第43回日本分子生物学会年会

第1回ショーケース(シーズプレゼンテーション)

1. 企画概要・趣旨



このたび、第43回日本分子生物学会では、初の試みとして会員の皆様の研究開発中の医療領域の先端的な医薬品シーズ等を国内の投資家(ベンチャーキャピタリスト;VC)や年会への協賛企業等に紹介するマッチングイベントを開催いたします。つきましては、本イベントで自らの医療シーズ・技術を発表したい方 及び 本イベントを聴講したい方 を募集いたします。詳細は、以下をご参照ください。

2. 実施概要

開催日程

2020年12月4日(金)12:00-15:30

開催形式

プレゼンテーション:オンライン開催(Zoom)

質疑応答および交流会:オンライン開催(オンライン会議システム(SpatialChat))

参加方法

事前に本ページから参加予約された方:ZOOM/SpatialChatのアクセス情報は11月下旬にメールでお知らせいたします。
当日参加されたい方:年会視聴サイトからご覧いただけます。(年会参加が必要となります)

当日スケジュール ※多少前後する可能性があります。ご承知おきください。

11:30-12:00 Zoomチェックテスト
「発表の部」
12:00-13:40 発表開始(Zoomウェビナー)
13:40 発表終了
休憩
「質疑応答および交流会の部」
13:50-15:30 (質疑応答および交流会(SpatialChat
※多少前後する可能性があります。

3. 発表テーマ

SC-1 進 照夫(株式会社aceRNA Technologies 代表取締役)

発表内容

RNAスイッチとは、miRNAを認識する配列と蛍光タンパク質や自殺遺伝子などのマーカー遺伝子からなるmRNAを指しています。miRNAは、細胞内に存在し、生命現象の様々な作用機序を制御することが報告されいます。データベースでの報告から重複を省いて自社でリスト化したmiRNAは、2,657種類のものが存在しますが、その機能は未だ明確になっていません。私たちは、このすべてのmiRNAに対応するRNAスイッチライブラリーを所有しており、これらを用いることで、細胞内で特有に働く活性型のmiRNAを検知することが可能であり、miRNAの機能解明に有用であると考えています。RNAスイッチの大きな特徴は、細胞内のmiRNAの活性状態を細胞が生きたまま検出できることであり、この技術により判明した細胞種特異的な活性miRNAを利用することにより、以下のことを行うことが可能です。
1.再生医療に用いる心筋細胞、インスリン産生細胞などiPS細胞/ES細胞から分化誘導した細胞の同定及び純化
2.創薬分野では、疾患関連のmiRNA探索ツールとして使用し、検出したmiRNAに対する短鎖核酸医薬開発またはmRNA医薬への応用

SC-2 山本 佑樹(HiLung株式会社 取締役)

発表内容

呼吸器疾患には、肺線維症や慢性閉塞性肺疾患などの難治性の病態や、本年世界的パンデミックを引き起きしているCOVID-19などのウイルス感染症やARDSなどの急性かつ致死性の病態、嚢胞性線維症や原発性繊毛運動不全症などの遺伝性希少疾患など、様々な疾患が存在する。本領域の問題点として、ヒト外挿性の高い疾患モデルに乏しいがゆえに、非臨床から臨床への橋渡しが困難であったことが挙げられる。このため、多くの呼吸器疾患においては、根本的な治療は肺移植のみである。HiLung社は、京都大学にて確立されたiPS細胞分化誘導システムをコア技術として、多彩な呼吸器疾患モデルを創薬プラットフォームとして提供することで、既存創薬プロセスを革新し、有望な医薬品候補の研究開発を加速させることを目指して設立された。現在、COVID-19感染モデルを始め、量産可能かつ高度に生体を近似した細胞システムをベースに様々な高精度疾患モデルを樹立中であり、2021年度には市場への提供を目指している。また、本コア技術をベースに、細胞治療や臓器再生といった、呼吸器疾患の「根治」を目指したアプローチも展開していく。

SC-3 澤田 照夫(㈱BTB創薬研究センター 代表取締役)

発表内容

米国ではオピオイドの乱用と過剰摂取による死者が2017年は約3万人となっており、オピオイドクライシスと呼ばれるほど重大な社会問題となっている。京都大学にて、マウス及びカニクイザルを用いた薬効薬理試験において、オピオイドのモルヒネと同等以上の疼痛抑制効果を示す新規化合物ENDOPINが見出された。ENDOPINは薬効濃度の数十倍の投与量でも、行動変容や消化器症状・呼吸抑制など、問題となる毒性所見を示さなかった。NSAIDs/アセトアミノフェンでは緩和できない疼痛を十分に抑制可能で、オピオイドのような副作用を伴わないENDOPINを新しい疼痛治療薬として開発する。京都大学発ベンチャーである株式会社BTB創薬研究センターは、京都大学と連携して非臨床試験を充足させ、治験薬のGMP製造を行うとともに、医師主導治験を支援する。ENDOPINの安全性と有効性が確認出来れば、オピオイドに見られる呼吸抑制、消化器症状や中枢性副作用の伴わない、安全な疼痛治療実現に向けて大きく前進する。本剤が承認され臨床に供されるようになれば、術後疼痛など侵害受容性疼痛に対する第一選択薬になると期待され、特に米国での大きな市場性が期待できる。

SC-4 齋藤 優子(㈱サイトパスファインダー 主席研究員)

発表内容

サイトパスファインダーは、固相トランスフェクション(以下、固相法)を基幹技術とした産総研技術移転ベンチャーです。固相法は、米国スクリプス研究所にて弊社の創業メンバーである三宅らがフィブロネクチンなどの細胞外マトリックスが核酸の導入効率を促進することを発見したことがきっかけとなり、産総研で改良を重ね、技術移転後は弊社で研究開発を続け、製品・サービスを確立いたしました。遺伝子導入促進剤の開発、手法の改良により、適用可能な細胞種が広がり、遺伝子導入効率が低いためアッセイに使用できなかった細胞でのトランスフェクション実験を可能にしました。固相法の優れている点として、他の方法ではできないダブルノックダウンが可能であること、データの再現性が高いこと、液相法でトランスフェクションが難しい細胞にも導入可能という実績があること、他の方法と比べて遺伝子導入による細胞毒性が低いことがあげられます。弊社では固相法を応用した技術の開発を続けています。遺伝子編集用固相プレート、3D培養での固相法による遺伝子導入などの応用技術とともに、現在、開発中の応用技術の紹介をさせて頂きたいと思います。

SC-5 德永 慎治(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター リサーチフェロー)

発表内容

私達は軸索変性を抑制することによって、神経疾患に対する新しいクラスの医薬の創出を目指しています。特に、エビデンスに基づく予防・治療法のない化学療法誘発性神経傷害性疼痛(Chemotherapy-induced neuropathic pain, CINP)を対象として、低分子化合物の開発を進めています。現在の開発ステージは、リード候補化合物の選定段階です。これまでに、既知化合物からSARを展開し、マウス後根神経節細胞を用いた薬理試験でサブn Mオーダーで軸索保護活性を示す化合物を見出し、細胞毒性評価の結果を合わせ、複数の母核構造をリード候補化合物群としています。現在、動物PoCを得るためのin vivo CINPモデル試験を実施しています。また、軸索変性は幅広い神経疾患に共通して出現する事象であり、糖尿病性末梢神経障害、緑内障、筋委縮性側索硬化症などへの適応拡大が期待されます。研究チームは、主に国立精神・神経医療研究センター・荒木敏之部長と東京薬科大学・伊藤久央教授の研究グループで構成されています。現在、製薬企業とのパートナリング、あるいはベンチャー企業設立の支援者を求めています。

SC-6 大代 京一(㈱AFIテクノロジー ライフサイエンス事業部長)

発表内容

AFIテクノロジー独自の革新的フィルター技術「AMATAR」を細胞分離のために実用化したELESTA CROSSORTERを紹介します。マイクロ流路によるサイズ分離、細胞がもつ電気的特性による分離、という2つの原理をディスポチップ内で一体化しました。サイズと電気特性という細胞そのものが持つ特徴で分離するため、抗体など標識物を使用することなく細胞をありのまま分取できます。また、2つの原理で連続的に分離するため、多種類の細胞が混在している場合にもワンステップで精密分離が可能となります。たとえば血液(全血)を試料とした場合、サイズ分離で赤血球や血小板、血漿成分を分離除去し、電気特性分離によって白血球と血中循環腫瘍細胞(CTC)など電気的特徴の異なる細胞を分離します。このように、血液中に極微量しか存在しない細胞(CTC)をワンステップで濃縮精製することが可能になります。さらに別の例では、ある細胞の培養液にコンタミした細菌をサイズ除去しつつ、死細胞を電気的特性により除去することが出来ます。このように細胞の分離精製、専用ソフトウェアを使った動画解析による細胞品質管理など、幅広い活用が期待されます。

SC-7 梅津 光央(東北大学 大学院工学研究科 教授)

発表内容

タンパク質は、医薬を中心に総額50兆円をこえる世界市場を生んでいるタンパク質という分子は、「20種類のアミノ酸をどのように並べるか?」を考えるだけで設計できる。しかし、アミノ酸の配列が取り得る「場合の数」(配列空間)は膨大で、その配列空間から目的機能をもつアミノ酸配列を見つけだす作業は、設備・資金の投資額が大きいにも関わらず目的達成確率が低くハイリスクな開発である。その中で私どもは、自然界の進化を試験管内で模倣する進化分子工学において、人工知能である機械学習が小規模な配列集団の情報から進化の方向性を示し、目的機能をもつアミノ酸配列を予測できることを実証した。この機械学習と連結した進化分子工学操作は、必要最小限な配列空間の探索で目的解を見つけることができるため、タンパク質開発の価格破壊が可能であると考えている。現在では、さらに中堅企業が参入しやすいようにワークステーションやパソコンで一般ユーザーが簡単に使うことができる機械学習アプリを開発しており、設備・資金経営リスク面でタンパク質開発に踏み込めない企業の参画促進をターゲットとした事業を行いたいと考えている。

SC-8 発表取り下げ



SC-9 大塚 篤司(京都大学 特定准教授)

発表内容

アトピー性皮膚炎の一部は既存の治療法に未だ難治性である。近年、重症アトピー性皮膚炎患者に対し抗IL-4受容体抗体が登場した。重症例に対する効果は見られるものの生物学的製剤であるため高額でありすべての患者に投与可能ではない。また、標準治療であるステロイド外用剤は、長期間使用することで皮膚の菲薄化などの副作用を引き起こすことが知られており、所謂ステロイド忌避とよばれる患者も多い。我々はアトピー性皮膚炎の原因である、かゆみ、バリア機能の破綻、Th2亢進のすべてに関わる因子に対する低分子化合物Xを用いて、マウスアトピー性皮膚炎モデルでの検討を行った。その結果、マウスの皮膚炎は化合物Xにて優位に改善し、バリア機能の回復もみられた。また、かゆみも抑制すること見出した。現在、化合物の安全性試験をすすめ、来年の治験に向けてPMDAと交渉中である。ショーケース当日は、化合物Xの標的分子とこれまでの臨床データを紹介し、開発パートナーを募集したい。

SC-10 山本 誠(京都大学 事業推進責任者)

発表内容

移植用臓器は通常、臓器保存液中で冷保存されるが、低温で長期間保存すると様々な機能障害を惹起する。腎臓や角膜等は比較的長時間保存できるが、心臓や肺臓では4時間程度しか保存できない。我々は、冬眠中の細胞状態にヒントを得て化合物スクリーニングを行い、臓器レベルで低温障害を抑制できる化合物を見出した。この技術が実用化できれば、保存状態の改善、保存期間の延伸が期待される。
開発化合物は、HUVECなど血管内皮細胞において低温障害保護効果が高く、24時間冷保存したラット心臓において移植後の生着・機能回復を確認し、肺移植モデルにおいても従来の保存液を有意に上回る保護効果を認めた。
心臓や肺で24時間保存可能となれば、ドナーからレシピエントへのアクセスが日本のみならず米国全土で可能となり、移植医療を飛躍的に進捗させることができる。
競合となる類似製品/候補物は存在しないが、既存の臓器保存液への添加剤とすることでユーザビリティの高い製品開発を行い、2021年:2億4120万米ドルと予測される成長市場の移植保存液領域において、最終的に独自パイプラインのライセンスアウトを含め100億円規模の売り上げを目指す。

本イベントに関する問い合わせ先

第43回日本分子生物学会年会展示会事務局(株式会社エー・イー企画内)
ショーケース(シーズプレゼンテーション)担当
〒101-0003 東京都千代田区一ツ橋2-4-4 一ツ橋別館4F
Tel:03-3230-2744
E-mail: e20mbsj@aeplan.co.jp

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