日本生理学会 第100回記念大会

プログラム

Program

Plenary lectures

プレナリーレクチャー

山中 伸弥

京都大学iPS細胞研究所
 
iPS細胞研究の現状と医療応用に向けた取り組み
日時:2023年3月14日(火)11:10-12:10
会場:第1会場

Svante Pääbo

※オンライン講演
Max Planck Institute for Evolutionary Anthropology
Archaic Genomics
日時:2023年3月15日(水)11:10-12:10
会場:第1会場

Bente Klarlund Pedersen

※オンライン講演
The Department of Infectious Diseases and The Copenhagen Muscle Research Centre, Rigshospitalet, University of Copenhagen
Exercise as Medicine in a translational perspective
日時:2023年3月16日(木)11:10-12:10
会場:第1会場

山中伸弥先生とSvante Pääbo先生の対談決定!

Future of Life Science, Future of Human Beings----Dialogue between Nobel Prize Laureates
(生命科学の未来と人類の未来ーーノーベル賞受賞者による対談)

日時:2023年3月14日(火)17:30-18:30

S. Hagiwara Memorial Lecture

萩原生長記念レクチャー

狩野 方伸

Masanobu Kano

東京大学大学院医学系研究科
機能生物学専攻 神経生理学

神経活動に依存したシナプス刈り込みによる成熟神経回路の形成
日時:2023年3月16日(木)14:20-15:20
会場:第1会場

S. Tawara Memorial Lecture

田原淳記念レクチャー

箕越 靖彦

Yasuhiko Minokoshi

自然科学研究機構生理学研究所
生殖・内分泌系発達機構研究部門

脂肪と炭水化物代謝に及ぼす視床下部の調節機構
日時:2023年3月15日(水)14:20-15:20
会場:第1会場

Special lecture

特別講演

Sidonia Fagarasan

Sidonia Fagarasan

理化学研究所 生命医科学研究センター
粘膜免疫研究チーム

A novel B cell-derived metabolite elicits anti-inflammatory macrophages and limits anti-tumor cytotoxic responses
日時:2023年3月14日(火)14:20-15:20
会場:第1会場

岡野 栄之

Hideyuki Okano

慶應義塾大学

iPS細胞技術を用いた中枢神経系疾患の再生医療と創薬研究
日時:2023年3月14日(火)15:30-16:20
会場:第1会場

斎藤 通紀

Mitinori Saitou

京都大学

Mechanism and In Vitro Reconstitution of Mammalian Germ-Cell Development
日時:2023年3月15日(水)15:30-16:20
会場:第1会場

上田 泰己

Hiroki R. Ueda

東京大学/理科学研究所

Towards Systems Biology of Human Sleep/Wake Cycles: Phosphorylation Hypothesis of Sleep
日時:2023年3月16日(木)15:30-16:20
会場:第1会場

Educational Lecture

教育講演

教育委員会企画
モデル講義

日時:3月15日(水) 16:30-18:30
会場:第4会場
座長:下川 哲昭(高崎健康福祉大学)
コメンテーター:西屋 克己(関西医科大学)

食生活と心機能 ―多価不飽和脂肪酸の栄養機能性―
森島 真幸(近畿大学農学部)

血糖値の恒常性と膵内分泌
高橋 倫子(北里大学)

止血機構とは―血小板・凝固系・線溶系の巧みな連携―
中村 真理子(琉球大学)

教育委員会企画
教育講演

日時:3月16日(木) 9:00-11:00
会場:第5会場
座長:曽我部 隆彰(国立生理学研究所)

教育講演1
新規神経ペプチドから新たな神経機能の探求へ

講演者:櫻井 武(筑波大学)

教育講演2
痛覚の生理学

講演者:水村 和枝(名古屋大学名誉教授 日本大学)

教育講演3
学習と評価の一体化

講演者:北村 義浩(日本医科大学)

新規神経ペプチドから新たな神経機能の探求へ
櫻井 武(筑波大学)

痛覚の生理学
水村 和枝(名古屋大学名誉教授 日本大学)

学習と評価の一体化
北村 義浩(日本医科大学)

Symposia

シンポジウム

1AS01m
100周年記念事業委員会企画

恒常性と持続可能性~生理学の次なる100年に向けて~

日時:3月14日(火)9:00-11:00
会場:第1会場
オーガナイザー:
丸中 良典 (一財)京都工場保健会)
伊佐 正(日本生理学会第100回記念大会 大会長)

Susan Wray (IUPS President / FEPS President, UK)
Robyn Murphy (AuPS President, Australia)
Chae Hun Leem (FAOPS President / KPS President, Korea)
Dee U. Silverthorn (APS President, USA)
石川 義弘(日本生理学会 理事長)

1AS02a

社会性の神経科学

日時:3月14日(火) 14:20 - 16:20 会場:第2会場
オーガナイザー:
宮田 麻理子(東京女子医科大学 医学部)
古屋敷 智之(神戸大学大学院医学研究科)
黒田 公美(理化学研究所 脳神経科学研究センター 親和性社会行動研究チーム)
「哺乳類群れ行動と社会的親和性: 神経基盤とその環境因による制御機構」
高橋 阿貴(筑波大学人間系)
「ストレスと攻撃行動の神経生物学」
内匠 透(神戸大学大学院医学研究科)
「社会行動の神経生物学」
二宮 太平(生理学研究所)
「マカクザル社会的行動モニタリングの神経基盤」
山田 真希子(量子科学技術研究開発機構)
「社会的比較から生じる自己認識の分子・神経基盤」
昨今のコロナ禍で社会的孤立は深刻な社会問題となっている。ヒトでは、幼児期、思春期に適切な社会経験をすることが、生涯にわたる人格形成、情動の安定化、社会性の獲得に大きな影響を与えることも近年明らかになっており、これらの研究は、虐待、ネグレクト、引きこもりといった社会問題とも深く関係する。また、社会的孤立を起因としたストレスも社会問題化している。一方で基礎医学研究において社会性獲得を担う神経回路の研究や社会的隔離が与える脳機能への影響などが、近年躍進的に明らかになってきている。本シンポジウムでは、社会性の神経科学を分子レベルからシステム神経科学、臨床医学にわたって横断的、多角的に理解することをめざす。
1S03a
国際交流委員会企画

オルガネラ・細胞機能のダイナミクスと恒常性

日時:3月14日(火) 14:20 - 16:20 会場:第3会場
共催:FAOPS-PSJ Joint Symposium
オーガナイザー:
西田 基宏(九州大学大学院薬学研究院生理学分野/生理学研究所心循環シグナル研究部門)
Chae Hun Leem(ウルサン大学(韓国)、生理学)
Yong Zhang(ハルビン医科大学(中国)薬学部 薬理学)
「Ion homeostasis and organelle function in cardiovascular diseases」
松岡 達(福井大学 医学部 統合生理)
「心筋細胞におけるミトコンドリアCa2+動態の役割」
Chae Hun Leem(ウルサン大学(韓国)、生理学)
「Substrates dependent changes of mitochondrial function and its stimulation」
西田 基宏(1 九州大学大学院薬学研究院生理学分野、2 生理学研究所心循環シグナル研究部門)
「超硫黄分子による心筋ミトコンドリアの頑健性制御」

国際交流委員会企画による、FAOPSとPSJの合同企画。

1S04a

行動基盤を解明する生理学的アプローチ~生理学の次の100年に向けて~WPJ後援シンポジウム

日時:3月14日(火) 14:20 - 16:20 会場:第4会場
オーガナイザー:
荒田 晶子(兵庫医科大学 生理学・生体機能部門)
中野 珠実(大阪大学 生命機能研究科)
吉田 さちね(東邦大学医学部)
「養育個体との触れ合いで起こる幼若哺乳類の生理変化と愛着形成への関与」
永澤 美保(麻布大学獣医学部)
「家畜化によって獲得されたイヌの社会認知と行動」
飛龍 志津子(同志社大学)
「コウモリのエコーロケーション行動にみる自己および他者との音声コミュニケーション」
村田 藍子(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
「他者とのインタラクションを通して変化する情動・主観的感情」
中野 珠実(大阪大学 生命機能研究科)
「自己に関わる意識的および潜在意識的脳活動」
次の生理学の100年は、女性研究者がより生理学に参画するべき世紀であり、行動というアウトプットを捉えて、その行動基盤を生理学的に解明する世紀となるだろう。今回は、時代を先んじて、行動学としてのコミュニケーションについて、行動学的見地から解明している他学会の講演者を含む5名の講演者によるシンポジウムを提案する。吉田先生からは「触れ合いで起こる親子の生理変化について」、永澤先生からは「家畜化によって獲得されたイヌの社会認知と行動について」、村田先生からは「他者とのインタラクションを通して変化する情動・感情認知について」、飛龍先生からは「コウモリのエコーロケーション動作にみる音の自動および同種通信について」、中野先生からは「自己および他者の画像における意識的および潜在意識的神経処理について」お話し頂く予定である。このシンポジウムは、女性研究者にスポットライトを当て、女性の活躍を支援する生理学女性研究者の会(WPJ)の後援によって行われる。
1AS05a
若手の会運営委員会企画

若者と考える科学・生理学の未来

日時:3月14日(火) 14:20 - 16:20 会場:第5会場
オーガナイザー:
山田 大輔(東京理科大学)
須田 悠紀(山梨大学)

山田 大輔(東京理科大学)
「若者と考える科学・生理学の未来」
須田 悠紀(山梨大学)
「若者と考える科学・生理学の未来」

少子高齢化の進行に伴って、日本の未来を担う若手の育成が強く求められている。学術界においても、多くの学会が様々な若手育成の試みを行っているが、原則として学部学生以上を対象としたものとなっている。一方で、研究への興味、研究者になりたいというモチベーションは大学入学以前から持っていた、もしくは大学に入る前の方が強かったという声をよく耳にする。そこで本企画シンポジウムでは、従来のシンポジウムの枠を超えて、大学入学前の未来の学会を支える高校生を迎え、学部学生、若手の会運営委員とともに日本の科学・生理学の未来について議論する場を設けることを試みる。具体的な参加対象者については検討中(学会発表を希望する全国の高校生、会場近隣の高校から参加者を募る、など)であるが、若手の会主催の定期イベントとしてではなく、大会企画として開催することで、若者が学会に参加する経験を提供し、学会の活性化につながる起点を作りたいと考えている。
1S06a
他学会連携委員会企画

感覚研究の新時代

日時:3月14日(火) 14:20 - 16:20 会場:第6会場
共催:日本薬理学会/AMED-CREST/PRIMEマルチセンシング領域/JST-CREST マルチセンシング領域
オーガナイザー:
日比野 浩(大阪大学大学院医学系研究科)
津田 誠(九州大学大学院薬学研究院)
太田 岳(大阪大学大学院医学系研究科)
「内耳蝸牛の音受容および処理機構」
樽野 陽幸(京都府立医科大学大学院医学研究科)
「Cellular and molecular mechanisms underlying airway protective reflexes」
今井 猛(九州大学大学院医学研究院)
「末梢における嗅覚情報コーディングのin vivo計測」
高露 雄太(九州大学大学院薬学研究院)
「脊髄アストロサイトから紐解く感覚情報伝達の調節メカニズム」
感覚は、体内恒常性の維持や、外部からの刺激や周囲の環境の状況に応じた行動や活動にとって重要であるのみならず、感性や情動にも関与する。超高齢化社会では、加齢に伴った感覚機能障害による健康寿命の短縮が大きな問題である。感覚機能は、外界からの情報を信号化する末梢の感覚器と、その伝達と分析を担当する神経および脳に立脚している。近年の計測・解析技術の革新により、各感覚特有の受容の分子機構やエンコードの仕組み、神経伝達ネットワーク、脳での複雑なデコード機構が同定されてきた。さらには、感覚と脳をはじめとする様々な臓器の働きとの連関も明らかにされつつある。以上を踏まえ、本シンポジウムでは、聴覚、味覚、嗅覚、痛覚に係るトップランナーを集め、それぞれの感覚の作動原理、疾患の病態生理や治療法、全身機能との相互作用についての最先端の知見を共有し、感覚研究の未来を議論する。
1S07a

アディクションの神経生物学

日時:3月14日(火) 14:20 - 16:20 会場:第7会場
オーガナイザー:
金田 勝幸(金沢大学医薬保健研究域薬学系 薬理学研究室)
関野 祐子(NPO法人イノベーション創薬研究所)
関野 祐子(NPO法人イノベーション創薬研究所)
「カンナビノイドの神経毒性と大麻の規制」
井手 聡一郎(東京都医学総合研究所 依存性物質プロジェクト)
「実験動物におけるアディクション様行動」
西谷 直也(金沢大学医薬保健研究域薬学系 薬理学研究室)
「マウスのランニングホイール回転行動を利用した行動嗜癖の病態メカニズムの解明」
Tom Macpherson(大阪大学 蛋白質研究所 高次脳機能学研究室)
「Cell-type-specific control of reward and aversive signaling in the Nucleus Accumbens」
佐々木 亮(京都大学大学院医学研究科高次脳科学講座神経生物学分野)
「報酬とリスクの柔軟な意思決定を導く脳回路機構」
覚醒剤や麻薬などによる薬物依存症、および社会生活に悪影響を及ぼすにもかかわらずスマホ、ネット、ゲームなどにのめり込む行動嗜癖といったアディクションが大きな社会問題となっている。これまでの研究により、腹側被蓋野から側坐核への神経投射を中心とした、いわゆる脳内報酬系の活動と可塑的変化がアディクションの病態に重要であることが示唆されてきたが、その詳細な分子神経メカニズムについては、依然として不明な点が多い。そこで本シンポジウムでは、線虫、齧歯類、および非ヒト霊長類を用いたアディクションの病態理解を目指した最新の研究成果を紹介するとともに、アディクションを取り巻く社会情勢、およびアディクション研究の今後の展望について議論したい。
1S08a

生理学から"運動医学"への挑戦:科学的エビデンスと社会実装

日時:3月14日(火) 14:20 - 16:20 会場:第8会場
共催:日本体力医学会
オーガナイザー:
増木 静江(信州大学大学院医学系研究科スポーツ医科学)
樋口 京一(長野保健医療大学地域保健医療研究センター)
Fu Qi(テキサス大学 サウスウェスタン メディカルセンター)
「Exercise Training in Cardiovascular Disease Patients with Physical Deconditioning」
Kristian Karstoft(コペンハーゲン大学)
「Metformin and physical activity: a pharma-physiological interaction?」
樋口 京一(長野保健医療大学地域保健医療研究センター)
「運動トレーニング効果の分子メカニズム」
増木 静江(信州大学大学院医学系研究科スポーツ医科学)
「インターバル速歩の科学的エビデンスと社会実装:”運動医学”への挑戦」
超高齢社会を迎え医療費の高騰が危惧されている中、運動は予防だけでなく治療医学の一手段として期待されている。本シンポジウムでは、どのくらいの強度の運動をどのくらいの量行えば、臨床的にどのような効果があるのか?その生理的・分子生物学的メカニズムも踏まえて討議することを目的とする。具体的に、まずTexas 大学のFu先生には、運動不足による慢性循環器疾患患者を対象とした運動トレーニング効果について、Copenhagen大学の Karstoft先生には、糖尿病患者を対象とした運動トレーニン効果について、長野保健医療大学の樋口先生には、マウスを用いたそれらの効果の分子メカニズムについて、それぞれ発表いただき、信州大学の増木が運動トレーニングの社会実装について発表する予定である。
1S09a

健康と疾病に関わる概日リズムの重要性

日時:3月14日(火) 14:20 - 16:20 会場:第9会場
オーガナイザー:
山仲 勇二郎(北海道大学大学院教育学研究院生活健康学)
金 尚宏(名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所)
金 尚宏(名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所)
「カルシウムシグナルから紐解く概日リズムの生成原理」
小池 宣也(京都府立医科大学大学院医学研究科統合生理学)
「慢性的概日リズム不適合による病態成立プロセス」
冨永 恵子(大阪大学)
「昼行性霊長類を用いた生体リズム解析系の確立」
山仲 勇二郎(北海道大学大学院教育学研究院生活健康学)
「ヒト睡眠覚醒リズムと概日リズムの位相調節メカニズム」
本間 さと(札幌花園病院)
「ヒト概日リズムの同調とその破綻:概日リズム睡眠・覚醒障害の治療における理論と現実」
生物時計は、地球の自転により生じる昼夜の環境変化を予測し、行動と生理機能を時間的に統合する生存戦略システムである。生物時計による機能制御については、分子レベルから個体レベルまで各階層において研究が進み、生物時計が発振する概日リズムと健康・疾患との関連性が明らかにされつつある。本シンポジウムでは、分子レベルから、昼行性動物や霊長類モデル、そしてヒトを対象とした研究へとつながる統合的アプローチを俯瞰し、階層を超えた生物時計研究の新展開とその未来について議論する。
2AS01m

分野横断型プロジェクトが牽引する科学の未来

日時:3月15日(水) 9:00 - 11:00 会場:第1会場
共催:日本学術会議
後援:日本生命科学アカデミー
オーガナイザー:
上田 泰己(東京大学大学院医学系研究科システムズ薬理学)
赤羽 悟美(東邦大学 医学部 生理学講座 統合生理学分野)

山本 雅之(東北大学東北メディカル・メガバンク機構)
「東北メディカル・メガバンク計画の目標と進捗状況」
馬場 嘉信(量子科学技術研究開発機構 量子生命・医学部門 量子生命科学研究所)
「量子生命科学の創成と医学・生命科学の革新」
高田 昌樹(一般財団法人光科学イノベーションセンター東北大学 国際放射光イノベーション・スマート研究センター)
「NanoTerasu(ナノテラス):次世代放射光施設の概要 産学共創による医学生物学分野のへの新たな応用の開拓」
南 陽一(東京大学大学院医学系研究科機能生物学専攻システムズ薬理学)
「ERATO上田生体時間プロジェクト:睡眠・覚醒リズムをモデルとしたヒトシステム生物学の実現にむけて」

プロジェクト型研究は、医学・生物学の分野では20世紀後半から強く推進され、ヒトゲノム計画に代表されるように、次代の科学に資する研究基盤をつくり、新しい研究概念を創出することに貢献してきた。日本でも研究基盤の創生や、画期的な成果を期待された大型研究計画が実施され、多くの先生方のご尽力によって、研究コミュニティに資する基盤整備、新規方法論の開発を伴う挑戦的な課題や、従来の枠組みを超えた基礎科学と社会科学、臨床科学をつなぐような試みがなされてきた。 本シンポジウムでは、日本を代表するプロジェクトを推進されている先生方にご登壇頂き、プロジェクトの狙いや研究コミュニティへの発信といったマクロスコピックなお考えを教えて頂くとともに、プロジェクト型研究で進めることが可能になったカッティングエッジな研究についてご紹介頂く。
2S02m

哺乳類の冬眠・休眠の理解の現在地点

日時:3月15日(水) 9:00 - 11:00 会場:第2会場
共催:学術変革領域研究B 「冬眠生物学」
オーガナイザー:
山口 良文(北海道大学 低温科学研究所)
櫻井 武(筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構)
山口 良文(北海道大学 低温科学研究所)
「冬眠期からの自律復帰は体温概日リズム適応のリセットを伴う」
榎木 亮介(自然科学研究機構 生理学研究所 ExCELLs)
「低温環境下における概日時計中枢のリズム発振」
Elena Gracheva(Yale University)
「Cellular, Molecular, and Physiological Adaptations of Hibernation」
櫻井 武(筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構)
「マウスをもちいた冬眠様状態における生理機能解析」
砂川 玄志郎(理化学研究所生命機能科学研究センター)
「暖かい冬眠による虚血からの臓器保護」
哺乳類の冬眠は、食糧の枯渇する寒冷な季節を乗り切る生存戦略である。ジリスやハムスターなどの冬眠する哺乳類は、低代謝・低体温状態の「休眠 torpor」状態と、体温が37ºC付近の正常体温状態の「中途覚醒 arousal」とを幾度となく冬眠期の間繰り返す。一方、マウスなどいくつかの種は、季節には依存せずに、予期せぬ餌の枯渇等に適応する形で、短時間の休眠を行うことが知られる。こうした哺乳類の冬眠・休眠の仕組みは未だ解明されていない点が多い。本シンポジウムでは、冬眠・休眠を行う異なる哺乳類を用いて様々な視点から行われている最新の研究知見について紹介し、冬眠・休眠現象理解の現在地点と今後の展望について議論したい。
2S03m

新しい生理学による腎臓病解明

日時:3月15日(水) 9:00 - 11:00 会場:第3会場
共催:日本腎臓学会
オーガナイザー:
柳田 素子(京都大学医学研究科腎臓内科学)
井上 剛(長崎大学医歯薬学総合研究科内臓機能生理学)
山本 伸也(京都大学医学研究科腎臓内科学)
「ATPイメージングからせまる腎病態の解明」
草場 哲郎(京都府立医科大学)
「生体内イメージングを用いたうっ血時の腎内血行動態異常の可視化とうっ血が腎障害に与える影響の解明」
岸 誠司(川崎医科大学)
「近位尿細管の生理機能と関与する病態から明らかにした古い抗ヒスタミン薬の新たな腎保護作用の解明 ―代謝スクリーニングとビッグデータ解析を用いてー」
林 香(慶應義塾大学)
「DNA損傷修復およびDNAメチル化変化の腎臓病進展における役割」
井上 剛(長崎大学)
「腎臓と神経のクロストーク」
腎臓病学において、単離ネフロンを用いた生理学研究は大変重要な領域であったが、近年、そういった古典的な生理学研究は少なくなっている。一方で、イメージングなどの新しい手法を用いた、いわば、「新しい生理学」の視点が腎臓病学に新しい視点をもたらしている。今回は、そのような観点から、腎臓学会の後援を得て、5人の若手研究者を推薦する。このシンポジウムを契機として、日本腎臓学会会員と日本生理学会会員の共同研究が発展することを期待している。
2S04m

細胞老化:臓器の恒常性と寿命における役割

日時:3月15日(水) 9:00 - 11:00 会場:第4会場
オーガナイザー:
大谷 直子(大阪公立大学 大学院医学研究科)
佐田 亜衣子(熊本大学 国際先端医学研究機構)
中西 真(東京大学医科学研究所)
「老化細胞を標的として加齢病態を制御する」
佐田 亜衣子(熊本大学 国際先端医学研究機構)
「細胞外環境制御から紐解く表皮幹細胞老化メカニズム」
南野 徹(順天堂大学 医学部 循環器内科)
「老化細胞を標的とした抗老化治療の開発」
山岸 良多(大阪公立大学 大学院医学研究科)
「がん微小環境における細胞老化とSASPの役割:ガスダーミンDを介するSASP因子の放出が肥満関連肝がんを促進させる」
原 英二(大阪大学 微生物病研究所)
「細胞老化とがん:微生物との関連性」
生体内でさまざまなストレスにより生じる、不可逆的細胞増殖停止状態、細胞老化は様々な病態と関係することが明らかになってきた。その多くは細胞老化にともなって、炎症性サイトカインや増殖因子など、様々な分泌タンパク質が産生される「細胞老化随伴分泌現象」(senescence-associated secretory phenotype, SASP)と呼ばれる現象が起こることが原因のひとつであると考えられる. 近年、細胞老化に伴うSASP誘導の詳細な分子機構や、細胞老化・SASPの個体組織における役割、そしてそれを標的とした細胞老化除去(senolysis)等の取り組みが多く研究されている。世界的に超高齢社会を迎えている現状を鑑みると、細胞老化に着目したさまざまな疾患研究が今後も活発に継続すると思われる。さらなる分子機構の詳細を明らかにし、細胞老化とSASPをコントロールすることが,がんや加齢性疾患の予防、健康長寿の実現につながるものと期待される。
2S05m

ビックデータ時代の脳神経生理学~自己と他者をつなぐ超複雑系情動回路を解き明かす~

日時:3月15日(水) 9:00 - 11:00 会場:第5会場
共催:学術変革領域研究(B)・嫉妬の科学
オーガナイザー:
揚妻 正和(生理学研究所)
笠井 淳司(大阪大学 大学院薬学研究科)
揚妻 正和(生理学研究所)
「はじめに:データ駆動型解析による脳情報処理動態の可視化~脳と心をつなぐ神経生理学の次の100年へ~」
黄 子彦(東京大学定量生命科学研究所、東京大学大学院医学系研究科)
「内側前頭前野における、観察恐怖課題での自己と他者の状態の表象」
則武 厚(生理学研究所・認知行動発達機構研究部門)
「社会的報酬処理における皮質―皮質下間の部分空間相互作用」
笠井 淳司(大阪大学 大学院薬学研究科)
「全脳活動マップから紐解く脳機能」
宮道 和成(理化学研究所生命機能科学研究センター)
「母性行動学習を促進する前頭皮質-報酬系ネットワークの構造と機能」
COVID-19を初めとした様々な出来事を通じて、世界は「個と個」のつながりの重要性を再認識するようになった。「脳」は、その根底にある「自他認識」、そしてその結果生まれる「社会的情動」を担う重要な器官である。脳がこうした個体間の相互作用を制御する際には、五感を通じて取得する外環境情報、記憶・予測などの時間軸方向の情報、その統合的演算結果としての自他認識関連情報、そしてそれに応じた行動出力情報など、非常に複雑な多次元の情報処理を実行している。本シンポジウムでは、従来の技術では困難であった「社会的情動の基盤となる超複雑系情報処理機構の解明」に向け、データ駆動型・計算論的アプローチを基軸に、全脳レベルの次世代型解剖学的手法、神経活動の大規模計測・操作技術など、多様な新技術で得られるビックデータの解析によりその本質に迫る意欲的な融合研究を紹介し、脳神経生理学の次の100年へ向けた火付け役を目指す。
2S06m

消化管研究の潮流変革~分子から細胞、そして個体へ~

日時:3月15日(水) 9:00 - 11:00 会場:第6会場
オーガナイザー:
五十里 彰(岐阜薬科大学)
林 久由(静岡県立大学)
藤井 拓人(富山大学)
「消化器がんにおける小胞局在ナトリウムポンプの病態生理機能」
吉野 雄太(岐阜薬科大学)
「加齢によるクローディンとアミノ酸輸送体の発現変化」
三好 弘之(京都大学)
「患者由来消化管上皮幹細胞を用いた個別化医療開発」
Wendy Hempstock(静岡県立大学)
「Claudin-15 is responsible for the conductance and permselectivity of the murine cecum and large intestine」
齋藤 義正(慶應義塾大学)
「腸管上皮オルガノイドを用いたシングルセル解析により見えてきたこと」
腸上皮はバリア機能により内部環境を外部環境から独立させている。この区画化は、バリア機能のみならず栄養素の吸収、電解質の分泌・吸収、外界からの情報を受け入れるインターフェイスとしての機能を腸に与え、個体の恒常性維持という役割を担う。陰窩部の底には、自己複製能と様々な上皮細胞への分化能を持った腸幹細胞が存在し、個体の恒常性維持に対応し腸上皮を常に作り変えている。上皮細胞の機能は、異なる機能が割り当てられた二つの細胞膜領域に発現している輸送体であり、タイト結合で区画化されている。しかし、それらの機能及びその調節に関しては未だ不明な点が多い。また、老化による幹細胞のがん化、吸収上皮細胞の機能低下などにより、個体の恒常性は破綻する。本シンポジウムでは、分子、細胞、個体レベルでの研究成果の統合的な理解を深め、不易と革新を連結することにより、腸管生理学の新たな礎の構築につながることを期待する。
2S07m

免疫と血管による恒常性制御機構

日時:3月15日(水) 9:00 - 11:00 会場:第7会場
オーガナイザー:
村松 里衣子(国立精神・神経医療研究センター神経研究所)
内匠 透(神戸大学大学院医学研究科)
村松 里衣子(国立精神・神経医療研究センター神経研究所)
「血管・免疫・老化による脳神経回路の修復機構の制御」
白鳥-林 美穂(九州大学大学院薬学研究院)
「痒み慢性化における脊髄後角の反応性アストロサイトの役割」
岡部 泰賢(大阪大学免疫学フロンティア研究センター)
「組織マクロファージによる恒常性維持と制御」
内藤 尚道(金沢大学医学部生理学)
「血管内皮細胞の細胞多様性と血管構築機序」
小田 裕香子(京都大学再生医科学研究所)
「上皮組織の修復を促進する新規生理活性ペプチドJIPの発見」
生体の恒常性は、免疫系や血管系など様々なシステムとその作用対象の臓器やシステムとの連関により制御されるが、システム連関は個々のシステムの状態によっても影響を受ける。本シンポジウムでは、免疫系や血管系自身の恒常性の維持機構と、その変化による神経系への作用、さらには生体恒常性機構との関連について、若手研究者による最近の知見を紹介する。
2S08m
他学会連携委員会企画

臓器連関の基礎と臨床

日時:3月15日(水) 9:00 - 11:00 会場:第8会場
共催:日本自律神経学会
オーガナイザー:
黒澤 美枝子(国際科学振興財団バイオ研究所)
原 直人(国際医療福祉大学 保健医療学部 視機能療法学科)
岩崎 有作(京都府立大学 大学院生命環境科学研究科)
「腸・膵ホルモンの求心性迷走神経への協働作用と糖代謝調節」
鍵谷 方子(人間総合科学大学大学院 心身健康科学専攻)
「体性感覚刺激によるエストロゲン分泌調節と自律機能変化」
永田 栄一郎(東海大学医学部内科学系脳神経内科)
「片頭痛における内因性光感受性網膜神経節細胞(ipRGC)の役割」
原 直人(国際医療福祉大学 保健医療学部 視機能療法学科)
「ICT環境における近見反応の適応変化について考える」
自律(内臓)機能は,常時,内臓からの求心性情報により反射性に調節されており,特に迷走神経求心性情報が種々の自律機能の連関(臓器連関)に関与することが数多く明らかにされている.一方,自律機能は内臓求心性神経のみではなく,体性感覚神経によっても調節されており,体性感覚神経の刺激によっておこる自律反射は皮膚や骨格筋にアプローチする各種リハビリテーションや鍼灸の効果のメカニズムの一つとして捉えられている.さらに自律機能は,視覚,聴覚などの特殊感覚入力によっても調節される.本シンポジウムでは,内臓求心性入力,体性感覚入力,特殊感覚入力として視覚入力に着目し,これらの入力による自律機能変化とそれに伴う臓器連関に関して,基礎並びに臨床の両面から討論を進める.
2S09m

ペリサイトの多様性と共通性 -生理機能と病態における役割-

日時:3月15日(水) 9:00 - 11:00 会場:第9会場
オーガナイザー:
橋谷 光(名古屋市立大学)
Christopher Garland(オックスフォード大学)
安藤 康史(国立循環器病研究センター研究所)
「ペリサイト発生を制御する分子機構の解析」
Paolo Tammaro(オックスフォード大学)
「The TMEM16A channel as a key modulator of pericyte tone: physiology and implications for therapy」
吾郷 哲朗(九州大学)
「健常脳および脳血管障害におけるペリサイトの役割」
橋谷 光(名古屋市立大学)
「内臓微小血管におけるペリサイトの自発活動の発生機構」
ペリサイトは、毛細血管を主体として分布する壁細胞であり、局所血流制御から血管発生・新生にわたり広範かつ重要な役割を果たしている。中枢神経系では、血管内皮細胞、ニューロン、グリアと協働してneurovascular unitを形成し、神経活動に応答して局所血流を制御する。一方、内臓器官のペリサイトは、毛細血管前後の微小血管における自動運動を駆動するペースメーカー細胞としての役割が示唆される。こうした血流制御機能に加えて、ペリサイトは多分化能を有しており、脳梗塞後の組織修復過程においては線維芽細胞様細胞への形質転換を介した役割が明らかになってきた。本シンポジウムでは、ペリサイトの機能の多様性とともに多臓器における共通性を、特にペリサイトに発現するカルシウム活性化塩素イオンチャネル(TMEM16A)およびATP感受性Kチャネル(KCNJ8/ABCC9)に焦点を当て考察する。
2S10m

The Journal of Physiology への日本の卓抜した貢献: 生理学の過去、現在、未来

日時:3月15日(水)9:00-11:00 会場:第10会場
共催:JP-PSJ合同シンポジウム
オーガナイザー:
Laura Bennet(J Physiology 編集長代理 / Auckland大学)
久保 義弘(J Physiology リージョナルエディター / 生理学研究所)

金子 章道(慶應義塾大学)
「細胞内染色による記録細胞の形態学的同定」
水村 和枝(日本大学歯学部生理学講座 / 名古屋大学)
「筋の侵害受容器とその生理的状態および病態における働き」
桜井 正樹(帝京大学医学部生理学講座)
「小脳長期抑圧・増強の発見」
大森 治紀(京都大学)
「有毛細胞の機械受容機構」
野間 昭典(立命館大学総合科学技術研究機構)
「心筋Na/Kポンプ電流の生物物理学的特性の知見」

2S02a
研究倫理委員会企画

医療と研究の発展と倫理-わが国の医の倫理の歴史を振り返る―

日時:3月15日(水) 15:30-16:20 会場:第2会場
オーガナイザー:
神作 憲司(獨協医科大学)
宇賀 貴紀(山梨大学)
江藤 文夫(日本リハビリテーション連携科学学会理事長)
「医療と研究の発展と倫理ーわが国の医の倫理の歴史を振り返るー」
動物やヒトを対象とする研究を行うにあたり、倫理と法、それに関わる各種ガイドラインについて考慮することは必須となっています。一方で、研究や教育に追われる多くの研究者にとって、このあたりに深く触れる機会が少ないことも実情です。このため研究倫理委員会では、倫理・法・ガイドラインについて、その変遷をたどりながら現状を把握して知識をアップデートし、今後さらに要求されるであろう水準について展望することを狙いとして、教育セミナーを企画しています。今回は、100回の節目となる大会を機に、医療倫理の分野を牽引されてきた江藤文夫先生(日本リハビリテーション連携科学学会理事長)にご登壇いただき、これまでの日本の医の倫理の歴史を振り返りつつ、医療と研究の発展と倫理について検討し考える機会をいただきます。
2AS03a
100周年記念事業委員会企画

AI技術が切り開く医学・生理学・生命科学の新展開

日時:3月15日(水) 14:20 - 16:20 会場:第3会場
オーガナイザー:
美津島 大(山口大学大学院医学系研究科神経生理学講座)
高橋 倫子(北里大学医学部生理学)

田中 剛平(東京大学/国際高等研究所/ニューロインテリジェンス国際研究機構)
「AIによる複雑ダイナミクスのパターン認識」
大木 研一
(東京大学大学院医学系研究科, ニューロインテリジェンス国際研究機構, Beyond AI研究推進機構)
「大脳皮質と人工知能」
岡田 眞里子(大阪大学 蛋白質研究所)
「疾患シグナルネットワークの患者固有モデルの構築と応用」
田中 孝浩(株式会社東芝 研究開発センター 知能化システム技術センター AI応用推進部)
「大規模健診データを活用した生活習慣病の発症リスクを抑制する技術の開発と今後の展望」

日本生理学会100周年を記念し、本シンポジウムでは次の100年を見据えた研究手法の新たな側面について紹介する。発展が著しい人工知能(AI)技術は、生理学の新時代の突破口を切り開く重要なツールの一つであると考えられる。AI技術を使って新時代を切り開かれた医学、生理学、生命情報学、細胞生物学の先生を演者としてお招きし、複雑なビッグデータの時系列ダイナミクスを網羅的に数理解析する事で、神経科学、細胞制御機能、生活習慣病の発症リスク予測など広範な分野の発展にどのように活用できるか最先端の研究についてご講演いただく。
2AS04a

脂質・脂質アナログによるチャネル分子機能の制御メカニズムとその生理学的な重要性

日時:3月15日(水) 14:20 - 16:20 会場:第4会場
共催:ソフィオンバイオサイエンス株式会社
オーガナイザー:
河合 喬文(大阪大学大学院 医学系研究科)
森 誠之(産業医科大学 医学部)
大嶋 篤典(名古屋大学・細胞生理学研究センター)
「脂質に再構成されたギャップ結合ファミリータンパク質の構造と開閉機構」
Fredrik Elinder(Department of Biomedical and Clinical Sciences, Linköping University)
「Lipophilic potassium channel activators」
森 誠之(産業医科大学 医学部)
「ジアシルグリセロール活性化型TRPCチャネルにおけるPIP(4,5)P2の反転作用 」
曽我部 隆彰(生理学研究所 細胞生理研究部門)
「ショウジョウバエの光受容情報伝達から学ぶ脂質代謝物のチャネル制御機能」
河合 喬文(大阪大学大学院 医学系研究科)
「マウス精子におけるイノシトールリン脂質を介したイオンチャネル制御機構とその電位依存性」
近年構造生物学の進展により、様々なチャネル分子の動作原理が高解像度で明らかにされつつある。一方で、全てのチャネル分子は生体膜に埋もれた形で機能しており、上記の構造生物学的研究においても、しばしば脂質分子と結合した形でその分子構造が解き明かされている。以上を考慮すると、「チャネル-脂質連関」は、そのダイナミックな動作機構を精密に捉えるうえで不可欠な研究テーマであるといえる。本シンポジウムはこの課題に多角的にアプローチするため、4つの独創的な研究テーマから構成される。パネキシンの開閉における脂質の役割、K+チャネルの脂質アナログによる制御、TRPチャネルのイノシトールリン脂質による制御、ショウジョウバエにおける脂質代謝物のチャネル制御、そして精子における脂質によるチャネル制御機構の生理的意義、について最新の内容を報告する。以上により、脂質・脂質アナログによるチャネルの制御メカニズムとその生理学的意義を、より詳細に理解できることが期待される。
2S05a

糖尿病と血糖調節に寄与するホルモンの新たな生理機能

日時:3月15日(水) 14:20 - 16:20 会場:第5会場
オーガナイザー:
松居 翔(京都大学 大学院農学研究科 食品生物科学専攻 栄養化学分野)
藤谷 与士夫(群馬大学 生体調節研究所 分子糖代謝制御分野)
林 良敬(名古屋大学 環境医学研究所 生体適応・防御研究部門 )
「グルカゴンの生理作用と糖尿病」
Pereye Ofejiro(群馬大学 生体調節研究所 分子糖代謝制御分野)
「Genetically induced immortalization of Ppy-expressing cells results in pancreatic ductal adenocarcinoma」
松居 翔(京都大学 大学院農学研究科 食品生物科学専攻 栄養化学分野)
「糖尿病・肥満での食欲異常におけるFGF21-oxytocin系の役割」
波床 朋信(京都大学 大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学)
「脂肪摂取と肥満における消化管ホルモンGIPの役割」
糖尿病は多因子からなる複雑な疾患であり、高い罹患率と死亡率をもたらしている。病態生理の理解に伴う新薬開発と、既存薬剤の新たなメカニズムの解明がこれまで進められ、糖尿病に対する知見は増えたものの、その病態生理を完全に理解するには至っていない。本シンポジウムでは、糖尿病と血糖コントロールに寄与する4つのホルモンとして、腸内分泌細胞から分泌されるインクレチン、膵臓のPP細胞、α細胞から分泌されるグルカゴン、肝細胞から分泌されるFGF21をトピックスとして取り上げる。 講演者は、最先端の研究を発表し、それぞれの専門分野のフロンティアについて最新情報を提供する。内分泌系と糖尿病の様々な側面に関する最新情報を聴講者に提供することで、これらの統合的な理解を促し、研究分野の活性化を図ることを目的としている。
2S06a
他学会連携委員会企画

進化するイメージング技術:新規プローブとその応用

日時:3月15日(水) 14:20 - 16:20 会場:第6会場
共催:日本生物物理学会
オーガナイザー:
福田 紀男(東京慈恵会医科大学)
鈴木 団(大阪大学蛋白質研究所)

北口 哲也(東京工業大学科学技術創成研究院)
「分子進化が切り拓いた蛍光タンパク質センサーの革新」
神谷 真子(東京工業大学生命理工学院)
「凝集体形成を利用したActivatable型ラマンプローブによる酵素活性イメージング」
金丸 和典(日本大学医学部)
「オルガネラカルシウムセンサーの開発と生体内カルシウムイメージング」
清末 優子(理化学研究所生命機能科学研究センター)
「格子光シート顕微鏡が拓くライブイメージングの新たな可能性」
鈴木 団(大阪大学蛋白質研究所)
「ヒートアップする筋肉細胞の研究」

生命科学研究において進化を続けるイメージング技術。本シンポジウムでは、低分子化合物から蛍光タンパク質由来のものまで、様々な新規の蛍光プローブやラマンプローブの開発、それらの応用に関する最先端のトピックスを取り上げる。当該分野において世界的な研究成果を挙げられている5名の先生方をお呼びした。各種のプローブを用いたイメージング原理についての詳細を交えながら、生命科学研究における応用例を紹介していただく。今後、生物物理学分野において開発されたイメージング技術が生理学の様々な研究対象に応用されてゆくことが期待される。
2AS07a

加齢に伴う生体機能低下と抗老化への多角的アプローチ

日時:3月15日(水) 14:20 - 16:20 会場:第7会場
共催:日本基礎老化学会
オーガナイザー:
柿澤 昌(京都大学)
内田 さえ(東京都健康長寿医療センター研究所)
町田 修一(順天堂大学)
「レジスタンストレーニングによる抗サルコペニア効果」
佐藤 綾美(東京都健康長寿医療センター研究所)
「ビタミンCの新たな抗老化作用機構の可能性」
佐藤 亜希子(国立長寿医療研究センター)
「睡眠調節を介した視床下部による老化寿命制御機構」
内田 さえ(東京都健康長寿医療センター研究所)
「嗅覚と認知機能の老化」
柿澤 昌(京都大学)
「活性酸素シグナルによる脳機能制御と老化促進」
加齢に伴う生体機能の低下、即ち老化現象は全ての生物個体に見られる普遍的な現象である。生体内の各器官の老化には、生活習慣に関連する様々な因子が影響することは知られているが、その作用機序や各因子間の相互作用に関しては、いまだに不明なところが少なくない。本シンポジウムでは、感覚・運動・睡眠・代謝・抗酸化物質の老化への影響に関する研究に取り組む5名の研究者(うち女性3名)を演者に迎え、最新の成果を紹介する。超高齢化が進み健康寿命の延伸に対する重要性と社会的関心が高まる中、多角的な観点から老化・抗老化にアプローチする本シンポジウムを、「恒常性と持続可能性」をテーマとする本年会にて開催することはまさに時宜を得ており、多くの来場者の今後の研究に有益な知見を与えることが期待される。
2S08a

サプライズが誘導する脳の超適応

日時:3月15日(水) 14:20 - 16:20 会場:第8会場
共催:新学術領域「超適応」との共催
オーガナイザー:
関 和彦(国立精神・神経医療研究センター)
Francisco Valero-Cuevas(南カリフォルニア大学)
「Computational approaches to neuromuscular learning: An autonomous machine learning approach」
Roland Philipp(国立精神・神経医療研究センター)
「Neural mechanisms inducing hyper-adaptation after tendon transfer in the upper limb of non-human primates.」
尾崎 弘展(同志社大学)
「感覚・運動介入による超適応の誘導」
大須 理英子(早稲田大学)
「超適応で麻痺手の不使用を克服しうるか?」
井澤 淳(筑波大学)
「運動のばらつきによる運動学習の促進」
私たちは常に予測をしながら生きています。ただ、その予測はいつも正しい訳でなく、大なり小なり現実に即していない場合がほとんどです。ですので、私達の生活はサプライズ「感覚予測誤差」に満ち溢れているといえます。我々の神経系はこの感覚予測誤差に適応する形で変化してゆきますが、通常の適応では対応できない大きな予測誤差(例えば先天的奇形、疾患や事故など)が生じる場合があります。私たちはこの時、中枢神経系は「超適応」を引き起こして生命機能を維持していると考えています。本シンポジウムでは工学・医学・生物学など学際的なアプローチによって、この超適応現象の作動原理と機能的意義の解明しようとするアプローチを紹介します。
2S09a

腸内環境に起因する消化管・血管病態生理研究のフロンティア

日時:3月15日(水) 14:20 - 16:20 会場:第9会場
オーガナイザー:
倉原 琳(香川大学 医学部 自律機能生理学)
伊原 栄吉(九州大学大学院医学研究院 消化器代謝学)
西山 和宏(九州大学薬学部生理学)
「システイン修飾を介したGPCRの内在化による腸炎制御機構の解明」
椎名 貴彦(岐阜大学応用生物科学部共同獣医学科 獣医生理学研究室)
「炎症性腸疾患モデル動物の結腸における神経筋伝達機構の特性」
五十嵐 洋子(持田製薬株式会社総合研究所 九州大学大学院医学研究院病態制御内科学)
「インドメタシン起因性小腸粘膜傷害におけるムスカリン性アセチルコリン受容体M3の役割」
平石 敬三(福岡大学医学部生理学)
「ラクツロースや母乳由来プロバイオティクスによる炎症性大腸癌モデルマウスの改善効果」
向田 昌司(岡山理科大学獣医学部獣医薬理学教室)
「生活習慣病とディスバイオーシス:高血圧症の新たな病態生理を探る」
消化管における腸内環境の変化・免疫応答機構の破綻は,局所の消化器疾患の原因のみならず、心血管疾患にも関連する。食習慣の欧米化や高齢化社会を背景にそれぞれ増加の一途を辿る炎症性腸疾患(IBD)や非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)起因性腸管障害の病態解明は不十分で未だ根本的な治療法が存在しない。また、腸内環境因子が高血圧に及ぼす分子機構は解明されていない。本シンポジウムでは、マクロとミクロの視点から腸内細菌叢・腸管粘膜上皮バリア機能・神経筋伝達機構に焦点当てることで、腸内細菌を代表とする腸内環境による消化管および血管生理制御機構とその破綻に関与する分子機構の最新の知見を明らかとした研究成果をまとめる。さらに若手・中堅研究者の最新研究成果を通じて,腸内環境に由来する消化管および血管病態生理研究の新たな方向性を模索したい。
2S01e
フィジオーム・システムバイオロジー推進特別委員会企画

ブレイン コンピュータ インターフェイス:神経生理学からの視点

日時:3月15日(水) 16:30 - 18:30 会場:第1会場
オーガナイザー:
倉智 嘉久(大阪大学)
八木 哲也(福井工業大学)
日比野 浩(大阪大学大学院医学系研究科)
「内耳蝸牛の仕組みと人工内耳」
八木 哲也(福井工業大学)
「視覚神経系の応答と通信を再現する脳刺激型視覚補綴システム」
田中 由浩(名古屋工業大学)
「触覚インタフェースを用いた感覚運動拡張と身体接続」
栁澤 琢史(大阪大学 高等共創研究院)
「BCIで想像の脳内表象を探索する」
BCI(ブレイン コンピュータ インターフェイス)は、先端情報・電子デバイス技術により脳とコンピュータを結ぶ、未来の医療・情報技術である。最近、米国有名ベンチャー企業がBCI開発に乗り出したこともあって、広く社会的に注目を集めている。また特に近年の人工知能(AI)技術の発展により、医学応用のみならず未来の情報技術としての応用も視野にいれた議論がされるようになっている。しかしながら多くのBCI開発は、いまだ研究段階と考えられ、現状ではアイデア先行的な感もある。こうした背景から本シンポジウムでは、BCI開発の発端であり現在は 保険医療の対象にもなっている人工内耳から、仮想現実感(VR)やAI技術を取入れたBCI研究までを概観しながら、今後のBCI開発を臨床応用へと展開していくための研究目標と課題について、神経生理学的な視点から考察を加える。
2AS02e

pHが支える地球上の生命―地球環境がもたらした生命進化とその未来

日時:3月15日(水) 16:30 - 18:30 会場:第2会場
共催:学術変革領域 “pH応答生物学の創成”
オーガナイザー:
岡村 康司(大阪大学大学院)
高橋 重成(京都大学)
高橋 重成(京都大学)
「CO2がもたらした有機物創生」
栗原 晴子(琉球大学)
「海洋酸性化が及ぼす未来の海洋生物・生態系への影響」
久保田 好美(国立科学博物館)
「化石から探る過去の海洋酸性化が生命に与えた影響?有孔虫化石の解析からひもとく海洋酸性化の歴史」
船戸 洋佑(大阪大学)
「pHが織りなすがん生物学」
荻沼 政之(大阪大学)
「プログラムされた細胞内酸性化: 多細胞生物の細胞を保存、維持する新規生命現象?」

46億年の地球史上、大気中のCO2分圧および海洋pHは大きな変動を遂げており、これが生命誕生、さらには強力な「選択圧」となり生命進化を誘導した。進化上獲得したpH適応能は我々の体にも脈々と受け継がれ、pH変化にある程度対応できるようになっている。興味深いことに、生命はH+を豊富に含む「場」を細胞内/生体内局所に敢えて構築することで、多彩な生物応答、即ちシグナル因子としてpHを活用する術をも獲得した。本シンポジウムでは、pH研究に携わる生理・医学、化学、古生物学、海洋生物学の若手トップランナーを一同に介し、時空間を超えてpHから地球環境と生命を捉え直すという新たな学術への挑戦を紹介する。また、化石燃料の使用に伴う海洋酸性化の問題にまで視野を広げ、気候変動に伴う生命体の適応を「学術の力」で理解し、将来的な解決への道筋も模索する。記念すべき100回大会において、分野の垣根を超えた新たな学術の方向性を示す。

2S03e

不確実な外界環境に適応する動的神経機構:次世代の生理学研究

日時:3月15日(水) 16:30 - 18:30 会場:第3会場
オーガナイザー:
小川 正晃(京都大学)
濱口 航介(京都大学)
木村 梨絵(東京大学)
「視覚入力が多少変化しても安定した行動出力を可能にする神経活動」
濱口 航介(京都大学)
「予測的行動を可能にする前頭皮質の予測的価値表現」
宮崎 勝彦(沖縄科学技術大学院大学)
「セロトニンによる報酬待機行動の制御機構」
宮本 大祐(富山大学)
「記憶回路動態へのin vivo光学的アプローチ」
小川 正晃(京都大学)
「期待外れを乗り越える神経メカニズム -ドーパミンの役割-」
不確実な外界環境に対峙して、動物は、過去の経験から環境の状態を推定し、能動的かつ柔軟に適応できる。このような行動適応を可能にする動的神経メカニズムを解明するため、伝統的な生理学では、主に単一神経電気活動計測法が用いられてきた。しかし近年、細胞種・神経回路特異的な神経活動計測技術、ニューロモジュレーター特異的な活動計測技術、さらに光遺伝学法による時空間的に精度の高い神経活動操作技術が普遍的になった。このような神経活動計測・操作技術に加え、洗練された行動課題と種々の計算論的アプローチを融合することにより、行動と生理指標を結びつける独創的研究を拓くチャンスが拡がる新しい時代が到来している。本シンポジウムは、このような次世代の生理学研究によって、不確実な外界環境に適応するために必要な、動機、忍耐、記憶、行動戦略を制御する動的神経メカニズムを明らかにする最新の研究を発表する。
2S05e

慢性炎症性疾患を代謝の視点で理解する

日時:3月15日(水) 16:30 - 18:30 会場:第5会場
オーガナイザー:
伊藤パディジャ 綾香(名古屋大学 環境医学研究所 分子代謝医学分野名古屋大学 高等研究院 心身相関病態研究ユニット)
新井 郷子(東京大学大学院 医学系研究科 疾患生命工学センター 分子病態医科学部門)
倉島 洋介(千葉大学 国際高等研究基幹千葉大学大学院 医学研究院 イノベーション医学)
「膵腸連関による腸管感染防御」
新井 郷子(東京大学大学院 医学系研究科 疾患生命工学センター 分子病態医科学部門)
「血中タンパク質AIMを用いた難治性慢性疾患に対する治療的・診断的応用」
伊藤 美智子(東京医科歯科大学 生体材料工学研究所地方独立行政法人 神奈川県立産業技術総合研究所)
「マクロファージにおける脂質代謝異常と非アルコール性脂肪性肝炎」
城村 由和(金沢大学 がん進展制御研究所 がん・老化生物学分野)
「老化細胞を標的とした個体老化・慢性炎症疾患制御法の開発」
伊藤パディジャ 綾香(名古屋大学 環境医学研究所 分子代謝医学分野名古屋大学 高等研究院 心身相関病態研究ユニット)
「脂質代謝による炎症・自己免疫応答の制御機構」
近年、自己免疫疾患をはじめ、肥満や動脈硬化などの代謝性疾患、アルツハイマー病などの神経変性疾患、がんなど、種々の疾患において慢性炎症反応が病態の形成・進展に大きく関与することが明らかにされてきた。代謝性疾患においては、全身の過栄養状態が免疫応答を制御することが示唆される一方、免疫細胞を含む細胞の機能維持には適切な代謝制御が必要であり、代謝と免疫応答のクロストークの理解が求められている。本シンポジウムでは、5人の研究者より慢性炎症性疾患の発症と進展に関して、代謝と免疫の観点から最先端の知見を共有したい。
2S06e

電位依存性カチオンチャネルの制御機構と生体恒常性維持における意義

日時:3月15日(水) 16:30 - 18:30 会場:第6会場
オーガナイザー:
村山 尚(順天堂大学医学部薬理学講座)
赤羽 悟美(東邦大学医学部生理学講座統合生理学分野)
中條 浩一(自治医科大学医学部生理学講座統合生理学部門)
「修飾サブユニットによる電位依存性K+チャネルの制御機構」
赤羽 悟美(東邦大学医学部生理学講座統合生理学分野)
「電位依存性L型Ca2+チャネルの機能制御と生理的意義」
久保田 智哉(大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻 生体病態情報科学講座 臨床神経生理学)
「電位感受性ドメインに変異をもつチャネル病の病態解析」
山田 充彦(信州大学医学部分子薬理学教室)
「神経障害性疼痛へのHCNチャネルの関与」
中村 博之(信州大学医学部麻酔蘇生学教室)
「後根神経節の小神経細胞の活動電位発生閾値を上昇させ無痛症を誘発する新規NaV1.7点変異の発見」
電位依存性カチオンチャネルは電気信号を利用したシグナル伝達に中心的な役割を果たしており、神経伝達や筋収縮のみならず、感覚や分泌、腎機能といった様々な恒常性維持機構に関与している。本シンポジウムでは電依存性カチオンチャネルの制御機構と恒常性維持機構への関与について、5人のシンポジストに講演をいただく。自治医科大学の中條は電位依存性K+チャネルの修飾サブユニットによる制御機構を、東邦大学の赤羽はL型Ca2+チャネルの機能調節機構を紹介する。信州大学の山田は心拍形成におけるL型Ca2+チャネルの関与、大阪大学の久保田は電位感受性ドメインに変異をもつチャネル病、信州大学の中村は無痛症を誘発するNav1.7の点変異について講演する。本シンポジウムが日本生理学会員の電位依存性カチオンチャネル研究への関心を刺激し、今後の共同研究に発展することになれば幸いである。
2S07e

概日リズムが基軸となる生命の恒常性・持続性:体内時計の乱れが招く健康問題の克服に向けて

日時:3月15日(水) 16:30 - 18:30 会場:第7会場
オーガナイザー:
池田 正明(埼玉医科大学医学部生理学講座)
田丸 輝也(東邦大学医学部生理学講座 細胞生理学分野)

池田 正明(埼玉医科大学医学部生理学講座)
「グルココルチコイドによる概日リズム制御」
田丸 輝也(東邦大学医学部生理学講座 細胞生理学分野)
「細胞時計の同期振動を司る時計蛋白質コート゛;時差ぼけ健康障害克服に向けて」
金子 瞳 (熊本大学大学院 生命科学研究部 分子生理学講座)
「ヒトiPS細胞の時計遺伝子発現と概日リズムの制御機構」
原口 敦嗣(早稲田大学 先進理工学部 生理・薬理研究室)
「生薬が時計遺伝子発現リズムや行動リズムに及ぼす影響とその作用メカニズムの解明」
吉種 光(東京都医学総合研究所 体内時計プロジェクト)
「時計老化: 加齢に基づく老化現象の分子メカニズム」

全身の細胞で機能する体内時計は概日リズム現象を担う内在性プログラムである。それはBmal1,Clock等の時計遺伝子/蛋白質の転写・翻訳・翻訳後修飾などの分子プロセスにより自律的・持続的に駆動する細胞単位の分子時計であり、ゲノムワイドな日周性遺伝子発現を司ることで多様な生理機能の恒常性・持続性と健康の基盤となっている。昨今のシフトワーク、グローバルネット、超高齢化、パンデミック等は現代人の体内時計を環境から切り離し、社会が強制するリズムと生来の体内時計によるリズムの間に時差を生み、適応的な生命力を減弱させ、睡眠障害、免疫力低下等の心身の不調や疾患(癌・生活習慣病・精神疾患等)を招いている。本シンポジウムでは、体内時計の持続性の破綻が招く様々な健康問題の克服に向けて、体内時計の同期、内分泌、ヒトiPS細胞、漢方薬、老化などに関する最新のトピックを通じて、議論を展開したい。
2S08e

骨格筋と脂肪の環境適応

日時:3月15日(水) 16:30 - 18:30 会場:第8会場
オーガナイザー:
根本 崇宏(日本医科大学生理学(生体統御学))
後藤 貴文(鹿児島大学農水産獣医学域農学系食肉科学研究分野)
根本 崇宏(日本医科大学生理学(生体統御学))
「The skeletal muscle that is “easy-to-lose weight” in a thrifty phenotype model rat」
三浦 進司(静岡県立大学食品栄養科学部栄養化学研究室)
「絶食およびインスリン欠乏による骨格筋ホスファチジルコリンのアシル基プロファイル変化とそのメカニズム」
池ノ上 学(慶應義塾大学医学部 産婦人科学教室)
「Fetal Origins of Obesity: 超音波を用いた新たな胎児発育評価」
安尾 しのぶ(九州大学大学院農学研究院)
「哺乳期の光環境を介した個体成長・骨格筋・脳の季節適応」
後藤 貴文(鹿児島大学農水産獣医学域農学系食肉科学研究分野)
「妊娠期栄養が和牛胎児の骨格筋と脂肪組織に与える影響とその持続的食肉生産への可能性」
近年注目されるDevelopmental Origins of Health and Disease (DOHaD) 学説では、胎生期に獲得した体質と出生後の環境のミスマッチにより疾患発症リスクが形成すると考えられている。特に発生段階における栄養環境の不良は、胎児 (仔) の体質をエネルギー消費の少ない倹約型体質(いわゆる省エネ体質)に変容させる。倹約型体質は出生後の貧しい栄養環境には生存に有利に働くが、過剰な栄養環境では体質と環境とのミスマッチを生じやすくなる。このような体質と環境のミスマッチは、ヒトにおいては疾患発症リスクの形成因子となるが、畜産分野においては脂肪交雑の誘導因子としての応用に期待されている。そこで、本シンポジウムでは、脂肪や骨格筋の性質がどのように形成されるか、環境の変化にいかに適応するか、そして持続可能な応用が展開できるか、その可能性について議論したい。
2S09e

核膜研究の最前線

日時:3月15日(水) 16:30 - 18:30 会場:第9会場
オーガナイザー:
林 由起子(東京医科大学)
今泉 和則(広島大学大学院)
林 由起子(東京医科大学)
「核膜と核膜病研究の今」
島本 勇太(国立遺伝学研究所)
「Mechanical dynamics of the nucleus in mouse early embryos」
上川 泰直(広島大学大学院)
「核膜ストレスに対する応答メカニズムと生理的意義の解明」
志見 剛(東京工業大学)
「ラミノパチーにおいて核膜の修復異常を引き起こす分子機構の解明」
和田 英治(東京医科大学)
「なぜ核膜異常で筋ジストロフィーが発症するのか?」
核膜は真核生物の核質を細胞質から隔てている生体膜である。内膜、外膜の二重膜構造をとり、核外膜は小胞体膜に連続している。核内膜は核ラミナに裏打ちされており、クロマチンと繋がっている。核と細胞質との物質輸送は核内膜と核外膜を貫通する核膜孔複合体という巨大タンパク質複合体が担っている。核膜は細胞周期に合わせてダイナミックに変化するとともに、遺伝子発現調節を始めとした生命機能に重要な役割を担っている。核膜関連タンパク質の異常は筋ジストロフィー、心筋症、早老症など核膜病と総称される多彩な疾患の原因となる。本シンポジウムでは核膜孔と核ラミナの構造、力学的変化に伴う核膜応答、核膜損傷応答、核膜病の病態など、近年、さまざまな新規知見が見出されている核膜研究の最前線を紹介する。
3AS01m

未病の理解へ向けて:最先端数理科学からの挑戦

日時:3月16日(木) 9:00 - 11:00 会場:第1会場
共催:国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) ムーンショット型研究開発事業目標2
オーガナイザー:
合原 一幸(東京大学)
岩見 真吾(名古屋大学)
岩見 真吾(名古屋大学)
「数理モデル駆動型の未病研究 -不均一性と層別化-」
小泉 桂一(富山大学)
「未病の検出とその応用への試み」
岡田 随象(大阪大学)
「遺伝統計学による病態解明・ゲノム創薬・個別化医療」
藤生 克仁(東京大学)
「多層的アプローチによる心血管疾患の予防・予測と未病状態の検出への取り組み」
内閣府/JSTのムーンショット目標2では、「2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現」することを目指しています。そのために、数理解析手法の研究と、難治性がん、糖尿病および併発疾患、認知症関連疾患、ウイルス感染症などの疾患研究が、連携して実施されていてます。特に、従来のプロジェクトと大きく異なる点は、まだ発病・重症化には至らないもののそれらの少し手前の「未病」状態を定義・検出して、超早期に患者個々人に対する精密医療を目指す点です。本シンポジウムでは、このような未病に関連する研究を実現するために必要不可欠な数理科学的手法に基づいた具体的な疾患への適用例を紹介し、今後の未病研究の方向性を議論したいと考えています。
3AS02m

温度感受性Transient Receptor Potential (TRP) チャネル研究に至る40年の歩みとこれからの展望

日時:3月16日(木) 9:00 - 11:00 会場:第2会場
オーガナイザー:
高山 靖規(昭和大学医学部生理学講座 )
富永 真琴(自然科学研究機構 生命創成探究センター 温度生物学研究グループ)
富永 真琴(自然科学研究機構 生命創成探究センター 温度生物学研究グループ)
「温度感受性TRPチャネルの発見」
加塩 麻紀子(自然科学研究機構 生命創成探究センター 温度生物学研究グループ)
「体温センサーTRPM2研究の新展開」
小山 隆太(東京大学大学院薬学系研究科 薬品作用教室)
「TRPV4による成体脳神経新生調節へのマイクログリアの関与」
白川 久志(京都大学 大学院薬学研究科 生体機能解析学分野)
「血管性認知障害におけるグリア細胞TRPチャネルの相反する役割」
約40年前にショウジョウバエの視細胞から同定された非選択的カチオンチャネル、Transient Receptor Potential(TRP)チャネル、に関する研究報告は今日では多岐を極めている。特に1997年及び1998年のTRP vanilloid 1(TRPV1)の報告を皮切りに、TRPチャネルの生理的・病態的意義の詳細が明らかとなってきた。一般的にも広く知られているように、カプサイシン受容体であるTRPV1を含め多くのTRPチャネルは天然にある刺激(温度・力学的刺激・天然化合物など)を感受するセンサータイプのイオンチャネルである。本シンポジウムでは、脳温を含めた生命維持に不可欠な温度域で活躍する温度感受性TRPチャネルの研究において気鋭なる研究者と共に、新たに見出された知見とその発展について次世代へ繋がるディスカッションを展開したい。
3S03m

良質な睡眠を生み出す分子神経基盤とその生理的作用の解明

日時:3月16日(木) 9:00 - 11:00 会場:第3会場
オーガナイザー:
林 悠(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻)
三枝 理博(金沢大学)
安垣 進之助(筑波大学)
「レム睡眠とストレスとの双方向的な作用の検討:うつ病のマウスモデルを用いて」
船戸 弘正(東邦大学)
「ノンレム睡眠を制御するリン酸化シグナル」
常松 友美(東北大学)
「睡眠ステージ依存的なPGO波-海馬間神経活動」
井ノ口 馨(富山大学)
「レム睡眠中における推移的推論の情報処理」
三枝 理博(金沢大学)
「中枢概日時計の神経メカニズム」
近年、神経回路を解析する技術の発展と応用に伴い、睡眠や覚醒状態の切り替えを担う神経回路が次々と明らかとなってきた。一方で、睡眠の意義については依然として不明な点が多い。本シンポジウムでは、個体しての機能向上の観点から有益な睡眠を「良質な睡眠」と定義し、その実体および制御機構や作用について取り組み最先端の研究を担う演者による講演を企画する。演者として、睡眠の作用について、記憶学習やストレス恒常性、脳の恒常性維持、体内時計の調整などに注目して研究を進める研究者や、睡眠の質の実体と予想される脳のオシレーション活動やタンパク質のふるまいなどに注目して研究を進める研究者を招く。本シンポジウムの実現により、本大会のテーマである「恒常性と持続可能性」に資する睡眠の実体を見出す。なお、ダイバーシティ推進の観点から、若手研究者2名、女性研究者1名を演者に含める。
3AS04m

個体レベルでの生命機能解析の新技術

日時:3月16日(木) 9:00 - 11:00 会場:第4会場
オーガナイザー:
堀江 恭二(奈良県立医科大学)
隅山 健太(名古屋大学大学院生命農学研究科 動物遺伝育種学)
大塚 正人(東海大学医学部)
「PITT、Easi-CRISPR、i-GONAD: 独自の遺伝子改変マウス作製法とその応用」
鈴木 啓一郎(大阪大学高等共創研究院)
「個体における体細胞ゲノム編集法の開発」
沖 真弥(京都大学大学院医学研究科)
「光単離化学(PIC)による高解像度かつ高深度トランスクリプトーム解析」
洲崎 悦生(順天堂大学大学院医学研究科)
「システマチックな細胞回路の観察・解析によるセルオミクスの実現」
松田 道行(京都大学大学院生命科学研究科)
「細胞集団運動における増殖因子が果たす役割の重畳性と特異性」
近年、生命現象を個体レベルで解明するための技術革新が進展している。CRISPR-Casをはじめとするゲノム編集技術の進展は、遺伝子改変生物の作製速度を格段に高めるとともに、モデル動物にとどまらないあらゆる生命体のゲノム改変を可能にした。さらに最近では、体細胞レベルでの遺伝子改変技術も進み、遺伝子治療への応用も現実化している。生命現象を追跡するための様々な蛍光バイオセンサーの開発も進み、新規のゲノム改変技術を利用することで、様々な細胞系譜における個体レベルでの定量的解析が可能になりつつある。空間トランスクリプトーム解析法や組織透明化技術の進展は、従来の手法に空間情報という新たな次元を付加し、生命機能の俯瞰的理解を可能にしつつある。本シンポジウムでは、このような個体レベルでの生命現象の解明に向けた新規技術の開発の最前線で活躍する研究者を招き、これからの生命科学への応用性を議論する。
3S06m
国際交流委員会企画

筋収縮の適応的調節 -生理と病態

日時:3月16日(木) 9:00 - 11:00 会場:第6会場
共催:IUPS(YoP)-PSJ Joint Symposium
オーガナイザー:
原 雄二(静岡県立大学薬学部 統合生理学分野)
Susan Wray(リバプール大学(英国)細胞・分子生理)
原 雄二(静岡県立大学薬学部 統合生理学分野)
「骨格筋恒常性に対する機械受容機構の役割」
山澤 德志子(東京慈恵会医科大学・分子生理学講座)
「新規モデル動物を用いた骨格筋における1型リアノジン受容体の機能解析」
Robyn Murphy(ラ・トローブ大学(オーストラリア)農学部)
「Furthering insights into sarcoplasmic reticulum Ca2+-ATPase (SERCA) regulation in skeletal muscle」
Susan Wray(リバプール大学(英国)細胞・分子生理)
「Adaptative regulation of myometrial contractility in pregnancy and labour」

国際交流委員会企画による、IUPS (Year-of-Physiology)とPSJの合同企画

3S07m
他学会連携委員会企画

構造-機能連関研究の最前線:生命現象を支える動的構造基盤を可視化する

日時:3月16日(木) 9:00 - 11:00 会場:第7会場
共催:日本解剖学会
オーガナイザー:
日置 寛之(順天堂大学大学院・医学研究科・脳回路形態学)
根本 知己(生理学研究所・バイオフォトニクス研究部門)
宮澤 佳甫(金沢大学・理工研究域・フロンティア工学類)
「原子間力顕微鏡を用いたナノ内視鏡によるオルガネラの構造や力学物性の細胞内ライブイメージング」
平林 祐介(東京大学大学院・工学系研究科)
「連続電子顕微鏡観察によるによるオルガネラ構造イメージングとDeep-learningを用いた画像解析」
柏木 有太郎(東京大学大学院・医学系研究科・神経細胞生物学教室)
「超解像顕微鏡による記憶関連樹状突起スパインの三次元構造解析」
大友 康平(順天堂大学大学院・医学研究科・生化学 生体システム医科学/自然科学研究機構・生命創成探究センター・バイオフォトニクス研究グループ/生理学研究所・バイオフォトニクス研究部門)
「新規多光子顕微技術による多次元生体イメージング」
生理機能は分子・オルガネラ・細胞・組織・臓器など幅広い空間スケールに亘り創出されており、これら異なるスケールで機能が創出されるメカニズムをシームレスに解明することが、生命現象の更なる理解の深化必要である。そこで様々な空間分解能と対象範囲(領域)を観察できる可視化技術の開発が急速に進められている。本シンポジウムでは多様な観察手法に最適化された空間分解能と観察範囲でイメージングし、現象の構造基盤を明らかにする最新の研究手法と得られる結果について、出来るだけ実際に開発を行っている若手研究者に紹介して頂く。最先端の可視化技術の現状と将来像を共有することで、参加者それぞれの研究上の選択肢を広げる一助として頂きたい。
3S08m

中枢ドーパミン系の新たな切り口

日時:3月16日(木) 9:00 - 11:00 会場:第8会場
オーガナイザー:
籾山 俊彦(東京慈恵会医科大学・薬理学講座)
桝 正幸(筑波大学 医学医療系)
西 昭徳(久留米大学医学部薬理学講座)
「コリン作動性介在神経によるドーパミン報酬応答制御」
疋田 貴俊(大阪大学 蛋白質研究所 高次脳機能学研究室)
「柔軟な認知行動のための側坐核ドーパミン神経伝達機構」
桝 正幸(筑波大学 医学医療系)
「細胞外糖鎖修飾による側坐核神経回路機能の調節」
小林 和人(福島県立医科大学)
「腹側被蓋野ドーパミンニューロンの活動操作はオペラント行動の動機づけに影響する」
鈴木 江津子(東京慈恵会医科大学・薬理学講座)
「ドーパミン系のニューロン、シナプスの再生機構」
代表オーガナイザーは2010年盛岡における本学会において、“ドーパミン伝達による脳内ネットワークと可塑性・学習の制御”というシンポジウムにシンポジストとして参加し、さらに2015年神戸での本学会では、“伝達物質および受容体から見た大脳基底核神経回路機能”というシンポジウムをオーガナイズした(Review; J. Physiol. Sci. 66, 435-446, 2016)。これらのシンポジウムでは主として、神経回路、伝達物質および受容体について最新の知見に基づいて議論を行なったが、今回の応募では、従来ドーパミン系の機能との関連が論じられることのなかった修飾系、他の系との相互作用、再生機構等の新たな切り口からドーパミン系の機能を探ることを目的として、新たなメンバーも加えてシンポジウムを企画した。ドーパミン系機能の新たな側面、病態へのアプローチに関する知見が深まることを期待する。
3S09m

神経シグナル伝達におけるサブセルラー構造と機能のダイナミクス

日時:3月16日(木) 9:00 - 11:00 会場:第9会場
オーガナイザー:
三木 崇史(同志社大学大学院 脳科学研究科)
神谷 温之(北海道大学大学院医学研究院 神経生物学)
神谷 温之(北海道大学大学院医学研究院 神経生物学)
「軸索興奮性の活動依存的な制御機構」
三木 崇史(同志社大学大学院 脳科学研究科)
「細胞骨格依存的なシナプス小胞ナノスケール動態」
Alain Marty(パリ大学 サンペールパリ神経科学研究所)
「Dynamic changes in the sizes of various pools of synaptic vesicles at simple cerebellar glutamatergic synapse」
Cordelia Imig(コペンハーゲン大学 神経科学科)
「Dissecting the Organisation of Morphological Synaptic Vesicle Pools by Electron Microscopy」
川口 真也(京都大学 大学院理学研究科 生物物理学教室)
「樹状突起における膜電位変化の非対称性伝播」
動物における高次脳機能は神経細胞間の情報伝達を基盤とする。近年、神経細胞の局所部位からの直接パッチクランプ記録や蛍光イメージングによる分子動態観察、flash & freeze法と電顕による細胞内ナノ構造体観察などの目覚ましい技術革新により、サブセルラーレベルでの神経機能と構造動態が高時空間解像度で明らかにされつつある。そこで本シンポジウムでは、神経回路における軸索→シナプス→樹状突起のシグナルの流れの中で、いかに各サブセルラー構造の動態が機能と連関するかに焦点をあてた最前線の研究を紹介する。様々な先端的技術を駆使する国内外の一流の研究者らを結集し、ナノメートルからマイクロメートルスケールでの神経細胞の局所的な情報処理メカニズムについて理解を深める。さらにそれが脳・神経回路での情報処理にいかに寄与するかについて議論することが、本シンポジウムの狙いである。
3S10m

眼球および眼周囲における生理機能の概日リズム

日時:3月16日(木) 9:00 - 11:00 会場:第10会場
オーガナイザー:
池上 啓介(愛知医科大学 医学部 生理学講座)
土谷 佳樹(京都府立医科大学 統合生理学部門)
池上 啓介(愛知医科大学 医学部 生理学講座)
「眼圧日内変動の分子制御機構の理解」
Ethan Buhr(ワシントン大学 医学部 眼科学講座)
「Atypical opsins regulate the circadian rhythms of the mammalian eye」
土谷 佳樹(京都府立医科大学 統合生理学部門)
「概日リズムと角膜内皮機能」
土居 雅夫(京都大学大学院薬学研究科 医薬創成情報科学専攻 システムバイオロジー分野)
「体内時計に制御されたイントラクライン活性の再活性化はマイボーム腺機能障害とそれに付随するドライアイを軽減することができる」
 ヒトは感覚情報の多くを視覚から得ています。そのため、加齢や生活習慣の乱れによる眼の生理機能の衰えはQOLの低下に直結します。また、眼は視覚だけでなく体内時計の調節にもはたらいており、眼が受容する光によって体内時計がリセットされ、さらに眼自身も体内時計の時間シグナルによって制御されるという複雑な相互制御ダイナミクスが存在します。このような制御の実体や眼の生理機能リズムについてはこれまであまり理解が進んでいませんでしたが、近年、著しい研究の進展によって新しい知見が蓄積されつつあり、眼の概日リズム研究は新たな展開を見せ始めています。 そこで本シンポジウムでは、眼の生理機能リズムを生み出す仕組みやその生理的意義の解明、さらには疾患の時間治療に向けた基礎研究をされている先生方をお迎えし、眼瞼、角膜、網膜、そして眼圧の概日リズムに関するこれまでの知見および最新のご研究を紹介していただくことで、眼の生理機能の統合的な理解を深めることを目指します。
3S03a
国際交流委員会企画

胎児期・周産期における劇的環境変化に対する適応

日時:3月16日(木) 14:20 - 16:20 会場:第3会場
共催:IUPS(YoP)-PSJ Joint Symposium
オーガナイザー:
横山 詩子(東京医科大学)
Bennet Laura(University of Auckland, New Zealand)
Laura Bennet(University of Auckland, New Zealand)
「Hidden clocks: the importance of understanding time for diagnosis and treatment of evolving perinatal brain injury 」
Chia-Wen Lin(Kobe Univesrsity & RIKEN)
「A prenatal epigenetic fluctuation underlies systemic immune dysregulation in autism」
横山 詩子(東京医科大学)
「出生前後のダイナミックな循環器変化を可能にする分子メカニズム」
Janna Morrison(University of South Australia, Adelaide, Australia)
「Watching the small baby grow」
国際交流委員会企画による、IUPS (Year-of-Physiology)とPSJの合同企画
3S04a

グリアによってデコードされる脳情報の解明

日時:3月16日(木) 14:20 - 16:20 会場:第4会場
共催:学術変革A グリアデコード
オーガナイザー:
和氣 弘明(名古屋大学 大学院医学系研究科)
小泉 修一(山梨大学 院医 薬理学)
和氣 弘明(名古屋大学 大学院医学系研究科)
「オリゴデンドロサイトによる神経回路の同期性制御」
岡部 繁男(東京大学大学院医学系研究科神経細胞生物学分野)
「イメージングによる神経・グリア相互作用の理解」
有薗 美沙(京都大学 医学研究科 システム神経薬理学)
「先端的イメージングでシナプス-アストロサイト相互作用に迫る」
小泉 修一(山梨大学 院医 薬理学)
「グリア細胞によるシナプス・ネットワーク再編」
中枢神経系には神経細胞およびグリア細胞が存在し、高等動物のグリア細胞の比率は高いことから高次脳機能への関与が示唆されている。さらに近年そこからグリア細胞の中枢神経系疾患への強い関与が示唆され、創薬標的としての注目が集まっている。本シンポジウムでは多角的な解析から明らかになったグリア細胞の機能およびそれがどのように脳情報をデコードするかを明らかにする研究を行う4人の研究者に登壇いただき、グリア研究の最前線を紹介したい
3S05a
学術研究委員会/日本医学会連合連携フォーラム企画

恒常性と持続可能性を支える臓器間コミュニケーション: その制御と破綻のメカニズム

日時:3月16日(木) 14:20 - 16:20 会場:第5会場
共催:日本生化学会/日本自律神経学会
オーガナイザー:
中村 和弘(名古屋大学・院・医学系研究科・統合生理学)
加藤 総夫(東京慈恵会医科大学・神経科学研究部)
中村 和弘(名古屋大学・院・医学系研究科・統合生理学)
「体温調節の多臓器反応を統合的に制御する中枢ニューロン」
星野 歩子(東工大・生命理工学院・生命理工学系)
「エクソソームを介した臓器連関:病態寄与機構とバイオマーカー解析」
三上 洋平(慶應義塾大・医・内科学(消化器))
「肝-脳-腸相関を介した腸管免疫制御機構」
今井 淳太(東北大・院・医学系研究科・内科病態学講座・糖尿病代謝内科学分野)
「肝臓―膵β細胞間神経ネットワークによる 迷走神経シグナルを介した膵β細胞制御機構」
高橋 良輔(京都大学・院・医学研究科・臨床神経学(脳神経内科))
「パーキンソン病は末梢起源か?」
本シンポジウムの目的は、基礎医学と臨床医学の分野において臓器連関機構の研究を牽引している研究者が一堂に会し、人体の恒常性と持続可能性を支える臓器間コミュニケーションについて、細胞外分泌小胞、神経ネットワーク、免疫ネットワークなどを介した制御メカニズムを領域横断的に俯瞰し、さらに疾患発症において臓器間コミュニケーションが果たす役割の解明から治療への応用に関する最先端の研究を紹介し論じることで、この分野の発展に寄与することである。
3S06a

インビボ生理学による海馬の機能解析

日時:3月16日(木) 14:20 - 16:20 会場:第6会場
オーガナイザー:
水関 健司(大阪公立大学)
宮脇 寛行(大阪公立大学)
高橋 晋(同志社大学大学院脳科学研究科)
「鳥類海馬における場所や方向の表現」
田中 和正(沖縄科学技術大学院大学(OIST)、記憶研究ユニット)
「記憶表象と海馬ネットワークの動的性質」
奥山 輝大(東京大学 定量生命科学研究所)
「海馬における社会性記憶の表象メカニズム」
宮脇 寛行(大阪公立大学)
「多領域同時in vivo電気生理学による海馬―大脳皮質間ネットワークの動態解析」
近年、日本でも生理学計測を自由行動中の動物に用いて海馬の機能解析を行う研究者が増加してきた。特に最近では、実験室内のマウスやラットだけでなく、自然の中で自由に行動する鳥類や魚類から脳活動を計測する意欲的な研究も盛んになってきた。さらに、光遺伝学と大規模生理学の融合、社会行動を営む動物からの大規模記録、複数の脳領域からの大規模同時計測などを行うことで、より厳密に神経活動と行動の関係を記述する研究も進んでいる。本シンポジウムは上記のような研究を行っている新鋭の若手研究者に最新の研究を紹介していただき、日本のインビボ海馬研究の一層のレベルアップを目指す。
3S07a

摂食と代謝を制御する分子・神経回路メカニズム

日時:3月16日(木) 14:20 - 16:20 会場:第7会場
オーガナイザー:
酒寄 信幸(広島大学 大学院医系科学研究科 口腔生理学研究室)
小澤 貴明(大阪大学 蛋白質研究所 高次脳機能学研究室)
小澤 貴明(大阪大学 蛋白質研究所 高次脳機能学研究室)
「味覚の相乗作用とその神経回路メカニズムの探索」
成松 勇樹(広島大学 大学院統合生命科学研究科)
「新規視床下部分泌性小タンパク質NPGLは摂食行動と脂質代謝を促進する」
楠本-吉田 郁恵(鹿児島大学 大学院医歯学総合研究科 統合分子生理学分野)
「食欲調節における大脳皮質と視床下部の協調作用」
酒寄 信幸(広島大学 大学院医系科学研究科 口腔生理学研究室)
「仔の摂食行動は母親における多価不飽和脂肪酸の摂取バランスによる影響を受ける」
現代社会において、食と関連した生活習慣病や関連疾患の増加は著しく、公衆衛生上の深刻な問題となっている。これらの疾患の根本的な予防法・治療法を確立するには、摂食量の調節や食物の選択行動に関わる神経科学的研究、代謝調節に関わる内分泌学的研究、そして栄養因子の機能性を明らかにする栄養学的研究などによる多角的アプローチが必要である。本シンポジウムでは、多様な研究分野に属する大学院生から助教までの若手研究者が、摂食・代謝・栄養研究における最先端の研究成果を紹介する。小澤貴明は味覚の相乗作用と中脳ドパミン作動性ニューロンの役割について、楠本-吉田郁恵は島皮質における摂食調節機構について講演する。また、成松勇樹は視床下部に由来する新しい摂食・代謝制御因子について講演し、最後に酒寄信幸が栄養因子による新規摂食調節機構について講演する。本シンポジウムが、将来的な社会実装につながる学際的研究を推進する一助となることを期待している。
3S08a

大脳基底核の機能―運動制御のその先へ―

日時:3月16日(木) 14:20 - 16:20 会場:第8会場
オーガナイザー:
橘 吉寿(神戸大学大学院医学研究科)
南部 篤(生理学研究所)
Thomas Boraud(ボルドー大学)
「The cortex-basal ganglia loop and its role in procedural learning and decision processes in vertebrates.」
長谷川 拓(理化学研究所)
「Subthalamic nucleus modulates the stability of movements and neural activity in the basal ganglia」
橘 吉寿(神戸大学大学院医学研究科)
「大脳基底核における運動?情動ループの機能連関の破綻として捉えるチック障害」
松嶋 藻乃(マクガヴァン脳研究所)
「Striosome; from the birth to death in Huntington’s disease」
大脳基底核は、線条体・淡蒼球・視床下核・黒質から成り立っている。黒質ドーパミン細胞の変性・脱落によってパーキンソン病の運動症状が起こることから、大脳基底核の機能として、運動制御との関連が古くから提唱され、電気的神経活動記録、薬理学的介入、電気刺激実験により、大脳基底核による運動制御機構の詳細が明らかになってきた。これに加えて、ウイルスによるトレーシング、RNAseqなどの分子生物学的ツール、カルシウムイメージング、光・化学遺伝学、ヒト機能イメージングといった新たなツールにより、運動制御を越えた大脳基底核の新たな機能が次々に明らかになりつつある。本シンポジウムでは、これらの方法によって明らかになった、運動機能、情動・認知・精神機能に焦点をあて、これからの大脳基底核の新たな機能研究について議論したい。
3S09a

ミトコンドリアの多彩な機能:興奮性の制御、細胞の生死・代謝制御から未知なるものまで

日時:3月16日(木) 14:20 - 16:20 会場:第9会場
オーガナイザー:
西谷(中村) 友重(和歌山県立医科大学医学部 薬理学講座)
竹内 綾子(福井大学学術研究院医学系部門 統合生理学)
石原 孝也(大阪大学大学院理学研究科生物科学専攻)
「心臓の機能成熟とミトコンドリアダイナミクス」
西村 明幸(生理学研究所)
「超硫黄分子によるミトコンドリア品質と心臓恒常性維持機構の解析」
竹内 綾子(福井大学学術研究院医学系部門 統合生理学)
「マウス心筋および脳におけるミトコンドリアCa2+動態特性の違い」
西谷(中村) 友重(和歌山県立医科大学医学部 薬理学講座)
「細胞内Ca2+センサーによるミトコンドリア機能制御: 心筋ストレス抵抗性およびエネルギー代謝への寄与」
新谷 紀人(和歌山県立医科大学薬学部薬品作用学研究室)
「ミトコンドリア局在タンパク質p13/FMC1の生理・病態的役割」
ミトコンドリアは、ATP産生やエネルギー代謝のみならず、細胞の生死、細胞内Ca2+シグナル制御など多角的な機能を持つ。しかし、その多角さを生み出す機序については不明な点が多い。本シンポジウムでは、ミトコンドリアの形態や機能を調節する様々な因子に着目し、この謎の一端を解き明かす。具体的には、融合・分裂などのミトコンドリアの形態変化に関わる分子やレドックス活性の高い活性イオウ分子、ミトコンドリアタンパク質p13などによるミトコンドリアの構造・機能制御および品質管理についての研究、また細胞内Ca2+シグナルによるミトコンドリア生合成・機能維持、さらにミトコンドリアCa2+動態の組織特異性についての新たな知見を紹介し、興奮性細胞におけるミトコンドリアの機能制御の生理的意義およびその破綻による病態について、分子から個体レベルで総括する。このようなミトコンドリアの多角的制御が、ストレスに対する恒常性維持に寄与する可能性を探る。
3S10a
他学会連携委員会企画

リハビリテーション(理学療法)の基盤としての生理機能研究

日時:3月16日(木) 14:20 - 16:20 会場:第10会場
共催:日本理学療法学会連合
オーガナイザー:
小峰 秀彦(産業技術総合研究所 ヒューマンモビリティ研究センター )
浦川 将(広島大学大学院 医系科学研究科運動器機能医科学)
田尻 直輝(名古屋市立大学大学院 医学研究科脳神経生理学 )
「損傷脳に対する治療効果を最大化する:人参養栄湯と麻痺側集中使用によるリハビリテーションの併用効果」
岩本 えりか(札幌医科大学 保健医療学部理学療法学第二講座)
「理学療法が動脈硬化の予防・改善に果たす役割とそのメカニズム」
美津島 大(山口大学大学院 医学系研究科神経生理学講座)
「運動トレーニングは、一次運動野のV層錐体細胞群におけるシナプス多様化を促進し、細胞特性も変化させる」
水村 和枝(日本大学 歯学部生理学講座)
「筋性疼痛の新たなメカニズム」
リハビリテーション(理学療法)が対象とする分野は、脳卒中をはじめとする中枢神経疾患、整形外科疾患、循環器疾患など多岐に渡るが、いずれの分野においても生理機能に基づく臨床的アプローチが重要である。既存の臨床的アプローチを発展させる、あるいは新しい臨床的アプローチを導入するためには、臨床的仮説を検証する生理学研究の実施や、逆に生理学の新たな研究成果・知見を基にした臨床的仮説の構築が必要であり、リハビリテーション(理学療法)が発展する上で、生理機能研究は欠かすことができないものである。本シンポジウムでは、リハビリテーション(理学療法)の基盤としての生理学研究として、神経保護・再生、動脈硬化の予防・改善、運動学習の神経メカニズム、疼痛のメカニズムについて4名のシンポジストが登壇して研究発表を行い、議論する。
3AS01e

革新的脳研究-高次脳機能を担う神経回路の全容解明にむけて

日時:3月16日(木) 16:30 - 18:30 会場:第1会場
協賛:日本医療研究開発機構(AMED)
オーガナイザー:
岡部 繁男(東京大学大学院医学系研究科・医学部 神経細胞生物学)
村山 正宜(理化学研究所 脳神経科学研究センター 触知覚生理学研究チーム)
小池 進介(東京大学大学院総合文化研究科)
「ヒト脳MRI研究成果を起点とした統合失調症の双方向トランスレーショナル研究」
渡我部 昭哉(理化学研究所 脳神経科学研究センター)
「マーモセット前頭前皮質の投射マッピング」
村山 正宜(理化学研究所 脳神経科学研究センター)
「脳ネットワークダイナミクスを可視化する広視野高速2光子顕微鏡」
下郡 智美(理化学研究所 脳神経科学研究センター)
「マーモセット遺伝子発現アトラスを用いた新たな神経科学研究」
中江 健(京都大学)
「脳の進行波と結合を統合するためのデータ駆動型アプローチ」
2014年から開始した「革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明プロジェクト」は、神経細胞がどのように神経回路を形成し、どのように情報処理を行うことによって、全体性の高い脳の機能を実現しているかについて、我が国が強みを持つ技術を生かして、その全容を明らかにし、精神・神経疾患の克服につながるヒトの高次脳機能の解明のための基盤を構築することを目的として実施している。本シンポジウムでは、革新脳プロジェクトにおいて成果を上げた若手研究者を中心とした発表をもとに、革新的脳研究の更なる発展、必要な技術とリソース、その実現のための方策を参加者と議論し共有したい。また、革新脳プロジェクトにおいて既に利活用可能な技術要素やデータベース情報も共有し、異分野研究者との共同研究へ展開することを期待する。
3S02e
他学会連携委員会企画

「ストレス研究」の新しい展開

日時:3月16日(木) 16:30 - 18:30 会場:第2会場
共催:日本神経内分泌学会
オーガナイザー:
尾仲 達史(自治医科大学)
西 真弓(奈良県立医科大学)
吉田 匡秀(自治医科大学)
「延髄チロシン水酸化酵素発現ニューロン亜集団のストレス反応における役割」
堀井 謹子(奈良県立医科大学)
「視床下部による潜在的脅威に対する防御行動調節ー精神疾患との関連ー」
片岡 直也(名古屋大学)
「心理ストレス反応を引き起こす心身相関メカニズム」
松田 二子(東京大学)
「後脳による低栄養感知とエネルギー恒常性の維持機構」
小早川 令子(関西医科大学)
「先天的恐怖臭を利用し人工冬眠・生命保護状態を誘導する感覚創薬原理」
生体は、侵害的な刺激を受けても適応的に反応し生体恒常性を維持することで、様々な環境において生きていける。ストレス負荷はこの生体恒常性維持の機構を脅かし、実際に生体恒常性が破綻すると病態となる。「ストレス」はあいまいな概念であるが、疫学的にヒトの寿命に大きな影響を与えることが示されている。近年の分子ツールの開発により、動物実験におけるストレス負荷に対する生体反応の機構と生理的機能の破綻による病態が、分子レベル、細胞レベル、神経回路レベル、臓器レベル、生体全体レベルで探求できるようになってきた。その結果、様々なストレス実験動物モデルにおいて、それぞれのストレス反応を惹起するための機構が明らかになりつつある。それぞれの実験系における最前線の研究をレヴューしていただくとともに俯瞰的な視点から「ストレス」に共通する機構があるのかを含め議論したい。
3S03e
JPS編集委員会企画

生理学研究の発表方法を議論する~JPSオープンアクセスの成功を目指して~

日時:3月16日(木) 16:30 - 18:30 会場:第3会場
オーガナイザー:
富永 真琴(生理学研究所)
佐藤 元彦(愛知医科大学)
佐藤 元彦(愛知医科大学)
「The Journal of physiological sciences (JPS)の現状」
Sharona Gordon(University of Washington)
「Excellence and Integrity in Publishing Physiology」
Lesley Anson(collaborating with eLife to launch the field-specific CoLabs)
「Science Colab: empowering scientific communities to publish, review and curate their research」
よい生理学論文をだすためにはどうしたらよいかを、アメリカと日本で生理学の論文を発表するJournalでeditorを務められた方々とdiscussionしたいと思います。Dr. Gordonは、Journal of General Physiologyの前chief editorで、Dr. AnsonはNature Communicationsのfounding editorで、現在はeLifeで新しいpublishing platformであるthe field-specific CoLabsを立ち上げようとされています。
3AS04e
100周年記念事業委員会/教育委員会企画

生理学教育の現在、過去、未来

日時:3月16日(木) 16:30 - 18:30 会場:第4会場
オーガナイザー:
椎橋 実智男(埼玉医科大学)
小野 富三人(大阪医科薬科大学医学部 生命科学講座 生理学教室)
鯉淵 典之(群馬大学大学院医学系研究科応用生理学分野)
「生理学教育において日本生理学会が果たしてきた役割」
岡村 康司(大阪大学大学院 医学系研究科生理学講座統合生理学)
「生理学教育で、変わること、変わらないこと:医学部の教育現場から」
大隅 典子(東北大学大学院医学系研究科発生発達神経科学分野)
「神経新生の分子メカニズムと生理的意義」
南沢 享(東京慈恵会医科大学細胞生理学講座)
「日本生理学会教育委員会がやるべきこと、やりたいこと」
生理学は多臓器連関や個体機能など統合的視点をもつ学問の特性を有しており、この特性を活かす教育を行うことが、今後の生理学教育のあり方を考える上で重要となる。その観点で、これまで生理学会が教育に対してどのような貢献をしてきたか、現在の生理学教育の特徴や課題は何か、これからの生理学教育のあり方はどうあるべきか、また、日本生理学会はどのように貢献してゆくべきか、について議論をする。シンポジウムは4名の演者による講演とその後のパネルディスカッションで構成される。
3S05e

神経・シナプス機能の理解に向けた革新的ニューロ分子技術

日時:3月16日(木) 16:30 - 18:30 会場:第5会場
共催:JST-ERATO 浜地ニューロ分子技術プロジェクト
オーガナイザー:
掛川 渉(慶應義塾大学医学部生理学教室)
清中 茂樹(名古屋大学大学院工学研究科生命分子工学専攻)

野中 洋(京都大学大学院工学研究科合成・生物化学専攻)
「リガンド指向性アシルイミダゾール化学による生きたマウス脳内での内在性神経伝達物質受容体の化学標識」
野澤 和弥(慶應義塾大学医学部生理学教室)
「Expansion microscopyによって明らかになる生体内シナプスのナノスケール分子構築」
高遠 美貴子(京都大学大学院工学研究科合成・生物化学専攻)
「光駆動近接ラベル化法による生きたマウス脳内での神経伝達物質受容体インタラクトーム解析」
竹本 研(三重大学大学院医学系研究科生化学分野)
「光による分子不活性化技術CALI法と記憶研究へ応用」
清中 茂樹(名古屋大学大学院工学研究科生命分子工学専攻)
「細胞選択的な活性制御を実現するグルタミン酸受容体ケモジェネティクス法」

近年のマウス遺伝子工学やゲノム編集技術の発展に伴い、記憶・学習をはじめとする高次脳機能を分子レベルで語れる時代になってきた。しかし、従来の実験法では遺伝子改変に伴う代償作用や発達過程への影響により、“真実”とは異なる実験結果も数多く報告されている。これらの問題を克服すべく1手段として、最近、脳内の内在性タンパク質に急性かつ可逆的に介入しうるまったく新しいケミカルバイオロジー技術が開発され、神経科学研究に応用されつつある。そこで本シンポジウムでは、脳内の生理機能を分子レベルで精密に解明すべく、独創的な「ニューロケミカルバイオロジー分子技術」について新たな知見を情報共有することをねらいとする。具体的には、脳内の内在性タンパク質を標的としたproteomics、chemical labeling、1分子タンパク質活性制御技術、光・化学遺伝学等、これまでにない新しい化学分子技術を紹介するとともに、神経科学研究での有用性・可能性について討議したい。
3S06e

神経科学と工学の融合的技術によるこころのセンシングとコミュニケーション支援

日時:3月16日(木) 16:30 - 18:30 会場:第6会場
共催:(ムーンショット目標9)ムーンショット型研究開発プロジェクト「多様なこころを脳と身体性機能に基づいてつなぐ「自在ホンヤク機」の開発」、株式会社ミユキ技研
オーガナイザー:
筒井 健一郎(東北大学)
佐々木 拓哉(東北大学)
筒井 健一郎(東北大学)
「神経科学と工学の融合的技術によるこころのセンシングとコミュニケーション支援」
佐々木 拓哉(東北大学)
「齧歯動物における脳と末梢臓器信号に基づいた精神状態の解読」
北城 圭一(生理学研究所)
「脳と身体の準安定的な同期ダイナミクスに着目したヒトのこころの内部状態の解読」
杉本 麻樹(慶應義塾大学)
「ユビキタス光センシングによるバーチャル環境における身体表現の再構成」
稲見 昌彦(東京大学)
「身体の自在化からこころの自在化へ」
ウェアラブルなデバイスを使ったセンシングによるこころの状態の推定や、推定情報に基づく知覚・運動・認知機能などへの介入支援を、神経科学と工学の融合的技術開発により実現しようというプロジェクトが始まった(ムーンショット目標9「多様なこころを脳と身体性機能に基づいてつなぐ「自在ホンヤク機」の開発」)。このシンポジウムでは、こころのセンシングや知覚・運動・認知機能などへの介入支援にかかわる要素技術の現状について紹介するとともに、同プロジェクトが画く未来について議論したい。
3S07e

感覚機能と自律神経系の協調による恒常性調節機構

日時:3月16日(木) 16:30 - 18:30 会場:第7会場
オーガナイザー:
米原 圭祐(情報・システム研究機構国立遺伝学研究所)
市木 貴子(新潟大学 大学院医歯学総合研究科 歯学部)
安部 力(岐阜大学医学系研究科)
「自律神経系を介する抗炎症効果」
市木 貴子(新潟大学医歯学総合研究科)
「迷走神経による消化管内の浸透圧感知メカニズム」
米原 圭祐(情報・システム研究機構国立遺伝学研究所)
「Neural circuits mediating visual input for body homeostasis in mammals」
中島 健一朗(自然科学研究機構生理学研究所)
「空腹による味覚の変化を引き起こす神経回路」
Yu FU(Institute of Molecular and Cell Biology (IMCB) )
「regulation of feeding by tuberal nucleus somatostatin neurons」
感覚機能と自律神経系は相互フィードバックループを形成しながら協調することで生体の恒常性を維持する。しかしながらその神経回路基盤の多くは依然として不明である。本シンポジウムでは視覚や味覚、自律神経系による内臓感覚受容などの様々な分野の専門家が一堂に会し、生体の恒常性を巧妙に維持するメカニズムがどのような感覚機能や神経回路基盤により支えられているのかについて最新の知見を紹介する。若手や海外の新進気鋭の演者に参加して頂き積極的に議論することにより、将来的な異分野共同研究の芽を育むこともねらいとしている。
3S08e

構造情報に立脚した膜輸送体の分子生理学研究最前線

日時:3月16日(木) 16:30 - 18:30 会場:第8会場
オーガナイザー:
小川 治夫(京都大学薬学研究科)
永森 收志(東京慈恵会医科大学 臨床検査医学講座)
入江 克雅(和歌山県立医科大学薬学部)
「原核生物由来ナトリウムチャネルに創出された二価カチオンによる電流阻害の分子機構」
糟谷 豪(自治医科大学医学部 生理学講座統合生理学部門)
「KCNQ1のS1セグメントとKCNE3の適切な相互作用がKCNQ1-KCNE3 K+チャネル複合体の常時開状態化に重要である。」
Pattama WIRIYASERMKUL(東京慈恵会医科大学 臨床検査医学講座)
「Integrative multi-omics and synthetic biochemistry unveil the hidden functions of the known transporters」
小川 治夫(京都大学薬学研究科)
「心筋型リアノジン受容体のCa2+による口機構の構造的基盤」
村山 尚(順天堂大学医学部薬理学教室)
「骨格筋脱分極誘発性Ca2+遊離機構再構成系の開発と動作機構解明への応用」
膜輸送体は生体膜を介した輸送を担い、生理機能維持に不可欠な物質不均衡を作り出す膜タンパク質である。近年のクライオ電子顕微鏡法等の発展で多くの立体構造が解明され、その生理機能の分子レベルでの理解のための「タンパク質立体構造を基にした機能解析」が可能になったが、未だに挑戦的な研究対象である。本シンポジウムは、構造情報を基盤として膜輸送体研究を推進する5人の研究者を結集し、この困難な研究対象との付き合い方の共有を目的とする。入江はNa+チャネルのCaイオン選択性の機序を、糟谷はK+チャネルの開口機構、 Wiriyaserlmkulはアミノ酸トランスポーターの生合成と輸送の機構解析、小川はリアノジン受容体の構造機能解析を、村山はリアノジン受容体の作動機構に基づいた創薬へ向けた展開を行っている。本シンポジウムが、生理学における膜輸送体研究の今後の方向性を考える機会となることを願う。
3S09e

メレオロジカル神経生理学

日時:3月16日(木) 16:30 - 18:30 会場:第9会場
オーガナイザー:
小山内 実(大阪大学)
虫明 元(東北大学)
小山内 実(大阪大学)
「メレオロジカルイメージング神経生理学」
郭 媛元(東北大学)
「脳のメレオロジーのための多機能ファイバ技術の開発」
井口 善生(福島県立医科大学)
「大脳基底核のメレオロジー」
大川 宜昭(獨協医科大学)
「エピソード記憶を司る海馬のメレオロジー」
坂本 一寛(東北医科薬科大学)
「メレオロジーと強化学習の接点」
環境や他の個体とのコミュニケーションを司る脳や神経系は、生体システムにおいて、層間の情報の分岐や収束など、構造的・機能的に極めて複雑な階層構造を持っている。そのため、細胞など脳の「一部分」を精密に解析しても、脳・神経系の機能発現機構を解明することはできない。逆に、入力と出力の関係(=表現型)を精密に測定しても、脳はブラックボックスのままである。したがって、脳や神経系は「全体」と「部分」の相互作用によって機能しており、脳や神経系を理解するためには、その「部分と全体の問題」(メレオロジー)を解明することが必要である。本シンポジウムでは、計測哲学、脳・神経科学、メレオロジー思考についてご講演いただき、議論を行う予定である。
3S10e

生体センシング機能の相互連関と運動中の循環調節におけるその役割

日時:3月16日(木) 16:30 - 18:30 会場:第10会場
オーガナイザー:
小河 繁彦(東洋大学)
菅原 順(産業技術研究所)
片山 敬章(名古屋大学)
「動的運動時の心肺圧受容器反射による血管運動神経活動の調節」
小河 繁彦(東洋大学)
「血管のセンシング機能および運動の影響」
芝崎 学(奈良女子大学)
「運動時の循環応答を修飾する熱因子を中心としたセンサリング機能の影響」
水野 正樹(テキサス大学サウスウエスタンメディカルセンター)
「循環器疾患が運動中のセンサリング機能に及ぼす影響」
循環システムは、自律神経活動を介してその恒常性が保たれている。血管や筋においてセンシングされている生理要因、例えば、血圧、pH、血中酸素・二酸化炭素分圧、筋代謝、筋収縮、温度、血管シェアレイト(血管壁への摩擦刺激)等、からの情報が中枢にフィードバック情報として送られ、脳活動と共に自律神経活動に影響を及ぼしている。各センシング機能の相互連関や脳活動との連関が報告されており、その循環システムへの貢献は複雑である。一方、臨床研究などにおいて、自律神経活動を決定する脳活動や様々なセンシング機能の変容が、呼吸循環器疾患発症の一要因であることが示唆されている。本シンポジウムでは、この各生理機能のセンシングの相互作用に焦点をあて、特に運動中のセンシング機能と血圧等の循環調節への影響についてのクローストークを行い、呼吸循環器疾患への影響を考える。

Luncheon Seminars

ランチョンセミナー

男女共同参画企画ランチョンセミナー
この20年の研究者環境の変遷から考える未来社会へのイノベーション - 今我々に必要な意識改革 -

協賛:NPO法人イノベーション創薬研究所

座長:
志牟田 美佐(東京慈恵会医科大学 薬理学講座)
西谷(中村) 友重(和歌山県立医科大学医学部 薬理学講座)

大坪 久子(元日本大学 薬学部薬学研究所)
「無意識のバイアスのフィルターを外してみよう!」
裏出 令子(京都大学 複合原子力科学研究所)
「無意識のバイアスのフィルターを外してみよう!」
志牟田 美佐(東京慈恵会医科大学 薬理学講座)
「研究者社会における男女共同参画の実態と意識の20年間の変遷」

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