大会長あいさつ

 この度、第18回日本疲労学会総会・学術集会を兵庫県でお世話させていただく事になりました。初夏の2022年6月11日(土)~6月12日(日)、兵庫医科大学の平成記念会館で開催させていただきます。この挨拶を執筆させていただいている時点では、兵庫県も新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が解除され、感染者数・重症患者数が顕著に減少し、またワクチン接種も順調に進捗していることから、現時点では現地での開催を予定しています。

 私の疲労研究との出会いは、大阪市立大学在籍時に渡辺恭良理事長のもとCOEプログラムに参画させていただく機会を得た2004年にさかのぼります。大阪市立大学附属病院における疲労クリニカルセンターの開設、2006年の第2回日本疲労学会(会長:西澤良記)の事務局担当などを通じて、特に生活習慣病の発症・増悪との関連から疲労科学に非常に興味を持つにいたりました。2012年に兵庫医科大学に異動後も、疲労に関連した睡眠障害や自律神経障害に関する研究を継続し、2019年からは「Hyogo Innovative Challenge」と題した脳内ストレスの生活習慣病における意義を解明することを目的とした兵庫医科大学の看板となりうる、全学横断的なプロジェクト研究事業の主任研究者を任されています。

このような背景から今大会のメインテーマは、「脳内ストレスと疲労科学:基礎と臨床の融合」とさせていただきました。疲労を、脳科学と分子メカニズム、慢性疲労症候群、線維筋痛症、生活習慣病との関連、健康科学、新型コロナ感染症などのコアカテゴリーを基本に、プログラム委員の先生方の意見をいただきながら魅力的なプログラムを提供したいと思います。

 多くの先生方が、新型コロナウイルス感染禍の中、日々身体的にも精神的にも大変なご苦労をされていることと思います。そのような中、初夏の週末を疲労科学の臨床・研究に関する学問にたっぷり浸っていただき、活発にご議論いただければと思います。実りある学術集会となりますよう、先生方のお力添えを何卒よろしくお願い申し上げます。

2021年(令和3年)11月1日

第18回 日本疲労学会総会・学術集会
会長 小山 英則
(兵庫医科大学 医学部 糖尿病内分泌・免疫内科学講座 主任教授)