機構とその意義

オーガナイザー:
西頭 英起(宮崎大学医学部)
宇田川 剛(東北大学大学院薬学研究科)
長野 清一(大阪大学大学院医学系研究科)
七野 悠一(理化学研究所開拓研究本部)
塩田 倫史(熊本大学発生医学研究所)
坪井 達久(清華大学深セン国際研究生院)
宇田川 剛(東北大学大学院薬学研究科)
門脇 寿枝(宮崎大学医学部)
mRNA翻訳は、単にDNAに書き込まれた遺伝情報をもとに細胞質でタンパク質を合成するだけの画一的なプロセスではなく、タンパク質の輸送・フォールディング、RNAや新生タンパク質の品質管理、プロテオスタシスの維持にも密接に関わる多面的なプロセスである。小胞体、ミトコンドリア等のオルガネラ表面や、軸索、樹状突起における局所翻訳や、ゲノム中に見られるリピート配列の異常翻訳は、タンパク質や細胞の運命制御に重大な影響を及ぼす。また、その制御の破綻は神経変性疾患、がん、老化などの様々な病態の原因となる。本シンポジウムでは、このような翻訳を起点とした様々な生体機能制御機構について、分子メカニズムから個体レベルの表現系、疾患の分子機構の解明と、それらを基盤とした治療法の開発に取り組む研究者が集い、最新の研究成果を紹介する。
2S04e
日時:11月10日(木) 16:40-18:40 会場:第4会場(234)

ユビキチンワールドを制御する脱ユビキチン化酵素の疾患、創薬における重要性

オーガナイザー:
徳永 文稔(大阪公立大学)
沖米田 司(関西学院大学)
及川 大輔(大阪公立大学)
浅野 孝基(広島大学)
福嶋 俊明(東京工業大学)
高橋 宏隆(愛媛大学)
沖米田 司(関西学院大学)
ユビキチン修飾は、プロテアソーム分解、シグナル伝達、細胞内輸送、DNA修復など多彩な細胞機能を制御する翻訳後修飾で、機能的多様性や構造的複雑性からユビキチンコード(暗号)と呼ばれる。脱ユビキチン化酵素(DUB)はユビキチンコードの消去・編集を担う制御因子で、ヒトでは約100種存在する。DUBの遺伝子変異や機能不全は疾患と連関することから、創薬標的としても重要であり、個々のDUBに特異的な化合物探索が進められている。さらに最近、DUBと標的タンパク質を連結するキメラ化合物によって、標的基質の分解抑制を導くという新たな手法(DUBTAC)も提案された。本シンポジウムでは、疾患に連関するDUBに焦点を絞って、国内の若手研究者からDUBの細胞・生理機能、病態発現機構、治療・創薬に向けた知見を紹介し、極めて重要な創薬標的となるDUB研究の将来展望を議論したい。
2S05e
日時:11月10日(木) 16:40-18:40 会場:第5会場(231)

TBA

オーガナイザー:
西村 栄美(東京大学)
2S06e
日時:11月10日(木) 16:40-18:40 会場:第6会場(232+233)

さきがけ「生体における微粒子の機能と制御」第5回成果報告会~体内外微粒子の挙動から見えてくる世界~

オーガナイザー:
中野 明彦(理化学研究所・光量子工学研究センター)
今見 考志(京都大学・大学院薬学研究科)
共催:
JSTさきがけ「生体における微粒子の機能と制御」
中野 明彦(理化学研究所)
今見 考志(京都大学)
木村 俊介(慶應義塾大学)
佐藤 雄介(東北大学)
佐藤 好隆(名古屋大学)
末吉 健志(大阪府立大学)
田代 陽介(静岡大学)
近年、PM2.5やカーボンナノチューブなど環境中の微粒子(外因性微粒子)の生体内への影響や、エクソソームなど生体内で形成された微粒子(内因性微粒子)の機能が注目されています。2017年10月に発足したJSTさきがけ「生体における微粒子の機能と制御」研究領域では、微粒子の体内動態や機能の解明、さらにはそれらの制御に関する研究開発の推進によって、微粒子により惹起される生命現象の本質的な課題に取り組んでいます。今回、第5回成果報告会として、2019年度採択のさきがけ研究者の中から5名の研究者が、様々な体内外の微粒子を選別・同定して解析する技術とそれらが生体に及ぼす影響とその意義について研究成果を分かり易く紹介します。さきがけ「微粒子」の研究成果を幅広い見地から評価、ご助言いただきますとともに、成果の活用・展開への機会といたしたく、JST共催として開催を希望いたします。
2S07e
日時:11月10日(木) 16:40-18:40 会場:第7会場(224)

膜脂質代謝の操作による細胞機能の改変

オーガナイザー:
邊見 久(名古屋大学大学院生命農学研究科)
栗原 達夫(京都大学化学研究所)

邊見 久(名古屋大学大学院生命農学研究科)
Arnold J. M. Driessen(Groningen Biomolecular Sciences and Biotechnology Institute and Zernike Institute for Advanced Materials, University of Groningen)
長尾 耕治郎(京都大学大学院工学研究科)
小川 拓哉(京都大学化学研究所)

脂質代謝に関する知見の蓄積により、その人為的な制御によって生物の細胞膜の脂質組成、ひいては膜の物性までも改変することが可能になりつつある。例えば異なる生物に由来する特殊な膜脂質を人為的に生産させることで、もしくは内在の膜脂質の組成を撹乱することで引き起こされる細胞膜の変化は、細胞の生理機能にも影響する。合成生物学や代謝工学はこれまで、最重要課題の一つである、より優れた機能を持つ細胞の構築に向けて、主として細胞の内部に存在する酵素や代謝経路の改変に取り組んできた。しかし、細胞成分を外界から隔てる生体膜の人為的な改造もまた、そのような課題の達成に資するものである。本シンポジウムでは、脂質代謝研究の成果として、細菌やショウジョウバエの生体膜の脂質組成を改変、もしくは制御することを可能にし、その結果として細胞に起きる生理的な影響を明らかにした最新のいくつかの研究例を報告する。
2S08e
日時:11月10日(木) 16:40-18:40 会場:第8会場(221)

免疫調節機構の解明に基づく新たな免疫療法の展開

オーガナイザー:
西川 博嘉(名古屋大学大学院医学系研究科 微生物・免疫学講座 分子細胞免疫学)
竹内 理(京都大学大学院医学系研究科 医科学分野)
岡崎 拓(東京大学定量生命科学研究所 分子免疫学研究分野)
吉村 昭彦(慶應義塾大学医学部微生物学免疫学教室)
竹内 理(京都大学大学院医学系研究科 医科学分野)
西川 博嘉(名古屋大学大学院医学系研究科 微生物・免疫学講座 分子細胞免疫学)
マイケル バシック(Stanford University)
ジェームス リーディング(UCL Cancer Institute )
がん免疫療法などの臨床応用により、免疫調節機構についての研究が大きく展開し、新たな治療方法が臨床応用されている。これらの基礎研究の成果に基づいた治療方法開発を再度基礎研究の視点で紐解く。
2S09e
日時:11月10日(木) 16:40-18:40 会場:第9会場(222)

非二重らせん核酸の多元機能

オーガナイザー:
今西 未来(京都大学化学研究所)
建石 寿枝(甲南大学先端生命工学研究所(FIBER))
共催:
学術変革領域研究(B)「核酸構造による生物種を超えた多元応答ゲノムの機構の解明」
建石 寿枝(甲南大学先端生命工学研究所(FIBER))
長門石 曉 (東京大学医科学研究所)
遠藤 玉樹(甲南大学先端生命工学研究所(FIBER))
大吉 崇文(静岡大学創造科学技術大学院)
今西 未来(京都大学化学研究所)
矢吹 悌(熊本大学発生医学研究所)
近年、細胞内でDNAやRNAが形成する二重らせん構造以外の様々な構造(非二重らせん核酸)が、遺伝子の発現制御に重要な役割を果たすことが明らかにされつつある。しかし、周囲の環境の影響を受けてダイナミックに変動する非二重らせん核酸が持つ多様な生理機能には、未だ不明な点が多い。本シンポジウムでは、四重らせん構造をはじめとする非二重らせん核酸の生理的意義を独自の切り口で探究している若手研究者により、構造安定性や環境応答性、タンパク質との相互作用などの生化学的な知見に基づき、病態との関連などを含む非二重らせん核酸の生理機能に迫る幅広い話題提供を行う予定である。聴衆とのディスカッションを通して、「核酸構造の多元機能」をキーワードに異分野融合研究の誘発を狙う。
2S10e
日時:11月10日(木) 16:40-18:40 会場:第10会場(223)

基礎研究成果を社会実装へ ~ベンチャー起業家となる選択肢~

オーガナイザー:
榎本 篤(名古屋大学大学院医学系研究科 腫瘍病理学)
浦野 健(島根大学医学部 病態生化学)
樺山 博之(STAND Therapeutics株式会社)
湯本 法弘(株式会社Jiksak Bioengineering)
牧田 直大(株式会社マイオリッジ)
浦野 健(株式会社mAbProtein)
研究費を獲得するために、名目だけでも何かに役に立つふりをしないといけない。研究者にそのような意識が蔓延し基礎研究が危機に立たされている。 ― 現在、多くの研究者が指摘している我が国の問題です。一方、研究成果の社会実装に向けた努力は医学の進歩や社会問題の解決に結びつく重要なプロセスで、欧米では若手研究者の起業によるベンチャーがそのドライビングフォースになっていることは周知の通りです。若手研究者が研究費申請書上の「ふり」でなく本気で役に立つことを目指すことは基礎研究の危機とはまったく関係が無く、むしろ我が国の今後の生命科学の発展に必須であると考えます。本シンポジウムではそのような社会実装を真剣に目指し、学生あるいは研究者から起業家に転身された先生方のご講演を頂きます。創薬等を目指すことの楽しさとご苦労話、あるいは起業を目指す学生あるいは若手研究者のためのアドバイスを頂ける場にできればと願っています。
2S11e
日時:11月10日(木) 16:40-18:40 会場:第11会場(211)

プレイオトロピックな核膜の生物学

オーガナイザー:
ウォング リチャード(金沢大学 ナノ生命科学研究所)
志見 剛(東京工業大学 科学技術創成研究院)
メダリア オハド(チューリッヒ大学)
ゴールドマン ロバート(ノースウエスタン大学 医学部)
安原 徳子(日本大学 文理学部 生命科学科)
志見 剛(東京工業大学 科学技術創成研究院)
ウォング リチャード(金沢大学 ナノ生命科学研究所)
羽澤 勝治(金沢大学 新学術創成研究機構)
今本 尚子(理化学研究所 開拓研究本部)
原口 徳子(大阪大学大学院 生命機能研究科)
本シンポジウムは、生化学、細胞生物学、クライオ電子顕微鏡トモグラフィー、ナノイメージングなど、異なる分野の研究者が核膜(NE)の基礎と応用について話し合う学際的な場となることを目的とする。 NEは、細胞周期を通してダイナミックに変化する真核細胞の特徴的な構造である。哺乳類の細胞核では、核ラミナ(NL)がNEの内膜を裏打ちする一方で、核膜孔複合体(NPC)がNEを貫通する。NLとNPCは、核膜の崩壊とともに完全に解体され、有糸分裂が終わる前に再構築される。 NLの主要な構造決定因子である核ラミンは、核構造の維持や機械的ストレスによって引き起こされる破損からNEを保護することに関与している。ラミン遺伝子で見つかった数多くの変異によってラミノパチーと総称される様々な遺伝病を原因する。 NPCの構造、動態、機能は、細胞の種類や状態によって極めて多様性に富んでおり、核-細胞質間における高分子の輸送だけでなく、様々な生命現象を支えていることが明らかになってきた。特に、様々なウイルス感染におけるNPCのダイナミクスと機能、発がん、オートファジー、NPCタンパク質(FG-NUPs)による相分離は、この分野のホットトピックである。 本シンポジウムでは、クライオ電子顕微鏡トモグラフィー、ナノイメージング装置(HS-AFM、STEDなど)を用いて、NLとNPCに関連するタンパク質の動的構造とその機能との関連、NEおよびNPC破損のメカニズムの解明を目的とした実験と理論の結びつきを促進することに焦点を当てる。
2S12e
日時:11月10日(木) 16:40-18:40 会場:第12会場(212)

メソスケールのイメージング手法として、軟X線顕微鏡(SXTM)

オーガナイザー:
シャバス レオナルド(名古屋大学シンクロトロン光研究センター)
梅名 泰史(名古屋大学シンクロトロン光研究センター)

Eva Pereiro(ALBA シンクロトロン)
Frederic Jamme(SOLEIL シンクロトロン)
Beatriz Guimaraes(Instituto Carlos Chagas)
寺本 高啓 (大阪大学放射線科学基盤機構)

生命活動における蛋白質の役割を理解するには、様々なイメージング手法の統合が効果的である。近年、結晶構造解析とクライオ電子顕微鏡を組み合わせ、蛋白質の原子レベルから複合体としての単粒子レベルの構造情報を統合した構造生物学研究が脚光を浴びている。一方で、細胞内における細胞小器官や超分子構造体を対象とする、より高次なメソスケールのイメージング手法として、分解能が25-40nmの低温軟X線顕微鏡トモグラフィー(クライオSXTM)が諸外国で注目され始めている。クライオSXTMを他のイメージング手法の構造情報と組み合わせることで、細胞内の構造と機能をより深く理解できると期待されている。 本講演では、生体高分子の構造と機能に基づく生化学的な研究に、より広い視野を提供できるクライオSXTM技術の最前線を紹介する。本講演が聴講者の新しい研究への閃きになることを期待する。
2S13e
日時:11月10日(木) 16:40-18:40 会場:第13会場(431)

時間生物学ー同調因子の多様性の生化学

オーガナイザー:
石田 直理雄(国際科学振興財団 時間生物学研究所)
岡野 俊行(早稲田大学 先進理工学部)
岡野 俊行(早稲田大学 先進理工学部)
川崎 陽久(国際科学振興財団 時間生物学研究所)
井上 栄二(救心製薬株式会社)
太田 英伸(秋田大学大学院医学研究科)
阿部 泰子(東京大学 / 東京都医学総合研究所)
時間生物学は体の中の周期性と環境の周期性の相互作用を研究する学問である。この領域は時計遺伝子とそのタンパク質の発見により急速に発展し、我々の健康を維持するためのあらゆる分野に影響を与えている。周期は24時間の地球自転ばかりか季節変動(公転)にも関わる。また一番身近な衛星である月の周期に影響を受ける多くの生物現象も知られているがその分子機構は謎が多い。また時計遺伝子発現は光、温度、磁場、電場の地球環境変化や食事のような身近な環境にも強く影響される。これらの環境変動と時計遺伝子の相互作用の結果として生物の地球環境への適応は成立してきた。今回、様々な生物を用いて環境と生物の同調機構を研究している研究者にお集まりいただきフロアーとの議論を深めたい。
2S14e
日時:11月10日(木) 16:40-18:40 会場:第14会場(432)

クロマチンの動的構造変換とエピジェネティック制御

オーガナイザー:
中山 潤一(基礎生物学研究所)
胡桃坂 仁志(東京大学 定量生命科学研究所)

胡桃坂 仁志(東京大学 定量生命科学研究所)
石黒 啓一郎(熊本大学 発生医学研究所)
立花 誠(大阪大学大学院生命機能研究科)
大川 恭行(九州大学生体防御医学研究所)
Jinrong Min(トロント大学)

私たちの遺伝情報であるDNAは、細胞核の中で裸のまま存在するのではなく、クロマチンと呼ばれるタンパク質との複合体として存在している。DNAに書かれた遺伝子の発現を制御するためには、このクロマチン構造をダイナミックに変換させる必要があり、それゆえクロマチンの構造変化はエピジェネティクスの中心的分子基盤となっている。近年までの研究によって、ヒストンの修飾とその結合因子が同定され、広範なエピゲノム情報が得られている。また高解像イメージングや三次元相互作用データの蓄積から、核内ドメイン構造が明らかにされつつある。しかし、クロマチンのダイナミクスがどのように制御され、それがどのように高次生命現象を制御しているのかについては、未だ不明な点が多く残されている。本シンポジウムでは、クロマチンの分子構造に関する最新の研究成果を統合し、クロマチンの動的構造変換とエピジェネティック制御の理解を目指す。
2S15e
日時:11月10日(木) 16:40-18:40 会場:第15会場(131+132)

革新的硫黄研究が明らかにする細胞内情報伝達の多様性

オーガナイザー:
潮田 亮(京都産業大学生命科学部)
斎藤 芳郎(東北大学大学院薬学研究科)
共催:
学術変革A 硫黄生物学
斎藤 芳郎(東北大学大学院薬学研究科)
三木 裕明(大阪大学微生物病研究所)
魏 范研(東北大学加齢医学研究所)
松永 哲郎(東北大学大学院医学系研究科環境医学分野)
石丸 泰寛(東北大学大学院工学研究科)
清水 隆之(東京大学大学院総合文化研究科)
硫黄は、酸素やセレンと共に周期表の第16族に属する元素である。多くの生命が電子受容体として活用する酸素と比べ、硫黄はさらに第一イオン化エネルギーが小さく、電子親和性が高い。これは硫黄原子がさらに電子の授受に優れることを意味し、様々な生体反応を進めるための電子媒体として重要な役割を果たしている。最近の研究では、硫黄原子のカテネーションによって、さらに反応性の高い超硫黄が生命現象の反応基盤を支えていることが分かり、硫黄研究から生命原理の変革を起こすことが期待されている。最先端の検出技術により多彩な硫黄修飾と反応中間体の検出が可能となり、これまでには予想できなかった細胞内情報伝達が明らかになった。当シンポジウムでは、硫黄研究に加え、さらに反応性の高いセレンにも注目し、これまでの常識を刷新する細胞内情報伝達のメカニズムを紹介したい。
2S16e
日時:11月10日(木) 16:40-18:40 会場:第16会場(133+134)

転写促進と抑制 ― 表と裏から理解する遺伝子発現制御

オーガナイザー:
酒井 寿郎(東北大学大学院医学系研究科 / 東京大学先端科学技術研究センター)
眞貝 洋一(理化学研究所)
福田 渓(理化学研究所眞貝細胞記憶研究室)
藤 泰子(東京大学大学院理学系研究科)
前田 亮(大阪大学大学院 生命機能研究科)
久保 直樹(九州大学生体防御医学研究所)
井上 梓(理化学研究所 生命医科学研究センター)
松村 欣宏(東京大学先端科学技術研究センター / 東北大学大学院医学系研究科 )
細胞は外からの刺激を受け取り、遺伝子機能の要・不要を巧みに選択し、転写を介して、固有の機能を発揮する。DNA メチル化やヒストン化学修飾などのエピゲノムは転写促進あるいは抑制に働き、高次クロマチン構造と連携して遺伝子発現を制御する。転写促進と抑制は表裏一体である。例えば、ヒストンメチル化酵素と脱メチル化酵素、あるいは転写コアクチベーターとコリプレッサーの機能的不均衡は、分化にともなう転写活性化や不活性化を柔軟に可能にする。このような関係性を知ることは生命現象の根幹である遺伝子発現制御の深い理解につながる。本シンポジウムでは、エピゲノム、高次クロマチン構造のダイナミック変化を介した遺伝子発現制御について、最新の話題を取り上げて議論したい。
3S01m
日時:11月11日(金) 9:00-11:00 会場:第1会場(レセプション)

「しなやかな」生体高分子の新時代

オーガナイザー:
泊 幸秀(東京大学)
岩崎 信太郎(理化学研究所)

中川 真一(北海道大学)
Alex Holehouse(Washington University School of Medicine)
Liam Holt(New York University Langone Health)
Stephanie Moon(University of Michigan Medical School)
池内 与志穂(東京大学)

近年、long non-coding RNAや天然変性タンパク質など、特定の構造を取りにくいと予測される生体分子が、細胞内のクラウディングや非膜性構造体の形成、転写・翻訳を担う超分子複合体の機能調節など様々な局面で重要な役割を果たしていることが次々と明らかになってきている。このような機能は、古典的な「鍵と鍵穴」のような特異性の高い分子間相互作用ではなく、特異性の低い柔軟な分子間相互作用によって担われていると考えられているが、その実態を一次配列から予測することは難しい。本シンポジウムでは、このような柔軟性の高い「しなやかな」生体高分子の役割を調べるための多角的なアプローチを紹介し、一次配列への依存性を高めずに機能を獲得するという生物の新たな分子機能獲得戦略について議論したい。

3S02m
日時:11月11日(金) 9:00-11:00 会場:第2会場(141+142)

「代謝で免疫を制御する」:疾患をコントロールする免疫-代謝ネットワークの新知見

オーガナイザー:
遠藤 裕介(かずさDNA研究所)
山下 政克(愛媛大学大学院医学系研究科)
石原 直忠(大阪大学大学院 理学研究科)
菅波 孝祥(名古屋大学環境医学研究所)
柚木 克之(理化学研究所 生命科学研究センター)
山下 政克(愛媛大学大学院医学系研究科)
遠藤 裕介(かずさDNA研究所)
近年、代謝システムと免疫システムとの有機的なクロストークを正確に理解することで、代謝疾患や免疫疾患の予防・治療を目指す「イムノメタボリズム」研究が注目されている。イムノメタボリズムの研究対象は、特定の代謝経路・代謝物による免疫細胞の分化/機能制御を解明する基礎研究から、肥満や糖尿病に代表されるメタボリックシンドロームなどの疾患治療を目指した応用研究まで多岐にわたる。従来は、代謝酵素の遺伝子欠損/変異動物を用いたフェノタイプベースの解析が研究の大半を占めていたが、代謝動態高感度分析技術の発展により、免疫細胞機能は、解糖系代謝、ミトコンドリア代謝および脂質代謝を介した細胞・分子レベルでの緻密な制御機構の解析が活発化している。本シンポジウムではイムノメタボリズム領域の先駆的研究を進めている5名の演者を招き、感染・慢性炎症・アレルギーなどの病態における免疫細胞内および細胞環境の複雑な代謝作用について、最新の話題を提供する。また、代謝と免疫の本質的な接点を理解し、「代謝で免疫を制御する」ことを目指した研究に関する将来展望について広く深く議論したい。
3S03m
日時:11月11日(金) 9:00-11:00 会場:第3会場(国際会議場)

ユビキチン・プロテアソーム研究のニューフロンティア

オーガナイザー:
佐伯 泰(東京都医学総合研究所)
村田 茂穂(東京大学)
共催:
新学術領域研究「ケモテクノロジーが拓くユビキチンニューフロンティア」
佐伯 泰(東京都医学総合研究所)
村田 茂穂(東京大学)
稲田 利文(東京大学)
川原 裕之(東京都立大学)
大竹 史明(星薬科大学)
林 剛介(名古屋大学)
出水 庸介(国立医薬品食品衛生研究所)
ユビキチン・プロテアソーム系はほぼ全ての細胞機能を調節する生体に必須のタンパク質分解経路である。近年、PROTACに代表されるユビキチン創薬の爆発的な進展により、ケミカルバイオロジーと連携したユビキチン・プロテアソーム研究が世界的に拡大している。本シンポジウムでは、翻訳調節や相分離などの新しいユビキチンバイオロジー研究、最先端ストラテジーによる標的タンパク質分解誘導剤やユビキチン化学プローブ開発、さらにそれらを活用した次世代型ユビキチン・プロテアソーム研究に取り組む第一線の研究者が集結し、最新の知見を紹介する。
3S04m
日時:11月11日(金) 9:00-11:00 会場:第4会場(234)

ヒューマングライコームが展開する疾患生物学

オーガナイザー:
佐藤 ちひろ(名古屋大学 糖鎖生命コア研究所)
三善 英知(大阪大学大学院 医学系研究科)
井ノ口 仁一 (東北医科薬科大学)
森脇 健太 (東邦大学医学部)
北爪 しのぶ(福島県立医科大学・保健科学部)
佐藤 ちひろ(名古屋大学 糖鎖生命コア研究所)
古川 潤一(北海道大学 先端的糖鎖臨床生物学分野)
久野 敦(産業技術総合研究所 細胞分子工学研究部門)
ゲノム解析、トランスクリプトーム解析およびプロテオーム解析技術の長足の進歩と情報科学的手法の参入によって、生命科学の研究手法が一変し、ドライ研究がウェット研究に先行して問題の抽出からその解決法までの効率的な流れを生み出すことが可能になった。病態とDNA,RNA、タンパク質情報との相関解析は、疾患の遺伝的要因および環境要因の抽出を容易にしている。このように生体分子の全構造情報の把握は、疾患生物学の手法に革新をもたらしたと言える。一方、DNA,RNA、タンパク質情報に比べて、グライコーム(糖鎖)情報の把握は、糖鎖構造の複雑さと不均一性が大きな壁となって遅れており、生命科学全体の喫緊の課題である。現在、疾患や老化に着目しつつヒューマングライコーム解析の動きが活発化している。本シンポジウムではヒューマングライコームに着目することによって疾患生物学に新機軸をもたらしつつある研究を紹介して、その重要性を議論する。
3S05m
日時:11月11日(金) 9:00-11:00 会場:第5会場(231)

プロテインホスファターゼが拓く生命現象の理解と創薬開発の最前線

オーガナイザー:
中馬 吉郎(新潟大学 理学部 化学プログラム)
大西 浩史(群馬大学大学院保健学研究科)
大浜 剛(山口大学 共同獣医学部)
坂口 和靖(北海道大学大学院理学研究院化学部門)
後藤 佑樹(東京大学大学院理学系研究科化学専攻)
小谷 武徳(神戸大学大学院医学研究科 シグナル統合学分野)
廣瀬 豊(富山大学 学術研究部 薬学・和漢系)
竹生田 淳(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科 生命薬科学専攻 細胞制御学分野)
中馬 吉郎(新潟大学 理学部 化学プログラム)
生命現象の様々な局面において重要な役割を担っているタンパク質リン酸化は、プロテインキナーゼとプロテインホスファターゼにより厳密に制御されており、その制御破綻は様々な疾患を引き起こすことが知られている。近年、タンパク質の脱リン酸化を担うプロテインホスファターゼの制御破綻が、がんを含む様々な疾患引き起こすことが相次いで報告されており、その疾患メカニズムの解明や有望な創薬ターゲットとして改めて注目されている。本シンポジウムでは、この分野の将来の中枢を担うと期待される若手・中堅の研究者を中心に、理学・医学・薬学など分野横断型の研究者が集い、最近の研究技術の進化から明らかになったホスファターゼの新たな機能や創薬開発における新規手法の話題提供を行うとともに、ディスカッションを通して関連分野の研究の深化と生化学における新たな研究展開の誘発を目指す。
3S06m
日時:11月11日(金) 9:00-11:00 会場:第6会場(232+233)

高速・高感度化オミクス技術の開発とそれが導く次世代研究

オーガナイザー:
曽我 朋義(慶應義塾大学先端生命科学研究所)
石濱 泰(京都大学大学院薬学研究科)
鈴木 穰(東京大学大学院新領域創成科学研究科)
増田 豪(熊本大学大学院生命科学研究部)
石濱 泰(京都大学大学院薬学研究科)
川井 隆之(九州大学大学院理学研究院)
曽我 朋義(慶應義塾大学先端生命科学研究所)
オミクス解析は、生命分子間のネットワークを明らかにして生命システムとしての理解をも可能にするため、生化学を含むほとんどすべての生命科学の研究において必須の技術となっている。しかし、オミクス解析は、1細胞などの微量な試料での解析が困難なことや1サンプルの測定にかなりの時間を必要とするため、さらなる感度やスループットの改善が望まれていた。近年の分離分析手法、シーケンサー、質量分析計などの技術革新よって、1細胞でのトランスクリプトミクス、プロテオミクス,メタボロミクス解析や1分でのプロテオミクスやメタボロミクス解析の実現に目処がついてきた。本シンポジウムでは、最先端オミクスの技術開発に挑戦している研究者をお招きして、最新のオミクス解析技術およびそれを用いた次世代研究例を紹介して頂く。
3S07m
日時:11月11日(金) 9:00-11:00 会場:第7会場(224)

心血管代謝学2.0

オーガナイザー:
坂上 倫久(愛媛大学)
大坂 瑞子(東京医科歯科大学)
西川 真子(東京大学)
大坂 瑞子(東京医科歯科大学)
本蔵 直樹(浜松医科大学)
楠本 大(慶應義塾大学)
坂上 倫久(愛媛大学)
従来の心血管代謝学においては、生命体の時間軸を止め、それを分子レベルにまで単離・解析することで病態メカニズムの理解を深めてきた。近年、網羅的遺伝子発現解析技術やライブイメージング技術の開発、さらにはその膨大なデータ解析を可能とする情報解析技術の躍進により、時間軸および位置座標軸に沿った生命現象の理解が可能となった。本シンポジウムでは、これらの革新的技術の発展によって生み出された最新の研究成果をもとに、生化学とデータ駆動型の循環器学を組み合わせた新しい心血管代謝学2.0について議論を深めたい。
3S08m
日時:11月11日(金) 9:00-11:00 会場:第8会場(221)

生体膜を舞台にした分子夾雑挙動応答と可視化

オーガナイザー:
中瀬 生彦(大阪公立大学 大学院理学研究科)
田村 朋則(京都大学 大学院工学研究科)
稲葉 謙次(東北大学 多元物質科学研究所)
中瀬 朋夏(武庫川女子大学 薬学部)
樋口 ゆり子(京都大学 大学院薬学研究科)
平山 祐(岐阜薬科大学 薬学部)
田村 朋則(京都大学 大学院工学研究科)
生体膜は内外界を隔てる重要な役割とともに、複雑な分子コミュニケーションをとりながら、細胞内外の刺激や環境変化への受諾/拒否反応や、それら起因によるシグナル惹起、及び、細胞機能応答に至る多角的な受信/発信機能を有する。生体膜を舞台とした分子夾雑挙動を紐解くことで、秩序のある、かつ柔軟性の高い生体機能の機序解明に大きく繋がる。本シンポジウムでは、その生体膜の夾雑分子挙動を理解する上で重要な膜タンパク質・輸送体、品質管理機構を中心に、それらの細胞応答と検出技術に関して、領域を超えた融合視点での講演と議論を行う。生体膜・タンパク質の新規ラベル化法から、小胞体タンパク質の品質管理と膜タンパク質コミュニケーション、膜輸送体が関わる金属イオン伝達の可視化とがん進展の機序解明、細胞膜修飾による細胞挙動の制御を中心に気鋭のトップランナー研究者で講演を行い、起爆剤的な技術融合の可能性に関しても討論する。
3S09m
日時:11月11日(金) 9:00-11:00 会場:第9会場(222)

生化学で切り拓くDNA複製、修復、染色体構造の制御メカニズム

オーガナイザー:
河添 好孝(九州大学)
東 寅彦(九州大学)
正井 久雄(東京都医学総合研究所)
石野 園子(九州大学)
佐藤 祥子(東京大学)
吉田 竜星(九州大学)
伊藤 健太郎(東京工業大学)
東 寅彦(九州大学)
河添 好孝(九州大学)
遺伝情報を担う染色体DNAにとって、正確な複製、安定な維持と次世代への継承は必須反応である。それら必須反応の解明は染色体の機能を理解する上で非常に重要であるが、染色体はDNAと多数のタンパク質により高次な複合体が形成されているために、反応の理解は単純ではない。そのため、それぞれの染色体反応を支えるタンパク質の詳細な作用機序の完全な理解には未だ遠い。染色体上で引き起こされる反応やそこで働く因子とその役割の多くは解明されてきたものの、さらなる分子レベルでの染色体機能の理解には、構造解析技術や試験管内再構成とその応用といった生化学解析による貢献が必要である。本シンポジウムでは、生化学を通して見えてきたDNA複製、修復、染色体構造制御に関する最新の研究成果、またその進化的な保存性や多様な変化について細菌、古細菌、真核生物の3つのドメインを通して議論し、染色体機能維持について理解を深めたい。
3S10m
日時:11月11日(金) 9:00-11:00 会場:第10会場(223)

ダウン症から学ぶ多面的な病態生化学

オーガナイザー:
南 敬(熊本大学生命資源研究支援センター/大学院生命科学研究部・分子血管制御学)
有村 奈利子(国立精神・神経医療研究センター)
横手 幸太郎(千葉大学 副学長 医学部附属病院長 医学研究院 内分泌代謝・血液・老年内科学)
中川 拓郎(大阪大学大学院理学研究科生物科学専攻)
水津 太(香川大学医学部 病理病態・生体防御医学講座)
有村 奈利子(国立精神・神経医療研究センター)
南 敬(熊本大学生命資源研究支援センター/大学院生命科学研究部・分子血管制御分野)
アンメットメディカルニーズの最たるダウン症はヒト21番染色体がトリソミーになることで生じる症候群であり、人類遺伝学上最も高頻度で生じることから身近な存在となっている。このダウン症病態は精神発達遅滞・早期アルツハイマー病発症などの神経疾患に留まらず、心奇形・急性白血病、更にはリンパ浮腫・筋力低下・骨粗鬆症のリスク増大など全身性で多岐にわたる。一方で成人期での固形がん罹患率の大幅な低下や動脈硬化・高血圧が進展しないなど非線形的な防護的な側面があることも判明してきた。このような複合的表現型は、染色体・クロマチン動態制御、一次繊毛異常などの分子細胞生物学、神経・血管の微小環境、加齢時間軸での経時的動態変化などの多面的な要素で捉え、システム的に病態相関を考える必要性・重要性がクローズアップされている。そこで本シンポジウムでは各方面で先駆的な研究を推進している講演者を交え、ダウン症、更には高齢化社会での各ライフステージにおける生活習慣病との相関について考えていきたい。
3S11m
日時:11月11日(金) 9:00-11:00 会場:第11会場(211)

抗体開発の新潮流

オーガナイザー:
伊東 祐二(鹿児島大学)
村上 明一(徳島大学)
協賛:
AMED 端的バイオ創薬等基盤技術開発事業
伊東 祐二(鹿児島大学)
村上 明一(徳島大学)
根本 直人(埼玉大学)
梅津 光央(東北大学)
萩原 義久(産総研)
抗体は、従来から、検出用試薬から抗体医薬品まで幅広い産業利用がなされてきたタンパク質である。しかし、その高い特異性と機能性は、これまでの利用法にとどまらず、さらに多様な標的分子に対する新たな抗体作製あるいは抗体改変法によって、利用法の拡大へとつながるポテンシャルを秘めている。本シンポジウムでは、従来の抗体作製方法から進化した次世代の抗体作成、改良方法に焦点を当て、その現状と展望を考えてみたい。具体的には、様々な分子への抗体の取得が可能な人工デザインによるVHH抗体ライブラリ、極めて大きな多様性を持つcDNAディスプレイライブラリ、スマートデザインによる高機能性抗体、化学修飾による多機能性抗体、免疫反応の解析予測による高親和性抗体について、それぞれ、計5人の演者からお話しいただく予定である。
3S12m
日時:11月11日(金) 9:00-11:00 会場:第12会場(212)

スクロース、フルクトース代謝の新パラダイム

オーガナイザー:
小田 裕昭(名古屋大学大学院生命農学研究科)
飯塚 勝美(藤田医科大学)
小田 裕昭(名古屋大学大学院生命農学研究科)
矢作 直也(筑波大学医学医療系)
石本 卓嗣(愛知医科大学)
飯塚 勝美(藤田医科大学)
肥満やメタボリックシンドロームの増加の原因の一つとしてスクロース、フルクトース、異性化糖などのアデッドシュガー(加糖)の取りすぎが原因であることが改めてクローズアップされるようになってきた。フルクトースの過剰摂取は、脂肪肝や高中性脂肪血症になることはよく知られており、その原因は肝臓にフルクトースが急激に流れ込むために、素早く代謝され、ATPの枯渇や脂質合成の基質を大量に産生することが多くの生化学の教科書に書かれている。これらの多くは半世紀前の結果に基づいている。ところが最近の研究になって、摂取したフルクトースは小腸で代謝され、従来言われていたように肝臓で大量に代謝されることはないことが明らかになった。また、小腸で代謝されずに大腸へ流入したフルクトースは腸内細菌叢を変化させて、その結果として脂質代謝異常が引き起こされることが明らかにされつつある。つまり、教科書に書かれているフルクトース代謝は大きく変更が求められるようになってきている。本シンポジウムでは、スクロース、フルクトース代謝の最新の知見を解説し、今後、生化学の教科書がどのように変更されていくかについて多くの皆さんと議論して行きたい。
3S13m
日時:11月11日(金) 9:00-11:00 会場:第13会場(431)

軸索損傷とニューロパチーの病態生化学

オーガナイザー:
三五 一憲(東京都医学総合研究所・糖尿病性神経障害プロジェクト)
山内 淳司(東京薬科大学・生命科学部・分子神経科学研究室)
寺島 裕美(前橋工科大学大学院工学研究科・生物工学専攻)
山内 淳司(東京薬科大学・生命科学部・分子神経科学研究室)
高久 静香(東京都医学総合研究所・糖尿病性神経障害プロジェクト)
加藤 文子(愛知学院大学薬学部・医療薬学科・薬物治療学講座)
中枢神経系と異なり、末梢神経系では軸索損傷後の再生・再髄鞘化が可能である。それはニューロン自体の旺盛な軸索再生能に加え、ワーラー変性後に損傷部遠位端の除去システムが作動するからである。しかしながらそのメカニズムには未だに不明な点が多く、臨床上も完全な機能回復を伴う再生の実現は困難なケースが多い。また遺伝子変異、抗がん剤、糖尿病など種々の原因で生じる末梢神経障害(ニューロパチー)の多くは難治で、有効な治療法が確立されていない。本シンポジウムでは軸索損傷とニューロパチーの病態生化学に関する最新の研究と、種々の新規因子・薬剤(酸化型ガレクチン-1、ゾニサミド、エクセナチド、イメグリミンなど)を用いた治療戦略について紹介する。中枢に比べ、末梢神経の基礎・臨床研究に従事する医師・研究者は極めて少ない。本シンポジウムを機に、より多くの若手研究者・学生がこの領域に興味を持ち参入してくれることを期待する。
3S14m
日時:11月11日(金) 9:00-11:00 会場:第14会場(432)

タンパク質構造ダイナミクス研究の最近のトピックスと未来展望

オーガナイザー:
野村 紀通(京都大学)
清中 茂樹(名古屋大学)
共催:
新学術領域「高速分子動画法によるタンパク質非平衡状態構造解析と分子制御への応用
南後 恵理子(東北大学)
西澤 知宏(横浜市立大学)
嶋田 一夫(理化学研究所)
久保 稔(兵庫県立大学)
清中 茂樹(名古屋大学)
宮下 治(理化学研究所)
岩田 想(京都大学)
様々な生命機能の素過程には、生体分子の構造、動き、離合集散が深く関わっている。本シンポジウムではタンパク質構造ダイナミクスとその制御に焦点をあわせて実験および理論での最先端の研究を紹介する。X線自由電子レーザーを用いた時分割シリアルフェムト秒結晶構造解析、クライオ電子顕微鏡、高分解能NMR、顕微分光学による「動き」の実観測に加え、構造生物学とケミカルバイオロジー・理論計算の協奏など、方法論やアプローチの面で全方位的に革新が生み出されつつある現状を捉え、分解能・特性の異なる複数の手法を組み合わせた「相関構造解析」の今後の方向性と解決すべき課題を議論する。
3S15m
日時:11月11日(金) 9:00-11:00 会場:第15会場(131+132)

細胞内シグナルの開始・継続・終焉に働く多様なタンパク質分解機構

オーガナイザー:
中山 恒(旭川医科大学)
白壁 恭子(立命館大学)

白壁 恭子(立命館大学)
谷内 秀輔(旭川医科大学)
八代田 英樹(東京大学)
野口 あや(東京都医学総合研究所)
横山 三紀(東京医科歯科大学)
南嶋 洋司(群馬大学)
角舎 学行(広島大学)

細胞が存在する環境(温度、圧力、pH、酸素濃度など)はダイナミックに変化する。細胞はその変化を感知して、細胞内のシグナル伝達経路を活性化させ、環境に適した生理応答を引き起こす。一方で活性化したシグナル伝達経路は一定期間継続した後に終焉する必要もある。細胞内のシグナル伝達経路の制御には、リン酸化を始めとする様々なタンパク質の翻訳後修飾が関わるが、ペプチド結合を加水分解する「タンパク質分解」もまた、不可逆な翻訳後修飾機構として様々なシグナル伝達経路に関わっていることが明らかにされつつある。本シンポジウムでは、環境変化に応答したシグナルの開始から終焉までの各ステップで働くタンパク質分解に焦点を当てて、その多様な様式とそれによって引き起こされる生理応答について展望したい。
3S16m
日時:11月11日(金) 9:00-11:00 会場:第16会場(133+134)

細胞内と細胞外環境の連環、その制御機構と疾患発症のメカニズム

オーガナイザー:
山城 義人(筑波大学)
板倉 英祐(千葉大学)
中邨 智之(関西医科大学)
加納 ふみ(東京工業大学)
潮田 亮(京都産業大学)
松村 寛行(東京医科歯科大学)
平原 潔(千葉大学)
田尻 怜子(東京大学)
板倉 英祐(千葉大学)
細胞外マトリクスは組織及び細胞を形作るための構造支持体としての役割が広く知られてきた。近年では、細胞外マトリクスの分泌や時空間的な配置、その再取り込み、分解などを介して、細胞や組織の機能を制御しうる知見が明らかにされている。しかし、細胞内と細胞外環境の連環した変化の詳細はよくわかっていない。本シンポジウムでは、細胞外マトリクスの分泌、構築、分解や細胞機能制御について、各段階での研究手法に精通した研究者が集結し、細胞間の相互作用や、細胞機能に与える影響、その破綻によって生じる疾患についての話題を提供する。会場の方々と共に多角的な視点から議論することを目指し、其々の研究の観点から細胞外環境を統合的に理解することに努め、次なるcutting-edgeとなる研究や解析手法が生まれるきっかけとなることを期待したい。
jbs
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